「デッサンアート (入門シリーズ) 」(フォーラム11)

市販の静物画デッサン本の中では、最高ランクのクオリティを誇る本。本気でデッサンに取り組まれた方の技術力を、心ゆくまで堪能できる。

「デッサンアート (入門シリーズ) 」の説明

東京芸術大学の方の描かれたデッサンを参考にしつつ、鉛筆や木炭でのデッサンの考え方を学ぶ本。

モチーフの中心線とアウトラインを見つけて描くことや、光を整理して明暗を組み立てること、ガラス・金属等の質感の違いの表現など、テーマごとに美しい鉛筆・木炭デッサンの絵と解説が書かれています。

「デッサンアート (入門シリーズ) 」の読書感想文

とにかく、クオリティが高い
本のタイトルには「入門シリーズ」と銘打ってあるが、「このクオリティで入門なら、上級シリーズはレンブラントが読むんだろうか」と思わずにはいられないほど、デッサン1枚1枚のクオリティが高く、「市販品でもこんな本があるのか」と読んだ当初は相当驚いた。

解説付きで添えられている鉛筆デッサンが、素敵でつい見入ってしまう。さらっと描かれているように思える椅子も、形や質感が正確に捉えられているだけでなく、光源や光の量まで計算されているので、モチーフが光を受け輝いているように見える。

本格的に鉛筆デッサン・木炭デッサンを修めた方のレベルの高さが、よくわかる1冊だと思う。本物のデッサンを身につけたい方は、是非一度眺めてみて欲しい。このブログに載せている私の拙い絵を何枚か見るより、この本の表紙を飾っているタマネギのデッサンを凝視し、1本1本の線の繊細さや色の濃淡のつけ方、表面の皮の薄くてパリッとした質感などをどのように表現されているかを研究頂く方が、デッサンが上達するだろうと思う(笑)

扱われている題材は静物が多いが、指導下さっている内容も勿論超ハイレベルなので、静物画から人物画まで、デッサンを学ばれている方ならどなたがお読みになっても、新たな学びが見つかると思う。

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