「ぽんたのじどうはんばいき」(加藤ますみ 著) あらすじと読書感想文

心あたたまる絵本を1冊。ぽんた君がかわいすぎます。

「ぽんたのじどうはんばいき」のあらすじ

たぬきのぽんた君は、ふもとの村で見かけた自動販売機をとても気に入ってしまい、森に帰って自分も自動販売機を作ろうと思い立ちます。

ぽんた君はたぬきですから、葉っぱを何かに変えるのは、得意中の得意。自動販売機に葉っぱを入れてもらい、お願い事を聞かせてもらえれば、ぽんた君が「ぽぽんのぽん!」で葉っぱを欲しいものに変え、みんなのお願いを叶えてあげられるわけです。

「うえのくちからはっぱを入れて ほしいものをいってください。」

そう書かれたお手製の赤い自動販売機の後ろに隠れ、ぽんた君が待っていると、いろんな動物がやってきて、ぽんた君にお願いを始めました。
でもある動物さんのお願いに、ぽんた君はとても困ってしまいます……。

「ぽんたのじどうはんばいき」の読書感想文

この子たぬきさん、かわいすぎます……。何でこんなにかわいいんでしょう。読んでいて大変癒されます(笑)

自動販売機を作って誰かのお願いを叶えてあげるというその発想がそもそも心優しく、目の前で困っている誰かのお願いを何とかして叶えてあげようとする姿がいじらしいです。何ていい子たぬきさんなんだ。

私のようなすれた大人が1人でもいたら、お金や高級品が欲しいなどとお願いして、かわいらしい子たぬきさんの優しい思いを台無しにしてしまうところです…。

閑話休題。

実家にあったこの「ぽんたのじどうはんばいき」は、実兄が幼稚園であまりに読み耽っていたので、卒園式の時に幼稚園の先生がプレゼントしてくれた本だったそうです。

その後成長した兄は見事な世話焼きに育ち、最後には生涯を人のために尽くす医療の仕事に就いたところを鑑みると、ある意味、実兄はこのぽんた君そのものです。
絵本とは、幼い子どもの心を形作り人生さえ影響を及ぼしてしまうという、とても力のあるものなのですね。

小さい頃好きだった本に寄り添うような人生を人は知らず知らずのうちに選ぶ、というのが私の仮説なんですが、今のところ、大きく外れてはいないなあ、という印象です。

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