「11ぴきのねこ ふくろのなか」(馬場のぼる 著) あらすじと読書感想文

「11ぴきのねこ ふくろのなか」のあらすじ

※ストーリーの前半部分のみを記載

ある晴れた日、11ひきの猫たちはリュックを担いで遠足に出かけました

みんなで1列になって歩いて行くと、綺麗なお花畑のそばを通りかかりました。お花畑にはピンクや薄紫の花がたくさん咲き乱れており、とても綺麗でしたが、花畑の前にはたて札が立てられており、「はなを とるな」と書かれています
「いっぱい咲いてるから ひとつぐらいとってもいいさ」「ひとつだけ ひとつだけ」と、とらねこ大将を除く10匹はお花畑に入っていってしまいます。とらねこ大将も最初は「だめっ」と嗜めていましたが、結局みんな1本ずつ花を摘み、花を頭に挿してしまいました。

そうして歩くうちに、谷川にかかっている吊り橋に着きました。吊り橋の前にも看板が置かれており、「きけん! はしを わたるな」と書かれています。11匹の猫たちは、みんな吊り橋を渡ってしまいました。

広い丘の上に出ると、丘の上には大きな木が1本立っていました。木の前にも立て札があり、「木に のぼるな」と書かれています。11匹の猫たちは、またしても、みんな木に登ってお弁当を食べました。

11匹の猫たちがお弁当を食べ終わると、木の下には大きな白い袋が置かれていました。袋のそばの切り株には白い紙が1枚置かれており、「ふくろに はいるな」と書かれています。
11匹の猫たちが押し合いへし合いしながら袋に入ると、どこからか不思議な笑い声が聞こえ、袋の口がぎゅっと締められてしまいました(!) 。

11匹の猫は、緑色の身体をした化け物ウヒアハに生け捕りにされてしまったのです。ウヒアハは口を縛ったままの袋を担いで、どんどん山を登っていき…。

「11ぴきのねこ」シリーズについて

とらねこ大将率いる11匹の猫たちが、さまざまな冒険やチャレンジをするお話。11匹の猫たちは勇敢でわんぱくですが失敗も多く、総じて可愛らしいストーリーが多いです。
現時点で7冊出版されており、発行された本は下記の通り。(下にいくほど新しい本です)

「11ぴきのねこ」
「11ぴきのねことあほうどり」
「11ぴきのねことぶた」
「11ぴきのねこ ふくろのなか」
「11ぴきのねことへんなねこ」
「11ぴきのねこ マラソン大会」
「11ぴきのねこ どろんこ」

「11ぴきのねこ ふくろのなか」は、1982年12月初版、2011年11月第85刷。
定価1200円(税抜)。

「11ぴきのねこと ふくろのなか」の読書感想文

※ストーリーのネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

「やってはいけない」と言われるとやりたくなるという天邪鬼あまのじゃくな気持ちはよく分かりますが、やりすぎると痛い目に遭ってしまう、という絵本です。

好奇心旺盛で天邪鬼あまのじゃく積載オーバーな(昔の私のような)子どもさんに読ませるには、いい薬になる絵本だと思いました(笑) 同様に、反抗期真っ盛りのお子さまにも適しているかもしれません。親の言うことをすんなり聞き入れない反抗期は、子どもの成育にとって非常に重要な過程の1つですが、大人の言うことを聞かなすぎるとと事故など取り返しのつかないことにもなりえます。
絵本を通じて、「本当にやってはいけないこともある」という事実を学ぶには、丁度いい教材になりそうだなあと感じました。

以下余談ですが、緑の化け物ウヒアハは、最後はどこに行ってしまうんでしょうね。バケモノとはいえ、11匹の猫も十分悪いことをしでかしたのですし、ウヒアハだけが樽に入れられて突き落とされたまま消えてしまうのは、少し可哀想だなあ…と思いました。

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