長年風雨にさらされ錆びてしまったハシゴを、さび止めのペンキで塗り直した。
さび止め水性ペンキは予想よりはるかに素人向けで扱いやすく、最終的には玄関の壁や納戸の扉まで自力で塗り直してしまった。
新型コロナウイルスの緊急事態宣言発令中、ペンキが1缶あれば退屈しなかった(笑)ので、外出自粛期間中にはおすすめ。
↑ 塗り替え途中のハシゴ。長年風雨に晒され、錆がひどい。
塗り替えに必要な道具
さび止めペンキそのものを除くと、特別な道具はほぼ必要なかった。
- さび止めペンキ(水性)
さび止めペンキには油性と水性があり、水性ペンキは液体の間は水に溶けるが、乾くと耐水性になるという便利なペンキ。ペンキが濃すぎたら少量の水を入れて薄めることもできるなど、扱いやすさが素人向き。
↑ アトムハウスペイントの錆び止めペンキ缶
アトムハウスペイントさんのさび止めは、細かいことは気にせず「錆の上から直接塗るだけ」という、水性ペンキの中でも特に扱いやすいお品で、今回はこちらを利用させて頂いた。
私はホワイトの200ml缶を購入。
↑ アトムハウスペイントの水性さび止めペンキ(ホワイト)
後日納戸の扉を塗り直す際には、ホワイト700ml缶と200ml缶ホワイトアイボリーを追加購入した。
↑ 同じ製品のホワイトアイボリー。
200ml缶1つで高さ6~7mのハシゴを端から端まで3度塗りできたので、思ったより長くもつな、いう印象。
ハシゴを塗り終えてから納戸の扉にとりかかるまで、およそ4ヶ月間空いた。4ヶ月後に再び開封したペンキは、水分が飛び少しどろっとしていた。水性ペンキなので10mlほど水を足したところ、今度はシャバシャバになりすぎてしまい、逆に焦った(笑)
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- 使い古しの歯ブラシ、ハケ、ローラー
塗り始めた当初、手元にハケがなかったので、古い歯ブラシで代用。ビジネスホテルに置いてあり宿泊後持ち帰れるような、一般的な歯ブラシで問題なかった。但し、歯ブラシでペンキを塗ると塗装表面に筋ができるので、人目につく場所にこの塗り方はおすすめできない。(私が塗ったハシゴは家の最も奥まった場所にあり、家族しか使わない)
後日ペンキ専用にハケやペイントローラーを買い足した。広い面積を塗る場合や仕上がりの良さを重視する場合は、薄づきで広く塗れるペイントローラーが最も適していた。その場合も、扉の取っ手周辺などの細かい部分は、ローラーでは塗りきれないので、歯ブラシやハケで塗装。
ペイントローラーは、ご近所のホームセンターや手芸店で数百円で購入できる。
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- 新聞紙 朝刊1日分 (任意)
ペンキを塗る際に、対象物の近くにある壁や床が汚れないよう新聞紙を2枚重ねて貼る。新聞紙がなければ包装紙・チラシ・養生シート・古布等、お好きなもので。
- 養生テープ・ガムテープ (任意)
新聞紙等が風で飛ばないよう、養生テープ↓で固定し、床や壁を保護する。養生テープがなければ、ガムテープや幅の厚いセロハンテープで代用可能。
- 紙やすり 1枚 (任意)
鉄が錆びている部分は表面がぼこぼこになっているので、紙やすり↓で削り表面を滑らかにする。百円均一ショップにて数枚100円で買える。
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- 軍手や手袋 (任意)
さび止めペンキは皮膚につくとなかなか取れないので、あった方がいい。軍手は百円均一ショップで1組100円で買える。
- (伊達)眼鏡 1つ (任意)
ペンキの飛沫が目や目元に飛ぶことがある。100円均一の眼鏡で構わないので、目を保護するため眼鏡があるとより良い。
- 汚れても構わない服 1着 (任意)
べったりペンキがついても笑って許せる服が必要(笑) 長袖Tシャツやくるぶしが隠れるジャージなど、動きやすく肌を保護してくれる服がおすすめ。
塗り替えにかかった日数(時間)
1日2~3時間 × 3日間 (はしご約5m分)
一度塗ったペンキが乾くのに最低1時間、できれば1〜3時間あけた方がいいので、2度塗りする予定であれば、1日の作業時間を短くし、作業日数を2~3日確保しておく方が確実。
なお、気温が低いと乾くまでの時間が長くなるので、冬に作業される方は要注意。冬場は乾燥だけで3時間くらいかかる。
↑ 塗り替え途中のハシゴ。最下段だけ2度塗りを終えた状態。
水性さび止めペンキの塗り方
ペンキ塗りにかかる時間より準備やペンキの乾燥にかかる時間の方が長いので、そのつもりで予定を組まれるとスムーズに進むと思う。
- 準備
汚れてもいい服に着替え、塗りたい部分の周辺の床や壁に新聞紙を貼る。
ポイントは、新聞紙を広めに貼ること。風で新聞紙が折れ曲がったり、新聞紙が破れたり、ペンキの飛沫が遠くへ飛んだりして、想定より床や壁が保護されないことが多かった。
- 錆びている場所にやすりをかける
塗る前にやすりをかけておくと、錆がはがれ、表面がなめらかになり、塗った後の仕上がりがよくなる。ただ、10cm四方の紙やすりでハシゴなどの大きなもののやすりをかけるのは少々大変なので、アトムハウスペイントさんのペンキに甘え、やすりをかけるのは気になる箇所だけに留めた。
- さび止めペンキを塗る
さび止めペンキの缶の蓋を開け、中に直接歯ブラシの先を突っ込んでペンキを取る。あとは、ハシゴの表面に歯ブラシの先を沿わせて塗るだけ。ペンキの量が少なすぎると、地の錆びた色が透けて見えてしまうので、気になる箇所は2度塗りする心づもりで。
歯ブラシを使って一定方向に塗ると、毛先がストライプの模様を作ってくれるので、塗りムラが目立たなくなる(笑)
- ペンキが乾くまで1~2時間待つ
- 2度塗りする
地の色が見えてしまっている部分や錆びの著しい箇所は、必要に応じてペンキを2度塗りする。ペンキが完全に乾いていることを確認し、ペンキの上からもう一度上塗りする。
私は次回錆びるまでの時間もより長くしたかったので、ハシゴ全体を2度塗りすることを選択。
- ペンキが乾くまで1~2時間待つ
- 後始末
歯ブラシについたペンキが乾いて固まってしまう前に、水洗いして乾かす。床や壁に貼った新聞紙やマスキングテープをすべて剥がす。作業着は全身着替えて、肌についたペンキを洗って落とす。
肌のペンキが落ちにくい時は、女性が化粧を落とす際に使うオイルクレンジングを肌に塗り、それから石鹸とぬるま湯で洗うと落ちた。女性がマニュキアを落とす時に使う除光液を小さい布に含ませて、その布で肌を拭いてもペンキが落ちたように記憶している。
(オイルクレンジングやマニュキア除光液は、百円均一ショップで手に入る)
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↑ 白いペンキの下に、元々のハシゴの色(後ろの壁と同じ色)が透けて見える。この点油絵具と似ている。
水性さび止めペンキを使った感想
「ペンキ」という言葉の響きが、中級以上のDIYを想像させて、実際に塗り始めるまでは心理的なハードルが高かった。が、実際には、下準備に手間がかかるものの、本当に「塗るだけ」で作業が終わった(笑)
ただ、屋外で塗る作業を行う場合、天気や気温や風の強さの影響を少なからず受けるので注意して欲しい。
風が強い日に塗ると、ペンキに含まれる有害な揮発性物質を吸うリスクは低くなるものの、養生テープで止めたはずの新聞紙が止めても止めても風ではがれて飛んでしまい、予想外の作業遅延を強いられた(笑)
また、私は晩秋に塗り始めたのだが、2週間後の2度塗りの日は日没が早まっており、日が落ちてペンキの跡が見えづらくなり、翌日まで仕上がり状況も分からないといった苦戦を強いられた。
そんなこんなで、さび止めペンキを塗るまで意識してなかったことに次々と気付かされ、「期日を守って塗るって大変だな…」と塗装工の方の日頃の苦労を垣間見た気がした。
錆止め水性ペンキの使用上の注意事項
ペンキの飛沫が目や眼鏡に飛ぶ
錆止めペンキを塗った翌日、眼鏡拭きで愛用の眼鏡を拭いていたら、何回拭いても取れない汚れが2~3あることに気付いた。視力の低い裸眼を眼鏡に近づけて凝視してみたら、予想通り、錆止めペンキの飛沫が付着していた(笑)
水性ペンキとは言え、目に直接入るとさすがに危ない。伊達眼鏡等目元を保護する道具はあった方がいいと思う。
↑ アトムハウスペイントの錆び止めペンキ缶の蓋を開くとこんな感じ。液体なので、あちこちにペンキが跳ねる。
風が強いと髪にペンキがつく
屋外で使用する際、風の強い日に錆止めペンキを塗ると、風に吹かれた髪がペンキぬりたての部分に触れてしまい、髪にペンキがついてしまうことがある。
一度髪につくと水で洗う程度では取れないので、ぬるま湯でシャンプー等を使って早めに洗い流してやる必要がある。
髪にペンキがついたまま何時間も放置すると、見た目が宜しくないだけでなく、ペンキに含まれている揮発性の化学物質を吸い続けることにもなるので、身体に良くない。
私は気管支喘息の持病があるのだが、「さほど長い時間ペンキを塗ったわけでもないのに、今日は妙に喘息の症状が出るな」と思っていたら、髪にペンキが付着しており、風呂でペンキを洗い落とすと症状も改善に向かった。
健常者は喘息持ちほどはっきり症状が出ないとは思うが、注意するに越したことはないと思う。
塗り終わったら、衣服は上から下まで着替える
先に述べた、髪についたペンキと同じ理由。水性錆止めペンキには、揮発性の化学物質が含まれており、長時間吸い続けると身体に悪い。
例え1ヶ所でも衣服にペンキがついていると、服を着ている間中有害な化学物質を吸い続けることになるので、錆止めを塗り終わったら、衣服は全て着替えて全て洗濯してしまう方がいい。
塗り終わったら、早めに入浴
錆止めペンキを塗った後、自分でも気づかないうちに、肌にペンキがついてしまっていることがある。
ハシゴを塗り直した際、家族に指摘されるまで、左ひじにペンキがついていたことに私は全く気づかなかった(笑)
一度肌の上で乾いてしまった錆止め水性ペンキは、冷水で軽く洗った程度では落ちない。両手にペンキがついてしまった際、水とハンドソープで2回ほど丁寧に手を洗ったが、それでも半分程度しか落ちてくれなかった。
ペンキが肌にべったりついてしまったら、クレンジングオイルなどより洗浄力の高い溶剤が必要になる。両手に残ったペンキは、風呂に浸かって手を温め、クレンジングオイルをハンドソープで洗う時のように両手にたっぷり塗って、湯で洗い流すとようやく落ちてくれた。
肌に錆止めペンキがついている場合、揮発性化学物質を吸い続けてしまい身体に悪い。
ペンキを塗った日は早めに入浴し、身体についた大小さまざまなペンキを全て洗い流してしまうことをおすすめする。
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