「こまったさんのオムレツ (おはなしりょうりきょうしつ 4) 」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

こまったさんからもう1冊。今度はいろんな種類のオムレツを覚えてしまいます。

「こまったさんのオムレツ」のあらすじ

ある日、こまったさんの元に「あなたはオムレツ島旅行に当選しました!」というはがきが届きます。

心当たりのないこまったさんは、不思議に思いつつも、オムレツ島旅行への準備を始めました。

翌朝こまったさんが、ご主人のヤマさんの好物である納豆を出そうと冷蔵庫を開くと、冷蔵庫の中は何故かからっぽ。驚いて冷蔵庫を覗き込むと、こまったさんは九官鳥のムノ君と一緒に冷蔵庫に閉じ込められてしまいます。
狭い真っ暗闇に怯え、こまったさんが叫ぶと、ムノくんは「モウスグ」と鳴きます。

そして再び扉が開いた時には、こまったさんはもうオムレツ島に着いてしまっていました。

でも大変! オムレツを上手に作れないと、オムレツ島からは出られないのです。 オムレツを作るのはとても難しいのですが、こまったさんの必死の奮闘が始まります……。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」など、料理の種類ごとに10冊出版されており、「こまったさんのオムレツ」は、こまったさんシリーズの第4作目です。

「こまったさんのスパゲティ」についてはこちらへ
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「こまったさんのサンドイッチ」についてはこちらへ
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「こまったさんのオムレツ」を読んだ感想

料理絵本の名に違わず、今度の絵本はオムレツの作り方がたくさん出てきます。ほうれんそうオムレツ、トマトオムレツ、じゃがいもオムレツにふわふわオムレツ……。

お料理の作り方のポイントを教えるムノ君マークも健在で、「オムレツのたまごは、かき混ぜすぎると美味しくない」という事実を、この本を読んで初めて知りました(笑)
オムレツはどうしてもたまごをたくさん使うので、砂糖・塩など調味料の分量を正確に入れるのに気を取られ、たまごはつい適当に混ぜてしまっていました…

添えられているイラストも、相変わらずどれもおいしそうです。オムレツ島は明るい黄色でふんわりと柔らかそうに描かれており、「ぐりとぐら」の絵本のカステラを連想させます。

登場人物が作るトマトオムレツは赤いつぶつぶがたくさん入っていて見た目にも綺麗だし、卵の白味を泡立てて作るふんわりオムレツは、読んで想像しているだけでも楽しくて。

絵本を読んでいた頃から時が流れて大人になり、未だにオムレツを綺麗な形に作れない私は、こまったさんの困った気持ちがようやく分かるようになりました。
大人になってから読み直すと、オムレツが作れないといつまでもオムレツ島から帰れないというのは、ちょっと恐怖です!

生卵がどれほど使い放題でも、みんなが喜んで食べてくれるような綺麗でおいしいオムレツを作るのはとっても難しいので我が家にはオムレツ島旅行の当選はがきは来ないで欲しいなと思っています(笑)