「ぐりとぐらのかいすいよく」 あらすじと読書感想文

「ぐりとぐらのかいすいよく」のあらすじ

※ストーリーの前半部分のみを記載

野ねずみのぐりとぐらは、静かな海の波打ち際で、砂遊びをしていました。

2匹は遠くの海に何か光るものが浮いているのを見つけましたが、残念ながら、ぐりもぐらも泳げません。光るものが浜辺に流れ着くのを待ってから眺めてみると、光っていたものは、とうもろこしのかわに包まれた、立派なぶどう酒の瓶でした。

ぶどう酒の豊かな香りを感じるぐりでしたが、ぐらは瓶の中身がワインではないことに気づきます。栓抜きではなく巻き貝をコルク抜きにして、なんとかワイン瓶の栓を抜くと、中に入っていたのは、色違いの小さな浮き輪が2つと、手書きで書かれた地図、それに手紙でした。

手紙には、

 しんせつなともだちへ 
 しんじゅとうだいにきてください 
 うみぼうずより

とメッセージが書かれていました。地図を見る限り、海を南に向かって泳いでいくと、真珠灯台に着くようです。

泳げないぐりとぐらでしたが、浮き輪があれば大丈夫。うみぼうずから貰った浮き輪に空気を入れて、いざ冒険に出発です!

「ぐりとぐら」シリーズについて

野ねずみのぐりとぐらが主人公の絵本シリーズ。
ぐりとぐらはお料理することと食べることが大好きで、おいしそうなごはんや森の動物たちが絵本に登場することも多い。
おはなしを中川李枝子さんが、イラストを山脇百合子さんが担当されており、お二人は実の姉妹(!)だそう。

現在出版されている「ぐりとぐら」シリーズの絵本は、下記の通り。(上にいくほど古い)

「ぐりとぐら」
「ぐりとぐらのおきゃくさま」
「ぐりとぐらのかいすいよく」
「ぐりとぐらのえんそく」
「ぐりとぐらのくるりくら」
「ぐりとぐらのおおそうじ」
「ぐりとぐらとすみれちゃん」
「ぐりとぐらの1ねんかん」

福音館出版。大きさは縦20cm×横27cmで、ハードカバー絵本。
大人が読んであげるなら4才から、お子さんがご自身で読まれるなら小学校低学年から、が推奨。

「ぐりとぐらのかいすいよく」の読書感想文

※ストーリーのネタバレを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

相変わらず、子ども心をくすぐるシチュエーション満載の絵本でした。

1番好きだったのは、ぐりとぐらが真珠灯台で真珠を探しに行くシーンです。
泳ぎがとても上手で身体も大きいうみぼうずなのに、身体が大きいことがあだになり、大切に守ってきた真珠を取り戻すことができません。しょんぼりするうみぼうずに代わって、小さな小さなぐりとぐらがしっかり真珠を見つけ出してしまうので、読者としては微笑ましかったです。

また、できないことは補い合い、できることは率先して行って友をより良い方向に導いてあげる、という友だちとの理想的な関係を、ぐりとぐらとうみぼうずは自然に築けているように見えます。
友への配慮と信頼が短い絵本の中にあふれているので、読んでいてあたたかく、素直に「いいなあ」と感じました。

海が舞台の絵本なので、春から夏にかけて読むと、より一層お子さんが楽しめそうです。
「ひらめ泳ぎ」や「くじら泳ぎ」、それに豪快な「いるかジャンプ」など、さまざまな泳法がうみぼうず直伝で紹介されていますので、恐らくどのお子さんも、プールや海で真似して泳いでみたくなるのではないかと思います(笑)

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