日経ネットワークの超入門シリーズ

日頃IT技術者として働いているものの、ネットワーク技術者として勤務したことは今まで一度もない。が、ネットワークについて書かれた本や記事を読むのが好きで、あれこれ拾い読み、応用情報処理技術者試験でもネットワーク分野を選択して受験したところ、転職後の新しい職場では「ネットワーク技術者」という似非レッテルが貼られるほど、ネットワークの問題解決に強くなっていた。

実務経験が大事だと仕事ではよく言われるが、机の上の知識だけでもその知識が一定の量と質を超えると、それなりに実務に耐えうるほどにはなるようだ。

ネットワークを楽しむのに利用して質の良かった書物を、このページでいくつか紹介していきたいと思う。ネットワークに強い技術者を目指される方の参考になれば。

「インターネットのしくみ超入門」日経NETWORK出版

日経NETWORK出版の「超入門」シリーズは、専門用語の解説が多く分かりやすかったので、初学者の頃特に重宝した。本のサイズはA4より一回り大きく、厚さは1cm程度。各ページの半分程度の大きさになるよう縮小コピーして通勤鞄に入れておき、通勤時間や昼休みを中心に読み込んだ。
「超入門」シリーズ市立図書館にも蔵書が置かれているので、図書館から借りれば購入せずとも学ぶことができる。

「インターネットのしくみ超入門」の本では、この1冊でITネットワークの全体像がおよそ掴めるようになる。IT系の仕事に転職したばかりの頃職場の大先輩がお貸し下さった本で、駆け出しIT技術者にはぴったりの本だった。

イラストと用語解説が豊富。説明も分かりやすい

重宝したのが、本の巻頭で特集されていた「インターネット・バックボーンのしくみ」と「インターネットの基礎講座」。

webサイトのリンクをクリックしてからサイトが表示されるまで、ネットワーク上でどのような手続きを経ているかが解説されている章なのだが、どのページもネットワークやサーバの構成を図式化したイラストがカラーで提示されており、IT用語はページ上部に別枠で用語の説明が付されている。

ネットワークは初学者だったので「ピア」「ポート番号」「hostsファイル」など最低限のネットワーク用語さえ理解していなかったが、各ページに付されているイラストで概要を掴み、用語説明と本文を何度か読み込むことで、少しずつネットワークの理解を深めることができた。本なので、自分のペースで学習できた点も有難かった。

試験対策にも有効

この本を読んだ数か月後にMCA platformとMCA securityを受験したのだが、超入門シリーズで学んでいた所為か、ネットワーク系問題は呑みこみが早かった。結果、ネットワーク問題で点を落とすことなく、どちらの試験も一発合格出来たので、試験対策としても適した本なのではないかと思う。

最後に(謝辞)

職場の大先輩は、自分が購読しているIT雑誌を1日置きくらいに、無料で部署内に回覧して下さる方だった。お陰で、お金や手間をかけることなく技術力を伸ばすことが出来、5年以上経った今でもとても感謝している。
職場を離れた後はお会いしていないのだが、この業界は割と狭いので(笑)、またご一緒に仕事が出来たらいいなあ、と夢見ている。