薬以外の喘息治療」タグアーカイブ

レルベアに関する些細な疑問とその回答

気管支喘息の記事をいくつか投稿していると、レルベアについて「お医者様に訊くほどではないが、気になる疑問」が、自然とサイトに集まってくる。

喘息治療では「ある患者が喘息にまつわる体験談を別の患者に話し、患者同士が学び合う」という手法が採られることがあるので、それにあやかり、一患者としてレルベアに関するささやかな疑問に回答してみた。

回答する喘息患者のレルベア使用歴

  • 気管支喘息歴:3年1ヶ月
  • レルベア吸入歴:3年1ヶ月 (レルベア200が1年5ヶ月、レルベア100が1年8ヶ月)
  • アレルギー:陽性
    IgE-RAST(アレルゲン物質を探すための血液検査)はハウスダスト2・ダニ2・カモガヤ(=イネ科植物)1・アスペルギルス(=カビ)1
    お医者様からは、アレルギーを起因とする喘息(アトピー型喘息)で環境因子の影響を受けやすい、と言われている。

なお、薬の成分や効能など、正確さを必要とする質問については回答しない(できない)。専門家に尋ねるべき事柄は、呼吸器内科医や薬剤師にお問合せを。

レルベア100を木製の机の上に平置きし、真上から撮影した写真。レルベアの水色にグレーのパッケージの全体像が見えており、子窓に17と表示されている。

↑ レルベア100

Q.レルベアを使った感想は?

吸い始めた当初は「本当に効いてるのかな?」という印象。2年以上吸い続けた後に振り返ると、「よくぞここまで効いてくれた」と称賛。

気管支喘息発症当初、銀行・図書館・スーパー・ドラッグストアなど入店して喘息症状が出ない店の方が少ないくらい、気管支や免疫が過敏になっていた。喘息専門医に頂いたレルベア200より、発症後2ヶ月で中断した「スピリーバ」という別の吸入薬の方が、よく効いたような気もした。
 → ブログ管理人が入れなかった場所の詳細については、こちらへ

だが、2年間毎日レルベアを吸い続けると、喘息発作のひどかった衣料品店・ホームセンターを含む全ての商業店舗に、マスクなしで入店できるようになった。今は処方下さった医師とレルベアに、深く感謝している。

レルベアが効く効かないは、患っている喘息の種類や発症原因や重症度等によっても変わってくるので、一概にすべての方に効果が出るとは言えない。だが少なくとも私個人に関しては、レルベアなしでの喘息治療はあり得なかった。

Q.レルベアを吸い続けると太る?

私はむしろ痩せた
気管支喘息を発症する前と後で体重が5kg減り、レルベアの治療を開始してから2年半で更に1~2kg減った。喘息のコントロールが薬で完全にできるようになってからようやく体重が2~3kg増え、今に至る。

レルベアの影響というわけではなく、呼吸器疾患を患うと呼吸に健常者よりエネルギーを使うので、痩せやすいのではないかと思う。毎日8時間肌に密着するタイプのマスクをつけたまま会社で働くだけでも一日のエネルギーを使い果たし、帰宅時にはクタクタに疲れていることも多い。

レルベアの「薬のしおり」の副作用欄にも「肥満」は書かれていなかったので、レルベアは吸うとすぐさま太る、ということはないと思う。

他の喘息薬と肥満の関係については、調べていないので不明。

Q.レルベアを正しく吸えているかどうかが分からない。味がしない。

レルベアを吸った直後、上の歯と下の歯を強く噛み合わせると、「ザリッ」と細かい砂を噛んだような感触がある。レルベアの粉末が吸い込めており、口の中に粉末の一部が残った場合この感触が得られるので、レルベアを吸えているかどうかの目安になるのでは。
レルベア200は吸った後かすかな甘みを感じることもあるが、殆どの場合、レルベアは無味無臭のように感じる。(特にレルベア100は分かりにくい..)

なお、レルベアのパッケージの表示カウンターが0の状態で蓋を開いても、粉末は出てこないようだ。表示カウンターが0から赤色に変わるので「粉末が充填されたのかな?」と感じるが、吸っても口の中に粉末の感触がなかった。

Q.レルベアと飲み合わせの悪い薬や食べ合わせの悪い食べ物はある?

下記サイト↓を参照する限り、エイズの薬など一部のお薬は、レルベアとの飲み合わせに注意が必要とのこと。

ハイパー薬事典
http://www.jah.ne.jp/~kako/cgi-bin/dwm_se_disp.cgi?2290803

レルベアと食べ合わせの悪い食材は、情報がないので不明。

レルベアでの治療を開始してからインフルエンザ・風邪・抜歯・右肩の痛みを患ったことはあるが、内服薬とレルベアの併用を止められたことは、今のところない。
ある医院では「気になるようであれば、念のため風邪薬を服用後2時間ほど時間を空けてから、レルベアを吸入して下さい」と助言頂いたことがあり、食べ合わせ・飲み合わせが気になる場合は、数時間ずらして服用するようにしている。

なお、医者にかかる際は「おくすり手帳」の持参を忘れずに。 診察前に喘息治療中であることを自発的に申し出れば、大きな被害は防げるのではないかと思う。

おくすり手帳2冊を正面から撮影した写真。うち1冊には錠剤のイラストが描かれている。

↑ おくすり手帳。薬を処方される際に調剤薬局で頂いたもの。

Q.レルベアで治療を続けながら、珈琲を飲んでも大丈夫?

珈琲は気管支喘息にいい影響を与える、と呼吸器内科医の書かれた書籍で読んだことがある。珈琲に含まれる成分に気管支を拡張する働きがあるそうだ。

私自身も、精密検査を受ける前でまだ自分が喘息を発症していると知らない頃、無性に珈琲を飲みたくことが多かった。気管支を広げる成分を、無意識に身体が欲していたのかもしれない。

喘息の発作が週に何度も起きていた時期も、インスタント珈琲を1日1~2杯普通に飲んでいた。(珈琲9:ミルク1の割合にして常飲。普段は無糖、気が向いたら加糖) 私はドリップ珈琲・インスタント珈琲・缶コーヒー珈琲に特定の好みがなく、どれでも分け隔てなく飲む人間だが、特定の製品・銘柄で喘息症状が悪化することも、特になかった。
珈琲を飲んで症状が悪くなるのでなければ、飲んでも差し支えないのではないかと思う。

但し、珈琲は呼吸機能検査の結果に影響を及ぼしてしまうことがあるそうだ。検査に影響が出ないよう、検査の当日だけは珈琲を控える方が良さそう。

参考:Cochrane 喘息患者におけるカフェインの効果
https://www.cochrane.org/ja/CD001112/chuan-xi-huan-zhe-niokerukahueinnoxiao-guo

Q.レルベアを吸った後、うがいをする理由は?

口の中や食道に残ったレルベアの粉末を身体の外に出し、レルベアの副作用を防ぐため。

レルベアに限らず吸入薬には、吸った後口の内にレルベアの粉末が残ってしまうという欠点がある。レルベアの粉末が口の中や食道に残ると、「口腔カンジダ症」と呼ばれる、口の中に白っぽい菌(カビ)が生える副作用が起きやすくなってしまう。

レルベア200での喘息治療中に私はたびたびこの副作用に悩まされ、口の中が常に白くて、気持ちが悪かった。実生活に大きな影響はないものの、歯科通院など口を大きく開ける機会があるたびに、口が気になり困った。
 →ブログ管理人の副作用(口腔カンジダ症)の体験談については、こちらへ

レルベアには、ステロイド内服薬よりはるかに少ない量ではあるが、ステロイドが含まれている。なので、口の中に残ったレルベア粉末は、飲み込んで身体に吸収してしまうよりうがいで体の外に排出してしまった方が、長期的に見て身体への負担が少ない。

Q,レルベアを吸った後のうがいが面倒なんですが?

一患者として、激しく同意(笑)
レルベア100・レルベア200を生産販売しているグラクソ・スミスクライン社の社員さんにお会いする機会があり、こうした疑問を直接ぶつけてみたが、「副作用を防ぐにはうがいしかない」とのことだった…。

身体があまりに疲れておりうがいする気力もない時は、レルベアだけ吸ってそのまま眠ってしまうことも、月に1度くらいある。

Q.レルベアを吸い続けると、味覚障害が起きる?

レルベア100・レルベア200の薬のしおりを拝読してみたが、副作用欄に味覚障害は書かれていなかった。
薬は世に出回る前に臨床試験(治験)が行われるが、臨床試験時の総数1407件の症例において、味覚障害が起きた症例は1例もなかったようで、副作用発症率1%未満の欄にも味覚障害は書かれていなかった。ので、安心して構わないのではないかと思う。

私個人も、3年以上ほぼ毎日レルベアを吸っているが、味覚障害は起こしたことがない。
レルベア治療中より風邪を引いている時の方が、料理の味が分からなくなる(笑)

Q.レルベアを吸って何時間たったら、お酒を飲んでもいい?

私は何も気にせず、レルベア200を吸ったすぐ後に飲み会に参加したことが1~2回ある(笑)
レルベアの薬のしおりに、レルベアをアルコールと併用するなとは書かれていなかったので、恐らく問題ないだろうと思う。(但し、私の飲酒量はコップ1~2杯と少なめなので、酒豪の方の参考にはならない)

逆に、レルベア吸入前にお酒を飲むと、薬を吸い忘れて寝てしまいそうな気がする。薬を吸い忘れる方が怖いので、シラフの間に吸入した方がいいのではないかと思う。

Q.レルベアを1日おきに吸ってもいいか?

やったことがないので未回答。

Q.新型コロナウィルスワクチンの接種日に、レルベアは普段通り吸ってもいい?

ワクチン接種前に近所のかかりつけのお医者様で相談したところ、「喘息のお薬は中断せず、レルベアは普段通り吸入して下さい」とのことだった。気管支喘息の主治医も同意見。
私は既に3回新型コロナウィルスワクチンを接種済み(3回ともファイザー製を接種)だが、接種する当日も、接種の翌日以降に副反応が出ている時も、毎日レルベア100を吸入していた。

なお、新型コロナウィルスワクチンの副反応の種類や強さは、喘息をお持ちでない方々とほぼ変わらなかった。接種の翌日は37度台前半の発熱があり、接種した箇所に痛みがあって寝返りが打てなかった程度。

気管支喘息治療にピークフローメーターは必要か

コロナ禍の間は、間違いなくあった方がいい。

ピークフローメーターの値如何で、診察から処方される薬の種類や量まで変わる。また、自覚症状か出るより先にピークフローメーターの値が変わり、病院に行かずに病状がどうなっているかおおよそ分かるので、ローコスト&ハイリターン。

特に新型コロナウィルスが巷に蔓延していると、呼吸器内科への通院はウィルス感染のリスクが高いので、気管支喘息患者は気軽に通院ができない。ピークフローメーターの値は通院判断の目安になってくれるので、コロナ禍の間は絶対にあったほうがいい。
ピークフローの値が良くなっていれば、他の何物にも代えがたい安心感がある

フィリップス社の「アズマ チェック」(ピークフローメータ―)を、ボディ全身が入るよう正面から撮影した写真。

↑ ピークフローメーター 全体像

ピークフローメーターの説明

ピークフロー(peak flow)とは息を思いっきり吐いた時の息の速さのことで、ピークフローメーターとはピークフローを計る道具のこと。

ピークフローメーターは白いプラスチック製で、大人の手のひらほどの長さがあり、たて笛のように口をつける箇所がある。ボディには可動式の赤い目印と、60から800くらいまでの等間隔の目盛りがついている。

フィリップス社の「アズマ チェック」(ピークフローメータ―)の口の部分を撮影した写真。

↑ ピークフローメーター 拡大図

ピークフローメーターを軽く口に咥え思いっきり息を吐くと、吐く息に押されて赤い目印が動き、目盛りの値を指し示してくれる。赤い目印が止まったところが、自分の現在のピークフロー値。

ピークフローメーターを使うと呼吸機能の状態が数字で分かるので、呼吸器が今どのくらい良い(悪い)のかが分かる。

ピークフローの使い方

  1. ピークフローメーターの赤い印を一番下まで下げ、息をしっかり吸う
  2. フィリップス製のピークフローメーターの目盛り部分に近づいて撮影した写真。赤い目盛りは一番下に位置している。

    ↑ ピークフローメーターの赤い印を一番下にセット

  3. ピークフローメーターに口をつけ、勢いよく息を吐く
  4. ピークフローメーターの目盛りの位置を確認する
  5. フィリップス製のピークフローメーターの目盛り部分に近づいて撮影した写真。赤い目盛りは380の値を指している。

    ↑ ピークフローメータ―の値を読み取る。

  6. 手順1~3を3回繰り返し、最も高かった値を記録する

ピークフローメータ―の値は喘息日記に記録すると、発作や息切れなど他の症状と一緒に記録できるので、診察時に使いやすい。
喘息日記は、下記のサイトから無料でダウンロードできる。

喘息日記
https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/00/archives_17750.html

 
 → 喘息日記の詳細については、こちらのページへ

ピークフローメーターは、朝と夜の1日2回程度測るといいとされている。だが私は、発作が月1回未満に収まってきてからは、1日1回しか測っていない…。

医師が編著・監修された「ピークフローメーター活用ガイドブック」

医師が作成・監修された、より詳細なピークフローメーターの使い方ガイドがあったのでシェア。ピークフローメーターの種類や使い方、注意すべき点などが記述されている。
下記のサイトから、無料でダウンロードできる。

ピークフローメーター活用ガイドブック
https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/03/archives_843.html

少し専門的なことも書かれているので、実際にピークフローメーターを使い始めてから読むと、理解がより深まるのでは、と感じた。

フィリップス社のピークフローメータ―を取扱説明書と一緒に撮影した写真。

↑ 取扱説明書と一緒に撮影

ピークフローメーターを使った感想

プラスチック製で、100円均一ショップで売ってそうなシンプルな製品(失礼!)なのに、ピークフローメーターは治療への影響が大きい。何より、医師に診てもらわずとも呼吸器官が悪くなっていないことが分かるので、他の何物にも代えがたい安心感がある。

私は気管支喘息を発症してから3~4ヶ月経ってから使い始め、1日1回測って記録しておき、診察のたびに、医師に直近1~2ヶ月で発作が起きた回数と、ピークフロー値(上限値と下限値)とを伝えている。

ピークフローメータ―と説明書を並べて撮影した写真。

↑ ピークフローメータ―の説明書

主治医の先生曰く、ピークフローメーターは信頼性が高い、とのこと。患者が1人で気軽に測れてしまうものだが、患者が計っても、値は医師が信じるに足る信頼性があるらしい。
主治医の先生はピークフローメーターを購入した方がいいよとは一言も仰られなかったが、私が自己判断で購入した後は、診察のたびにピークフロー値をカルテに書き込まれている。

ピークフローメーターの先端に近づいて撮影した写真。空気の通り抜ける穴が写っている。

↑ 通気口

軽い、持ち運びしやすい

プラスチック製で軽く、落としても割れたりしないので、取り扱いや持ち運びが簡単。
子どもでも重さを意識せずに、毎日でも持ち運ぶことができる。気軽に持ち運びができるので、外出先で喘息発作が起きたときも、症状を確認する手助けをしてくれる。

一度買うと長持ちする

ピークフローメータ―を購入する前は、「薬でもないのに、ちょっと値段が高いな..」と感じていた。だが、購入から4年が経ち、うち2年間は勤務先から旅先まで毎日持ち歩いても、一度も壊れることはなかった。
なので、一度買うと長く使える。大人なら、一度買えば10年は使えるのでは、と思う。

ピークフローメーターを裏返し、全身が入るよう撮影した写真。ピークフローメータの裏面は何も書かれていない。

↑ ピークフローメーター うら面

喘息治療の励みになる

喘息の治療には、毎日喘息の治療薬を吸うことになる。が、毎日毎日吸い続けて1年も過ぎると、さすがに飽きて、だれてくる。発作が減り、咳などの症状も減ってくると、「疲れたし眠いし、今日は薬吸わなくてもいいかな」という気持ちが頭をもたげてくる。

だが、そんな毎日の中で、たまにピークフローの値がいつもより10だけ高い(=良い)値が出ると、気道の炎症が収まり快復に向かっているように感じ、「頑張って毎日薬を吸った成果かな」と感じる。現金なもので、それだけでまた薬を吸おうという気が起きるのだから、私という患者の頭は単純にできていると思う(笑)

最後に

ピークフローメーターは薬として医師から処方されるものではないので、治療に必須ではない。ピークフローメータ―を持ったからといって、症状が急に良くなるものでもない。

だが、喘息は自己管理を要する病で、発作等で症状を悪化(増悪)させることを常に防いでいかなければならない病だ。自己管理や症状のコントロールに着目した時、ピークフローを使えば、記録しやすく客観性も高く、誰でもすぐに取り組めるので、非常に有益なツールだと感じている。

なお、私はフィリップスのピークフローメーターを愛用しているが、他社のピークフローメーターは使ったことがないので、どの企業のものが最良かは判断ができない。
ピークフローの値さえ正確に計測できるなら、どのメーカーのものを使ってもいいのではないかと、個人的には思う。

水拭き掃除で気管支喘息とハウスダストアレルギーの悪化を防ぐ

水拭き掃除が必要な理由

埃や花粉は人体に必要ない。それどころか、呼吸器疾患の原因になる

埃や花粉の粒子は、人体の構成や成長に必要な物質ではないので、人間の身体(免疫)からすると「異物」という扱いになる。これは、健常者とハウスダストアレルギー&気管支喘息患者のどちらにとっても変わりはない。

体内に入った埃や花粉は、通常鼻の粘膜や気管支の繊毛せんもうを使い、体外に押し出される。咳などを伴って、外にはじき飛ばされることもある。だが、「異物」が体内に入ることは、鼻や口から肺へと続く呼吸器官にとって、不必要な刺激になる。

こうした不必要な刺激が度重なると、鼻や喉の粘膜は乾燥し、抵抗力が落ち、風邪やインフルエンザなどの呼吸器疾患にかかりやすくなる。と同時に、呼吸器疾患がかかりやすく治りにくい環境でもあるため、単なる風邪が悪化してより重い疾病へと発展しやすい。

また、粒子の大きい埃は鼻から喉の奥に向かう通路を詰まらせることがあり、そうした状況が慢性化すると副鼻腔炎ふくびくうえん(蓄膿症)を発症しやすくなる。
よりサイズの小さい埃、所謂いわゆるPM2.5などの直径0.004mm以下の浮遊粉塵ふゆうふんじんは、肺の奥まで到達し、肺に沈着してしまう。こうしたごく小さな粒子は、少量であれば人体に影響はないのだが、多量に吸い込むと肺癌や塵肺じんぱい等、重篤な疾患の原因になることが知られている。

なお、2018年現在で、肺癌は5年後生存率が約39%しかなく、適切な治療を施しても、5年後には約60%の方が亡くなってしまう。(値はあくまで一般的な事例であることを、闘病者の方のために付け加えておく) 塵肺じんぱいに至っては、未だに有効な根治療法こんじりょうほうが見つかっていない。こうした疾病に対し、発症してから対策を講じるのは、遅すぎると言わざるを得ない。

埃や花粉はアレルギー疾患を引き起こす

厚生労働省の調査によると、平成23年の時点で日本国民の2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患りかんしており、数年前と比較して増加傾向にある、とのこと。体質次第では、埃や花粉はアレルギーを発症・悪化させる直接の原因になりえる。

アレルギーを引き起こすのは体内にある免疫という仕組みだが、免疫が一度学習してしまうと修正することはなかなか難しく、一度アレルギーを発症すると、数年はマスクと生活上の不便がつきまとう生活が待っている。マスク生活が大変煩わしく面倒であることは、皆様ご承知の通りだ。

ちなみに私はハウスダストアレルギーだが、発症した当初、アレルギー症状が強く出すぎて、スーパーにもコンビニにも入店できなかった。発症から数年経ち症状は緩和されてきたが、未だにマスクは手放せず、「埃が積もっている」というただそれだけの理由で近付けない場所も多い。

床掃除だけでは不完全

掃除機は、床など部屋の底面にある埃しか取り除いてくれない。だが、人体への影響を考えれば、机や棚や空気中など、口や鼻により近いところにある埃を除去しなければ、掃除としては不十分ではないかと思う。
特に、ダイニングや自室などの滞在時間の長い部屋において、堆積した埃は百害あって一利なし。取り除いてしかるべきだろう。

また、埃には上から下へ落ちる性質がある。浮遊粉塵ふゆうふんじんと呼ばれる直径が小さく軽い粉塵をとってみても、落下速度が遅く落下に長い時間がかかるだけで、この性質は変わらない。そのため、床から上の掃除を怠ると、部屋の上方から埃が降ってきて床を汚す、という残念な結果が生まれる。
「掃除してもいつのまにか部屋が汚れている」とはよく聞く話だが、もしかしたら床中心に偏った掃除方法にも原因があるのかもしれない。

水拭き掃除のポイント

最初に、脚立や椅子に乗って部屋を見渡す

気管支喘息とハウスダストアレルギーを患ってから、掃除に脚立が入用になった

部屋の高い位置にある埃の場所と量を把握したいので、掃除の前にまず脚立や背の高い椅子の上に乗り、視線の高さを高くして、部屋をざっと見渡す。視線の高さが変わると、「これを今まで見落としてたのか」と衝撃を受けるくらい、古い埃の塊が部屋のあちこちに残っていることに気づく。

古い埃の積もりやすい場所は、

  • 冷蔵庫の上
  • (背の高い)棚の上(特に本棚)
  • 電灯の笠の上
  • エアコンの上
  • 部屋の壁の上部
  • 天井

等々。埃を溜めこむ「埃の貯蔵庫」の例には、枚挙に暇がない。

実例その1:電灯の笠

脚立の重要性をお伝えすべく、数枚画像を掲載。埃だらけで美しくもない画像だが、ご容赦頂けると有難い..。

蛍光灯を目線の高さから(蛍光灯下から)見上げて撮影した写真。蛍光灯は白く光り、プラスチックの白いカバーがかけられている。写真には蛍光灯の右半分しか写っていない。

↑ 目線の高さから見上げた時の蛍光灯

掃除機をかけている時など、目線の高さから見上げると蛍光灯はこのように見える。特に、何も問題ないように感じるが、

天井付近から蛍光灯を見下ろして撮影した写真。蛍光灯の白いカバーの上に、どす黒い埃が大量に乗っている。蛍光灯は白く光っており、右半分だけが写真に写っている。

↑ 脚立に登り同じ蛍光灯を天井付近から見下ろした図

脚立に上り見下ろすと、同じ蛍光灯がこのように見える。奥の黒い部分は、全て埃。人体に悪影響を及ぼし喘息・アレルギーを悪化させる物質を、身近にこれほど溜め込んでいたのかと思うと、割と衝撃を受ける。

蛍光灯を拭き掃除した後に、脚立に登り天井付近から蛍光灯を見下ろして撮影した写真。蛍光灯を覆っていた白いプラスチックカバーから黒い埃が全てなくなり、真っ白で清潔感のある蛍光灯になった。

↑ 水拭きした後、蛍光灯を脚立に登って再度確認した図

水拭き掃除を行った後はこんな感じ。こうしておくと、台風の風が吹いても埃が落ちて来ないので、部屋は汚れず身体への悪影響もない。

布に水をたっぷりと含ませて拭く

バケツに風呂の余り湯をたっぷり入れ、バケツを家中に持ち歩いて拭き掃除をすると便利。
埃を拭いた後の布は、すぐさまバケツに浸けてしまえば、埃が再び舞い上がることはまずない。特にダニアレルゲンは水溶性なので、水に浸けると流れていってくれる。

狭い場所は物差しと輪ゴムを使う

定規に古布を巻きつけた、即席の掃除ツール。

↑ 物差しに古布を巻きつけたもの。水に浸して使う。

家具の隙間など狭い箇所に溜まった埃は、長さ20cm以上の物差しに布を巻きつけて輪ゴムで留め、物差しごとバケツの水に浸すと、狭い箇所の埃を取ってくれる即席の便利ツール↓になってくれる。シンプルだが割と便利。

使い捨てお手拭きも掃除道具

布は水をたっぷり含むものなら何でも構わないが、使い捨て出来る布(洗わないで済む)の方が埃に触る時間が短いので、身体的に負担が少ない。私は綿100%の使い古した服(Tシャツなど)をハサミで手のひらサイズに切っておき、使い捨てにしている。

白いビニールに入った飲食店のお手拭きを撮影した写真。Vie De Franceの青いロゴと、セブンイレブンのロゴが、パッケージの表面に印刷されている。おしぼりはどれも開封されていない。

↑ 使い捨てのお手拭き。簡単な拭き掃除ならこれで十分。

意外なところでは、コンビニや食事処で貰える使い捨てのお手拭きも、雑巾ぞうきん代わりになる。水気が蒸発してかさかさになってしまったお手拭きでも、まとめて水に浸してしまい、使った順に使い捨てると掃除が早い。

百円均一ショップで購入したアルコール入りウェットティッシュを撮影した写真。青いプラスチック製のパッケージに「除菌」と印刷されている。

↑ 市販のウェットティッシュ。複数枚入っていて便利

布をいちいち水につけるのが面倒という方は、百円均一ショップで売られているウェットティッシュを購入し、各部屋に1つずつ常設してしまえばいい。こうしておくと、1~2分の隙間時間で拭き掃除できるようになるので、掃除のために時間を取る必要もなくなってくる。
私は、パソコンの起動待ちの時間やプリンターで印刷待ちの時間で、手近な机と棚を水拭きしてしまうことが多い。

クエン酸・セスキ炭酸ソーダを併用すると、より効果的

セスキ炭酸

↑ セスキ炭酸

棚や机の埃を取り除く際、単なる水拭きでも全く構わないが、どうせなら埃以外の手垢・水垢みずあかの汚れも取り除きたい。そんな時クエン酸水セスキ炭酸ソーダ水を水に少量溶かし、その水に布を浸して拭くと効率がいい。

セスキ炭酸ソーダ水なら手垢汚れがよく落ち、クエン酸水なら水垢みずあか汚れがよく落ちる。

クエン酸の粉末を撮影した写真。粉末は白く、一粒一粒が大きく、山のようになっており、木目の板の上に載せられている。

↑ クエン酸の粉末

特にクエン酸は、レモンや梅干しに豊富に含まれている成分で、食品添加物の一種。水に溶かす前のクエン酸の粉末をそのまま口に入れても害がないほど人体に優しいので、自宅の水拭きにはクエン酸水を使うことが多い。
クエン酸の詳細についてはこちらへ
セスキ炭酸ソーダの詳細についてはこちらへ

 

水拭きの注意事項

新しい埃より古い埃を撲滅する

新しい埃よりも年月の経った古い埃の方がアレルゲン物質が多いという調査結果があるが、私の経験上も、新しい埃より何年も積もったままの埃を吸う方が、ハウスダストアレルギーの症状が出やすく、身体へのダメージも大きい

この点からも、床掃除より棚の上や棚の奥に積もった古い埃をどこまで撲滅できるかどうかが、喘息とハウスダストアレルギーの治療の重要な鍵を握っている。

私は喘息発症から2年が経過する頃まで喘息重症度が高く、古い埃の掃除を避けて通ることができなかった。だが、重症度が下がり、薬の量や頻度が下がりはじめると、古い埃の退治も毎回必須ではなくなった。一度おき、二度おき、と少しずつ頻度を下げていき、今では半年に一度で済むようになった。

最初は大変だと思うが、いずれは楽になると念じて頑張ってみて欲しい。

喘息・アレルギーの調子の良い時に行う

水拭きで古い埃を減らそうとすると、アレルゲン物質であるハウスダストとダニの大群(=埃の塊)に向き合うことになる。埃を取り除くはずが、逆に喘息発作を引き起こし症状が悪化してしまうこともあるので、注意が必要。

水拭きする際は、N95マスクなど性能のいいマスクは必須。窓全開かつ換気扇フル稼働など、換気も万全の態勢で臨む。

身体の調子の悪い時は、自分で掃除しない方がいい場合もある(無理に掃除しても、身体が悪化しては悪循環にはまるので…)。喘息発作の気配を感じたら、すぐに掃除を止めて、窓の外に顔を出す、屋外に逃げるなどの対応を。
埃の水拭きにおいて、逃げの姿勢はとても大切。

気管支喘息とハウスダストアレルギーの治療に適したマスク

ハウスダストアレルギーと気管支喘息の発作を効果的に防いでくれるマスクがようやく見つかり、文字通り毎日持ち歩いて愛用している。が、なぜか、そのマスクはドラッグストアの店頭で見かけたことがない

ウイルス対策マスクのパッケージ外観を、正面から撮影した写真。パッケージは緑色で、「ウイルス対策マスク」「SFC・F95-A」「普通サイズ」とロゴが印刷されてる。

↑ Favorite Mask!

ドラッグストアの店頭に並んでいるマスクは、マスクと肌の隙間から空気が漏れてしまうマスクが多い、と感じる。ハウスダストアレルギーの体質があり既にアレルギーの症状の出ている方や、気管支の弱い方が、そうしたマスクでハウスダストや花粉の侵入を防ごうとすると、マスクと肌との隙間から異物が口や鼻に入り込んできて、喘息の発作が起きてしまう

とはいえ、スーパーや本屋など病院ではない店内に入る時まで、肌に完全密着するSARS対策用N95マスクを着けるのは、さすがに目立って恥ずかしい。

「ハウスダストとダニと花粉は確実に防ぎたいが、普通の形をした市販のマスクで、性能の良いものはないか」

と10種類近くマスクを試し回った結果、こちらのマスクに落ち着いた。

繰り返し使用できるウイルス対策マスク

行きついたのは、花粉対策マスクではなく、ウイルス対策マスクだった(笑)
調べたところ、花粉とウイルスでは粒子の大きさが大きく異なるそうで、花粉よりもウイルスの方がずっと小さい。空気中のウイルスを高い確率で遮断できるなら、ウイルスより粒子の大きい埃や花粉も、遮断できることになる。

ちなみに、連続使用時間は12時間で、10回繰り返し利用でき(=10回使用してもウイルス遮断率が落ちない)る。普通サイズも、小さめサイズもある。

抗ウイルスマスクのおもて面を撮影した写真。

↑抗ウイルスマスク拡大図(表) おもて面は不織布。

抗ウイルスマスクの裏面(拡大図)

↑ 抗ウイルスマスクの裏面(拡大図) うら面は木綿。

ハウスダストやダニの遮断効果が高い

このウイルス対策マスクを着けたまま10~20分身体を動かすと、花粉用マスクとの違いがはっきりと分かる。

「何か、息苦しい」

微小のウイルスを99.8%遮断するほど高性能のフィルターが、ウイルス対策マスクの布の部分に備わっている。そのため、やってくるウイルスやハウスダストの大半をシャットアウトする代わりに、空気の透過率も低めなのだと思う。

使い始めた当初は、息苦しい=喘息発作が起きた と早とちりし、慌てて安全な場所に逃げたりしていたが、単に一時的に空気が少なくなったことによる息苦しさなので、心拍数やピークフローメータの値を計ると、値が正常の範囲内でキープしていた。
アレルギー症状が起き、喘息発作が起きると、心拍数は毎分90回を超えるが、このマスクの着用時は、息苦しさを感じても、心拍数は毎分60回前半~70回後半を保っていた。
(ちなみに外出の際は、心拍数で安全・危険を便宜的に判断することが多い。外出先で、都度ピークフローメーターを取り出して計るのが手間なので…)

このマスクのお陰で、スーパーや百貨店など、生活に必須なのに訪れることの出来なかった、あらゆる場所に入りやすくなった。店内では歩くので、ウイルス対策マスクを着けていると多少息苦しさを感じるが、少し息苦しいくらいで行きたい場所に行けるなら、何の文句もない。
喘息やアレルギーのためブログ管理人が入れなかった場所については、こちらへ

自宅掃除の際も、N95マスクかウイルス対策マスクを着けている。より密着度の高いN95マスクの方が喘息発作を起こす確率は低いが、N95マスクが手元にない時や真夏のむし暑い時は、ウイルス対策マスクで代用している。(真夏にN95マスクをつけると、口元だけがサウナのようになる…)

終日マスクを着けていられる

不織布2枚と帯電化学繊維1枚と木綿生地という4層構造になっているので、花粉用マスクより分厚く、作りがしっかりしているように感じる。着け心地は花粉用マスクとさほど変わらず、圧迫感はなく、1時間以上着けていても、ゴム紐で耳が痛くなったり、跡がついたりするようなこともない。

ウイルス対策マスクの4層構造フィルタが図つきで説明されている。

↑ パッケージ裏面に掲載されていた図。フィルタの4層構造が分かりやすく説明されている。

肌への密着度を上げて埃シャットアウト効果を高めるべく、マスクの紐を結んで短くして使うことも多いが、それでも耳が痛くなった記憶がない。(耳が痛くなるより先に、息が苦しくなるからかもしれないが…)

マスクの連続使用時間は12時間が限度だそうだが、ハウスダストアレルギーの場合、喘息発作の起きる場所は「室内」か「埃or煙の多い場所」に限られるので、発作の起きそうな場所でだけ使っている。12時間ぶっ通しで使ったことは、残念ながらまだないが、8時間なら支障なく使えた。

抗ウイルスマスク全体が入るようにマスクの上から撮影した写真。えんじ色のカーペットが背景にある。

↑ 抗ウイルスマスク全体像。

繰り返し使える

汚れや臭いが付かない限りマスクを繰り返し使ってok、という点には驚いた。
実際に着けてみて試しても、本当に繰り返し使え、繰り返し使っても臭いがついたり、へたれたりしなかった。埃を防ぐ機能も落ちていないようで、何度か使った後のマスクを着用して出歩いても、咳込んだり、喘息発作の回数が増えたりすることはなかった。

抗ウイルスマスクのパッケージについている、Repeat10のロゴを拡大した写真。赤と黒の文字で「Repeat 10」とはっきり書かれている。

↑ マスクのパッケージについている「10回繰り返し使用可」のロゴ。

ウイルスを殺すため、3枚のマスクを用意して1日(12時間)使用するごとに48時間陰干しする必要はあるが、帰宅後自室の窓を開けて付けていたマスクを吊るしておけば済む話なので、手間はかからない。

春夏に至ってはウイルスは正直どうでもよく、ハウスダストとダニだけ食い止めて貰えればそれでいいので、外出時だけ着用して1週間に1度だけ干すという横着な使い方をしているが、特に問題なかった。(衛生面ではアウトかもしれないが…)

ちなみに、水や洗剤などで洗う必要はない。

抗ウイルスマスクの製品パッケージ裏面を撮影した写真。

↑ パッケージ裏面。

ウイルス対策マスク1枚で、連続12時間×10回分使えると仮定すると、マスク3枚で計360時間使える計算になるので、実は使い捨てのマスクより圧倒的にお安く、経済的である

ハウスダストアレルギーに効果ありなら、花粉症の方にも効果が高いと思うので、何故このマスクが小売店で売られていないのか、よく分からない。

マスクの性能(遮断度)をアップさせる

耳にかける紐を固結びして短くすると、マスクと肌との隙間が狭くなり、より密着度が増す。密着度が増すと、マスクを通さずにやってくるハウスダスト・ダニ・花粉・ウイルスの量を減らすことができる。

単純すぎる方法だが、異物を防ぐ効果は不思議と高かった。マスクのフィルター性能より、マスクの密閉度の高さの方が、ハウスダストやダニを防ぐのに関係が深いのかもしれない。ウイルス対策マスクに限らず、市販の花粉防止用マスクや飛沫防止用のサージカルマスクでも、同じ方法を用いることができる。

白いウイルス対策マスクの紐を固結びし、正面から撮影した写真。紐の真ん中に結び目が出来ているのが見える。背景はベージュの石。

↑ マスクの紐を縛った後はこんな感じ。

抗ウイルスマスクを使用する上での注意事項

夏は汗やファンデーションで汚れやすい

真夏にも愛用していたが、汗や汗で落ちた化粧がマスクについてしまい、10回使う前にマスクが汚れてしまうことが時々あった。
白いマスクなので、汚れが付くと目立つ。また、ファンデーションや日焼け止めも汗とともに落ち、マスクを汚してしまうことがあった。

夏に利用される際は、汗を軽く拭いてから使用する、冷房の効いた室内と室外では別のマスクを使用するなど、一工夫すると良いと思う。

気管支喘息患者が職場内の煙草の煙を避ける方法

気管支喘息を患ってしまったら、煙草の煙は極力吸わない方がいい。気管支喘息は気管支に炎症が起きており、炎症が治るまでに、毎日吸入薬を吸い続けても半年以上かかる。煙草は健常者でも肺や気管支が悪くなってしまうほど有害物質を含んでいるのに、喘息患者が直接的・間接的に煙草の煙を吸うと、気管支を刺激してしまい、気管支喘息がより治りにくくなってしまう。

だが、日本の社会には、何と喫煙者の多いことか…。日本の喫煙率は約30~40%で、3人に1人くらいが煙草を吸っている。職場の直属の上司や同僚が喫煙者である場合も少なくなく、飲み会や信号待ちの歩道などで、喘息患者の目の前ですぱすぱ煙草を吸われることもしばしばある。

周囲との人間関係を壊さず、煙草の煙(受動喫煙)から身を守る方法のうち、実際に実践出来ているものを、以下に記載。

喫煙者の権利を言葉に出して伝える

大前提として、喫煙者にも、自分の好きな場所で好きな時間に煙草を吸う権利はある。

喫煙所など禁煙エリア以外の場所で喫煙者が煙草を吸い続けるのを、止めることはできない。喫煙者が20年後30年後に肺を悪くしようとこちらには関係のない話なので、要は、喘息患者が副流煙の被害に遭わないよう、如何に対策を取るかに尽きる。

上司の機嫌を損ねる必要もないので、「煙草のお好きな方は吸って頂いて構いません」「喫煙者の喫煙の権利は妨げる意志はありません」と、言葉に出して事前に伝えておく。

喫煙が引き起こす病気には、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のように非可逆性の病もあり、初期症状がないため病状が進行するまで気付きにくく、進行すると服を着替えるだけで息切れするなど生活に強い制限がかかることもある。だが、今を楽しんで喫煙している方に先すぼみの未来予想図を伝えたところで、伝わらないことの方が多く、大抵の場合反感を買うだけで終わってしまう。
そのため、喫煙者が将来負うであろう自己責任については、体内に吸い溜めしている時限爆弾と時の流れに、全てを委ねるに限る。

煙草の煙が気管支喘息の治療の妨げになることを、言葉で伝える

喫煙者に喫煙の権利を認めた上で、煙草の煙が気管支喘息患者の身体に宜しくないことを、折に触れ言葉で伝える。

私は、上長との面談や、同僚との雑談の中で伝えることが多い。ポイントは、先に喫煙者の権利を全面的に認めることだと思う。後から自分の権利を主張した方が、受け入れられやすい。

伝える先は、公私問わず自分が普段関わる人達全員。全員は少し言い過ぎかもしれないが、そのくらい幅広く自分の状況を伝えておくと、喘息患者だと気付かなかった相手が、目の前で煙草を吸い始めるリスクを減らすことができる。
職場だと、上司・同じチームの同僚・同じフロアの庶務さん・人事総務部・所属は違うがよく喋る人、等々。プライベートだと、会話やメールの中だけでなく、Facebook等のSNSの自己紹介欄や近況欄でも軽く伝えておく。

目の前で煙草に火をつけられてから自分の状況を説明したのでは、お互い気まずいので、事前に早めに伝えておく方がいいと思う。

マスクは終日着用

伝えるべきことを伝えたら、自分の身体を守るための対策は全て行う。

マスクは終日着用し、極力外さない方がいい。私はマスクなしでは就業許可が下りなかったので強制終日着用だが、それほど酷くない方も、身体に合うマスク一枚で煙草の煙から埃・花粉・ウイルスまで、防げるものが随分と増える。「飲み物を飲む時以外マスクは外さない」くらいの方が、身体にとってはいいのではないかと思う。

最もおすすめのマスクは遮断率の高いN95マスクだが、顔が鼻の上までマスクに覆われちょっと周囲をギョッとさせてしまうので、目立ちたくない方は市販の抗ウイルスマスクでもいいと思う。抗ウイルスマスクなら、マスクの紐を軽く縛り、肌との密着度を高くして使用するのがおすすめ。
 → 筆者おすすめのマスクはこちら

煙草を吸った人には、30分間半径5m以内に近づかない

街で見知らぬ喫煙者が歩き煙草していたら、半径5m内には近づかない。どうしても5m内に入らざるを得ない時は、息を止めてやり過ごす。

職場でも同様で、上司に呼ばれても上司が喫煙直後なら、少し離れて会話するか、後ほど時間をとってゆっくり話すようにしている。幸い、最近はメール・チャット・SNS・WEB会議で仕事を進めることが増え、直接対面で話す割合が減ってきたので、今のところ特に問題なく実行出来ている。

ここまで徹底する理由は、たとえ職場や店が分煙で喫煙所が別室だったとしても、煙草を吸った後約20分間は、喫煙者の口元から副流煙が流れ続けるから。
周囲の方が紙煙草ではなく電子煙草を愛用されているとしても、電子煙草の身体への影響は研究され尽くしたとは言いがたく、医学論文や研究レベルで情報が十分に出揃っているとも言えないため、現時点では紙煙草と同じ扱いにしている。

喫煙所周辺は厳重警戒

分煙の職場では、喫煙所が別室に設けられていることがある。だが、建物の構造が古かったり、喫煙者数が多かったり、喫煙者のマナーが悪かったりすると、喫煙室の外まで煙が漏れ出していることがある。

エレベーターホールや女子トイレにまで煙草の臭いがするので、一度私物の空気測定器を持ち込んで職場内を計ってみたことがあるが、喫煙室から2~3mの場所にある部屋はpm2.5が69μg/m3で、7~8m以上離れた部屋でも44μg/m3あった。

pm2.5は黄砂や大気汚染の問題でよく登場するが、人の健康を維持するのに望ましいと環境省が提示している基準(環境基準)では、pm2.5は1日平均35μg/m3以下とされている。

微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報 – 2.環境基準について
https://www.env.go.jp/air/osen/pm/info.html#STANDARD

人に健康被害を与え得る濃度のpm2.5が、喫煙室周辺ではごく日常的に垂れ流されていることが分かり、驚愕した。あまりに値が高いので、別の日に改めて計り直してみたが、結果は変わらなかった。1日平均までは計測しなかったので定かではないが、呼吸器疾患を発症・悪化させうる環境であることは間違いない。

全ての職場がこのような状況とまでは言えないが、喘息持ちである以上、「喫煙室には近づかない」くらいの気持ちでいた方がいいだろうと思う。

喫煙者の出席する飲み会には出席しない

職場の飲み会は、煙草の煙が治療の妨げになることを理由に、原則欠席している。

「私は煙草を吸われる方の邪魔になってしまうので…」と、喫煙者の権利に配慮することを忘れずに。仕事上の付き合いや社交は、自分で選んだ禁煙の店にランチに誘うことで、お茶を濁している。仕事上の飲み会は、勤務時間外の開催であることが殆どで、既婚女性等健常者でも殆ど参加できない方がいらっしゃるため、今のところこれで支障がない。

お世話になった人の送別会等、どうしても飲み会に出席する必要がある場合は、幹事に事情を伝え、一次会だけは全面禁煙の店で実施して貰うようお願いすることにしている。
あえなく喫煙OKの店に決定してしまった場合は、出席者の酔いが回った頃に用事を理由に途中退席するなど、副流煙に曝露される時間がなるべく短くなるよう心掛ける。

接待等は自分が幹事を買ってでて、全面喫煙or分煙の店を選んでしまえばOK。

職場全体が喫煙可の場合

携帯型空気清浄機で防御

近年少なくなったが、もし勤務時間中もデスクで煙草OKという過酷な職場であれば、携帯型空気清浄機の持ち運び等も検討されるといい。卓上タイプや首から吊り下げるタイプなど、近年さまざまな空気清浄機が発売されている。私も1つ吊り下げタイプのもの↓を購入し、家に常備している。

上司を説得する

気管支喘息患者のように気管支や肺が強くない人が、毎日何時間も受動喫煙に曝されるのは、どう考えても身体に良くない
社内に物分かりの良さそうな上司がいるなら、

「タバコ病(COPD)は肺の細胞が壊れるので、一度でもかかると、快復は望めません…」
「呼吸器疾患は初期段階だと痛みがないので、息切れで歩けないくらい悪化するまで、気付かないこともありますよ」
「煙草の煙で喉・気管支が刺激を受けるので、健常者も風邪・インフルエンザにかかりやすなります」
「服に臭いが付くので、客の心証が良くないです..」
「女にモテません!」

等々、喫煙のリスクで思いつくものを挙げて説明し、禁煙エリアを広げたり、空気清浄機を追加導入して貰ったりと、できる範囲ででも職場改革・意識改革を進めた方がいい。
時間と手間のかかる方法だが、世間で禁煙の機運が高まってきたので、波風を立てず穏便に改善できる可能性がある。

空気環境測定結果を確認する

職場では2ヶ月に1回空気環境測定を行ない測定結果を3年間保存することが、法律で義務付けられている。測定結果には浮遊粉塵の量や二酸化炭素濃度などいくつかの項目があるので、もし可能であれば、人事総務部に問い合わせて、1年分の空気環境測定結果を見せて貰うといい。

喫煙を取り締まる法律は今のところなく、現行の法律では企業努力を促すに留まる。だが、空気環境測定結果に明確に違反している項目があるなら、その点については、労働局や労働基準監督署に相談すれば対応して貰えることがある。

過去に、私は職場内の二酸化炭素濃度が高すぎて息が苦しいため、労働局の労働相談コーナーに何度か足を運んで、相談したことがある。窓口に出て来られた公務員の方のアドバイスに従い、会社に文書で要望を伝えたり、開示されていた資料を集めたりしたところ、労働局から会社に直接働き掛けて下さり、大きく改善に向かった。

但し、会社にこの行動が見つかると、煙たがられたりパワハラを受けたりすることがあるので、実行する際には十二分に注意を払ってほしい。

それでも職場側が何も変わらない場合(残念ながらこの可能性も結構高いのだが…)は、長期的に異動や転職も視野に入れて、道を模索した方がいいのでは…、と個人的には思う。

健康な人が気管支喘息とハウスダストアレルギーを発症する職場環境

1年前まではごく普通の健康な会社員だったが、勤務先の埃っぽい環境に長く身を置いた結果、ハウスダストアレルギーと気管支喘息が持病になってしまった。

今まで、喘息やアレルギーの既往症はおろか、入院や手術をしたことさえない健康体だったので、どういう条件が揃えば、健康な人がハウスダストアレルギーや喘息を発症してしまうのかをシェア。

なお、 発症に至るまでの経緯や症状を折に触れ人に話すことがあるが、 医師・転職時の面接官・人材コーディネーターの方々・友人・親戚に至るまで、

 「こうした事例は聞いたことがないですね…」
 「本当にいまどきそんな会社あるんですか?」
 「にわかには信じがたい」
 「何回聞いても、大変そう」
 「……(絶句)」

と、驚愕からしみじみとした同情まで、皆様いろいろな反応を返して下さるので、際立って特異な環境に身を置いていたことだけは確かだ。

気管支喘息とハウスダストアレルギーを発症した職場環境

5年以上掃除されていない部屋

私は普段サーバを操作するエンジニアとして働いているが、当時の勤務先(ワークスアプリケーションズ社)に、顧客サーバを遠隔操作で扱うことが特別に許されている部屋あった。

その部屋で毎週週4から週6くらい、朝10時前から夕方〜夜23時まで2年半に渡って勤務し続けたら、気管支喘息とハウスダストアレルギーを2点セットで発症した。

発症後に分かったことだが、その部屋は会社側がビルの清掃業者に入室を許可しておらず、入室に必要な電子カードも渡していなかった。そのため、その部屋は5年に渡って、殆ど掃除がされたことがなかった(!)。 確かに、その部屋はぱっと見てすぐに分かるほど埃の量が桁違いで、部屋全体が倉庫か紙屑入れのようだった(笑)

「埃の多い部屋だな」
「この部屋に入ると、よく咳込むな」

と思ってはいたが、勤務先はワークライフバランスを無視した業務量でも有名な企業だったので、私も殺人的業務量のとばっちりを受け、平日には通院はおろか、美容院で髪を切る時間(約1時間)すら取れない有様だった(これでも女なのだが…)。

黒いパソコンのキーボードに、埃が隙間なくびっしりと積もっている写真。キーボードは日本語表示で、EscキーやTabキーが写っている。背景は灰色の金属製の台。

↑ 数年間まともに掃除されていない部屋に置かれていたキーボード。とにかく埃が凄い

定期清掃を導入しようと、ルンバ購入の稟議を勤務先にかけあったり、面談の折に上司に相談したりはしていたが、いかんせん割ける時間が少なく、会社も金を生まないことには積極的に動いてくれない。
私の担当していた業務はその部屋でしかできなかったため、埃に耐えながら、業務を続けざるを得なかった。

ちなみに、最終的に発症したハウスダストアレルギー&気管支喘息は、マスクをしてもスーパーや衣料品店に入れないレベルのものだった。入店すると10分以内に息切れが起き、呼吸が苦しくなり、心拍数が毎分90回を振り切って喘息発作が生じる。

現在、絶賛労災手続中である…。

職場全体が埃だらけ

白い窓枠に灰色の埃がびっしりと積もっている写真。窓枠の下に、灰色の電源タップがあり、電源タップにも埃が積もっている。

↑ 室内のガラス窓付近

部屋単位の汚さランキングは「5年間掃除されていなかった部屋」がトップだが、5年間掃除されていなかった部屋が目立たない程度には、他の部屋も十分汚かった(笑)
企業別で見ても、残念ながら、今まで勤務させて頂いた会社の中でこの企業が最も汚く、汚さレベルもダントツだった。

今思い返すと、コピー機も自販機も電子レンジも冷蔵庫も傘立ても、とにかく会社内にあるありとあらゆる物に、埃が積もっていた。
「うっすら積もる」という生やさしいレベルではなく、歩きながら3〜5m離れた場所から視界に入った時に、「埃が積もっているのがはっきりと分かる」ようなレベル。

気管支喘息を発症した会社で、当時置かれていた傘立てを撮影した写真。黒い傘2~3本の柄に埃で積もり、柄が灰色になってしまっている。

↑ 勤務先に置かれていた傘立て

事業所全体の清掃はビルメンテナンス会社に外注していたが、依頼内容が掃除機かけとゴミ捨てだけで拭き掃除を依頼しておらず、時間を割いて拭き掃除をしないといけないという風潮も社内にないため、机や棚や傘立てなど床より上にある備品には、埃や髪の毛や紙ゴミが静かに降り積もっていた。

ちなみに当時は、机を軽く水拭きすると1時間もしないうちに、またうっすらと埃が積もった(!) 勤務先はおしゃれなビルの高層階で
、窓は全てはめ殺しで室内は埃だらけなので、空気中に漂う埃が多すぎたようだ。

従業員は、10cm先に埃がどっさり積もった台に珈琲入りのマイコップを置いたり、蓋を開けた衝撃で埃が舞い散りそうな電子レンジで、持参したお弁当をチンしたりしていた…

気管支喘息を発症した会社で、当時置かれていた執務机を撮影した写真。薄い灰色の机の上に、はっきり見えるくらい埃が積もっており、髪の毛が2本落ちている。水色と青色の2種類のLANケーブルのコードが、机の上に這っている。

↑ 勤務先の執務デスクの上。大体どの机もこんな感じ。

従業員は埃だらけでも平気

あまりに埃が多いと、働く人も感覚が麻痺してくるのか、目の前の机や椅子やパソコンに慢性的に埃がびっしり積もっていても、気にも止めずに仕事を続ける方が大多数。 掃除をしようという考えが、まず頭に浮かんでいなかった。
それよりも仕事で目に見える成果を出し、人事考課で社内評価を上げて、出世したがっている人の方が多かった。従業員の約9割を男性が占める職場だったからだろうか。

机だけでも定期的に水拭きして貰おうと、勤務先の本社の部署に掛け合ったことがあるが、

「東京本社で先行して行ったことがあり、猛反発を受けた」
「拭き掃除をして欲しいというニーズが、地方事業所にあるとは考えにくい」

という理由で却下され、驚いた。

今までお世話になった他の勤め先は、定期清掃の方が毎朝軽く水拭きして下さったり、デスクの島ごとにウェットティッシュの筒↓が置かれていて各自拭くことになっている職場ばかりだったので、「清潔や社内衛生に、ここまで無頓着な会社があるのか…」と呆れた。

後日デスクの島ごとにウェットティッシュを置くよう要望してみたが、

「東京本社ではそうしたことを行っておらず、地方事業所だけ行うと本社も行わなければならないので、許可できない」

という理解不能な理由で、またしても却下された。
役員や顧客が頻繁に出入りする本社こそ、こまめに掃除した方がいいと思う…

私物を好きなだけ持ち込んで構わない職場で、おもちゃのフィギュアや日本酒や山積みのレトルトカレーが、人様のデスクに置かれているのを見かけたことがあるので、机を触られる=自分の部屋を荒らされる、という気分になるのかもしれない。

ビル空調設備が壊れている、強制的に停止させられる

こちらも喘息発症後に判明したことだが、ビル空調の約半数が、壊れたり風量を変えられていたりして、本来の性能を発揮できない状態のまま放置されていた。

事業所の入ったビルの空調設備は、定期的に点検することが法律により定められているので、ここまでくると立派な法律違反である。

だが、空調設備が壊れていても、異音でもしない限り、従業員は気が付かない。私の場合も、喘息発症後9ヶ月が経った頃に、社内調査を経てようやく判明した。定期点検が必要という事実も、法律に明るい方や長年人事総務に携わった方でなければご存知ないだろう。そのため、盲点にはなりやすい。

相対湿度が40%未満で、毎年冬に風邪・インフルエンザが蔓延する

職場内の相対湿度は、季節を問わず40%から70%の間であるよう、建築物衛生法で定められている。しかし私が喘息とハウスダストアレルギーを発症した職場は、秋・冬・春にかけての相対湿度が、法の定める基準値40%を下回っていた。

相対湿度が40%を下回ると、喉等の上気道の粘膜が乾燥し、抵抗力が下がる。埃の多い職場なので、粘膜は埃等の異物でも傷つけられ、更に抵抗力が下がる。逆にインフルエンザウィルスの生存率は、相対湿度40%未満の方が高くなる。

結果として職場環境は、ウイルスなどが体内に侵入しやすく、発症もしやすい環境になっていた。

そのためか、私の勤務先は、以前勤めていた職場と比べて、冬に風邪やインフルエンザでダウンされる方の数が非常に多かった。
20代~30代前半の男性が職場の約9割を占めており、スポーツ好きな人も多かったので、病弱な人が多いわけではない。にも関わらず、毎年冬にはチーム内・部署内で次から次へと風邪・インフルエンザの罹患者が出て、どのチームも急に人が欠け、仕事に支障が出ていた。

新卒入社でその勤務先で働いている方は特に疑問に思わなかったようだが、以前製薬会社で勤務した経験がある人間から見ると、少々異様と思える状況だった。

また、風邪・インフルエンザは、気管支喘息の悪化要因の1つである。私自身も発症前の冬に2度も風邪を引いたので、発症していた喘息はより悪くなったのだろうと思う。

花粉症・アレルギー性鼻炎・目のかゆみに苦しむ方が多い

職場に5年10年と勤めている従業員に、花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギーによる目のかゆみを訴えている方の数が、不思議なほど多かった。

喘息治療を続けていると、どうしても世間話で体調の話が出る。その際、「私もハウスダストアレルギーです」「私は鼻炎があります」等々、会う人会う人アレルギーや花粉症の症状があることを口にされる。

調べてみると、埃の成分にはハウスダスト・ダニ・花粉等が含まれているので、埃が多い=花粉も多い ということになる。勿論ハウスダストやダニも多いので、花粉症の方、アレルギー性鼻炎の方に出くわしやすいことにも、合点がいった。

なお、私の他にも、喘息の方、喘息一歩手前の症状が出られた方も各1名おられたことを付け加えておく。

気管支喘息とハウスダストアレルギーの発症に至るまでの時間

約2.5年

勤務した期間は3年1ヶ月だが、最初の半年間は見習いということもあり、仕事の負荷が軽く、残業時間も短く、埃部屋で働く時間もそこまで長くなかったので、実質2年半と考えていいと思う。

発症者の病歴や体質

入院歴・手術歴なし。会社員なので、年1回の健康診断受診を義務付けられていたが、痩せすぎ以外では引っかかったことはなかった。(痩せすぎでBMIだけ毎年引っかかっている)

病気は、年に1回風邪を引く程度。2ヶ月に1度くらい偏頭痛、半年に1度くらい生理痛で2〜3時間ほど動けなくなることがある。花粉症はなし。子供の頃、アトピーの症状は数年出ていたが、小児喘息を患ったことはなかった。

発症前は気づいていなかったが、発症後に血液検査を受けると、2回ともハウスダストアレルギーとダニアレルギーが陽性だった。但し、陽性と言っても7段階中の2のレベル(RAST値が2)でしかなく、発症確率は約13%。

終わりに ~好きなことができなくなる~

喘息は一度発症してしまうと、現代の医学では治す方法が確立されていない。ハウスダストアレルギーも同様に、確実に治す方法が見つかっていないので、毎日毎日抗アレルギー薬と分厚いマスクで症状を抑えるしかない。

それでもスーパー・コンビニ・衣料品店・書店・図書館に入れないなど、日常生活はかなり制限を受け、不自由な暮らしを強いられた。
 → 筆者が入れない店・場所についてはこちらへ

好きなところに自由に行けないと、苦しく、ストレスも溜まる。ストレスが溜まっても、下手なところに出向くと逆に発作が起きるので、自宅等の限られた場所で発散させるしかなく、そんな状態が何ヶ月も続くとさすがに気が滅入ってくる。

仕事でも活動が制限され、私のようにエンジニアから事務仕事へ異動させられたり、転職を余儀なくされたり、やりがいのある仕事ができなくなったり、年収が大幅に下がったりする。

ハウスダストアレルギーも気管支喘息も、発症する前に環境を正してしまう方が圧倒的に楽であることは、疑いようがない。
掃除が面倒で、掃除することに意義を見いだせなくなったら、こうした事例を思い起こして頂ければと思う。

気管支喘息治療中に吸入薬(レルベア)の副作用が出た…

気管支喘息の治療でよく用いられる薬に、レルベアという吸入薬がある。粉末のステロイド剤で、口から吸い込むことにより気管支や肺に薬を届ける。ステロイド吸入薬は、気管支や肺に直接薬が届き、吸収された後は肝臓でステロイドが分解されて全身には廻らないので、全身性の副作用が少ないことで知られている。

が、レルベアの薬の説明書等に書かれている「カンジダ症」という副作用が、自分の身体に起きてしまった(笑) 痛みのある副作用ではなく、日常生活にさほど支障がないので、「免疫力を高めればそのうち治るだろう」と楽観していたが、レルベアの吸入治療を続けながらのカンジダ症治療は、なかなかに忍耐と時間を要するものだった。

気管支喘息の吸入薬「レルベア100」と「レルベア200」

↑ レルベア100とレルベア200

発症とその後の経過と病状

<発症時>

上顎の裏を舌で触るとざらつき、手で触ると白いものがついた

免疫を正常に戻すためカルピスの「守る働く乳酸菌L-92」飲料を毎日飲むよう心掛けており、レモンと同時に摂取することも多かったので、「カルピスの成分が固まって顎についたのかな」と思っていた(笑) ←阿呆。
「守る働く乳酸菌L-92」の詳細については、こちらの記事へどうぞ

<発症から1~2週間後>

喉に違和感があり、声が出にくい。

「布団にダニが増えてきたかな」と思い、布団を頻繁に天日干しして布団専用の掃除機をかけたが、喉の違和感は収まらず。
「風邪かな」とも思ったが、熱や咳がなく、身体にだるさや悪寒の症状もない。毎日続けていた冷水浴をやめても、症状変わらず。
喉も痛みは全くなし。喉の奥は終日乾いている感じ。上顎の裏は、ぬめぬめざらざらとしている。

<発症から3週間後>

声が枯れた。

「薬の副作用かも」とようやく思い至り、使用中の薬を調べたところ、レルベアの副作用欄に「声枯れ」「喉の違和感」「口腔・呼吸器カンジダ症」が記載されていた。
鏡の前で口を大きく開き、ペンライトで口の中を照らして覗いてみたところ、①上あごから喉にかけて、②左頬の内側、③上唇と下唇 の皮膚が白くなっていた。特に①は酷く、真っ白に近い状態だった。

口腔カンジダ症(偽膜性ぎまくせいカンジダ症)とは

口腔カンジダ症は、普段から口腔内に存在している“カンジダ菌”という菌が起こす感染症。カンジダ菌はカビの一種。健康な人が免疫力を保っていると発症しないが、免疫力が下がっている時に発症しやすくなる。そのため「日和見ひよりみ感染症」とも呼ばれている。

レルベアなどのステロイド薬を長期間吸入し続けていると、口腔内の菌のバランスが崩れ、カンジダ菌が増殖し、発症しやすくなる。副作用(=口腔カンジダ症)を防ぐため、レルベアの説明書には吸入後必ずうがいをするよう記載されている。

口から粉末を吸い込んで服用するレルベアは、口から飲み込んで服用する内服薬と比べ、体内に入るステロイドの量が100分の1程度で済むという大きなメリットがあるが、反面、薬の一部が口の中に残ってしまうという欠点がある。

筆者も、レルベアの吸入とうがいを毎回セットで行っていたが、残念ながら副作用を防ぐことが出来なかった。毎回のうがいの時間が短すぎたようだ。職場復帰のため親会社とすったもんだのやり取りをしていたところに、日商簿記の試験が立て込み、気が休まらない状況が3週間ほど続いた頃に発症したらしい。

発症までに吸入したレルベアの種類と量

レルベア100をひと月半、レルベア200を3ヶ月程吸入した頃に発症した。カンジダ症を発症してからも、現在に至るまで、レルベア200の吸入は1日1回毎日行っている。

自宅で素人が治療

次回の呼吸器内科診察日まで日があったため、まずは自宅で治療を試みた。

とにかく口内を清潔にしようと思い、歯磨きを朝昼晩と1日3回に増やし、歯磨きのたびにコップにうがい薬を1~2滴垂らし、ガラガラうがいをした。歯ブラシやうがい薬が手元にない時は、水や緑茶など砂糖を含まない飲み物で口をゆすぐことだけでも、定期的に行った。

2種類のうがい薬を正面から撮影した写真。向かって左が「ネオステイン・グリーン」、向かって右が「アズノール」。どちらも口腔カンジダ症の治療に使った。

↑ 治療に使用したうがい薬

食べカスが口の中に残っていると、口腔の白い面積が目に見えて増殖するので、間食を控えた。どうしても間食せざるを得ない時は、食べカスが残りやすいものと甘いものを避けた。

3ヶ月間で体重が数kg減りガリガリに痩せてしまったことが免疫力が落ちた原因かもしれないので、1回の食事で食べる量を増やし、体重を少し戻すよう心掛けた。
毎日の仕事や家事のうち、先送りできるものは先送りし、仕事に追われず、ストレスをためず、睡眠時間を確保するようにした。

レルベア200の吸入は、1日もやめることなく継続。但し、眠る直前に吸うことは避け、午前中からお昼にかけて吸ってしまうよう心掛けた。

結果、口内にできていた白いものは、歯磨き&うがい薬利用を始めてから3~4日後に減り始め、少しずつ時間をかけて白の面積が減ってきた。減ってはは増え、増えては減るを繰り返し、二進一退という感じ。うがい薬を使い始めて1週間が過ぎた頃に日中の声枯れが治ったが、起床時の声枯れは完治しなかった。

後日知り合いの呼吸器内科医に尋ねたところ、うがい薬の利用は症状の緩和において一定の効果を得られるため、医学的にも推奨できる方法だったらしい。

医師の診察の受ける

自宅で2週間ほど素人治療したのちに、医師の診察を受けた。口の中を見て頂き、レルベアに含まれるステロイドの副作用だろうということで落ち着く。

レルベアの吸入量は減らさずに、「ファンギゾンシロップ」という液状の飲み薬を別途処方頂き、レルベア200の吸入と並行して口腔カンジダ症の治療を進めることになった。1日3回薬を飲み続ければ、カンジダ症は2週間以内に収まるだろう、とのこと。

口腔カンジダ症治療薬「ファンギゾンシロップ」の瓶の蓋を開け、液状の薬をスポイトで吸い出した画像。

↑ ファンギゾンシロップ

シロップ薬は甘みと苦みが混ざった味で少し苦手だったが、飲み続けると、1週間後に起床時の声枯れがなくなってきた。だが、気を抜いて歯を磨き忘れ&薬を飲み忘れて眠ると、翌朝は口内がざらついて、症状が逆戻りしてしまう。白い苔の面積は着実に減っていくものの、薬をもってしてもなかなか手ごわかった。

そして、朝昼晩1日3回と言われたが、昼晩の1日2回しかシロップ薬を飲まなかったら、2週間では完治しなかった(笑) 医師と相談し、カンジダ症の投薬治療は一旦中断し、気管支喘息の治療に集中することで合意。

その後のカンジダ症の経過

4~5ヶ月の間、毎日2〜3回のうがい薬と歯磨きが必須になってしまったが、喘息の症状が改善し、レルベア200からレルベア100に切り替えたタイミングで、カンジダ症も大きく改善。
口腔に白っぽい面積は多少残っているものの、喉の違和感がなくなり、殆ど気にならなくなってきた。嬉しい副産物として、歯磨きにいそしんだお陰か、歯が随分白くなった(笑)

だが更にその後、発作が起きて喘息が悪化した際にレルベアを100から200に戻すと、カンジダ症も勢いを盛り返した…。
症状が最もひどかった時は、舌の側面にも白い苔状のものが生え、舌がしびれるような感覚があった。しびれが気になるが痛みは出なかったので、生活には支障は出なかった。歯磨きとうがい薬の回数を増やすと、1〜2日で舌のカンジダは見えなくなり、しびれもなくなった。

そうこうするうちに、虫歯で通院した歯医者さんにも、口腔カンジダ症が見つかってしまった(口を開くから当たり前だが…)。歯医者さんも口腔カンジダ症をご存じで、治療薬その2を処方下さった。
今度の治療薬は「フロリード・ゲル」という経口薬で、パッケージが軟膏で触った感触も軟膏だが、その軟膏を直接口の中(!)に出してしばらく舐める、という治療法だった。1日3回計4日間服用。軟膏は美味しくなく、食感はお世辞にも気持ちのいいものではなかったが、カンジダ症は見事治して頂くことができた!

口腔カンジダ症の治療薬である、ファンギゾン・シロップとフロリード・ゲル経口薬を撮影した写真。ファンギゾンシロップの茶色いガラス瓶と、フロリードゲルの白い軟膏薬が、複数個写っている。どちらの薬も使用済である。

↑ 画像右の白いパッケージの薬が「フロリード・ゲル」

レルベアの正しい服用の仕方

レルベア100・レルベア200とも、薬を吸入した後、ガラガラうがいとクチュクチュうがいを行う。理由は、喉や口の中に残っている薬を洗い流すため。
ここまでは、レルベアの説明書の記載通り。

だが、喘息に関する書籍を漁り医師に尋ねると、レルベアのより良い吸入方法や注意事項を知ることが出来た。レルベアは「食前」に吸入する方が良い、とのこと。
おすすめは、

レルベア吸入 → うがい → 食事 → 歯磨きとうがい

の順での吸入。食事を挟むことで、喉や口の中に残っている薬が食道や胃に落ち、分解される。全身への影響はなく、口腔カンジダ症の副作用をより防ぐことができる。
レルベア吸入後のうがいの回数は、5回くらい。1回あたり10秒くらいが良い。
うがいができない場合は、飲み物を口に含み、口の中でクチュクチュした後、そのまま飲み込む。

これらの情報は、もっと早く知りたかった…。眠る直前にレルベアを吸入し、3回程うがいしてそのまま眠りにつくことを、これまでしばしばやっていた(笑)

その他の副作用 ~動悸~

口腔カンジダ症についての記載はここで終わりだが、レルベアの副作用で「動悸」についての情報を求める方もよく来られるので、ついでに記載。

レルベア100・レルベア200を吸うと、心臓がいつもより多く脈打ち、心臓がバクバクと音を立てて、動悸の症状が出る。 吸入薬を吸った後、5~10分程度は動悸を感じているように思う。動悸を感じている最中も、歩いたり話したりは問題なくできるので、仕事・日常生活に支障はない。

主治医の先生曰く、喘息の薬は心臓と関係が深いそうだ。確かに、今処方されている長期治療薬(コントローラー)レルベア200と発作用治療薬(リリーバー)サルタノールのどちらも、吸入すると毎回必ず動悸が起きる。

喘息の治療を始めて間もない頃(=レルベアを吸い始めて1ヶ月半程経った頃)、左胸に軽い痛みを感じることがあった。気になったので主治医の先生に相談したところ、単なる筋肉痛かもしれないとのことだったが、念のため心臓の検査もして頂いた。
結果は、異常なし。不摂生な生活をしていたり、極端に太っている方は、心臓に負担がかかっている可能性があるのでより精密な検査を行うことがあるそうだが、私の場合は年齢も体型も生活パターンも特に問題なかったので、様子見ということで落ち着いた。

左胸の痛みは、その後1ヶ月ほど断続的に続いたが、喘息治療が進んであまり息切れしなくなってからは、症状が出なくなった。本当に、単なる筋肉痛だったのかもしれない(笑) 安直に薬を疑って悪かったな、と後で反省した。

その他の副作用? ~指のふるえ~

こちらは副作用ではないかもしれないが、症状があったので、念の為記載。

レルベア200を1年2ヶ月程毎日吸い続けた頃、左手の指に震えを感じることがあった。左手で右手の爪を切る時や、右手の爪のマニュキアを塗る時など、左手で細かい作業を行う時に指が細かく震えていることに気付く、という感じ。

爪が切りにくい以外特に日常生活に支障はないので、主治医の先生に報告したのみで様子見。1~2週間は指が気になっていたが、そのうち自然と症状が出なくなり、レルベアが200から100に減量されてからは、ふるえを感じなくなった。

最後に

カンジダ症については、毎日吸入している薬に対する理解が不足していたため、副作用に気付くのに遅れたことは否めない。

薬のしおりも貰った時1~2度読んだきりだった。折に触れて読み返し、気が向いたときにインターネットで詳細情報を仕入れておけば、もっと早く気付けただろうにと思う。

気管支喘息の治療の心の支えになる本

喘息治療において、お役立ち度の高かった書籍をご紹介。
書籍は医師本人が著述しているものを選ぶと、情報の質・量ともに申し分ないので、時間やお金の許す限り、積極的に利用している。市立・区立の図書館で手に入る本を読むだけでも、喘息の治療と心の支えに大いに役立った。

身体がある程度快復してからも、気管支喘息もしくはアレルギーについて書かれた書籍は、仕事や家事の合間に細々とでも読むようにしている。医師の言葉は、喘息と日々闘う者にとって、灯台のあかりによく似ている。

自分がアトピー型気管支喘息(ハウスダストアレルギーとダニアレルギーに起因する喘息)なので、以下に紹介するおすすめ書籍も、それに関連するものが多い。

「灰田美知子のぜんそく最新治療」(灰田美知子 著)

著者:灰田美知子(医師)
出版社:主婦の友社
平成22年4月20日初版
定価1500円

今までに読んだ喘息関連の書籍で、最も納得感の高かった書籍

記載されている喘息の薬や検査の種類が豊富で、説明が分かりやすく、医師がどのように判断してこれらを組み合わせているのかがよく分かる。この書籍を読むと、主治医の判断や処方に対する裏付けが取れるので、主治医への信頼感が増した。

例えば、私は現在5種類の薬(吸入薬3種・内服薬2種)を処方されており、「こんなにたくさん飲んで大丈夫かな」と思うことがあった。だが、喘息発作を抑えるためには始めに徹底的に治療して徐々に薬の量を減らした方が治りやすいこと、各薬はそれぞれ異なる役割を持っていること、をこの書籍から学び、実際に発作の頻度が月1回未満に急減したことも相まって、「今のままの治療法でいいんだ」と納得することが出来た。

また、喘息や呼吸器疾患でよく用いられる呼吸機能検査も、疾病・症状によって結果グラフの形や傾きが異なることを、この書籍で初めて知った。呼吸機能検査は疾病を見分け、治療の不足している患部を見分けることにも利用されていたようだ。

なぜピークフローメーターを利用した方がいいのかという素朴な疑問から、喘息治療におすすめのスポーツ、医師と患者の関係構築まで、記載されている内容は幅広いが、喘息関連の書籍を7~8冊読んだ後に本書を読んでも、多くの学びや気付きがあったので、喘息の治療をされている方、ご家族に喘息で苦しんでいる方がいらっしゃるなら、読んでおいて損はないと思う。

「ぜんそくは自分で治せる」(久徳重和 著)

著者:久徳重和(医師)
祥伝社黄金文庫
2013年12月発売
定価720円

喘息が治療できる病であることを教えてくれた、私にとって画期的な書籍。著者は、親子二代で愛知県の喘息患者を治療されている医師(息子さん)。アレルギーを起因としない喘息(非アトピー型喘息)に紙面が多く割かれているが、どのように思考・生活すれば喘息が治るかが書かれており、また実際に喘息が完治した事例が豊富に掲載されているので、本書の存在そのものに随分救われた。喘息治療の早い段階でこうした書籍に巡り会えたのは、幸運だったと思う。

本書で教わった、冷水浴や薄着の励行や、心の持ち方(人に頼りすぎずアクティブな生活を心掛けること)を現在実践中。頭の固い成人なこともあり変化には時間を要しているが、冷水浴に慣れ風邪を引きにくくなるなど、読後数ヶ月で少しずつ効果が現れてきている。

「免疫と自然治癒力のしくみ」(生田哲 著)

著者:生田哲(薬学博士)
日本実業出版社
2004年1月10日初版
定価1400円

自分がアトピー型気管支喘息なので、免疫の仕組みも理解したいと思い、入門書として手に取った書籍。病気を自然に治してしまう免疫の仕組みや自然治癒力について、分かりやすく解説されている。

外からウイルスやアレルゲン物質などの異物が体内に入ってきた際、アメーバに似た姿でのろのろ動くマクロファージが、まず異物を食べて分解してしまい、異物の欠片をマクロファージ自身の表面に提示することで、免疫系の司令塔であるヘルパーT細胞が異物の存在に気付いて免疫系全体を活性化させる…、という免疫の基本的な仕組みをこの本で学んだ。この書籍を読んで、のろまなマクロファージとエリートT細胞の働きぶりをすっかり気に入り、体内の免疫に対して親近感が湧いた(笑)

心の持ち方が治療に大きな影響を与えることも、本書で繰り返し紹介され、数多くの事例が紹介されている。
薬を買うお金がなく、書籍による知恵と食生活と適度な運動で、当時不治の病だった結核を治してしまった青年。笑いと自然治癒力を駆使して難病を克服し、見事編集長の職に返り咲いた男性。若くして癌に倒れる家系に生まれながらも予防と対策を怠らず長生きできた女性など、心の持ち様が快復の度合いや人生の明暗を分けることに気づかされた。

おわりに ~心が折れる前に~

気管支喘息は、発症した原因にもよるが、完治まで数年はかかることが多い。毎日薬を吸入し続けていても、症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すし、そうした状態が何ヶ月も続くと、時々自分の未来が暗く見え、心が折れそうになる。

上記にあげたような書籍で「喘息は完治できる」と何度も何度も書かれていても、こうした心理状態に陥ることがあるので、情報を持たない人が希望を持ち続けるのは、相当に難しいことだろうと思う。

心がふさぎ込んだ時に書籍を読むと、新たな情報が入り、辛い時期の心の支えになってくれる。こうした良書の1冊1冊を、「読む薬」としておすすめしたい。

気管支喘息患者が「カルピス 守る働く乳酸菌 L-92」を8ヶ月間飲んだ結果(ハウスダストアレルギーとダニアレルギーが陽性の喘息患者の場合)

いい加減スーパーに喘息発作なしに入れるようになりたいので、ハウスダストアレルギー改善のために、アレルギー症状が収まるまで「守る働く乳酸菌 L-92」を1日1本飲み続けることにした。

「守る働く乳酸菌L92」21本を積み上げて撮影した写真。白いキャップのペットボトルと「L-92」と書かれた赤いラベルが写っている。

↑ 購入した「守る働く乳酸菌 L-92」飲料

L-92乳酸菌のハウスダスト・ダニアレルギーに対する研究結果

ハウスダスト・ダニの通年性アレルギー性鼻炎をもつ方々に、L-92乳酸菌を8週間摂取頂いた臨床試験の結果が、カルピスのウェブサイトに公開されている。L-92乳酸菌が、ハウスダスト・ダニアレルギーに対しても一定の有効性があることが確認されたそうだ。

グラフ等の詳細情報は、カルピスのウェブサイト↓にて確認できる。
カルピス由来健康情報室 「通年性アレルギー性鼻炎」への有効性データ
http://calpis-kenko.jp/l92/research.html#section2

但し、人間には個体差があるので、どんな薬も食べ物も、他人によく効いたからといって貴方に効くかどうかは分からない。逆もまたしかり。

「守る働く乳酸菌L-92」の外観・味・保存方法

外観

1日分が200mlのプラスチックペットボトルに入っている。中身は、牛乳よりやや透明な乳白色。
グラスに注いだ「守る働く乳酸菌L92」飲料を撮影した写真。小さい透明なグラスに白い液体が入っている。画面左には、「L-92」の赤ラベルが貼られた、200mlのペットボトルが置かれている。ペットボトルの白いキャップには、「CALPIS」と書かれている。

カルピスのロゴが付いているだけあって、見た目も味もカルピスに似ている。カルピスを甘さ控えめにし、ヤクルトの味を少しだけ足したような印象。この味なら、子どもも飲めると思う。

量も200mlで多すぎず、4歳~7歳の子どもが毎日おやつに飲むくらいの量。味がしっかりついており、僅かだがとろみが付いていて飲みごたえがある。

甘いものが苦手な方は、毎日飲むのが辛い可能性があるので、「アレルケア」の錠剤を選ばれた方がいいと思う。

保存方法・賞味期限

未開封であれば常温で保存できる。自宅や勤務先のロッカーで常温保存できるのは有難かった。念のため夏の間だけは、未開封のものも冷蔵保存していた。
開封済みなら冷蔵保存が必要。

8月上旬に注文し1週間後に到着した品の賞味期限は、同じ年の12月11日と記載されていた。4ヶ月程度なら味を損なわずに飲めるようだ。

入手方法

1日1本毎日飲み続ける上、僅か10本以上で重さが1~2kgに達するので、Amazon等の通販サイトで購入し自宅に発送して貰うのが一般的なようだ。

ここ1年ほどで知名度が増し、近所のスーパーでは牛乳売り場付近や粉末飲料の売り場で売られていた。

スーパーの陳列棚に、L-92乳酸菌ドリンクが展示されている様子。「守る働く乳酸菌 118円」と書かれた値札が貼られている。

↑ スーパーで見かけたL-92乳酸菌ドリンク

生協は、6本セットのみ販売されていた。
会社の福利厚生サイトは、24本セットと30本セットの2種類が取り扱いあり。
生鮮食品を置いている百円均一ショップは、1本ずつ売りに出されていた。
医療機関では、大規模病院内にあるセブンイレブンで、1本ずつ売られているのを見つけたことがある。

2年前は近所のスーパー3件とコンビニ2件のどこを回っても取り扱いがなかったが、最近は随分入手しやすくなり助かっている。

「守る働く乳酸菌L-92」(100ml)との違い

「守る働く乳酸菌L-92」に100mlのものが販売され始めたので、こちらも購入し、試してみた。

カルピスの「守る働く乳酸菌L-92(100ml)」を正面から撮影した写真。背景に、守る働く乳酸菌L-92(100ml)が10本以上写り込んでいる。

↑ 守る働く乳酸菌L-92(100ml) 100mlはキャップが金色

飲んでみて気付いた違いは、100mlの方が従来の200mlのものより、とろみがしっかりと付いている。とろみが増した分飲みごたえがあるので、半量になったにも関わらず、飲み足りないとは感じなかった。

それ以外の味や外見は、200mlのものと変わらない。少なくとも、私には違いが分からない(笑) 1本当たりのL-92乳酸菌の含有量も20.7mgで、従来品(200ml)と同じ。アレルゲンフリーではなく、乳と大豆が成分に含まれているところも同じ。

守る働く乳酸菌L-92(100ml)のパッケージを剥がし、成分が表示された部分を撮影した写真。

↑ 守る働く乳酸菌L-92(100ml)の成分表示

未開封なら常温保存できる点も、従来品と同じ。
公式サイトでは賞味期限は9ヶ月と明記されている。私が2018年7月に購入した品の賞味期限は2019年1月だった。お手元に届いてから約半年は、美味しく頂くことができる。

量が少ない分、冷たい飲み物を控える冬でも、随分飲み続けやすくなった。冬は気管支喘息患者が風邪で弱りやすい時期でもあるので、冬でも飲みやすくなったのは大歓迎したい。

1~2ヶ月分まとめて購入した際、従来品(1本200ml)より軽いので、運んだり冷蔵庫に保存したりしやすくなった。宅配便で荷物を代理で受け取った家族が、重さに苦情を申し立ててくることも少なくなった(笑)

「アレルケア」と「守る働く乳酸菌L-92」の、L-92乳酸菌含有量・成分の違い

L-92乳酸菌の含有量に差はない

L-92乳酸菌を含む製品に、同じくカルピスの会社から販売されている「アレルケア」という製品↓がある。

テレビCMやインターネット広告で大々的に宣伝されたこともあり、アレルギー対策の製品としては、アレルケアの方が有名。主に錠剤の形で売られており、子ども向けにぶどう味のついた錠剤タイプもある。

軽く調べてみたところ、1日あたりのL-92乳酸菌の含有量は「アレルケア」も「守る働く乳酸菌L-92」も同じで、どちらも20.7mgだった。

  • アレルケア(錠剤)…20.7mg配合 (1日あたり2錠)
  • 守る働く乳酸菌L-92(飲料)…20.7mg配合 (1日あたり1本)

ただ、「守る働く乳酸菌L-92」飲料には乳・大豆が含まれる(アレルゲンフリーではない)。乳・大豆の食物アレルギーがある方は、アレルケアしか選べない。

「守る働く乳酸菌L-92」の成分表示

原材料は、下記写真を参照。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料のパッケージを撮影した写真。飲料含まれている原材料や保存方法が明記されている。

↑ 「守る働く乳酸菌L-92」の成分表示

「守る働く乳酸菌L-92」飲料 摂取前と摂取後の経過記録

「守る働く乳酸菌L-92」飲料の摂取開始前

スーパー・衣料品店に市販のマスクをつけて入店すると、喘息の発作が起き、動悸・息切れを起こす。両店舗とも約10分滞在すると、心拍数が毎分90回を越えるくらいの動悸が生じ、口からハアハアと息が出るほどの息切れが起きる。(普段の心拍数は、毎分60台前半~70台後半)

喘息専門医の医師の指導に従い、抗アレルギー剤(モンテルカスト)を1日1錠服用中。喘息治療の吸入薬(レルベア200、スピリーバ)は毎日吸入し、発作用吸入薬(サルタノール)も週1~4回吸入している。

せっかくなので、花粉症持ちの実父(70歳代)にも手渡しし、同じ日に摂取開始。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から1~2週間経過時点

摂取1~2週間では、喘息症状を抑えることはできなかった。反面、70歳過ぎの花粉症には、わずか2週間の摂取で効果が見えはじめた

2週目半ばに、市販のマスクを付けて、毎回必ず発作を起こすスーパーを訪れた。15分間滞在し、店を出てすぐに心拍数を測ったところ、心拍数は丁度毎分90回。呼吸時に胸骨が軽く上下し、走ったわけでもないのにハアハアと息切れしていたので、喘息発作が出てしまっていると判断した。発作による動悸と息切れは翌日まで続き、発作用吸引薬を使って症状を収めた。

ただ、以前は息切れ・動悸の喘息発作が入店後5分と経たずに起きていたが、今回は入店後しばらくもった。発作が起きるまでの時間は、心持ち長くなった気はする。

花粉症については、70歳以上という年齢をものともせず「守る働く乳酸菌L-92」が結果を出してくれたので、勧めたこちらの方が驚いた。

花粉症持ちの実父は、1日1本飲み続けて2週目半ばに、鼻水の量と咳込む回数が明らかに減ってきた。まだ時々咳き込んでいるが、毎日咳き込むことはなくなった。本人は空腹時に飲んでいただけだったらしいが、使用するティッシュの量も目に見えて減り、効果が出て嬉しかったらしい。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から3~4週間経過時点

摂取後3~4週間で、喘息症状が少しだけ軽くなった。70歳の花粉症については、咳すら出ないほど軽くなってきた。

3週目の半ばに、ひと月前に心拍数90オーバーの喘息発作を起こしたビルに、N95マスクをつけて、3時間滞在した。お菓子を頂いたため、途中30分程度N95マスクを外したが、ビルを出るまでも出た後も、喘息発作が起きなかった。快挙!(涙)

4週目は、気管支喘息の発症の原因である勤務先(ワークスアプリケーションズ社)に2ヶ月半ぶりに出勤。勤務中は主治医の指示によりN95マスクを着用しており、心拍数が毎分80台後半まで上がったものの、喘息発作は起きず。

ビル訪問時も復職時も、抗アレルギー薬と「守る働く乳酸菌 L-92」とN95マスクを併用していたので、3つのどれか(もしくは全部)が効果をもたらしてくれたのだろう。

花粉症持ちの実父の方は、咳き込む回数が更に減った。以前は毎日のように「ゴホゴホゴホッ!」と激しく咳込んでいたが、4週目は週の半ばに差し掛かっても、「ゴホッ」という一音さえ耳にしない。頑固で衣食住の変化に極端に弱い実父だが、「守る働く乳酸菌L-92」は気に入りすぎて自らスーパーやコンビニを覗いて回り、「L-92、店では売ってないなあ…」とぼやいていた。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から5~6週間経過時点

呼吸機能検査の結果が、3ヶ月前より改善。ハウスダストアレルギーの症状も実感できるほど軽くなったので気をよくし、喘息のため今まで入ることのできなかった場所も訪れるようになった。但し、体質が完全に改善されたわけではなく、調子に乗って必要な防御を怠ると、喘息発作が起きる。

5週目の始めに、N95マスクではない普通の市販マスクをつけ、専門学校の7階にある教室に3時間滞在。7階という屋外に出にくい環境に、戦々恐々としながら出向いた。が、2時間ほど呼吸は荒くなったものの、喘息発作は起きなかった。
抗アレルギー剤かL-92乳酸菌のどちらかが、ハウスダストアレルギーを和らげてくれているのは、もはや間違いなさそう。

5週目半ばに訪れた、区役所(地上階)もセーフ。だが、同じ建物の図書館(地下1階)はアウトで、10分もしないうちに喘息症状(息切れ)が出て、本が数ページしか読めなかった(笑) 図書館入口の床に埃が溜まっていたので、空気中にもハウスダストの多い場所だったのだろう。慌てて屋外に逃げ、喘息発作にまでは至らなかった。

同じく5週目半ばに、勤務先(ワークスアプリケーションズ社社内)で喘息発作が起きた。勤務先の職場内では常にN95マスクを着用しているが、職場に入って1時間過ぎた頃に息切れが始まり、ピークフローメータの値が基準値の80%未満の危険水域に。結局この日は2度発作が起き、発作用吸入薬を使用。

喘息症状が軽くなったことに気を良くしていたが、僅か5~6週間でアレルギー体質そのものが治ったわけではないという事実に、改めて気付かされた。

6週目の最後に、病院で呼吸機能検査を受けた。3ヶ月前に受けた時より数値が改善し、肺活量などは基準値を上回っていた。

花粉症持ちの実父の方は、趣味のお香を焚いている時は、煙を吸ってゴホゴホ咳込んでいる。が、それ以外では咳き込まなくなった。花粉の時期を過ぎたせいでもあると思う。このまま継続して飲み続けて貰い、来年の同じ時期にどこまで症状が軽くなっているかを見てみたい。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から7~8週間経過時点

実感できるほど、改善傾向が続いている。7~8週は喘息発作0回。喘息症状が出たのも数えるほど。

7週目の後半に、郵便局や会社の会議室にマスクなしで入り、10分~1時間程滞在したが、喘息症状さえ起きなかった。2ヶ月前に発作を起こした美容院に8週目の半ばに訪れ、1時間滞在したが、やはり発作も喘息症状も起きず。

抗アレルギー薬の影響もあるとは思うが、少なくとも、「守る働く乳酸菌L-92」にはハウスダストアレルギーの症状を抑える効果はあるのでは、と思わざるを得ない。吸入薬(レルベア)を7ヶ月、抗アレルギー薬(モンテルカスト)を3ヶ月続けても抑えることの出来なかった喘息発作が、ここにきて明らかに減ってきている。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から9~12週間経過時点

9週目に、埃まみれの部屋にマスクなしで5分滞在した。部屋のあちこちに古い機材が溢れ、窓は開かず、埃がそこかしこに積もっていた。「喘息発作起きるかも」とさすがに覚悟したが、その日もその翌日も発作は起きず。これほど発作が起きないと、逆に不安になる(笑)

11週目に、最後に起こした喘息発作から1ヶ月経過。1ヶ月間1度も喘息発作を起こさなかったのは初めてだったので、素直に嬉しかった。この1ヶ月間で起きた喘息症状(息切れ・動悸)は、2回のみ。

同じ週に「守る働く乳酸菌L-92」飲料を切らせてしまい、L-92を1週間摂取出来なかった
が、症状は特に変わらず。これにより、2~3日間の旅行や出張なら、重い乳酸菌L-92飲料を持っていかなくとも大丈夫、ということが分かった。

N95マスクとウイルス対策マスクは必ず毎日持ち歩いているが、マスクなしで、店舗やビルに入ることも増えてきた。喘息症状の気配すら感じないので、気付いたらマスクなしで入店していた、という感じ。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から13~16週間経過時点

14週目に、ついに治療がワンステップダウン。薬は4種類から3種類へ変更になり、補助薬として使用していた吸入薬(スピリーバ)が不要になった。嬉しい。

花粉症やアレルギーを持つ親族を見つけるたびに、「守る働く乳酸菌L-92」飲料を渡しているが、4週間断続的に飲んだ程度では効果が薄かった、と意見を貰う。
飲んだり飲まなかったりでは効果が出にくいようなので、期間を決め、その間だけは毎日欠かさず飲む方が良さそうだ。その親族も「守る働く乳酸菌L-92」飲料の味や続けやすさは気に入り、自費で購入して断続的に飲むようになった。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から17~20週間経過時点

症状は安定しており、17~20週は喘息発作0回。

19週目に喘息発症の原因となった部屋の古い段ボール20個以上を、棚から下ろし解体して片付ける機会があった。N95マスクを着用し発作覚悟で挑んだが、2時間埃まみれになりながらも、発作は起きず。マスクをしていなかった同僚は、何度かひどいくしゃみに見舞われたらしい…お疲れさま。
喘息を発症した部屋についてはこちら

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から21~24週間経過時点

21週目に、更に治療がワンステップダウン。薬は3種類のままだが、メインで使用してる喘息吸入薬(レルベア)が半量になった。(レルベア200→レルベア100へ変更)
ただ、同じく21週目に、埃に近づきすぎて喘息発作が2回発生。痰や咳の数も増えた。

労災保険の請求のため、21週目に勤務先にある喘息発症の原因となった部屋とその周辺を、スマホで写真撮影した。埃が雪のように積もった机や傘立て、3年以上掃除されていないサーバのあるフロアなど、ハウスダストとダニと花粉がこれでもかと残っているところに近づき撮影を繰り返したため、1時間でピークフロー値が30~40下がり、発作発生。
勤務先が発症の原因であるため、勤務先の空気環境では特に発作が起きやすいのだが、N95マスクをつけていても発作を防ぐことができず、少しショックを受けた。

この一件で、「守る働く乳酸菌L-92」飲料は、ハウスダストアレルギー・ダニアレルギーの体質そのものを変えてくれるものではないように感じた。アレルギー症状を軽減してくれているのは確かなのだが、身体が耐えられない量のハウスダスト・ダニに曝露されると、症状や発作は起きてしまうようだ。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から25~28週間経過時点

25週目に、毎日計測しているピークフロー値が更に10上がり、基準値の90%以上を恒常的に出すようになった。だが、21週目に発作を起こしたので、メイン治療薬はもとの量に増量されてしまった(レルベア100→レルベア200)。

一日のどの時間帯に測っても、ピークフロー値が安定している。スーパーで軽い喘息症状が出る程度。レルベアがレルベア200に戻った後は、痰や咳の数も減少(といっても、痰は1日10回を軽く超えるくらい出る)
28週目に、ピークフロー値が初めて390に達した。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から29~32週間経過時点

12月だったので30週目と32週目に風邪を引いたが、大きく悪化はせず。32週目に、2回に1回くらいの割合で、ピークフロー値が390~400に達するようになった。

30週目は胃腸の風邪だったのでまだマシだが、32週目の風邪は喉をやられた。風邪を引くと気管支喘息が悪化する恐れがあるため、ピークフローメーターでこまめに値を確認していたが、幸いにも、値は大きくは下がらなかった。
どちらの風邪も、1週間程で全快。月2回も風邪をひくところといい、全快に1週間かかるところといい、健常者にはまだ少し遠いと感じた。だが、去年は風邪の引き始めから全快まで2週間弱かかったことを踏まえると、改善はしているようだ。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から33~36週間経過時点

寒さの為、摂取量が週2~3本へ減少。それでも喘息発作が起きなかった。
スーパーや図書館に入るとまだ軽い息切れを起こすものの、鬼門だったUNIQLOへ10分間入店できた。

1月に入り、真冬に毎日「守る働く乳酸菌L-92」を飲むのが難しくなってきた。日中はまだ暖かいので飲めるが、木枯らしに吹かれながら帰宅した夜・夜中には、流石に飲む気がしない。摂取量は週2~3本に減った。

だが、今まで体内に蓄積した分が功を奏しているのか、本数を減らしても発作は起きなかった。ピークフロー値も380~400で安定している。そして、かつて最も酷い喘息発作を起こしたUNIQLOに、10分だけだが入店することができた(!) 個人的には、快挙と言いたい(笑)

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から37~40週間経過時点

摂取量が週0~1本へ更に減少。発作は起きず。

寒過ぎて摂取量が更に減り、37週~39週はついに1本も「守る働く乳酸菌L-92」を飲まなかった。それでも喘息発作は1度も起きることなく、毎朝フルタイムの仕事に行きスーパーにも何とか入店できていたので、「守る働く乳酸菌L-92」なしでも耐えられる身体になったんだなあ、と感じた。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料は、気管支喘息とハウスダストアレルギーに効果があったか

効果はあった。アレルギー体質を根本的に変えてはくれないようだが、ハウスダストアレルギー・ダニアレルギーのアレルギー症状を抑え、気管支喘息の発作を起こりにくくする効果があった。

「今後も飲み続けたいか」と訊かれたら、「Yes」と答える。というか、既に次の1ヶ月分を確保してある(笑)
「花粉症・ハウスダストアレルギーの人は飲むべきか」と訊かれたら、「毎日苦しみ続けるくらいなら、6~8週間試してみた方がいい」と答える。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料は1本約110円で、ひと月あたり約3300円。効果が出るとその後も飲み続けることになるので、決して安い値段ではない。が、アレルギー症状がどれほど生活エリアを狭め、能力的には軽々できることをできなくさせるか身に染みて理解しているので、できない悔しさ・楽しめない悔しさを味わい続けるくらいなら、試してみてほしいと思う。

…これにより、私は2~3年間カルピス社のカモになることが確定したが、薬の量が減り、気管支喘息の治りが少しでも早まるなら、本望。

後日談。
「守る働く乳酸菌L-92」摂取開始から1年後に抗アレルギー剤(モンテルカスト)を服用せずに済むようになり、1年2ヶ月後に喘息のメイン治療薬(レルベア)が半量に減ったので、医療費が少し安く済むようになった。
2年が過ぎる頃には、スーパーや衣料品店にマスクなしで入っても咳さえ出なくなり、通院も3ヶ月に1度で済むようになった。だが、発症原因となった場所(㈱ワークスアプリケーションズの勤務エリア)には、未だN95マスクなしでは入室することさえできない。(マスクをつけていても入室するだけで咳が増える)

この快復速度が早いのか遅いのかは、他の患者さんと比較したことがないので分からない。だが個人的には、「守る働く乳酸菌L-92」飲料は快復の一助を担ってくれたと感じている。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料を試す上での注意事項

アレルギーが気管支喘息の原因かどうかを確認する

気管支喘息の発作を誘発するものは、気候の変化や煙などの気管支への刺激から精神的なストレスまで、多岐に渡る。何が原因で喘息が増悪ぞうあくするのか、何が原因で発作が出るのかを医師の問診・検査等で確認してから、「守る働く乳酸菌 L-92」や「アレルケア」を試す方がいい。

ハウスダストアレルギー・ダニアレルギー・花粉症が気管支喘息を悪化させる因子ではない場合(=アトピー型気管支喘息ではない場合)、「守る働く乳酸菌L-92」を飲んでも効果が出なかった、という残念な結果になりかねない
飲料とはいえ1本100円以上するものなので、早まって無駄な時間やお金をかけない方がいい。

私の場合は、勤務先(ワークスアプリケーションズ社)にある5年間掃除されていない部屋で2年半勤務し、ハウスダストアレルギー・ダニアレルギーを発症して重症持続型の気管支喘息も発症したという病歴なので、

  • 血液検査で総IgE数値が正常の範囲を越えている
  • 血液検査でハウスダストとダニのアレルギーが陽性(IgE-RASTがどちらもクラス2)
  • 気候や心理状態に関わりなく、埃の多い部屋に入ると10~15分で動悸・息切れの喘息症状が出る

ことが既に確認されている。
また、呼吸器内科医である主治医から抗アレルギー剤を処方されている。

胃や腸の悪い時は摂取を控える

感染症胃腸炎で内科にかかった際に、アレルギー体質の方は腸が強くないこと、胃や腸の調子が良くないときは乳製品を控えた方が良いこと、をご指導頂いた。
残念ながら、胃腸の悪い時は、「守る働く乳酸菌」も摂取を控えた方が良さそうだ。

ちなみに、風邪の治療のため1週間ほど摂取を控えたが、その間喘息症状が出やすくなるようなことはなかった。1〜2週間程度ならL-92乳酸菌断食(?)をしても、問題はなさそう。

冬の夜は飲むのが少々辛い

春・夏・秋は特に支障なく飲み続けることができたが、冬に入り温かいものを飲む季節になると、「守る働く乳酸菌」を毎日続けることが格段に難しくなった。

乳酸菌の種類にもよるが、一般的に乳酸菌は温めると菌が死滅してしまうので、真冬でも常温で飲むしかない。だが、冬の夜に凍えながら帰宅した後では、常温とはいえ、さすがに200mlの飲料を飲む気がしなかった。

「守る働く乳酸菌」が200mlから100mlに変わってから冬でも続けやすくはなったが、それでも飲むのが1日おきになってしまうなど、夏と同じようにはいかなかった。

冬だけは「アレルケア(錠剤)」等別のL-92乳酸菌食品に切り替えるなど、続けにくい季節の代替案は用意しておいた方がよさそう。

追記:L-92乳酸菌ポーションタイプについて

近年L-92乳酸菌シリーズに、ポーションタイプのものが発売された。珈琲フレッシュをやや大きくしたようなプラスチック容器に、半透明の白っぽい液体が入っており、よく振ってから水や牛乳で割って飲む、とのこと。

「守る働くL-92乳酸菌」のポーションタイプを撮影した写真。赤いパッケージのポーションが画面全体にたくさん写っている。

↑ L-92乳酸菌のポーションタイプ。珈琲フレッシュを一回り大きくしたような容器に入っている。

100ml飲料のL-92乳酸菌飲料を何本も頼むより明らかに軽そう(=宅配便のお兄さんにも負担が少なそう)だったので、試しに取り寄せて水で割って飲んでみたところ、大変私好みの味で美味しかったので、思わず追記欄を設けた(笑)

味は濃いめのカルピスのような感じで、とろみはついておらず、飲み口もさらっとしている。100mlのL-92乳酸菌にもちろん味は似ているのだが、濃さを自分で調節できるせいか、100ml飲料のものより美味しく感じる。

お湯で割ることはできないようだが、割る水の量を自由に調整できるので、寒い冬により飲みやすくなるのもありがたい。炭酸水にはまず間違いなく合いそうな味なので、夏になったら是非炭酸割りも試してみたいと思っている。