「速読速聴・英単語Advanced 1000 ver.3―単語900+熟語100」松本茂 (英語上級者の方向け)

ネイティブの人が使う「生の英語」を理解したい人向け。但し、おすすめできるのはTOEIC800以上の方のみだと思う。

「速読速聴・英単語Advanced 1000」の説明

ネイティブ向けの英語を、違えず理解できるようになるための英語学習教材。

「経済」「外国から見た日本」などをテーマにしたネイティブ向けの新聞記事・雑誌記事が、2~5つに小分けにして掲載されている。どのページも見開き2ページで完結するよう作られており、ページの左側に修正なしの記事と日本語訳、右側に単語の意味や発音記号と、その記事を読むための背景知識が書かれている。
日本語訳は英文一文をまるごと訳してあるのではなく、”looking back at Japanese history(日本の歴史を振り返ってみると)”で訳を区切るなど、一文を節ごとに分け、英語の語順のまま理解できるような日本語訳になっている。

CDも2枚ついているが、ネイティブの速読・速聴のスピードに合わせてあるため、情け容赦なく速い

レベルとしては、TOEIC800以上の方向けだと感じる。TOEIC700未満の方がこの教材を使われると、ストレスを感じる上効率よく学習できるとは言い切れないので、あまりおすすめしない。

私が使ったのは初版だが、現在では記事を刷新した改訂版がver.5まで出版されているようなので、リンクはver.5で貼っておく。

「速読速聴・英単語Advanced 1000」を使った感想

この本で用いられている英語は、教科書レベルを脱した完全にネイティブ向けのものだ。なので、皮肉混じりのイディオムや造語、固有名詞における外国語の表現(Medecins Sans Frontieres 国境無き医師団、など)も原文そのまま盛り込まれている。

私は普段CDで聴き馴染んでから英文を読むという勉強方法を取っているのだが、スピードの速さと聞き馴染みのない表現の多さに、最初は全く聞き取れなかった。
何度か聞くと、流れている英語のトピックスと単語くらいは聞き取れるようになったが、細かな意味までは把握できない。それもそのはずで、テキスト原文を読んでも理解が追い付かないくらい、見たことのない単語やネイティブ普段使いの英語が多用されていた。

テキストの日本語と英語を照らし合わせながら読み込んだが、骨のある教材であることは間違いない。英語原文の全文に日本語訳がついているのでその点は安心できるが、原書の壁をなかなか突破できない私のような人には、いい起爆材になるかもしれない、と感じた。

そしてこの教材をやり始めてから、TOEIC試験のpart4とpart7が怖くなくなった(笑) 
part4は英語長文のリスニング、part7は英語長文のリーディングで、膨大な量の英語を短時間で読まされる箇所なのだが、この教材のスピードの速さと難易度の高さに比べれば、TOEICの英語は比較にならないくらい理解しやすく易しい英語に思える。
英語の長文読解が苦手で伸び悩んでらっしゃるTOEIC800以上の方には、おすすめできる教材かもしれない。が、正面から取り組むと心に負荷のかかる教材であることも、念のため付け加えておく(笑)

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Z会 編集部
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