01_Drawings(自作デッサン)」カテゴリーアーカイブ

鉛筆画:テキーラ瓶とかるがものぬいぐるみ(製作途中)Tequila and Karugamo drawn by pencil

Tequila and Karugamo テキーラの空瓶1本とかるがものぬいぐるみ1つが鉛筆でデッサンされている絵を、正面から撮影した写真。絵はスケッチブックに描かれており、スケッチブック全体が写真に写っている。画面左に、テキーラのつややかなガラスのビンが描かれており、ビンには税関のシールやお酒のロゴラベルが貼られている。画面右に描かれているかるがもは、鉛筆で淡くふかふかとした質感で描かれている。

モチーフ テキーラの空瓶、かるがものぬいぐるみ
使用画材 スケッチブック、三菱鉛筆uni、練り消しゴム
製作場所 T先生の絵画教室
光源 自然光と蛍光灯を併用。自然光は3Fの窓から採光、時間帯は14:00~17:00
完成日 2017年12月16日(土)

モチーフについて

テキーラの空瓶は、T先生の教室でお貸し下さったもの。
購入当初は琥珀色の透明なテキーラが入っていたそうだが、残念ながらテキーラそのものにお目にかかることは出来なかったので、琥珀色の強いお酒を思い浮かべながら描いた。お酒を飲めない人間にとっては、酒は想像と創造の世界で愛でるものである。輸入した際のものと思われる関税(?)のシールがまだ貼られており、いい雰囲気を出していたので、それも描くことにした。
数年経ってから、amazonで売られていたモチーフ瓶を発見。ようやくテキーラのお酒の色を把握した。予想よりお酒の色が薄かったので、描く前にまだまだ修行が必要そうである..

created by Rinker
Don Julio(ドン・フリオ)
¥9,800 (2024/04/27 04:16:31時点 Amazon調べ-詳細)

かるがものぬいぐるみは、我が家の古参。
同じ教室内で鳥を油絵で描かれている方がおり、自分も鳥好きなので鳥を描いてみたかったが、モデルになるようないい写真が見つからず、実物に先がけてぬいぐるみのかるがもで描いてみることにした。いずれは雀や山鳩や目白などを描いてみたいと思案している。地味色の鳥ばかりなのは、好みと都会固有の問題である。都会では明るい羽色をした鳥にお目にかかることがほぼない。ぬいぐるみのかるがもは20年来の古参なので、白い羽が経年の汚れで微妙に灰色がかっている部分があるが、そうした部分も再現する予定。

「質感の違い」を描き分けることが、今回も大きなポイントの1つ。今回のモチーフはどちらも茶色だが、片や硬くて透明で光の反射があり、もう片方はふかふかと柔らかく、輪郭さえはっきりしない。また、ぬいぐるみという愛らしいモチーフなので、見る人がきゅんとするような愛らしさを紙の上に再現できれば。

描き方について

テキーラ瓶は、6H鉛筆から4B鉛筆まで幅広く使用。4H・6H鉛筆といった芯の硬い鉛筆は、こうした固く透明なモチーフにおいて威力を発揮する。かるがもは今のところほぼH鉛筆で、部分的にHB鉛筆。

どちらもモチーフが焦げ茶なので、仕上がりが近付くにつれ、手の側面に鉛筆の粉がついて、キャンバスを汚す恐れがある。それを避けるため、2つのモチーフのおおまかな形を取った後は、左のテキーラ瓶から描き込んだ。こうした描き方の方が個人的には描きやすい。デッサンの描き方講座を見ていると、左右並行でバランスよく仕上げていく方も多い。

描いている最中に、かるがもが自宅のどこかに仕舞われてしまい見当たらなくなった。1ヶ月経っても出てこないので、テキーラ瓶のみを仕上げて一旦中断。

水彩色鉛筆画:ガラスボトル(炭酸瓶)

ガラス瓶5本を縦に並べ、白いスケッチブックに鉛筆と水彩色鉛筆でデッサンした絵。モチーフは左から順に、薄緑色のコーラの空瓶、MOETの緑色に金ラベルのシャンパンボトル、白い天使のラベルが貼られたドイツビールの茶色い空瓶、Monopoleの黄緑色のシャンパンボトルの空瓶、ラムネの水色の空瓶。

モチーフ コカコーラの空瓶 1本、ラムネの空瓶 1本、
シャンパンボトルの空瓶 2本、ドイツビールの空瓶 1本
使用画材 スケッチブック、三菱鉛筆uni 数本、ステッドラーの水彩色鉛筆48色セット、
その他色鉛筆多数、茶系水彩絵具、練り消しゴム
製作場所 T先生の絵画教室
光源 自然光と蛍光灯を併用。自然光は3Fの窓から採光、時間帯は14:00-17:00
完成日 2016年02月13日

モチーフについて

水彩色鉛筆を使用したかったので、T先生の教室に保管されていた瓶のうち、色のついた瓶だけを採用。

ラムネ・コーラ・シャンパン×2・ビールと計5本もあるので、構図に悩み、当初はラムネ・コーラ・ビールのいずれか2本を選んで、前列に据えようと思っていた。が、シャンパンの値段が恐ろしく高いこと(下記リンク参照↓)、T先生がシャンパンが一番お好きなことなどモチーフに関する情報を仕入れていくうちに、シャンパンが貴婦人に見えてきたので、前列は貴婦人方にお越しいただくことにした。

created by Rinker
Moët & Chandon(モエ・エ・シャンドン)
¥4,780 (2024/04/27 01:50:31時点 Amazon調べ-詳細)

偶然にも、モチーフに採用した瓶には全て炭酸が含まれていたので、それに気付いてからは「炭酸シリーズ」と勝手に名付けて呼んでいた。5本とも瓶の色も形もラベルも美しく、描いていてとても楽しかった。

描き方について

まず、鉛筆デッサンとして通用するくらい、三菱鉛筆uniで形をしっかり描き込んだ。H鉛筆などで立体を構成する面をがりがり描き込んだが、4B鉛筆以上の濃い黒は、この時点ではまだ置かなかった。

その後、スケッチブック全体に淡いセピア系の水彩絵具を刷いた。茶系の水彩は、いつものごとく2~3色は混ぜた。カラーインクDr.Martin Radiantのセピア↓(28B)は使ったと思うが、水彩用パレットに長年端座したままの色を毎度そのまま使うので、どのメーカーのどの色がスケッチブックに乗ったのかは、描いた本人にも分からない(笑)

最後に、色鉛筆で細部を塗り込む。細部を彩る色鉛筆は、水彩色鉛筆と通常の色鉛筆を区別せず利用した。メインで使用したのはステッドラーの水彩色鉛筆48色だが、MITSUBISHI油性色鉛筆など、他のメーカーの色鉛筆なども使用。

コカコーラ瓶の淡い緑が、手持ちの水彩色鉛筆だけでは出せず、四苦八苦した記憶がある。実物は、もっと色が淡い。水彩で淡い色を出すのは簡単(水を足すだけ)なので、色鉛筆で淡い色を出すのにこれほど苦戦するとは、想定していなかった。
色鉛筆を買い足すなら、濃い色より淡い色を買い足された方が賢明だと感じた。

鉛筆画:壊れたバイオリン a broken violin

弦が1本切れている木製のバイオリン1台を、バイオリン全体が入るよう、スケッチブックに三菱鉛筆でデッサンした絵を写真に撮ったもの。バイオリンは弦の部分を上にして、白く平らな場所に置かれており、バイオリンの顎当ては黒く艶やかに光っている。

モチーフ バイオリン(ミニサイズ)(弦が1本切れている)
使用画材 スケッチブック、三菱鉛筆uni、練り消しゴム
製作場所 T先生の絵画教室
光源 自然光と蛍光灯を併用。自然光は3Fの窓から採光、時間帯は14:00-17:00
完成年月日 2013年09月28日

モチーフについて

モチーフに選んだのは、本物の4分の3ほどの大きさのバイオリン。大きさが小さいだけで、ボディや部品の材質は本物と同じ。ボディは飴色をした美しい木材でできており、描き手のテンションを上げてくれた。バイオリンは、T先生の絵画教室に保管されていたもの。

ミニサイズバイオリンでも実際に音を奏でることも出来るそうだが、残念ながら、描き始めた時には既に弦が切れてしまっていたため、バイオリンの生音を聴くことはできなかった。
元々バイオリンやビオラやチェロなど弦楽器の音が好きで、クラシック音楽にはまってオーケストラや弦楽器の曲ばかりを聴いていた時期もあったので、その時聴き貯めた音を脳内で補いながら描いた。

描き方について

真新しいものより時を経て現在に残存するものの方に心惹かれるので、このモチーフでも、ボディ全体に古さが出るように線を重ねた。鉛筆は6Hから6Bくらいまで使用。

全体的に色が濃いので、普段メインで使うH鉛筆でデッサンすると、後から描き足す2B・4B・6B鉛筆にH鉛筆の繊細な筆跡が全て塗りつぶされてしまう、という私の苦手なパターン。美術大学受験などでデッサンの正規教育を受けた方はこうしたモチーフの場合、黒い部分を最初から芯の濃い鉛筆で描き始めるらしいが、未だにこの描き方をしない。塗りつぶされる分時間が倍かかるが、H鉛筆以下の線がないと、絵がすかすかして繊細さが失われるのではないかと感じる。(単に6B鉛筆で描き始める意気地がないだけ、という訳では断じてない) 画面上で一番暗い「黒」も、十分濃くするよう注意した。正直バイオリンの形を取るより、苦手な黒を濃く強く出すことの方に気を遣った。

木・金属・プラスチックの質感の違いは、残念ながら、この絵では十分に描き出すことが出来なかった。特に木製の質感については、当初バイオリンの艶に全く気付いておらず、艶がないものとして描いていたので、T先生からご指導を受けた。これ以降、T先生から質感の異なるモチーフを1つまた1つと手渡されることになる…。

鉛筆画:年代物のラジオ An Antique Radio

Antique Radio drawn only by pencil.革製の茶色いケースに入ったSONY製の年代物ラジオを鉛筆でデッサンした絵。ラジオ本体は黒色で、プラスチック製。革カバーは茶色で、使いこまれた風合い。絵の背景は白い画用紙。画用紙右下に、鉛筆で何かを描き消した跡が残っている。

モチーフ Sony製の古いトランジスターラジオ
使用画材 スケッチブック、三菱鉛筆uni、練り消しゴム
製作場所 T先生の絵画教室
光源 自然光と蛍光灯を併用。自然光は3Fの窓から採光、時間帯は14:00-17:00
完成日 不明

モチーフについて

ネットで調べてみると、昭和30年代に発売されたトランジスターラジオと大きさや形が似ているので、その頃のものではないかと思う。手に持つとずっしりと重く、革製の立派なケースまで付属している。電池を入れる箇所があり、古い型の四角い電池が入っていた。四角い電池も気に入ったので取り出して描こうかと思ったが、お世話になった日立マクセル社製の古い型の電池が見つかったので、そちらを描くことにした。だが、残念ながら、製作途中で日立マクセル社乾電池がなくなるという事件が起きた。幸い描き上げた後に再発見されたので、いずれは描き足す予定。
どの絵も数か月かけて描くので、描いている最中にモチーフが行方不明になることが時々ある。困ると言えば困るのだが、各モチーフは教室に保管されているもので、そもそも私物ですらない。描けなかったものは縁がなかったのだと、諦める気持ちも肝心である。

これらのモチーフも、触感・質感を描き分けるという課題の一環と理解している。ケースの年季の入った茶革や留め金の金属の質感、ラジオ本体の2種類のプラスチックとざらっとした金属の質感など、異なる質感が盛りだくさんのモチーフだった。ラジオ本体が真四角なので形を取るのは易しいだろうと思い込んだが、ケースや部品の箇所に楕円や小さい円や小さく複雑な凹凸があり、大いに苦しめられた。

描き方について

4Hから6Bくらいまでの鉛筆を使用したと思う。モチーフの色が全体的に暗いので、6H鉛筆は使用しなかった筈。8B鉛筆を使用すると心のヒットポイントが減るので、今回も使用していない。

全体の形を取るのは速かったが、細かい部品や細部の凹凸を描き込むのに数倍の時間がかかった。細部の形に気を取られると全体とのバランスが取れなくなることが多く、描いてみては一部消し、更に描いては全て消す、という残念至極な描き方も多かった。

何度も人の手に触れられたであろう革のケースの質感がとても良かったので、触られて色がまだらになった部分の穏やかな色を再現するよう心掛けた。革ケースを愛でていると、ラジオ本体を描き込む時間が削られてしまい、ずしっとした重さやプラスチックの持つ軽やかさは十分に再現できなかった。結果として質感については及第点に満たなかったので、次回持ち越し。

水彩色鉛筆画:青いワインボトルと色ガラスのランプ a blue wine bottle and colorful glass lamp

画面左は、水彩色鉛筆で描いたピーロート・ブルーのワインの空瓶(pieroth blue burg layer schlosskapelle 2010)。ワインボトル全体が透明な群青色のガラスで出来ており、コルク栓は外されており、細身。画面右は、赤青緑のガラスのランプ。A BLUE BOTTLE WINE AND COLORFUL GLASS LAMP.

モチーフ ピーロート・ブルーの青い空瓶(pieroth blue burg layer schlosskapelle,2010)、色ガラスで出来たランプ
使用画材 スケッチブック、三菱鉛筆uni、練り消しゴム、水彩色鉛筆(ファーバーカステル48色セットなど)
製作場所 T先生の絵画教室
光源 自然光と蛍光灯を併用。自然光は3Fの窓から採光、時間帯は14:00-17:00
完成日 2015年06月27日

モチーフについて

ボトル瓶もランプも、T先生の絵画教室に保管されていたもの。ピーロート・ブルーのスタイリッシュで美しい群青色をしたワインボトルに見惚れ、描かせて頂くことにした。ボトルが細身で置いているだけで美しく、たわわに実った葡萄の描かれた金色のラベルが、群青色のボトルによく似合っていた。カラーインクや油性色鉛筆など、他の画材で描いても面白いと思う。

色とりどりのガラスのランプは、ピーロート・ブルーのワインに釣り合う丁度良いモチーフだった。色のついていない箇所のガラスが厚めで僅かに濁っているところもあったので、少し古い時代に作られたものではないかと推察する。
ランプはN先生の絵画教室でも少なくとも3枚は描いたモチーフなので、ランプは大きさや形を問わず、絵にしやすい題材なのだろう。形が面白く、透明ガラスや金属など質感の異なるものが組み合わされており、単体でも他のモチーフと組み合わせても一幅の絵になる。中にアルコールランプの様な芯が入っているのを眺めたりしたが、実際に火を入れて灯したことはなかった。

反省

描き上げた当初は満足していたが、後から振り返ると、モチーフに対する理解が浅く、モチーフと水彩色鉛筆の魅力を引き出せていないのが目につく。
ワインのwebサイトを確認したところ、”pieroth blue burg layer schlosskapelle”というワインの特徴は、下記のようなものらしい。


『ノーズはフレッシュで、梨と青リンゴのニュアンスを持ち、レモンと柑橘類の含みを伴う。ミディアムボディ、フレッシュ、しなやかでフルーティな風味はまろやかな酸味を示し、滑らかでクリーンな長い余韻』


ワインそのものの色は、ごく淡い上品な小麦色だと後で知った。軽めで少し甘口で女性にも飲みやすく、種々の果物の持つ爽やかさがボトル全体から溢れるような感じなのだろう、と推察する。
こうした雰囲気が漂うよう、もう少しフレッシュさを追求して描いても良かった。お値段もやや高いので、上品さや気高さをプラスしても面白いだろう。機会があればリベンジしたい。

鉛筆デッサン:ボウルとトイレットペーパー a bowl and toilet paper

金属製の料理用ボウルと薄い紙のトイレットペーパー1巻きを、白い画用紙に鉛筆でデッサンした絵。横たわったトイレットペーパーに、ボウルが覆いかぶさるように置かれており、ボウルの下には暗い影ができている。トイレットペーパーは紙が斜めにちぎられている。

モチーフ 金属製のボウル(小)、トイレットペーパー 1巻き
使用画材 画用紙(裏面)、三菱鉛筆uni 数本、練り消しゴム
製作場所 Aスクール
完成日 不明

モチーフについて

2つの物を組み合わせて鉛筆でデッサンする課題の中の1枚。

ボウルもトイレットペーパーも、過去に単体で鉛筆でデッサンする課題を済ませているので、今回は2つを組み合わせて2物の関係性を捉えながらデッサンする。
2物のデッサンは単体デッサンと比較して難易度が格段に上がる。両方の大きさと位置関係をある程度正確に捉え、それを紙の上で表現することができないと、どちらか片方の物が空中に浮いたように見えてしまい、床の存在が立ち現れてこない。2物の影を表現することでしか床は表現できないので、物の大きさ・位置関係のどちらを把握するのも苦手な人間には、拷問の様な課題だった。

今回は片方が真っ白なトイレットペーパー、もう片方が金属製のボウルなので、質感や色の違いも描き分ける必要がある。ふわっとしたトイレットペーパーと硬質な金属ボウルが同じ質感な筈がなく、色も当然のごとくボウルの方が濃い。
また、金属ボウルは鏡のようになっていたので、実際にはボウルの周辺にある様々な物が写り込んで見えていた。が、ボウルの単体デッサンの際に、それら写り込んでいる物全てを描き込もうとして酷い目に遭ったので、今回は大幅に端折って、簡略化した。

描き方について

金属ボウルは、実際より濃く見えるよう塗り重ねた。使った鉛筆の濃さは記憶にないが、絵を見る限り確実に2B鉛筆・4B鉛筆以上を利用し、最も濃い部分に6B鉛筆を載せていると思う。実際の色である銀に近い淡い色を載せるより、この方が本物っぽくなるので不思議なものだ。質感は金属なので、光が反射して見える明るい部分が必ずボウルのどこかにある。(それがなければ、むしろ金属製品を描いていてもつまらない) 光の反射している箇所は、新品の練り消しゴムの白い部分を使って、描き込んである鉛筆線を消した。こうした強い光の表現は、工業製品を描く時の楽しさの一つであり、かつ、緊張する瞬間でもある。

トイレットペーパー単体の描き方は、既に別ページで説明したので割愛。今回は立て置きではなく横置きにしたので、難易度がやや上がっている。横置きだとトイレットペーパーの断面の楕円の形がいびつになるので、形を取るのが難しい。

水彩色鉛筆画:石榴の一枝(製作途中) a pomegranate branch drawn with pencils

石榴の赤い実が1つついた木の枝を三菱鉛筆uniと水彩色鉛筆で描いた習作。

モチーフ 石榴の実と葉がついた枝(ドライフラワー?)
使用画材 画用紙、三菱鉛筆uni、練り消しゴム、水彩色鉛筆セット(メーカー不明)
製作場所 T先生の絵画教室
完成日 2016年冬

モチーフについて

モチーフは、絵画教室の出入口付近に置かれていた石榴(ざくろ)の一枝。

ドライフラワー(?)にされるようで、数ヶ月に渡って干されたまま保管されていた。石榴は数本おかれていたが、うち一枝をお借りして描き始めた当初には、葉も実も約半分だけ色みが残っており、残り半分は茶色に変色している状態で丁度良かった。生き生きとしているものより多少色褪せているものの方が、描く際に想像力の入り込む余地が大きいように感じる。枯れ花はモチーフとしてかなり好きなので、9割方枯れているような草花も個人的には大歓迎。珍しくイーゼルを使用し、イーゼルから一枝を吊るしてセッティングした。

今回の課題は、水彩色鉛筆。この作品で初めて水彩色鉛筆を使用した。

描き方について

T先生曰く、どこまでを鉛筆で描き、どこからを水彩色鉛筆に委ねるかは、描き手によってまちまちとのこと。9割方鉛筆で描き込み申し訳程度に水彩色鉛筆で着色する方もいれば、鉛筆は全体の形を取る程度で制作の殆どを水彩色鉛筆でされる方もいる。
水彩色鉛筆初挑戦の自分は勝手が全く分からなかったので、鉛筆多め水彩色鉛筆少なめで描いてみることとした。水彩色鉛筆に移ってから不足していた部分の描き込みを頑張ったので、結果的に鉛筆と水彩色鉛筆が丁度半々くらいの割合になったと思う。

鉛筆で形を取り、平面上にモチーフを立体として作り上げるところまでは普通のデッサンと同じだったが、鉛筆でどこまでを描くべきかは迷った。普段なら、葉の緑色も実の赤色も鉛筆画の世界に引き入れるとHB以上の濃い灰色で描かれるが、水彩色鉛筆で仕上げることを考えると、鉛筆の時点であまりに濃い灰色を使ってしまうと水彩色鉛筆の工程に移った時に、色がくすんだり、紙に色が乗らなくなる恐れがあった。葉はともかく、実の赤はそれなりに目立たないと画面で主役を張れなくなってしまう。結局、物の影や陰だけを濃い鉛筆で乗せる程度にとどめた。

着彩は、水彩色鉛筆の芯を水で溶かして水彩絵具にして塗るところから始めた。全体を淡く塗るのにさほど時間はかからず、キャンバス全体が早くから薄色で埋まるので、工程全体にかかる時間を短縮出来て良かった。その後水彩色鉛筆を色鉛筆として使い、細部を塗り込んでいった。

鉛筆デッサン:ブックエンド a bookend drawn wirh pencil

青い金属製のブックエンド(本立て)1つを、白い画用紙に三菱鉛筆uniでデッサンし、完成後デッサンを正面から撮影した写真。ブックエンドは立てた状態で置かれており、中央に穴が開けられている。各辺が曲線でできている珍しいデザインのブックエンド。

モチーフ 青い金属製のブックエンド
使用画材 画用紙(裏面)、三菱鉛筆uni、練り消しゴム
製作場所 Aスクール
完成日 不明

モチーフについて

群青色に濃い灰色を混ぜたような色みのブックエンドだった。金属製だが薄く、百科辞典などは支えると折れてしまいそうな、やや華奢なブックエンドだった。右上と左上の角が外に張りだすように歪曲している、デザインの高い形をしていた。

色が好みでなく、描き手の熱意が掻き立てられなかったため、このモチーフにはあまり愛着が湧かない。ブックエンドの形は良かったので、ベージュなどのより好みな色をしていたら、もっと嬉々として描いただろうにと少し残念。
モチーフを好きになれるか、愛着が湧くかは、絵の仕上がりや作品そのものの質に直結してくるように思う。

描き方について

モチーフに装飾等がなく、長方形から微妙に歪んでいるブックエンド上面の形さえ正確に描ければ、色みと金属の質感を加えて仕上げにできる絵だと思う。モチーフが1点なので、2物の位置関係を考える必要がなく、その点は気が楽だった。

ブックエンドの垂直面と水平面が交わる部分においては、光の照り返しがあるため、ほんの少しだけ練り消しゴムで消して、元々の鉛筆の濃さを薄めている。光源がブックエンドより上の位置にある場合、本来であればブックエンドの足元は光から最も遠く、最も濃く書かなければならない箇所だが、先生の助言を受け光の照り返しを入れると、ブックエンドの立体感が増した。不思議なものだ。

形と色を再現するのに時間を食ってしまい、金属の質感は、十分に再現させることが出来なかった。モチーフの質感を精確に表現することは、現在に至るまで、私の課題の1つである…。

完成後この画像を友人に見せたら、単にブックエンドを撮っただけの写真だと思われた。描いた私は、狂喜乱舞(笑) 自分1人ではこうしたデッサンの精確さが出せないので、Aスクールの先生方のご指導のお陰だと思っている。

鉛筆デッサン:トイレットペーパー a roll of toilet paper drawn with pencil

白いトイレットペーパーひと巻きを、白い画用紙に三菱鉛筆uniでデッサンし、完成後正面から撮影した写真。トイレットペーパーは立てて置かれており、薄く柔らかな紙が手前に向かって延びている。

モチーフ トイレットペーパー1巻き
使用画材 画用紙(裏面)、三菱鉛筆uni 数本、練り消しゴム
製作場所 Aスクール
完成日 不明

モチーフについて

石膏以外のモチーフを、単体でデッサンする課題の中の1枚。

デッサンの対象となるモチーフは、1つ1つ質感が違うものが選ばれており、今回は「紙」でトイレットペーパーだった。Aスクールのモチーフ置き場に入っていた、何の変哲もないトイレットペーパーである。(ちなみにAスクールには、プラスチック製の大きな引き出しが10つ以上壁付近に積み上げられており、その中にデッサン用のさまざまなモチーフが保管されていた)

円柱形と平面を組み合わせた形もさることながら、トイレットペーパーの持つ独特の質感が、画用紙の上に再現できるかがポイント。再現できなければ、よくある石膏の円柱をデッサンしたものと、大して変わらない絵になってしまう。
このトイレットペーパーもそうだが、卵やボウルなど、身近にあるのに形や質感が面白い題材は、絵のモチーフとして繰り返し利用しやすいので、デッサンの練習にはもってこいだと思う。
この時はトイレットペーパー単体で描いたが、少し後には料理ボウルと組み合わせてもう1枚デッサンした。

描き方について

三菱鉛筆uniでざっくりと全体の形を取り、質感や陰影などの細部を描き込んでいくという、いつもと同じ手順で描いた。

モチーフが白一色なので、陰や影の部分をどこまで濃くするかは迷った。仕上がった絵を眺めていると、影はもっと濃い黒を置いていた方が、画面にメリハリが出る上トイレットペーパーの白さも際立つので、少々勿体ない事をしていると思う。また、このデッサンだとトイレットペーパーの紙が固そうに見えてしまうので、もう少し薄く柔らかそうな質感を出すべきだった。

以下、反省文。出来上がった絵について明らかに違和感を感じるのは、トイレットペーパーの奥から手前に伸びている一枚紙の部分の陰が、なだらかでない点。本来であれば、トイレットペーパーが机に接する部分は角を感じさせないくらい、陰の濃淡を少しずつ変化させなければならなかったが、当時そこまで技量がなかったためか、面2枚を繋ぎ合わせたような不自然な絵になってしまっている。

この絵を描き終えた後、デッサン技法書で、トイレットペーパー1巻きをほぼ同じ構図で鉛筆でデッサンしている絵を見せて頂いた。トイレットペーパーの紙の凹凸や、ふにゃっとした質感、透けて見えるくらいの紙の薄さが自然に表現されており、一目見て脱帽。単体モチーフだからこそ、己の技量の足りない部分がよく見える、と比較してみてつくづく感じた。