気管支喘息治療にピークフローメーターは必要か

コロナ禍の間は、間違いなくあった方がいい。

ピークフローメーターの値如何で、診察から処方される薬の種類や量まで変わる。また、自覚症状か出るより先にピークフローメーターの値が変わり、病院に行かずに病状がどうなっているかおおよそ分かるので、ローコスト&ハイリターン。

特に新型コロナウィルスが巷に蔓延していると、呼吸器内科への通院はウィルス感染のリスクが高いので、気管支喘息患者は気軽に通院ができない。ピークフローメーターの値は通院判断の目安になってくれるので、コロナ禍の間は絶対にあったほうがいい。
ピークフローの値が良くなっていれば、他の何物にも代えがたい安心感がある

フィリップス社の「アズマ チェック」(ピークフローメータ―)を、ボディ全身が入るよう正面から撮影した写真。

↑ ピークフローメーター 全体像

ピークフローメーターの説明

ピークフロー(peak flow)とは息を思いっきり吐いた時の息の速さのことで、ピークフローメーターとはピークフローを計る道具のこと。

ピークフローメーターは白いプラスチック製で、大人の手のひらほどの長さがあり、たて笛のように口をつける箇所がある。ボディには可動式の赤い目印と、60から800くらいまでの等間隔の目盛りがついている。

フィリップス社の「アズマ チェック」(ピークフローメータ―)の口の部分を撮影した写真。

↑ ピークフローメーター 拡大図

ピークフローメーターを軽く口に咥え思いっきり息を吐くと、吐く息に押されて赤い目印が動き、目盛りの値を指し示してくれる。赤い目印が止まったところが、自分の現在のピークフロー値。

ピークフローメーターを使うと呼吸機能の状態が数字で分かるので、呼吸器が今どのくらい良い(悪い)のかが分かる。

ピークフローの使い方

  1. ピークフローメーターの赤い印を一番下まで下げ、息をしっかり吸う
  2. フィリップス製のピークフローメーターの目盛り部分に近づいて撮影した写真。赤い目盛りは一番下に位置している。

    ↑ ピークフローメーターの赤い印を一番下にセット

  3. ピークフローメーターに口をつけ、勢いよく息を吐く
  4. ピークフローメーターの目盛りの位置を確認する
  5. フィリップス製のピークフローメーターの目盛り部分に近づいて撮影した写真。赤い目盛りは380の値を指している。

    ↑ ピークフローメータ―の値を読み取る。

  6. 手順1~3を3回繰り返し、最も高かった値を記録する

ピークフローメータ―の値は喘息日記に記録すると、発作や息切れなど他の症状と一緒に記録できるので、診察時に使いやすい。
喘息日記は、下記のサイトから無料でダウンロードできる。

喘息日記
https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/00/archives_17750.html

 
 → 喘息日記の詳細については、こちらのページへ

ピークフローメーターは、朝と夜の1日2回程度測るといいとされている。だが私は、発作が月1回未満に収まってきてからは、1日1回しか測っていない…。

医師が編著・監修された「ピークフローメーター活用ガイドブック」

医師が作成・監修された、より詳細なピークフローメーターの使い方ガイドがあったのでシェア。ピークフローメーターの種類や使い方、注意すべき点などが記述されている。
下記のサイトから、無料でダウンロードできる。

ピークフローメーター活用ガイドブック
https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/03/archives_843.html

少し専門的なことも書かれているので、実際にピークフローメーターを使い始めてから読むと、理解がより深まるのでは、と感じた。

フィリップス社のピークフローメータ―を取扱説明書と一緒に撮影した写真。

↑ 取扱説明書と一緒に撮影

ピークフローメーターを使った感想

プラスチック製で、100円均一ショップで売ってそうなシンプルな製品(失礼!)なのに、ピークフローメーターは治療への影響が大きい。何より、医師に診てもらわずとも呼吸器官が悪くなっていないことが分かるので、他の何物にも代えがたい安心感がある。

私は気管支喘息を発症してから3~4ヶ月経ってから使い始め、1日1回測って記録しておき、診察のたびに、医師に直近1~2ヶ月で発作が起きた回数と、ピークフロー値(上限値と下限値)とを伝えている。

ピークフローメータ―と説明書を並べて撮影した写真。

↑ ピークフローメータ―の説明書

主治医の先生曰く、ピークフローメーターは信頼性が高い、とのこと。患者が1人で気軽に測れてしまうものだが、患者が計っても、値は医師が信じるに足る信頼性があるらしい。
主治医の先生はピークフローメーターを購入した方がいいよとは一言も仰られなかったが、私が自己判断で購入した後は、診察のたびにピークフロー値をカルテに書き込まれている。

ピークフローメーターの先端に近づいて撮影した写真。空気の通り抜ける穴が写っている。

↑ 通気口

軽い、持ち運びしやすい

プラスチック製で軽く、落としても割れたりしないので、取り扱いや持ち運びが簡単。
子どもでも重さを意識せずに、毎日でも持ち運ぶことができる。気軽に持ち運びができるので、外出先で喘息発作が起きたときも、症状を確認する手助けをしてくれる。

一度買うと長持ちする

ピークフローメータ―を購入する前は、「薬でもないのに、ちょっと値段が高いな..」と感じていた。だが、購入から4年が経ち、うち2年間は勤務先から旅先まで毎日持ち歩いても、一度も壊れることはなかった。
なので、一度買うと長く使える。大人なら、一度買えば10年は使えるのでは、と思う。

ピークフローメーターを裏返し、全身が入るよう撮影した写真。ピークフローメータの裏面は何も書かれていない。

↑ ピークフローメーター うら面

喘息治療の励みになる

喘息の治療には、毎日喘息の治療薬を吸うことになる。が、毎日毎日吸い続けて1年も過ぎると、さすがに飽きて、だれてくる。発作が減り、咳などの症状も減ってくると、「疲れたし眠いし、今日は薬吸わなくてもいいかな」という気持ちが頭をもたげてくる。

だが、そんな毎日の中で、たまにピークフローの値がいつもより10だけ高い(=良い)値が出ると、気道の炎症が収まり快復に向かっているように感じ、「頑張って毎日薬を吸った成果かな」と感じる。現金なもので、それだけでまた薬を吸おうという気が起きるのだから、私という患者の頭は単純にできていると思う(笑)

最後に

ピークフローメーターは薬として医師から処方されるものではないので、治療に必須ではない。ピークフローメータ―を持ったからといって、症状が急に良くなるものでもない。

だが、喘息は自己管理を要する病で、発作等で症状を悪化(増悪)させることを常に防いでいかなければならない病だ。自己管理や症状のコントロールに着目した時、ピークフローを使えば、記録しやすく客観性も高く、誰でもすぐに取り組めるので、非常に有益なツールだと感じている。

なお、私はフィリップスのピークフローメーターを愛用しているが、他社のピークフローメーターは使ったことがないので、どの企業のものが最良かは判断ができない。
ピークフローの値さえ正確に計測できるなら、どのメーカーのものを使ってもいいのではないかと、個人的には思う。