「エジソン ― いたずらと発明の天才」(崎川範行 著) あらすじと読書感想文

小学生向けのエジソンの伝記。幼い頃小学校を追い出され「低能児」のレッテルまで貼られたエジソンが、後年電灯など今の生活になくてはならないものを次々と発明した発明王になるまでを、分かりやすく説明下さっている。

「エジソン ― いたずらと発明の天才」のあらすじ

エジソンは幼い頃から好奇心旺盛で、製材所や造船所に出かけて行っては機械に手を出したり、職人を質問攻めにしては煙たがられるような子だった。小学校でも先生を質問攻めにして先生に煙たがられ、「低能児」の扱いを受けて、ついには小学校を辞めてしまう。

だが、牧師の娘で学校の先生をしたこともあるお母さんに励まされ、小学校を辞めた後、お母さんから教育を受けることになる。8~9才の頃から「世界史」「科学辞典」「解剖」などの難しい書物で学び、想像力を鍛えるため「文学」もたくさん読んだ。

学びながらエジソンは働き始め、働きながらも大好きな実験と物づくりを精力的にやり続けた。12才の時には新聞の売り子をしながら汽車の中で化学実験をし、汽車を白煙でいっぱいにしてこっぴどく怒られたり、苦労して作った装置が全く認められなかったりと、新しい道を進むが故の苦労も何かと多いのだが、とにかく物作りが止まらない。

大人になっても物作りへの情熱は衰えることを知らず、電話の開発と特許取得で科学者ベルと争ったり、電球を発明するのにありとあらゆる材料を試した挙げ句赤字の値段で売り出したりと、周りのだれもが「無理だ」と考え驚くようなことを、次々と成し遂げ成功させていく。

「エジソン ― いたずらと発明の天才」の読書感想文

わずか11才で働きながら実験三昧の日々というのは、子ども心にも羨ましかった。
自分自身もカレンダーを破いては紙の家を組み立てたり、彫刻刀であちこち彫り刻んでは自分の手まで切ってしまい母を慌てさせるような子どもだったから、11歳にして学校に通わず物作りと実験を日々繰り返しているエジソンの姿は魅力的だった。

しかもエジソンは、物作りと実験を重ねながらも10代にして経営まで始め、好きなことを商売としても成り立たせてしまったのだから、大したものだ。

また、数多くの失敗と障害を積み重ねても、それでもめげないエジソンの姿勢に驚かされる。この伝記で読むだけでも、数えきれないくらいの失敗をし、叱責や批判的な反応も数多く食らっている。それでも、伝記のどのページを開いても、エジソンの人生は物作りと挑戦に彩られている。エジソンは、本当に物づくりが好きだったんだろう。どれほどの失敗や障害に出くわしても、可能性が残されている限り、彼には「諦める」という選択肢はないらしい。

好きだから続ける。いいものを作ることが出来れば何よりも嬉しい。そんな気持ちが、ページの端々から伝わってくる本だった。