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「こまったさんのサンドイッチ (おはなしりょうりきょうしつ 7)」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

「こまったさんのサンドイッチ」の説明

「こまったさんのサンドイッチ」のあらすじ

※前半部分のみ記載

こまったさんは小さな花屋さんを営んでいます。
明日はお店がおやすみなので、ご主人のヤマさんが「明日山へ行こう」と提案し、こまったさんも大賛成。帽子を買いに行き、お店を2件回ってようやくいい帽子が見つかったので、今度はお弁当の支度をしようと思いましたが、夕飯の時間と被ってしまいます。こまったさんの飼っている九官鳥のムノ君が「ベントウ、サンドイッチガ、イイ」と鳴くので、前夜は食パンとかた茹で卵だけを準備して、眠りに就くことにしました。

翌朝目が覚めると、なんと出発の10分前。ヤマさんはすっかり支度を終えて待っています。慌ててサンドイッチを作ろうとしたこまったさんでしたが、ヤマさんが「ん」の付く不思議な言葉ばかり口走るので、怒ってサンドイッチ作りをやめてしまいました。

こまったさんが急いで身支度をしていると、ヤマさんはもう玄関から出ようとします。慌てて空っぽのナップサックを背負い、買ったばかりの帽子をかぶってこまったさんが玄関のドアを開けると、眩しい太陽と一面の野原が目の前に広がっていました。遠くに山が連なり、山のふもとに緑の森が見えますが、呼べどもヤマさんは見つかりません。こまったさんは森に行ってみることにしました。

森に行く途中、こまったさんは1匹の犬と出会います。犬は「パンをあげるから、連れていってください」と食パンの塊を取り出しました。嬉しくなったこまったさんは犬を一緒に連れていくことにしました。そしてしばらくいくと、今度は1匹の猿と出会います。こまったさんは猿の持っていた細長いフランスパンと引き換えに、猿も一緒に連れていくことにしました。

こまったさんが犬と猿を連れて歩いていると、キジならぬ九官鳥のムノ君が慌てた様子で飛んできました。こまったさんが一緒においでと呼びかけると、ムノ君は「ダメ、ダメ、イクト、タベラレチャウ」と鳴きます。こまったさんには何のことか分からず、そのまま森の中へ進んでしまいました。

森の中を少し行くと、木の枝から不思議な札がぶら下がっていました。1枚目と2枚目をやり過ごしましたが、3枚目の札には「したくは、いつも、そろっている。早く食べたい。いらっしゃい」の文字が。ムノ君が「アイテハ、コマッタサンヲ、タベタインダ」と鳴いた時には時既に遅く、こまったさんはあっという間に青鬼にさらわれてしまいます…。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」「こまったさんのハンバーグ」など、料理の種類ごとに10冊出版されており、「こまったさんのサンドイッチ」は、こまったさんシリーズの第7作目です。1987年2月初版。

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「こまったさんのサンドイッチ」の読書感想文

※ネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

こまったさんが誘拐され食べられてしまいそうになるので、こまったさん史上最もスリリングで、ドキドキしました。

桃太郎の鬼退治と「注文の多い料理店」(宮沢賢治 著)とこまったさんを足して3で割ったようなストーリーでしたが、キジ(?)はともかく、犬・猿が助けてくれずに逃げちゃったのは、きび団子をあげずにパンを貰っちゃったからかもしれませんね。
鬼退治のためとはいえ、せっかく美味しそうに出来たフランスパンサンドイッチを食べれない状態にしちゃうのは…勿体なかったです(笑) 鬼夫婦がかぶりつきたくなる気持ちがよく分かるほど、大きくて美味しそうなサンドイッチでした。

「おいしい人間の食べ方」のテレビ番組は、正直見たくありません(笑)が、普段人間に食べられてしまう鶏や豚からすると、こんな気持ちなのかなあ、と思いました。自分の仲間が切られて肉の塊になっているのを見るのは、どんな生き物にとっても、酷なことですものね。食べないと生きられないという人間も他の生き物も、罪な生き物だなと感じました。

「こまったさんのコロッケ (おはなしりょうりきょうしつ 8)」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

「こまったさんのコロッケ」の説明

「こまったさんのコロッケ」のあらすじ

※前半部分のみ記載

こまったさんは小さな花屋さんを営んでいます。
ある日、雑誌社のカメラマンがお店の写真を撮らせて下さいと、こまったさんのお店にやってきました。差し出された名刺には、「まつの こうすけ」という名前が書かれています。困りながらもお花を抱えてポーズをとったこまったさんでしたが、まつのさんのフラッシュが光った瞬間、うっかり目をつぶってしまいました。こまったさんが目を開くと、あたりはお店ではなく野原になっており、まつのさんはスポーツシャツを着たクマになっていました。

クマになったまつのさんがホイッスルを吹くと、サッカーのユニフォームを着たフライパンやお鍋やフォークが集まってきました。どうやら人間チームとサッカーの試合をするようです。人間チームには、ヤマさんをはじめ駅前商店街の人が集まっていました。

試合が始まると、ヤマさんがこまったさんの守るゴール目がけてシュートを打ってきました。何とかボールを受け止めたこまったさんでしたが、サッカーボールだと思っていたものはなんと大きすぎるじゃがいもでした。その後次々にシュートが放たれますが、どのサッカーボールもタマネギやたまごなのです。

その試合は運良く雪が降ってきて中止になりましたが、雪だと思ったものはパン粉の雪で、ますます激しく降るのでこまったさん自身が人間コロッケになってしまいそうでした。その姿を見たクマのまつのさんは、またこまったさんに向かってカメラを構えてフラッシュを焚くと、こまったさんは今度は見知らぬ山小屋の台所にいました…。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」や「こまったさんのオムレツ」など、料理の種類ごとに10冊出版されており、「こまったさんのコロッケ」は、こまったさんシリーズの第8作目です。1987年12月初版。

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「こまったさんのコロッケ」の読書感想文

※ネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

文章にもイラストにもサッカーが出てくるので、サッカー好きの男の子が喜びそうだなと感じました。こまったさんのお店やの屋根や山小屋のカーテンなどに、サッカーボールの五角形のモチーフが描かれていたりして、楽しかったです。

ですが、こまったさんが怒りにまかせてジャガイモを蹴ったり、ムノ君に向かってジャガイモをぶつけようとする場面があるので、初めて読んだ時はいつもの気の弱いこまったさんではない気がして、少し怖かったです。

コロッケの中身は、茹でたじゃがいもかカニクリームの2択くらいしかないと思っていたのですが(笑)、この絵本を読んで、コロッケは意外とバリエーションが豊富な料理なんだな、と気付かされました。
カレー粉入りやヒジキ入り、鶏肉とマッシュルームなどさまざまなバリエーションが付けられることが分かっていれば、たくさん作って何日かに分けて食べることも出来るので、コロッケという手間のかかる揚げ物料理を作る気力も湧いてこようというものです(笑)

年配の方にも出せるあっさり味のコロッケだと嬉しいので、ヒジキと鶏肉あたりを一度試してみたいと思いました。

「こまったさんのカレーライス (おはなしりょうりきょうしつ 2)」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

「こまったさんのカレーライス」の説明

「こまったさんのカレーライス」のあらすじ

こまったさんは小さな花屋さんを営んでいます。
今日はお花屋さんが暇だったので、お店はご主人のヤマさんにお任せして、こまったさんは一足早くおうちに帰ってきました。そこへヤマさんから「友達を2人連れて帰るから、ご馳走を作って待っていておくれ」と連絡が入ります。

お客様をもてなすため、こまったさんはハンバーグから麻婆豆腐までいろいろなご馳走を思案してみましたが、献立がなかなか決まりません。仕方なくお買い物に行ってから決めようとすると、こまったさんが飼っている九官鳥のムノ君が「カレー、カレー」と鳴きました。「カレーなんて、そんな簡単なもの作らないわ」と一度ははねつけたこまったさんでしたが、スーパーから戻ってみると、カレーの材料しか買ってきていませんでした(笑)

まずはタマネギのみじん切りから…とこまったさんが取りかかろうとすると、タマネギの細かい粒が目に入って涙が出てしまいます。ムノ君の助言で水中めがねをつけて、改めてタマネギを刻むと、切った端からタマネギがさかなやエビやイカになってしまい、あたりを泳ぎ始めます。気付けばそこは、まるで海の底のようでした。

こまったさんも切るのをやめてさかなたちと一緒にあたりを泳ぎますが、カレーの材料にと捕まえようとした海老にもまぐろにもまんまと逃げられてしまい、イカに至っては真っ黒な墨を顔に容赦なく浴びせられてしまい…。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」「こまったさんのオムレツ」など、料理の種類ごとに10冊出版されています。「こまったさんのカレー」は、こまったさんシリーズの第2作目です。

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「こまったさんのカレーライス」の読書感想文

※ネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

ごはんを炊き忘れるというのが、いかにもこまったさんらしいなと思いました(笑) ごはんの炊き忘れは、カレーライスを作る方なら誰もが一度はやらかす失敗の1つですね。

そして、メインで登場するカレーより、イカとトマトのカレーバター炒めが美味しそうだなあと思いました(笑) イカなどの魚介類はあっさりとした淡白な味という印象があるので、自分が炒める際もいつも醤油やバター止まりで、カレーの様な強い調味料は合わせたことがなかったのですが、少しピリ辛のイカは夏の夜のビールのアテにとても良さそうでした。新鮮なイカが手に入った時に、一度試しに作ってみたいと思っています。

「こまったさんのサラダ (おはなしりょうりきょうしつ 5)」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

サラダの奥深さが垣間見える本です。

「こまったさんのサラダ」の説明

あらすじ

こまったさんのおうちは小さなお花屋さんを営んでいます。
今日はお花屋さんが大忙しで、夕方近くには殆どお花が売れてしまったので、ご主人のヤマさんはいそいそと遊びに出かけてしまいました。「うちにかえって、おいしいものつくろう」そう言いながらこまったさんが1人でいつもより早めの店仕舞いをしていると、店の中から奇妙な笑い声が聞こえてきます。「きょうのおかずはサラダだけ」そう言いながら姿を現したのは、真っ黒い三角帽子をかぶった魔女でした。

魔女は歌いながらこまったさんのお店の箒で花をつついて回ると、花は次々に野菜や果物へと姿を変えてしまいます。魔女は箒を失くして困っていましたが、こまったさんのお店で無事に見つかったので、箒を頂いて行く代わりにとサラダの材料になる野菜と果物をプレゼントしてくれたのでした。魔女が箒をもう一振りすると、お店の外にかぼちゃの馬車ならぬじゃがいもの馬車が1台停まっていました。

魔女にせき立てられて野菜を馬車に積み込むと、こまったさんの飼っている九官鳥のムノ君も、何故か馬車の天井に止まっています。2人と1羽でじゃがいもの敷き詰められたでこぼこ道を走ると、森の中の小屋へ辿り着きました。小屋の入口にいた雌鶏から、生みたてなのにかたゆでという不思議なたまごを2つ貰い、小屋にあったサラダ油と酢も使って、手作りのマヨネーズを作り始めます…。

歌いながらマヨネーズを作り終えると、こまったさん達は手作りマヨネーズと一緒に馬車の中に戻っていました。今度は馬車の向こうから角を振り立てて怒った牛がやってきます。牛は怒っているようで馬車を避けようともしません。「こまったわ。ぶつかっちゃう」 こまったさんは困りますが、目の前の牛はますます大きくなって…。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」「こまったさんのオムレツ」など、料理の種類ごとに10冊くらい出版されています。「こまったさんのサラダ」は、こまったさんシリーズの第5作目です。

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「こまったさんのサラダ」の読書感想文

※ネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

物語の中では夕方5時を過ぎると魔法が解けてしまい、集めた材料も作ったサラダもドレッシングも、全てあとかたもなく消えてしまうのが残念でした。魔女とこまったさんはサラダを手間暇かけて丁寧に作り上げていたので、あれだけきちんと手作りしたものが、一口も食べずに消えてしまうので、ちょっとしょんぼりしています。(食い意地張っててすみません…)

ですが、この本に出てくるサラダを見ていると、「手間暇かけて作ったサラダは、栄養たっぷりの立派なおかずになり得る」という風に、サラダに対するイメージが変わってきました。サラダと言えば、「ダイエット用の低カロリーなおかず」「すぐ作れる手軽な副菜」という印象でしたが、手間をかけようと思うと、こんなにもかけられるものなのか、と感じます。
フレンチドレッシングが家庭の材料で作れてしまうという事実さえ、この本を読んで初めて知りました。

マヨネーズは未だに手作りしようとは思いませんが(笑)、普段10分程度で作っていたサラダを30分程度時間をかけて作ってみよう、という気にはなりました。この本でサラダ作りのコツを教われたので、きっと今までとは一味違う美味しさのサラダが作れるに違いありません。

「こまったさんのハンバーグ (おはなしりょうりきょうしつ 3)」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

こまったさんシリーズからもう1冊。今度はハンバーグです。

「こまったさんのハンバーグ」のあらすじ

こまったさんのおうちは小さな花屋さんを営んでいます。

いつもの通り、花屋さんで店番をしていたこまったさんは、真っ白なスーツをきた男性に1枚の地図を渡され、バラとカーネーションの花束をこの場所に届けて欲しいと頼まれます。

ですが、届け先の地図には、あるはずのない道が描かれていました。
こまったさんは不思議に思いながらも、花束を積んで自転車に乗り、地図を見ながら辿ってみると、そこには見たこともない街が広がっており、あるはずのない道が出来ていました。牛のパン屋さんや豚の珈琲屋さんなどが立ち並び、まるで動物の街です。

怖がりつつも届け先の家に着いてみると、先程花屋さんに来た真っ白なスーツの男性は、なんとキツネになってしまっていました。
こまったさんが飼っている九官鳥のムノ君が何故かこの家で出迎えてくれ、奥のキッチンにはコックスーツを着たクマやヤギやリスが、いそいそと働いていました。そしてこまったさんの届けたバラとカーネーションを、動物達はばりばりとちぎり始めてしまいます。

驚くこまったさんをよそに、動物たちは歌いながら、不思議な料理を作り始めます……。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」「こまったさんのオムレツ」など、料理の種類ごとに10冊出版されており、「こまったさんのハンバーグ」は、こまったさんシリーズの第3作目です。

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「こまったさんのハンバーグ」の読書感想文

※ストーリーのネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

ちぎられたバラとカーネーションは、最終的にはハンバーグとサラダに化けるんですが、挿絵に載っているこのハンバーグが、綺麗なピンク色をしていておいしそうなんです(笑)
バラとカーネーションのハンバーグなんて、綺麗で夢のあるお話ですね。

こまったさんシリーズはどれも挿絵が秀逸で、作られたごはんがとてもおいしそうに見えます。
色鉛筆(メイン画材)と水彩絵具(サブ画材)で描かれたと思われるような素朴な絵柄ですが、ハンバーグの材料になるひき肉のピンク色が色あざやかでおいしそうで、読んで、イラストを眺めて、また読んで、…と絵と文の両方からこの本を味わっていた記憶があります。
どのページも文章にぴったり合う絵が添えられているので、読んでいる子どもが絵と文とを交互に行き来しても、違和感ありませんでした。

ハンバーグの作り方も、歌やイラストをふんだんに交えながら、可愛らしくも正しい作り方で記載されているように思います。
材料をボウルで混ぜる時も、牛乳と食パンを入れるところから描かれるので、ひき肉の生臭さを食パンに移さないという手順が守られています。生卵と塩コショウまで動物たちが歌う歌に書かれているので、入れ忘れもありません。
ハンバーグの焼き方も、強火で焼き目をつけたあと弱火にしており、折角の肉汁がハンバーグの外に逃げないよう、配慮されています。

この絵本に書かれている作り方を守るだけで、ハンバーグは作れてしまいそうでした。実際、実家の母はこの絵本のレシピを元に、料理を作っていたそうです。

ただ、絵本ではバラとカーネーションが合びき肉の役割を果たしているので、実際に作る時バラとカーネーションの部分だけは、牛豚合びき肉400gに置き換えてあげて下さい。

牛と豚の割合は牛8:豚2が一般的だそうですが、我が家では大抵余っているひき肉を混ぜてしまうので、牛2:豚8になったり、牛6:豚3:鶏1になったりします(笑)
割合はご家庭の味に応じて、で大丈夫だと思います。

「こまったさんのスパゲティ (おはなしりょうりきょうしつ 1) 」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

小学校1~4年生向けの本です。特に料理が上手になりたいお母さんに、おすすめします。

「こまったさんのスパゲティ」のあらすじと説明

「こまったさんのスパゲティ」のあらすじ

こまったさんは、駅前で小さなお花屋を営んでいます。

お花屋さんが今日はお休みで、外は雨、ご主人のヤマさんはベットで朝寝を決め込んでしまったので、こまったさんは冷蔵庫にあったひき肉や玉ねぎを使って、ミートソーススパゲティを作ることにしました。

ペットの九官鳥のムノくんと一緒に歌いながらミートソースを作り上げたまでは良かったのですが、お鍋にスパゲティを茹でる水を張ろうとしても、不思議なことに、水がなかなか溜まりません。

ようやく水が張れ、鍋を火にかけ、スパゲティを茹で始めることができたと思ったら、今度は鍋からスパゲッティが見えなくなってしまいます。
お鍋をお箸で丁寧に掻きまわしてみると、今度はお湯が溢れてきてスパゲティの海に流されてしまいました。

そうしてたどり着いたのは、雑誌で見ていたアフリカの地。見つけたレストランに入ると、ゾウもサイもライオンも「やっとコックが来た」「スパゲティはまだか」と騒いでいて……。

こまったさんシリーズについて

こまったさんシリーズは、ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのハンバーグ」や「こまったさんのオムレツ」など、料理の種類ごとに10冊くらい出版されています。「こまったさんのスパゲティ」は、こまったさんシリーズの記念すべき第一作目です。

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「こまったさんのスパゲティ」の読書感想文

※ストーリーのネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

短い絵本なのに、スパゲティのレシピが3つも出てきます。
ミートソースはひき肉やタマネギから作る方法がシンプルに書かれていますし、あさりたっぷりのボンゴレスパゲティに、スパゲティ・コン・トンノ(まぐろの缶詰とトマトのスパゲティ)という聞き慣れないスパゲティまで登場します。

大人が読んでも、十分楽しめて活用できる本です。普段料理をされている主婦の方なら、お子さんと一緒にこの絵本を読むだけで、料理のバリエーションが増えると思います。

子供の頃の私は、こまったさんがスパゲティの海に流される場面が特に好きでした。
お鍋を小舟代わりにしてスパゲティの海に浮かび、自分の真横を身の丈よりはるかに長いスパゲティが何本も流れていくのを捕まえるなんて、夢がありますね。

この絵本を読んで育ったのに、残念ながら子供の頃は料理は全く作らず、絵本を眺めて楽しむだけでした。
が、大学に進学したあたりから作り始め、2品目に早くも作れるようになったのが、スパゲティでした。

イタリアンレストランでのアルバイトも経験し、パスタは作るのも食べるのも大好きになって、今では週1回「麺の日」を設けて、ナポリタンやトマトソースのスパゲティを作っては家族に振舞っています。

子どもの頃に読んだ絵本は、不思議とどこかで、現在の自分にリンクしていますね。

「21世紀こども百科」(小学館) 読書感想文

小学校4~6年の頃の私の愛読書だった本です。夕ご飯食べた後、習い事の無い日はこの大きな本を引っ張り出し、自分でも不思議なほど飽きずに眺めていました。

「21世紀こども百科」の説明

小学生向けのカラー百科事典です。「おんがく」、「とり」、「でんわ」、「パン」、「リニアモーターカー」など、身近なテーマが分かりやすい言葉で説明されています。

どのページも写真やカラーイラストをふんだんに盛り込む形で編集されています。掲載されているテーマが多岐に渡るので、どんな子でも、自分の興味のあるページを見つけることが出来ると思います。

また、取り上げられているテーマも、さまざまな角度から説明がなされています。
例えば「アイスクリーム」のページでは、いろいろなアイスクリームの写真だけでなく、アイスクリーム工場でどのようなことが行われているかイラスト入りで説明され、アイスクリームの歴史や、ご家庭でのアイスクリームの作り方などが別途添えられています。

「21世紀こども百科」を読んだ感想

とにかく懐かしい!(笑) ああ、これよく読んだなあ。読み過ぎて、未だに本の内容を克明に覚えています。「ほうせき」のページでエメラルドがページのどのへんにあったか、20年経ってもまだ言えます(笑) どんだけ熟読してるんでしょう……。

この本を思い返すと、小学生の記憶力って凄いなと、つくづく感じます。人間の骨は全部で約200個で、脳細胞約140億個など、本に載っているどうでもいいようなことを、小さい子どもは全部覚えてしまうんですよ。時々母に話しては呆れられ、本に書いてないことを質問攻めにしては、よく怒られました(笑)

でもその甲斐あってか、小学校の成績はクラスで5番以内に入るほど良かったです。

子どもの側からすると面白いから読んでいただけなのですが、小学校の国語・理科・社会の授業で困ることが少なかったです。授業に出てくるレベルのことは、この「21世紀こども百科」にも詳しく書かれていることが多かったので、授業の理解がほかの子より早かったのだと思います。
 
そのお陰か友人達からも一目をおかれ、いじめに遭うこともなく、楽しい小学校時代を過ごせました。
子どもの頃に読む本は本当に大事ですね。本好きな子どもは根暗で運動の苦手な子に見えますが、意外にも友人を増やし、私の人生を豊かにをしてくれました。

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「こまったさんのオムレツ (おはなしりょうりきょうしつ 4) 」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

こまったさんからもう1冊。今度はいろんな種類のオムレツを覚えてしまいます。

「こまったさんのオムレツ」のあらすじ

ある日、こまったさんの元に「あなたはオムレツ島旅行に当選しました!」というはがきが届きます。

心当たりのないこまったさんは、不思議に思いつつも、オムレツ島旅行への準備を始めました。

翌朝こまったさんが、ご主人のヤマさんの好物である納豆を出そうと冷蔵庫を開くと、冷蔵庫の中は何故かからっぽ。驚いて冷蔵庫を覗き込むと、こまったさんは九官鳥のムノ君と一緒に冷蔵庫に閉じ込められてしまいます。
狭い真っ暗闇に怯え、こまったさんが叫ぶと、ムノくんは「モウスグ」と鳴きます。

そして再び扉が開いた時には、こまったさんはもうオムレツ島に着いてしまっていました。

でも大変! オムレツを上手に作れないと、オムレツ島からは出られないのです。 オムレツを作るのはとても難しいのですが、こまったさんの必死の奮闘が始まります……。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」など、料理の種類ごとに10冊出版されており、「こまったさんのオムレツ」は、こまったさんシリーズの第4作目です。

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「こまったさんのオムレツ」を読んだ感想

料理絵本の名に違わず、今度の絵本はオムレツの作り方がたくさん出てきます。ほうれんそうオムレツ、トマトオムレツ、じゃがいもオムレツにふわふわオムレツ……。

お料理の作り方のポイントを教えるムノ君マークも健在で、「オムレツのたまごは、かき混ぜすぎると美味しくない」という事実を、この本を読んで初めて知りました(笑)
オムレツはどうしてもたまごをたくさん使うので、砂糖・塩など調味料の分量を正確に入れるのに気を取られ、たまごはつい適当に混ぜてしまっていました…

添えられているイラストも、相変わらずどれもおいしそうです。オムレツ島は明るい黄色でふんわりと柔らかそうに描かれており、「ぐりとぐら」の絵本のカステラを連想させます。

登場人物が作るトマトオムレツは赤いつぶつぶがたくさん入っていて見た目にも綺麗だし、卵の白味を泡立てて作るふんわりオムレツは、読んで想像しているだけでも楽しくて。

絵本を読んでいた頃から時が流れて大人になり、未だにオムレツを綺麗な形に作れない私は、こまったさんの困った気持ちがようやく分かるようになりました。
大人になってから読み直すと、オムレツが作れないといつまでもオムレツ島から帰れないというのは、ちょっと恐怖です!

生卵がどれほど使い放題でも、みんなが喜んで食べてくれるような綺麗でおいしいオムレツを作るのはとっても難しいので我が家にはオムレツ島旅行の当選はがきは来ないで欲しいなと思っています(笑)