薬以外の喘息治療」タグアーカイブ

薬を使わない気管支喘息治療法 (冷水浴・L-92乳酸菌など)

気管支喘息についての書籍に冷水浴や乾布摩擦など、薬を必要としない治療法について言及されているものがある。

気管支喘息は、患者と医師と家族の三人四脚(?)で、喘息日記やピークフローメータ―での自己管理と、投薬を中心とした治療を行うことが多い。だが、薬を必要としない治療法の中には、吸引薬でのコントロールが不要なレベルまで喘息が完治した事例があり、「薬なしで喘息が治るなら、これほど素晴らしいこともない」と思い、吸引薬以外の治療法も積極的に試すことにした。

※治療にどの程度貢献したか効果の程が測りにくいものも多いが、ご寛恕頂けると有難い。
※紹介している全ての治療法は、吸引薬と内服薬での治療と併用しながら試した。目に見える効果が出たとしても、単に薬が効いただけだった可能性もある。

冷水浴

冷水浴は、喘息専門医の書籍で強く勧められていたもの。
但し、心臓や血圧に疾患のある方は身体に負担がかかる可能性があるので、試す前に必ず医師とご相談を。

冷水浴のやり方

水温15度程度の水を、毎日朝と晩の2回、風呂桶5~6杯分を身体にかける、という治療法。夜は風呂上がりなどでok。浴槽の温度より5度以上低い水(ぬるま湯)を、足にかけるだけでも効果がある。

冷水浴を実践する

冬はとてもではないが実践出来なかったので、4月から開始。1日1回で入浴時に行った。頻度は週3~4回。(毎日試すべきだが忘れることが多い) 4月は風呂桶0.5杯から始め、6月頃には桶2杯まで浴びられるようになった。

結果

2ヶ月半続けると、素人でも分かるほど体質が変わった。「寒さ・冷たさに強くなる」を通り越して暑がりになり、冷え症が治った

雨に降られて上着の裾やジーンズがずぶぬれになっても、寒さを感じず、風邪をひくこともない。6月には既にノースリーブのまま過ごす時間が増え、「そんな格好だと風邪ひかない?」と周囲から心配されるまでになった(笑) 手足が常にあたたかく、手の甲に青っぽく見えている血管が太くなり、目に入りやすくなった気がする。

そんな状態で7月8月の夏を迎えると、耐えきれないくらい夏の暑さが身に染みた(笑) 冷え症だった頃は、夏は冬より過ごしやすい季節だと思っていたが、夏の暑さがこれほど耐えがたいものだとは思わなかった。あまりに暑さを感じるので、7月上旬に冷水浴を一時中断。

冷水浴を行ってから、風邪は一度も引いていない。現時点では、喘息の治癒にどこまで影響を与えているかは不明だが、風邪・インフルエンザの感染で喘息を悪化させることは防いでくれている。

L-92乳酸菌飲料を毎日摂る

カルピス社の「守る働く乳酸菌 L-92」飲料や「アレルケア」などのL-92乳酸菌を含む食べ物は、花粉症や通年性アレルギー(ハウスダストアレルギー・ダニアレルギーなど)に一定の効果が期待できるとのこと。

カルピスの「守る働く乳酸菌L-92(100ml)」を正面から撮影した写真。背景に、守る働く乳酸菌L-92(100ml)が10本以上写り込んでいる。

↑ 私が愛飲している「守る働く乳酸菌L-92」(100ml)

自分はアトピー型気管支喘息(アレルギーを起因とする喘息)で、アレルギー反応を抑えないと喘息発作を予防できないので、「守る働く乳酸菌 L-92」飲料を1日1本飲むことにした。

結果

9週間以上飲み続けると、喘息発作どころか、喘息症状すら殆ど起きなくなった。1ヶ月半で喘息発作0回、喘息症状が2回。ただ、体質を変えるまでには至らなかった。

1日1本ずつ飲んでも3週間では結果が出なかったが、6週間でハウスダストアレルギーの症状が軽くなり、スーパーや古い建物など今まで入れなかった室内にも入れるようになった。3ヶ月目の現在は、入店時に愛用のマスクをつけ忘れるほど気楽な心持でいられている。スーパーや衣料品店など、ちょっとした外出のたびに、「また喘息発作が起きるのではないか」と予防に予防を重ねてはびくびくしていたのが嘘のようだ。

私ははカルピス社の回し者ではないのだが、今はちょっと滑稽なほど、カルピス様々である。3ヶ月で、すっかりネギをしょったカモになってしまった…。

「守る働く乳酸菌 L-92」飲料は抗アレルギー剤も処方されている状態で飲んでいたので、純粋にL-92乳酸菌の効果とは言い切れない。だが、どんな理由にせよ、症状の起きない日数が長くなるほどアレルギー体質は弱まるので、よしとしている。

 → 「守る働く乳酸菌L-92」と摂取経過については、こちら

軽く汗ばむ運動を毎日20分以上行う

喘息に適した運動

気管支喘息に適した運動と適さない運動というものがあり、水泳・早足でのウォーキング・ジョギングは喘息に適した運動とのこと。(喘息向きの運動は他にもあるが、この3つは特に推薦する医師が多かった)

中でも喘息治療に最適な運動は水泳だそうだが、真冬に行うと風邪をひきそうなので除外し、喘息の病状が多少悪くても毎日続けることができるもの、と考えてウォーキングを選択。
毎日1時間から1時間半、早足で歩くことを習慣づけた。ウォーキングの時間が取れない場合は、時間を20~30分と短くするか、サイクリングで代用した。

結果

効果覿面だった。連続歩行時間は15分から始まり、ひと月後には90分を超えた。
60分を何度か超え始めた時に大学病院で呼吸機能の検査を受けたところ、一秒率が正常値の98%に迫るほど、呼吸機能が回復していることが確認できた。

毎日歩くと、喘息の快復に比例して連続歩行時間が延びてゆくのが分かり、モチベーションが続きやすい。また、連続歩行時間が60分以上だと「最近気管支の調子がいいな」と、ピークフローメーターで計らずとも把握できるようになった。手軽さと即効性の高さが、とにかく良かった。

普段から歩いて筋力と体力をつけておくと、鍛えている分だけ、発作が起きて気管が狭まった時も息切れが始まるまでの時間が長くなる。ウォーキングを始める前で自分が最も体調の悪かった時は、最高15分までしか連続歩行できなかったが、毎日歩き始めてからは2ヵ月後には、3回以上発作を起こした週でも45分は連続歩行できるようになっており、日常生活を大きく崩さずに済んでいる。

また、日光に含まれる紫外線には、副交感神経優位から交感神経優位に切り替える働きがあるらしい。喘息治療薬に交感神経優位に切り替える作用を持つものが多いように、副交感神経優位だと気道が狭まるので、喘息を治すには適度に交感神経優位の方がいいらしい。そのため、なるべく日の高いうちにウォーキングするようにしている。

歩くのがあまり好きでない方は、ウォーキングシューズ等のスポーツシューズを試されると良いと思う。靴が足にフィットし、軽くて弾むように歩ける靴に出会うと、歩くことが楽しくなる。
私はニューバランスの女性用シューズとZootのトライアスロン用水陸両用シューズを使っているが、普通の靴と履き心地・歩き心地が違いすぎるので、日々こればかり履いてしまう。どちらも、7500円と4000円でお手頃価格だった。
1万円を超える高価な靴でなくとも違いを実感できるので、歩きやすい靴を1足持つのはおすすめ。

余談:サイクリングについて

筆者はクロスバイク(スポーツ用自転車)の愛好家だが、サイクリングは喘息患者がやっても差し支えないが、治療にはさほど適さないスポーツだそうだ。特に冬の冷たい空気を吸い込むと、気管支への刺激になってしまい良くないらしいので、マフラーやマスクで口から肺にかけてを完全防備する必要がある。

乾布摩擦・皮膚摩擦

乾布摩擦は風邪の予防になる、と昔から言われている。喘息治療の書籍でも医師が勧めていたので、効果があるのだろうと思い、やってみた。

方法

基本は、乾いたタオル等で素肌を擦る。
書籍によると、喘息患者の間ではタオルではなく亀の子たわしが1番、という結論で落ち着いたらしい。


↑ 亀の子たわし。紐付きが便利。

皮膚摩擦を実践してみた

まずタオルでの乾布摩擦を試してみたが、乾布摩擦でもタオルから綿ぼこりが生じて、5分も続けると喉や気管支がむずがゆくなり、喘息発作の危険を感じて中断。
ハウスダストアレルギーの症状が出ているアトピー型の喘息患者には、タオルは確かに不適当だった…。

残念ながら自宅に亀の子たわしがなかったので、当面の間プラスチック製のヘアブラシで代用している。柄が長いものを選ぶと背中まで届くので便利。

結果

上半身の服を脱ぐというハードルの高さもあり、一人暮らしではない女性が毎日行うのは難しかった。今のところ週1回程度しか実施していないので、効果は感じられていない。

created by Rinker
亀の子束子西尾商店(Kamenoko-tawashi)
¥1,124 (2024/04/25 05:14:18時点 Amazon調べ-詳細)

れんこん・納豆・ヨーグルトを毎日食べる

自分がアトピー型気管支喘息(アレルギーを起因として悪化する喘息)なので、ハウスダストのアレルギー反応を抑えるため、アレルギーに良いとされる食べ物をよく摂ることにした。

インターネットで調べたところ、普段あまり食べていなかった食物のうちアレルギーに効果ありとされる食物は、れんこん・納豆・ヨーグルトの3種で、これらを毎日摂取するよう心がけた。

結果

約1ヶ月食べ続けたが、残念ながら目に見える効果は現れなかった。私はハウスダストアレルギーが、スーパーや衣料品店に軒並み入れないほど強い(入店すると動悸・息切れの症状が現れ、10分以内に喘息発作が起きる)ので、強すぎるアレルギーには効果が薄いのだろうかと根拠もなく考えている。

ヨーグルトは、花粉症の友人がヨーグルトメーカーでヨーグルトを自作し毎日のように摂取しているが、こちらも目立った効果は見らなかった。乳製品を毎日摂取するのは胃腸の弱い方にはおすすめしづらいということもあり、全ての人が試せる方法とは言い難かった。

れんこん

加工なしに単品で食べることが出来る納豆やヨーグルトは続けやすかったが、加工が必要なれんこんは、レパートリーの数が少なかったこともあり、苦労した。
れんこんのレシピと言えばきんぴらくらいしか思い浮かばなかったので、れんこんの甘酢炒め、れんこん餅、れんこんのチーズ焼き等々レパートリーを増やすことから始め、作り置きがしやすく、1週間食べても飽きないレシピを身につけて何とか1ヶ月を乗りきった。れんこん自体は淡白な味なので、作ることに慣れてしまえば、毎日食べ続けることは難しくなかった。

れんこん餅はもちもちと触感が良く、ねぎ・コーン・大根おろし・キムチを入れたりとアレンジも楽なので、れんこんで効果があった方にはおすすめ。

  • れんこんもちの作り方

大根もちと同じ。れんこん10cm分をおろし金ですりおろし、小麦粉と片栗粉と大さじ3~5杯入れて混ぜたら、フライパンにサラダ油を引いて焼くだけ。
酢と醤油を同量混ぜた酢醤油に浸けて、さっぱり味で食べるとおいしい。


↑ れんこんもちの画像がなかったので、大根もちで代用。
食べるまで区別がつかない程度には、姿かたちが良く似ている(笑)

  • れんこんのチーズ焼きの作り方

れんこんを3mmくらいの薄い輪切りにし、サラダ油を敷いたフライパンで焼き、塩コショウとチーズをかける。チーズに焼き目がついたら出来上がり。

れんこんのチーズ焼きは、作り始めてから食卓に出すまで10分かからない。

納豆

納豆は火を通す必要がなく、何を入れてもおいしく食べられたので、納豆で効果の出た方は、喘息治療の強力な味方になってくれる。

おすすめの食べ方は、

  • キムチ&ネギ&ごま油の韓国風納豆
  • ネギ&大葉&ミョウガ&ショウガの薬味尽くし納豆
  • チーズ2種&パセリの洋風納豆
  • マヨネーズと付属ダシのみのシンプル納豆

など。これにハムや生卵などを足すと、堂々おかずの1品になるようなボリュームが出るので、より使いやすい。

余談:ポリフェノール

同じくアレルギーに良いとされるポリフェノールを多く含む食品(チョコレートや葡萄など)も、毎日摂取しようと試したことがあった。が、チョコレートを毎日食べる訳にもいかず、スーパーに入れない身では重くかさばる葡萄ジュースを3日おきに買うこともできなかったので、こちらは挫折した。

薄着で過ごす

厚着は、喘息に良くないらしい。特に小児喘息において、喘息だからと必要以上に厚着させると、喘息を治すどころか悪化させてしまうとのこと。また、冷え症も喘息が治りにくいと言われている。

春から夏にかけて街行く人と同じ枚数・厚さの服を着ることから始め、ウールの服を着すぎない、重ね着をしすぎないよう心掛けた。

結果

当初は、4月頃に周囲の方と同じ服装をしていると、肌寒く辛かった。寒い寒いと思っていると思考が阻害されがちで、考えがまとまらず困った。

が、ウォーキングと冷水浴を毎日行っていると、6月には結果として薄着になった(笑) 手足が常に暑いので、6月に終日ノースリーブで過ごす程度には薄着が出来るようになった。冷水浴を始めて以降風邪や他の病気にも罹っていないので、薄着や冷水浴は冷え症と風邪等の感染症を防ぐ効果はありそう。

気管支を鍛える効果があるかや、喘息の治療を早めているかについては、残念ながら、実感がまだない。今は、喘息の悪化を防ぎ身体そのものを鍛えている、という認識でいる。

成人喘息は吸引薬が不要なレベルまで完治出来るか (久徳重和医師の書籍「ぜんそくは自分で治せる」を読んで)

成人喘息は、一度発症したら一生お付き合いしないといけない病、つまり、不治の病だと聞いていた。

小児喘息はともかく、成人になってから発症した喘息は完治した事例が少ない。完治した事例は喘息全体の10%未満、しかもそのほとんどが、喘息重症度が4段階中最も低い患者とのこと。
10年以上喘息の治療を続けている患者が50%を超え、25%は20年以上治療を続けている、それが現代の成人の喘息治療の現実だと思っていた。

そこに、図書館で偶然この本を見かけた。

喘息が治せる。それも、小児喘息に限らず、成人の喘息さえも、吸引薬が不要なレベルにまで完治出来るらしい。

呼吸器科の医師が、現代医学では喘息は症状を抑えるだけで完治は出来ないと主張し、患者の多くはそのことを知っている。なのでタイトルを見た瞬間、「マユツバものの本だ」と思った。が、同時に、「暗く長い闇に差し込んだ一筋の光明かもしれない」とも思ってしまった。
払いたくもない薬代を払って発作に耐えながら一生付き合い続けるしかないと思っていた喘息が、治るかもしれない。そう思えただけで、少し前向きな気分になれたことは否めない。

誘惑に負けて、本を借りて帰って読んだ。

マユツバ本だろうから必要な箇所だけ飛ばし読みをしよう、と思って最初はあちこち飛ばして読んだが、結局再読し直して、最初から最後まで飛ばさず読み直す羽目になった。
読み直しながら、喘息患者としての自分はこんなにも希望に飢えていたんだな、と感じた。縋れるものがあるなら、藁にも縋りたい。発作が起きるから、衣料品店にも入れず、親友の引越の手伝いも出来ない…そんな日々を全てリセットして、健康な身体を返して欲しい、そういう悲鳴にも似た願いが心の奥底にあったことに、この本に出会ってから気付いた。

喘息とは心と身体とアレルギーが複雑に絡みあったもの

過去から現代に至るまで喘息完治の実例を多数持ちながらも、この本の手法が喘息治療の主流にならない理由は、喘息には心の原因が絡んでくることを明言し、治療においても心因を取り除くことを、重要視しているからだろう。

心の在り方や物事への感じ方1つで、喘息は発症しうるし、悪化(増悪)しうることもあれば、劇的に改善しうることもある。
こうした心と身体とアレルギーの3つを絡めた総合医学的なアプローチが、身体とその機能のみに着目してミクロの観点から治療を進める西洋医学と歩調を合わせ辛いのだろう。

また、「この薬を飲めば治る」といった画一的な治療法は取れず、患者からのヒアリングを中心とした診察と、その患者専用にカスタマイズされた医師の言葉の一言一言が治療のメインになるようだ。(心因が絡んでくる以上当然かもしれない)
こうした治療法では、ただでさえ少ない喘息専門医に喘息治療法を伝授するとしても年単位の時間がかかり、治療法を日本全土に普及するのは尚のこと難しい、という側面はあるように思う。

家庭での日々の生活をコントロールする

身体面とアレルギーの面からのアプローチは、現在の投薬による喘息治療で十分に対応頂いており、症状を抑えるという点では既に効果が出ている。反面、心の面や日々の生活面からのアプローチは不足しているので、この本から学び、追加で生活に取り入れるべき点が多々あった。

特に「冷水浴」については、寒がりな自分には思いつきもしなかったし、万一思いついたとしても絶対に実行には踏み切らなかっただろうと思う。この書籍で強く推奨されていたため、寒いのを我慢して、風呂桶半分の量の水から開始することにした。(本来は、15度程度の水を風呂桶に5~6杯が目安)

「軽く汗ばむ程度の20分以上の運動」は生活に取り入れやすい(買い物や外出と組み合わせる)ので、今日からでも始めることをおすすめしたい。喘息で鬱々としがちな気分が少し上向きになり、検査結果も良くなったので、自信も頂けた。

一番難しいのは、「心配性な」「口うるさい」両親の性格と「甘えん坊」で「不安でおどおどしている」な自分を変えること、だろうか(苦笑)
親の性格や育て方が喘息に影響を及ぼすとは思いもしなかったが、少なくとも成人喘息においては、両親の性格と喘息の発症割合には関連があるとする研究結果が本書に掲載されていた。

生活習慣や性格を変えることはかなりの難事業だと思うので、一朝一夕には結果が出ないかもしれない。
が、吸引薬なしに喘息が治るならこれほど有難いことはないので、喘息は完治すると信じて、1つずつトライしていこうと思った。

created by Rinker
¥734 (2024/04/25 15:34:03時点 Amazon調べ-詳細)

気管支喘息患者の家に布団用掃除機は必要?(ハウスダストとダニのアレルギー持ちの場合)

結論から言うと、必須とは言い切れない。

週1~2回布団を天日干しするだけで、喉の違和感と睡眠中の咳の回数が軽減される。布団専用掃除機をかけた時と天日干しした時の効果の違いは、実感の上ではなかった。
ただ、布団を外に干せない「花粉の時期」「梅雨」「台風の時期」は、布団用掃除機があると重宝した。

Dyson V6 Triggerの青い布団掃除機全体を真横から撮影した写真。布団掃除機は灰色で所々に濃い青が配置されているデザインで、人が操作するボタンなどは赤色になっている。中央に透明なプラスチックでできた出すとボックスがあり、埃が少し溜まっている。

↑ Dyson V6 Trigger 全体像

私はアレルギーが起因となって気管支喘息を発症したアトピー型喘息で、ダニとハウスダストについてアレルギー症状が出ているため、ダニやハウスダストが周囲にたくさん存在すると、喘息発作が起きる。(但し、私は花粉症については、強い症状が出ていないので、花粉の影響はさほど受けない)
布団の場合は、ダニが身体に悪影響を及ぼす。アレルゲン物質となり人体に影響を与えるのは、生きているダニよりもむしろ、死んで粉々になったダニの死骸や糞。粉々になったダニの破片は、目に見えないほど細かい粒子になり、埃として布団や床や空気中に散在している。

インターネット上では、ダニの死骸は天日干しだけでは取り除くことができないので、布団用掃除機で取り除く必要がある、とされている。

Dyson V6 Trigger 布団クリーナー

布団用掃除機は、「Dyson V6 Trigger」というdyson(ダイソン)社製品を、新品で購入し使用。
dyson社製品は、布団用掃除機と通常の掃除機(スティック型ではない)の2台を有しているが、どちらも吸引力が強く埃がよく取れ、短時間で綺麗になるので、ダイソンの掃除機自体はかなりおすすめ。

布団掃除機Dyson V6 Triggerの持ち手の部分を拡大して撮影した写真。電源オンオフを切り替える赤いボタンと「v6 trigger」と書かれた白いロゴが見えている

↑ ダイソン V6 Triggerの持ち手部分。赤いボタンを指で引くと、電源がオンになる

布団用掃除機Dyson V6 Triggerのお尻の部分を拡大して撮影した写真。青いプラスチックで出来た排気口と「MAX」と書かれた丸いボタンが見えている。

↑ ↑お尻の部分。MAXボタンを押すと、強モードに切り替わる。

布団掃除機Dyson V6 Triggerのお尻に取り付けられている排気口の部品を外して撮影した写真。丸くて青いプラスチック部品の中に、白いフィルターが見えている。

↑ 排気口を取り外した状態。何度か使用した後だが、フィルタは汚れていなかった。

布団掃除機Dyson V6 Triggerの底面を撮影した写真。底面に、重さや充電時間や使用上の注意などが明記されているシールが貼られている。

↑ 底面。重さと充電時間が明記されたシールが貼られている。

充電してから使用するコードレスタイプで、3.5時間の充電すると約20分間掃除出来る。
ボディの後ろに「MAX」と書かれたまるいボタンが付いており、MAXボタンを押すと、パワーの強弱を切り替えることができる。強モードでは、連続使用可能時間は約6分。

慣れてくると約20分間で、掛け布団(片面×2回)・敷き布団(片面×1回)・ぬいぐるみ(小サイズ4体)くらいに掃除機をかけることが出来る。

布団掃除機Dyson V6 Triggerのダストトレイを少し開いた状態で撮影した写真。赤いレバーを下向きに1度押すと、透明なダストトレイの底が抜けるようにしてトレイが開く。ダストトレイの中に埃が入っているのが見える

↑ dyson v6 trigger のダストボックスの開き方。底が抜けるように開く…

レバーを下向きに一度だけ押すと、ダストボックスが開く。使い始めたばかりの頃、レバーの役割を知らずに押してしまい、埃を床にぶちまけそうになったことがあるので、ご注意を…。

ダイソン社の公式通販サイト

ダイソン社の公式サイトがあったので、リンク。製品の細かい仕様をお知りになりたい方は、こちらからどうぞ。

dyson公式 ハンディクリーナー

ダイソンv6 triggerで掃除できたもの

  • 敷き布団
  • かけ布団(毛布)
  • ソファー(布製・革製)
  • 座布団
  • 電気カーペット
  • ぬいぐるみ

布製品全般に掃除機をかけることができた。
掃除機をかけることで、布が傷んだり、キズがついたり、といったことは特に起きなかった。布団やぬいぐるみは年に1~2回度お洗濯するが、洗濯の方が、生地の傷みや色落ちが激しいように感じる。

ダイソン v6 trigger 布団クリーナーを使った感想

布団用掃除機をかけると、その場所で眠っても起きた時喉がイガイガしないので、一定の効果はあると思う。だが、正直なところ、使用前と使用後の違いが分からなかった。

敷き布団と毛布は、春から秋にかけて週1~2回の頻度で布団掃除機を使っているが、吸引薬での喘息のコントロールが不十分だった時分は、布団用掃除機をかけた後の布団でも、週1~2回くらい夜明け前に咳で目が覚めてしまうことがあった。布団掃除機だけで夜間の喘息症状を抑えるのは、さすがに無理だったようだ。

吸入薬での喘息コントロールが十分でき始めてからは、天日干しと布団用掃除機で布団のダニを減らしていることが功を奏し、咳や喉の違和感が原因で睡眠を妨げられることはほぼなくなった。睡眠妨害は、月0回~1回程度。

梅雨台風の時期は、曇りや雨の日が多く天日干しがしづらいので、布団用掃除機が見事活躍した。雨に濡れても洗い直せばいい衣類と違い、布団は濡れると大変なので、曇りの日でも天日干しを諦めざるを得ず、代わりに布団掃除機をかけてしのぐことができた。

また、私はイネ科の植物の花粉症があるので、7月上旬から8月にかけては、花粉症で少々辛い。花粉の飛散する時期は布団に掃除機をかけて、くしゃみと鼻水の回数を減らすようにしていた。

ダイソンの布団クリーナーを使う上での注意事項

うるさい

掃除機の間近で音を聞くからかもしれないが、掃除機をかけている間中工事現場の近くのようなうるさい音がする。

夜は、窓を閉めていても使用を憚られる。ハウスダスト・ダニアレルギーの喘息患者が掃除する時は、窓を全開にして掃除することが多いと思うが、この掃除機を掛ける時は騒音が酷いので、ご近所様にちょっと申し訳なく思う。
睡眠の直前に掃除機をかけるのは、ご近所迷惑を覚悟しない限り難しいと思う。

片手で使うには重い

重さが1.6kg以上あるので、男性が使うには問題ないが、女性が片手で連続20分使用するには少々重い。私は数分おきに休憩を挟みながら、断続的に使っている。

布団クリーナーの使用感その2 ~後日談~

後日、花粉症のひどい方と一緒に暮らす機会があったのだが、気管支喘息より花粉症の方が、布団クリーナーの効果が高かった。

その花粉症の方は、目・鼻が毎日花粉でやられてしまい、ティッシュを手放すことができず、ひどいときは副鼻腔炎にまで悪化して慢性的な頭痛に悩まされていた。春のうららかな陽気の間中、衣類はおろか布団でも屋外に干すことができない。衣類は極力室内干しに、布団も布団クリーナーで代用という生活が始まり、布団クリーナーの有難みを実感した。

音は相変わらずうるさく気にはなるが、布団を外に干さずに済み、外から入ってきた花粉もある程度除去できる、という利便性には代えがたかった。何より、花粉を多く抱き込む布製品全般を掃除することができるので、アレルゲンの根絶に一役買ってくれたように思う。

掃除と収納で、気管支喘息の悪化を防ぐ

ハウスダストアレルギーとダニアレルギーのアレルギー症状が既に出てしまっている気管支喘息患者の、掃除・整理整頓の方法をご紹介。手間とお金のかからないアレルギー対策を模索中なので、喘息患者の身体に負担がかからず、効果の高かった掃除・収納方法をシェアする。

布製品はこまめに天日干し

敷き布団と掛け布団(毛布)を片面2時間ずつ直射日光の下で干すと、起床時に喉に違和感を感じる(喉がイガイガする)回数が減った。天日干しすることで、アレルゲン物質であるダニの死骸や糞を減らすことができ、風通しを良くすることでハウスダストやダニそのものが減るからではないかと推測している。

布団は重く、雨に降られたら悲惨で、少々手間でもあるが、お金はほぼかからない。掛け布団や毛布を干すだけでも効果があるので、できるだけ頻繁に(週1~2回くらい)天日干しすることおすすめしたい。

布団以外にも、座布団・クッション・ぬいぐるみ・ウール100%の服など、布製品でダニが生息しそうだと感じたものは、残らず天日干しすることにしている。

但し、花粉症をお持ちの方は、天日干しすることで症状が悪化する恐れもあるため、必ず事前に主治医とご相談を。

干せないものは布団クリーナーで掃除機をかける

布製の3人掛けソファーなど、天日干しができないできないものは、dysonの布団用掃除機(布団クリーナー)で2~3日に1回掃除機をかけている。
 → 布団クリーナーの詳細についてはこちら
 
布団クリーナーは少々お高い。新品で買うと30000円くらいする。購入するか約2週間迷ったが、家族から強い要望があったこともあり、購入に踏み切った。

ソファー・クッション・敷き布団・掛け布団・ぬいぐるみ・電気カーペット・座布団と思いつくまま掃除機をかけているが、正直天日干しとの効果の違いは分からない。どちらも、導入してから喉のイガイガの症状が無くなったので、喘息の増悪を防ぐ効果はあると思う。
現在は、天日干しした後布団用掃除機で吸う、という合わせ技で利用している。

ちなみに、天日干しと布団掃除機の両方を2週間程サボると、喉がイガイガする症状が再発した(笑) 人間、なるべくこまめに働くことは大事らしい…。

布製品を減らし、蓋のできる場所に仕舞う

時間と労力がかかるが、後々大きな効果を得られた方法として、布製品の数そのものを減らすことが挙げられる。

アレルゲン物質であるハウスダストは、屋外からやってくることは少なく、主に室内にある布製品や紙クズから発生する。ハウスダストの量を根本的に減らすために、1~2ヶ月かけて自宅の布製品を整理・処分した。

使用頻度の少ない布製品から処分する(=よく使う布製品は捨てない)

昔からぬいぐるみのふかふかさが大好きで、自室にはぬいぐるみが大小合わせて8つほどある。喘息を発症し、布製品の処分が必要だと分かった時、真っ先に家族から目をつけられたのはこのぬいぐるみ達だった。

が、ぬいぐるみに癒されながら会社勤め(=長時間労働)に耐えてきた身としては、ぬいぐるみと言えど戦友のようなもので、どうしても捨てるのは嫌だったので、断固として処分を拒否し、未だに8匹とも五体満足のまま自室に飾ってある。

代わりに、使用頻度の少ない布製品(服や鞄)を徹底的に処分した。

埃は、使用頻度の少ないものの上に積もり、使用頻度の多いものには積もらない。また、経験上、1~2日前に出来た新しい埃ではなく、何年も掃除されていなかった場所に積もった古い埃を吸った時の方が、発作が起きる頻度が多く、発作の酷さも深刻。
なので、布製品も使用頻度の高いものだけを手元に置くようにすれば、古い埃や古いハウスダストの量が減り、アレルギー反応や喘息の発作も起きにくいのではと考えた。

あくまで素人の意見だが、発生して1~2日しか経っていない埃にはそんなに目くじらを立てなくても良いのではないか、とさえ思っている。その前に、部屋の目線より高い位置にある古い埃を、掃除機と水拭きで徹底的に撲滅すべき。

ちなみに布製品を処分した後は、室内の小物が減って掃除が楽になり、掃除の際に吸い取る埃の量が明らかに少なくなり、掃除機で埃を吸う頻度も減らすことができた。

布製品は棚に収納する

ハウスダストアレルギーとダニアレルギーがあると、布製品はできる限り、蓋のついた棚や引き出しにしまうことになる。服だろうがタオルだろうがカーペットだろうが、使用頻度が高かろうが低かろうが、収納キャパの許す限り、全てをしまう。

どこに何を仕舞ったかわからなくなることもあるので、棚や引き出しなど収納用品を買い足す場合は、蓋や引き出し前面が透明で中身が見えるものを選んだ方がいい。(引き出しにラベルを貼って見分けるなど、細やかな対応が出来るご家庭は、透明でなくてもいい。私はできない笑)

棚を買い増すのが面倒な時は、スーパーで貰う大型で透明なビニール袋を取っておき、その袋に小物をしまって吊るして保管していた。見栄えは多少悪いが、タオルやスリッパや季節の用品など軽くてかさばるものは、この方法で問題なかった。

created by Rinker
サンコープラスチック(SankoPlastic)
¥2,702 (2024/04/25 00:47:30時点 Amazon調べ-詳細)

布製品を室内に飾りたい場合は

お気に入りの服や布鞄やぬいぐるみなど、どうしても棚の中ではなく机の上などで小物を愛でたいことは、誰しもあると思う。

私は愛でたいものは思い切って引き出しから出してしまい、代わりに、水洗い・天日干し・陰干し・布団用掃除機での掃除機かけを頻繁に行うようにしている。

ぴよぴよ

↑ 学生の頃から一緒に過ごしているぬいぐるみ

布団用掃除機での掃除は、2~5日に1回ずつ。水洗いや天日干しは、時間の有無や天候に左右され出来る時と出来ない場合があるので、月1回以上、とした。
日々の洗濯物と一緒に陰干しして風通しを良くするだけでも、ハウスダストやダニを防ぐ効果があるように思うので、陰干しだけでも時間の許す限り行うようにしている。

ロボット掃除機ルンバで気管支喘息の悪化を防ぐ (ハウスダストアレルギー・ダニアレルギー持ちの場合)

私は気管支喘息患者の1人だが、ハウスダストアレルギーとダニアレルギー体質で、スーパーと衣料品店に10分以上入っていられないほど、アレルギー症状が強い(苦笑)

喘息患者のの70~80%はアレルギー体質を有しているという調査結果が報告されているように、喘息とアレルギーは深い関わりがある。
アレルギーを発症したことがきっかけで気管支喘息も発症すると、健常者より身体がハウスダストやダニなどのアレルゲン物質に敏感になる。過敏になる、と言ってもいい。

こうしたアレルゲン物質が室内に多く残されていると、喘息を悪化(増悪)させる直接の原因となってしまうので、喘息患者の生活空間からどれだけアレルゲン物質を取り除くことができるかが、喘息の治療において欠かすことのできない重要なポイントになる。

つまり喘息患者は、「アレルゲン物質に敏感になってしまったからこそ、アレルゲンに近づいてでも除去しなければならない」というジレンマを抱えている。

以下、私が普段どんな方法でハウスダストとダニを除去しているかをシェア。
同じ苦しみを持つ方の参考になれば。

※ご注意
喘息の発症原因・悪化原因となる物質(抗原)がハウスダスト・ダニ以外の方は、身体への影響が分からないので、参考程度に読んで頂ければ。
特に花粉症の方にとって、換気や屋外での日干しが身体に良いかは定かではない。

喘息患者におすすめの掃除機は、ロボット掃除機 iRobotルンバ(Roomba)。必須!

これだけは、声を大にして言いたい。
ハウスダストアレルギーとダニアレルギーの体質があり、アレルギー症状が既に出てしまっている場合、ルンバのような自動掃除機なしでは、身体的にも時間的にも喘息患者の負担が大きすぎる。よほど段差の多い家でない限り、メインの掃除機はルンバ1択。

喘息を発症すると、できれば毎日掃除機をかけて掃除してね、ハウスダスト・ダニ・ペットの毛・花粉は喘息を悪化させるからね、と当たり前のように言われてしまう。
だが喘息やハウスダストアレルギーの症状がひどい(重症度が高い)と、掃除機をかけるだけで、舞いあがった埃を吸い込んでしまい、喘息発作が起きる(笑) 私の場合市販のマスクを着用していても発作を防げず、掃除機を放りだして窓の外に出て新鮮な空気を吸うのが、一番の解決策だった。今でも、近くで家族が掃除機をかけ始めたら、全速力でその部屋から飛び出す。

仕事や育児や介護を抱えながら、喘息患者が家中を毎日掃除機をかけることがどれほど危険&面倒か、医師や殿方は分かってないんじゃないかとさえ感じる..。

ルンバを使う最大のメリットは、気管支喘息患者がハウスダストやダニなどのアレルゲンに近寄ることなく、アレルゲンを除去できる点。
しかも、毎日でも掃除でき、費用もさほどかからない。

自動掃除機ルンバを手前からカメラで撮影した写真。ルンバのボディは薄灰色と濃灰色で、ルンバの中央に「CLEAN」と書かれたボタンがあり、緑色に光っている。ルンバは灰色のカーペットの上に置かれており、ボディは引っ掻いたような小さな傷が無数についている。

↑ 我が家のルンバ。酷使するので傷だらけになってしまった。

自動掃除機ルンバでのお掃除方法

喘息患者になってから、お掃除方法も一風変わったやり方になった。

  1. 掃除の前日にルンバを充電しておく
  2. 掃除の直前に、マスクを着用。マスクはN95マスクがベストだが、なければ市販のマスクで性能の良いものを。
  3. 掃除する部屋の窓を全開にする
  4. ルンバの邪魔にならないよう、部屋の床に置かれている物を、机の上などに移動する
  5. ルンバを部屋に持ち込み、スタートボタンを押す
  6. ルンバのスタートボタンを押したらすぐ、ルンバを残して部屋の扉をぴったりと閉め、別室に逃げる
  7. 別室でルンバが掃除し終わるのを待つ
  8. ルンバが止まり10分以上経ってから、部屋に戻りルンバを回収する
    (止まった直後は、空気中にハウスダストが舞ったままなので危険。少し時間をあけてから回収した方が、吸い込む危険が少ない)

ルンバはフル充電に数時間かかるため、前日から充電しておくと、翌朝スムーズに掃除できる。
窓を全開にするのは、アレルゲン物質であるハウスダストとダニを、少しでも多く室外へ出すため。但し、花粉症をお持ちの方は、窓を開けると症状が酷くなることがあるので、医師や体調と要相談。

マスクは、私の場合N95マスクを使用するのが、最も身体への負担が少なかった。N95マスクは、見た目は悪いもののSARS等の感染症の現場でも利用されるような高性能のマスク。
定価で買うと少々値段が高い(1枚400円前後)が、最近はメルカリ等で新品が安く出回るようになり、より使いやすくなった。

N95マスクをお持ちでなければ、ウイルス対策マスクなど、フィルターの目が細かいマスクがおすすめ。花粉症用のマスクは、花粉の粒子が大きい分フィルター性能は低めだろうと思うので、掃除の時はおすすめしない。
 →ウイルス対策マスクの詳細については、こちらへ

ハウスダストアレルギーの症状が強く出ていると、近くで人が掃除機をかけているだけでも、空気中に舞う埃の量が増えて気管支がムズムズするので、「マスクなしでは掃除しない」「掃除中の部屋には入らない」が大原則。

気管支の調子が良く、かつ性能のいいマスクを着用してれば、お掃除はある程度まで独力でできる。
(喘息を理由に人に頼ってばかりだと、逆に喘息完治からは遠のくそうなので、「できることは自分で」の姿勢は忘れずに..)

自動掃除機ルンバを使う際の注意事項・コツ

ダストトレイの埃を捨てる際は、喘息・アレルギー症状のない方のサポートが必要

ルンバ内にあるダストトレイに溜まった埃は、1ヶ月に1回くらいゴミ箱に捨てる必要がある。その時だけは、家族や友人に助けて貰う方が良い。

掃除機をかけるだけでも喘息発作が起きるのに、ダストトレイを引き出すことで舞い上がった大量の埃吸い込んでしまうと、発作が起きる可能性大。私は発作が恐ろしく、ダストトレイを引き出すことさえできなかった。
喘息症状が軽い方も、十分ご用心を。

夜中など誰にも助けて貰えない時は、気密性の高いN95マスクを付け、トレイを外す手順等をリハーサルし、埃の塊を入れるビニール袋も口を開いた状態で諸事万端整えて、手際よく作業する。

喘息発作が起きた時のために、発作用吸引薬を手元に置いておくことや、換気扇の近くなど新鮮な空気のあるところにすぐ逃げられるようにしておくことも大切。

自動掃除機ルンバの部品を交換・清掃する時、喘息やアレルギー症状のない方にサポート頂く

ロボット掃除機ルンバには取り外しの出来る部品(消耗品)が複数使われている。経年とともに、部品は交換やメンテナンスが必要になる。人にサポート頂かないと厳しいなと感じる部品は、

  • ルンバの裏面中央についている、ブラシ2種
  • ダストトレイの中についている、フィルター2点

ルンバ裏面についている2種類のブラシは、埃や糸クズや髪の毛が頻繁に絡まるので、3ヶ月に1回くらい、糸クズや髪の毛をハサミで切り、各ブラシの両側・背面に溜まった埃の塊を取り除く必要がある。
慣れるとブラシは10秒ほどで取り外せるが、埃や糸くずを全て取り除くには、どうしても10分程度はかかる。

ルンバ背面のブラシ2種類を、カメラで真上から撮影した写真。メインブラシとフレキシブルブラシは正しくセットされているが、糸くずや埃で汚れている。写真手前に空のダストボックスが写っている。

↑ ルンバ背面のブラシ2種

喘息の調子が悪い時この作業ができなかったが、体調のいい時にN95マスクと換気を準備してから取りかかったところ、体調を悪化させることなくブラシを掃除することができた。
ブラシ2種は、体調と相談しながら人に頼むかどうかを決めても良さそう。

ルンバ背面のダストボックスとフィルター2点を、カメラで斜め上から撮影した写真。透明なダストボックスの奥に、黄色いフィルターが取りつけられている。空のダストボックスは埃で汚れている。

↑ ルンバ ダストボックスのフィルター

最難関はダストボックス内にあるフィルター2つ↑。
本来は、使用の都度清掃した方がいい部品だそうだが、発作の確率が高すぎるので、都度清掃は早々に諦めた(笑)

使用頻度によるが、数ヶ月に1回交換が必要。さすがに交換は、ハウスダストアレルギー体質の人は避けた方がいいと思う。できるだけ人に頼んで交換してもらい、どうしても人が見つからない時のみ独力で頑張る方向で。
私は気管支喘息を発病後、このフィルター交換作業を自力で行ったことはない…。

なお、ルンバ裏面に設置されている羽根の様なブラシ(エッジブラシ)も消耗品だが、このブラシはさほど埃が付かず、マスクを付ければ自力で交換できたので、問題なかった。

自動掃除機ルンバは、1回の充電で約2円かかる

1回の充電で、4部屋+廊下くらいの広さがお掃除できる。
喘息発症後は、毎日もしくは隔日くらいの頻度で掃除することになるので、年に数百円程度の電気代がかかる。

ルンバのまとめ

こうした注意点に気をつけて頂ければ、床の埃に関しては、ルンバだけで90%迄お掃除できる
床に段差のないバリアフリーのお宅なら、スケジュール実行を設定しておき、決まった時間外出するだけで床の掃除が終わってしまうので、ルンバだけは導入しない理由がない。

ちなみに、irobot社以外が売り出している後発品ルンバ(失礼)でも、勿論構わない。ハウスダストに近づかずに自動で床のお掃除ができるなら、どの製品でもok。

サブとして、手でかける掃除機を併用する

床掃除の負担と手間を省きたいので、できる限りロボット掃除機ルンバで掃除するようにしているが、床面積の残り1割にあたる階段や狭い場所(トイレなど)は、通常の掃除機を使ってかけるしかない。

我が家では、手で掃除機をかけるのは、階段・トイレ・脱衣所の3ヶ所のみ。3ヶ所くらいなら、頻繁に掃除機をかけても身体への負担を抑えられる。

dysonの掃除機がおすすめ

手でかける掃除機は、自宅・友人宅・職場で5種類くらい各種メーカーの製品を試したが、dysonの掃除機が最も部屋が綺麗になり、喘息患者への身体の負担も少なかった

dysonの掃除機は吸引力が強く、排気口から排出される空気にハウスダストなどのアレルゲン物質が少ないことで有名なので、喘息患者のいないご家庭でも愛用されている。

dysonの掃除機では、N95マスクを正しく着用していれば、喘息患者が掃除しても咳が殆ど出なかった。
ただ、掃除した日から数日間、痰(=気管支分泌物)の量と痰の出る頻度が普段よりやや多いように感じる。掃除中はどうしても埃が舞い上がるので、掃除を終えてマスクを外した後、少量の埃が体内に入ってしまうのかもしれない。

dysonの掃除機は吸引力が素晴らしく、他社製品と同じように掃除機をかけても、dysonを使う方が部屋が綺麗になった(笑) 効率良くお掃除するという点においても、dysonをおすすめできる。
ただ、吸引力が強い分、モーターの音がそれなりにうるさいので、夜しかお掃除できない方には少々辛いかもしれない。

dyson掃除機の詳細については、dyson社の公式サイト↓へどうぞ。画像をクリックするとdyson公式HPに飛び、掃除機についてより詳細な情報を確認できる。

ちなみに、喘息専門医の書籍によると、掃除機のメーカーや吸引力にはあまりこだわらなくていい、とのこと。
吸引力は普通程度あれば良く、掃除する頻度の方がより重要とのことなので、音の静かな掃除機、軽くて小回りのきく掃除機など、ご自分に使いやすい掃除機でも問題ないと思う。

手でかける掃除機でお掃除する際、窓を全開にし、掃除機の柄をできるだけ長くして、吸込口から身体(特に鼻と口)をできるだけ離すようにしてかけると、より身体への負担が少なくなる。

Dyson コードレス クリーナー V8 Fluffy Extra SV10 TI
Dyson(ダイソン)

ハウスダストアレルギーのある気管支喘息患者の自宅に必要なもの

勤務先(ワークスアプリケーションズ社)で、5年間まともに掃除されていない部屋で3年働かされた結果、ハウスダストとダニに強いアレルギー症状が現れ、気管支喘息を発症し、2ヶ月半の休職を余儀なくされた。

発症後発作が頻発し、買い物も満足にできなくなった頃、「家にこれがあって良かった…」としみじみ感じた製品がいくつかあったので、皆様にシェア。

※喘息の原因がハウスダストアレルギー・ダニアレルギー以外の方は、参考程度にどうぞ。
※アレルギーだけが気管支喘息を発症・悪化させる要因ではない。だが、私はアレルギーを起因とする喘息患者なので、ここではアレルギーを中心に話をする。

母(=主婦歴の長い女性)

「もの」ではないが、はっきりいって最強。

どんな多機能製品が家にあるよりも、主婦経験豊かな女性が家に1人いるだけで、家からハウスダストとダニが減り、栄養のある食事が並び、日々の生活のポイントを教えて貰える。

店頭に売ってないのでお金では買えないが、年上の嫁を貰う、近所(職場でも可)のおばちゃんと仲良くなる、など第二第三の選択肢が無くはないので、可能な方は一度検討されたし。運良く現在お持ちの方は、とにかく大事にしてあげて欲しい。

(若い女性でも悪くはないが、家事遂行能力と情報収集能力(女性同士のお喋りで喘息に関する情報を拾ってくる)の点において、長年主婦をされている方には勝てないように思う。少なくとも私は、勝てる気がしない。
 例:「レンコンでアレルギーが楽になった」という人の話を聞いてくるや否や、煮たり焼いたりサラダにしたりしながら、飽きさせずに家族に毎日レンコンを食べさせてしまう…。そういったことを自然にできる能力に、秀でているかどうか)

ロボット掃除機 iRobotルンバ(Roomba)

気管支喘息患者がハウスダストやダニなどのアレルゲン物質に直接触れることなく、毎日手軽にアレルゲンを除去できる、という点で画期的な製品。

ハウスダストアレルギーの体質で、既にアレルギー症状が現れている方が、手でかける掃除機だけで家中を掃除しようとすると、身体への負担が大きすぎる。

掃除機を数分かけただけで、アレルギー症状が出たり、喘息発作が出そうになったり、息切れが起きたり、咳や痰の回数や量が増えたりする。ひとたび発作を起こすと、気管支がより過敏になるため、発作後数日間は埃に近付くことさえできなくなる。
ハウスダスト・ダニに曝露された後、発作が起きるまでには僅か10分程しかかからない。手でかける掃除機では、ひと部屋掃除できればいい方だろう…。

喘息患者が過ごす部屋から埃(ハウスダストとダニ)をどれだけ除去できるかが、気管支喘息の症状の改善に大きく関わってくるので、自動掃除機だけは1台ご自宅にあった方がいい。勿論、iRobot社の製品でなくても構わない。

ルンバや他のメーカーの自動掃除機も最近はお値段が下がり、古いものなら1万円台で手に入るようになった。我が家では、新品で購入したものが1台、中古で購入したものが1台の計2台が稼働している。
 → ルンバで喘息の悪化を防ぐ方法・使い方については、こちらへ

N95マスク

N95マスクは、米国のN95規格をクリアし、0.1~0.3μmの微粒子を95%以上除去できる性能を持つマスク。

元々は製造工場等で利用されていた防塵用のマスクだが、SARS等が大流行した際感染症対策にも効果が高いことが証明され、近年は医療現場でも用いられるようになった。

kimberly clark社のN95マスク(表面) 透明なビニール袋に、三角形に折り畳まれたN95マスクが入っている。

↑ kimberly clark社のN95マスク。大学病院内にある医療品コンビニで購入

N95マスクは、マスクのゴム紐が長く、2本のゴム紐を後頭部と首の後ろに通して、マスクと顔をがっちり密着させる仕様になっている。ドラッグストア等で売られている市販のマスクより気密性が高く、マスクのフィルター性能も高いので、ハウスダストやダニや花粉など、空気中を舞うアレルゲン物質をシャットアウトしてくれる。

マスクの形状は何種類かあるが、どれも鼻の頭から顎まで(下の顔半分)をマスクで覆われてしまう。種類によっては、口元からマスクが突き出しアヒルような外見になってしまうので、よく目立ち、初めて見る方には非常に驚かれる(笑)
だが、ハウスダスト・ダニ・花粉などのアレルゲンの侵入を防ぐ効果がとにかく高いので、埃っぽい場所での勤務や掃除の際に、このN95マスクを着用している。

kimberly clark社のN95マスク(裏面)。透明なビニール袋に、三角形に折り畳まれたN95マスクが入っている 。

↑ kimberly clark社のN95マスク(裏面)

当時の私の職場は文字通り埃だらけだったが、「N95マスク着用で」という条件付きで、主治医から就業許可が下りた。気管支喘息やアレルギーに理解のある会社であれば、N95マスクは会社内でも使用できる。

主治医の先生が診断書に「勤務時はN95マスク着用必須」と記載下さったので、私はそのまま職場に提出し、就業許可を得た。
合わせて、社内の花粉症の方に、サンプルとしてN95マスクを1つおすそ分けして、N95マスクへの理解と共感を広めてみている。

3M社のN95マスクを正面から撮影した写真。マスクは透明なビニール袋に入ったままの、新品の状態。「3M」「N95」「1870」等の薄い灰色のロゴが、マスクに直接印刷されている。

3M社の1870タイプのN95マスク(表)

N95マスクは、形や大きさやフィルター性能や装着のしやすさなど、メーカーごとにかなり差がある。時間とお財布が許せば、2~3種類くらい試着してみることをおすすめする。

自分の顔のサイズに合わないものを買ってしまうと、顎の下にマスクが余って外気が筒抜けになってしまったり、極端に性能の高いものを買ってしまうと、呼吸が苦しくて長く使うことができなかったりするので、上手に選ばないとN95マスクの性能の良さを引き出すことができない。

自分の場合、気密度の高さではkimberly clark社製のものが最も良く、普段使いのしやすさでは3M社のものが良かった。

特に3M社の1870タイプのN95マスクは、ゴムバンドがホッチキスで留められているなどシンプルな作りだが、フィルター性能は捕集効率99.7%という高い性能を誇る。(0.3μmの粒子を95%捕獲できればN95規格として認められる)

3M社のN95マスクを裏返し、正面から撮影した写真。マスクは透明なビニール袋に入ったままの、新品の状態。太くて赤いゴム紐2本が、マスクの右から左に走っているのが見える。ビニール袋には、N95マスクの着用方法がイラストで描かれている。

3M社の1870タイプのN95マスク(裏)

3M社のN95マスクは便利だが、性能が高すぎるため、窓の開かない室内で1時間着用すると、酸欠で呼吸が苦しくなる。窓を全開にできる場所で使用するか、こまめに深呼吸休憩を挟むなど、酸素が十分確保できる場所でのみ使うことをおすすめする。
また、新しいものほどゴム紐がきつく、何時間も装着していると耳が痛くなるのでご注意を。

3M社のN95マスクは連続装着時間12時間の使い捨てマスクだが、ウイルスではなくハウスダウトやダニを防ぐことが目的であれば、12時間を多少越えても、問題なく使うことができた。
それでも何十時間も超えて使い続けると、ゴム紐が緩み、マスクの隙間から外気が入ってきて発作が起きやすくなるので、使いすぎはほどほどにするのが良さそう。

白元の「N95マスク」のパッケージ表と内容物(おもて面)。画面左は、青い箱に立体的なN95マスクの写真が印刷されている。画面右は、黒文字で使用方法や仕様が書かれた透明なビニール袋に、N95マスクが1つ折り畳まれた状態で入っている。

↑ 株式会社白元のN95マスク

白元の「N95マスク」のパッケージ裏面と内容物(裏面)。画面左は、N95マスクの青い箱に使用方法と注意事項が書かれてている。画面右は、透明なビニール袋にN95マスクが1つ折り畳まれた状態で入っている

↑ 白元のN95マスクのパッケージ裏(製品説明)

残念ながら、N95マスクは薬局やドラッグストアでは殆ど取り扱われていないので、店舗を何軒も回るより、インターネットで入手した方が早い。お世話になっていた医療品コンビニも入荷がなくなってしまった。

N95の性能の良さと有難さが身に染みている喘息患者としては、せめて医療品コンビニには、常時置いて頂けると有難い。最近ではヤフオクやメルカリでも取り扱いがあり、少ない数量を安く購入できるようになった。

ウイルス対策マスク

客先訪問時や法事など、N95マスクを着けることが出来ない状況では、ウイルス対策用のマスクを利用している。N95マスクと異なり、こちらのマスクは市販のマスクと見た目が変わらない。花粉用マスクよりウイルス対策マスクの方が、より細かい粒子を捕獲してくれるため、喘息発作の起きることが少なかった。

特に気管支喘息が多少改善に向かい始めてからは、生活を元に戻すため、手続き等で出歩かざるを得なくなったのだが、ウイルス対策マスクを使い始めてからは一般的な市販マスクより防御力がアップしたので、行動範囲がより広がった。
 →抗ウイルスマスクの詳細については、こちらへ

UNIQLOのダウンベスト

綿ぼこりが出にくく、あたたかく、部屋着にも外着にもなり、値段も手ごろで2~3枚なら割と楽に所有できる、という気管支喘息患者にはもってこいの衣服

UNIQLOの白色のダウンベストSサイズ(正面)

↑ UNIQLOのダウンベスト

布製ではないのでハウスダストやダニが付きにくく、多少付いたとしても、自宅で水洗いで洗濯できるので、アレルゲン物質を根こそぎ洗い流せる。
洗濯することも踏まえて、最低2枚手元に用意しておきたい。私は白のSサイズと黒のMサイズを入手し、冬の間中着倒している。

UNIQLOの白色のダウンベストSサイズを床に置き、胸元に近づいて撮影した写真。

↑ 近くで見るとこんな感じ

色数も豊富で、老若男女それぞれに似合うものが見つかるはず。ダウン以外に、同じデザインで袖付きのジャケットタイプのものもあるので、外着はそちらを使われるのも良いと思う。

収納用の小さい袋まで付いており、ダウンの空気を押し出しながら収納すると、手のひらサイズの大きさにまで小さくなるので、引き出しへの収納は勿論、持ち運びにも便利だった。

UNIQLOの白色のダウンベストSサイズを白い袋に収納し、正面から撮影した写真。「ULTRA LIGHT DOWN」のロゴが袋の正面にプリントされている。

↑ 冬が過ぎたら専用の袋に保管。持ち運びも収納も楽。

UNIQLO製品の唯一の難点は、UNIQLOの店舗内に足を踏み入れると、短時間で喘息の発作が誘発されてしまうこと。
ハウスダストアレルギーの体質があると、綿ぼこりを吸うとアレルギー反応が出て、喘息発作が起きる。
喘息発症後丸1年間、私はUNIQLOの店舗に近づくことさえできなかった。

購入されたい方は、家族や友人に買って来て貰ってもいいし、インターネットで選ぶのもいい。また、ダウンベストに限らず試着が必要な製品は、UNIQLOの店員さんに訳を話して代金を支払うと、自宅に持ち帰って試着させて貰うことができた。
サイズが合わなかった場合は、購入時のレシートと製品を一緒に翌日店頭に持ち込むと、問題なく返金して頂けた。

店に入れなくて困っていたので、ご協力頂けて心の底から有難かった。UNIQLOさんに感謝。

気管支喘息の症状とピークフローメーターの値を毎日の時間帯ごとに記録する「喘息日記」

喘息日記は、喘息の症状を医師に正確に伝えるのを助けてくれる。特に夜間症状の回数やピークフローの値をメモできる点が有難く、毎日使わせて頂いている。

日記と言っても文章で書くあの日記ではなく、その日その日の喘息の症状を表に○を付けて記録し必要に応じてメモを残すだけという、メモのように簡便な日記だ。

喘息日記の入手方法

青いボールペンで記入された「喘息日記」4日分。発作の有無、咳の有無、痰の量や切れの良し悪し、夜眠れたかなどの欄が朝・昼・夕・夜の欄に分かれれて並んでいる。

喘息日記の原本は、下記のリンク先から入手できる。
リンクをクリックして環境再生保全機構のサイトを開き、「PDFダウンロード(PDF、3.92MB)」のリンクをクリックすると、PDF形式でダウンロードされる。プリンターで印刷してから使用する。

 独立行政法人 環境再生保全機構:ぜん息「日記」

 ※喘息日記はPDF形式なので、Adobe ReaderなどのPDFを開くためのソフトウェア(無料)を、事前にパソコン(もしくはスマホ)にインストールする必要がある

印刷が手間な方は、喘息日誌の冊子を何冊かまとめて発送頂くこともできるらしい。筆者はまだ利用したことがないので、発送にかかるお値段や日数は分からない。

喘息日記の説明

他の疾病と比べ自己管理が重要な喘息において、喘息日記をつけて日々の症状を記録することはごく一般的な手法で、治療の一環として位置づけられている。こちらの喘息日記も、医師の方が書かれた喘息に関する書籍で紹介されていたのを、ネットで探して見つけてきたものだ。

発作(大・中・小)・咳・痰・胸の痛み・息切れと、喘息の主な症状を記入する欄がデフォルトで用意されていて、朝・昼・夕方・夜で記入する欄が分かれている

「喘息日記」にあるピークフロー値入力欄を撮影した写真。朝昼夕晩で記入欄が分かれており、ピークフローの数字が手書きで記入されている。

↑ ピークフロー値の記入欄

ピークフローメーターの数値も、朝・昼・夕方・夜と毎日4ヶ所記入する欄が設けられている。記入した数値を、ページ右側にあるグラフ欄にも転記すれば、1週間のピークフロー値の推移を示すグラフ↓ができあがる。

1週間分のピークフロー値を喘息日記でグラフにしたもの。

↑ 1週間分のピークフロー値を喘息日記でグラフにしたもの。
基準値の100%と80%で青線を引くと、ピークフロー値の推移が一目瞭然に。

吸入・内服している薬の量と頻度を書く欄も設けられており、空欄に項目を自由に書き足して記載することもできる。

喘息日記を使用した感想

こうした資料がインターネット上になければ、Excelで自作して試行錯誤しないといけないだろうと思っていたから、時間と手間が省け大いに助かった。

喘息症状はいつどこで起きたか、どんな症状だったか、咳や痰はあったか、発作用吸引薬はいつ何時頃何回使用したか、夜はよく眠れたか、などを毎日記録し、喘息専門医との診察に喘息日記を毎回持参
前回診察を受けてから起きた発作の症状と回数などを伝え、診察の判断材料にして頂いている。喘息日記の記録を元に、薬の種類が変わったり、薬の量が加減されることが普通にある。

喘息重症度の判定基準の1つに、「1ヶ月間で睡眠を喘息症状に何回妨げられたか」という項目があるが、ひと月に夜何度起きたかはさすがに記録しないと覚えていないので、症状を正確に伝えることに貢献してくれていると感じる。

喘息と診断されてから5ヶ月目に、吐く息を計測するピークフローメーターを使い始めたが、喘息日記のピークフローメーターの欄に毎日値を記録しておくと、ピークフロー値の移り変わりを、簡単にグラフ化できるようになっている。

フィリップス社の「アズマ チェック」(ピークフローメータ―)を、ボディ全身が入るよう正面から撮影した写真。

↑ ピークフローメーター

数値とグラフが上がる=快復しつつある、なので、薬の1~2ヶ月継続して値が上がった時は喘息日記を主治医の先生にお見せし、薬を少し減らして頂くことができる。逆に、数値とグラフが下がる=気道が狭まり悪化しつつある、なので、現在のピークフロー値と調子の良い時のピークフロー値を比べると、症状が良くなっているのか悪化しかけているのか、素人でもすぐに分かるようになった。

私はピークフローの基準値の80%を下回ると喘息発作が出るという分かりやすい体質だが、医師はグラフを見ると私の身体の状況が分かるようで、「今のままキープできると良いですね」など、説明やアドバイスを下さっている。

また、1日1回記入するよう心掛けると、吸引薬と抗アレルギー薬の吸い忘れ・飲み忘れに効果大だった(笑) 毎日3~4種類も薬を持ち歩いていると、どれをいつ飲んだか、1~2日前の記憶と混ざってしまうことも多い。
ひと月ごとに集計すると、発作の回数や咳の頻度が前月より減っていることに気付いたりするので、治療のモチベーションを保ってくれる効果もあった。

喘息日記を使用する上での注意事項

喘息日記を印刷し忘れ、月曜日に記入ができないことがある

喘息日記の仕様上、見開き2ページを1週間で使い切るので、大量に印刷するかこまめに印刷しないと、すぐに日記の用紙がなくなってしまう。記入する項目も多いので、1~2日用紙がないだけでも、覚えきれずに困る。

子ども用の喘息日記(男の子向けと女の子向け)

女の子向けの喘息日記を正面から撮影した写真。全体がピンク色で、表紙に「げんきノート」と書かれており、マイメロディのイラストが印刷されている。

↑ 女の子向けの喘息日記

先日子ども向けの喘息日記を見つけた。
「喘息日記」という名ではなく「まいにちげんきノート」という名前で、「喘息日記」を配布しているのと同じ独立行政法人のホームページで無償公開されている。

漢字に全てよみがなが振られており、イラストやシールも付いているので、小学生以下のお子様にはこちらの方がおすすめ。

「毎日げんきノート」のページを開いて撮影した写真。発作や薬などの漢字にルビが振られている。

↑ 「毎日げんきノート」を開くとこんな感じ。

原本の入手方法も大人の喘息日記と同じ。下記のリンクをクリックして環境再生保全機構のサイトを開き、「PDFダウンロード(PDF、3.92MB)」のリンクをクリックすると、PDF形式でダウンロードされるので、プリンターで印刷してから使用する。
住所登録等の手続きを行えば、冊子として自宅に郵送して貰うことも可能。

男の子向けのぜんそく日記

原本は下記のリンク先よりどうぞ。

小児ぜん息日記「まいにちげんきノート」(しんかんせん版)

男の子向けのものは、印刷が青で、新幹線のイラストつき。

女の子向けのぜんそく日記

原本は下記のリンク先よりどうぞ。

小児ぜん息日記「まいにちげんきノート」(マイメロディ版)

女の子向けのものは、印刷がピンク色で、マイメロディのイラストつき。

気管支喘息を発病するまでの経過を記録する(病歴調査)

喘息の治療法の1つに、自伝や手記を書き喘息の原因となっている心の葛藤を取り除く、という治療法があるらしい。

心のあり方や持ち様が原因で喘息を発症・増悪される方に使われる手法のようで、主にハウスダスト・ダニのアレルギーが起因となって増悪する喘息患者(=私)には適した治療法ではなさそうだが、良い機会なので、発病までの経過を記載してみる。

折角なので、久徳医師の著書に書かれてた病歴調査の手法に倣い、

 心が原因と思われるものには….○
 身体が原因と思われるものには….△
 アレルギーが原因と思われるものには….□
 気道粘膜への刺激と思われるものには….▽
 感染と思われるものには….×

を記入する。

子どもの頃~大学卒業までの経過

父が「心配性」、母が「口うるさい」と、自立より過保護を促す養育環境(=小児喘息を発症しやすい)ではあったが、幸い小児喘息は発症しなかった(○) 。活発な子だったが、感情の切り替えが下手で悪い感情を引きずりやすく(○)、くよくよ悩んだり不安に感じたりする気持ちが人より強かった(○)。
入院歴はなし。3歳から10年間水泳を習っていたため、肺活量も人並み程度にある。

社会人時代~W社勤務前まで

毎年1回勤務先で健康診断を実施頂き、胸部X線のレントゲンを取って頂いていたが、毎回異常なし。1秒量などを量る呼吸機能検査は一度も受けたことがなかった。
BMIが低すぎて「要経過観察」を頂くことは何度かあったが、それ以外どの項目も検査結果に引っかかったことはなかった。

仕事は室内でのデスクワークが多く、常にパソコンがそばにあり、埃を吸い込みやすい環境ではあった(□)。
だが、会社と自宅を往復するだけの生活を送っていたものの、どの会社も清掃が行き届いており、自分も自宅の掃除が嫌いではないので、呼吸器に不安を感じるような機会はなかった。

率先して仕事を組み立てて周りを引っ張る仕事より、周囲のサポートを行う仕事が多かったので、積極的に自立を促される環境ではなかったかもしれない(○)。だが、社会人になって数年が過ぎるまでは、スキルや経験が足りないことが多く、がむしゃらに仕事についていっていた傾向が強いので、その点は良かったと思う。

休日も家でゆっくりすることが多かったので、慢性的な運動不足ではあった(△)。3年前にクロスバイクを乗り始めてからようやく、通勤や遊びで定期的に身体を動かすようになったが、それでも外にいるより室内にいる時間の方が圧倒的に長かった(△)。
社会人の間を通じて、寒がりの冷え症だったため、冬は勿論春秋でもウール素材のあたたかい服で厚着することが多かった(△)。

喘息発病の3年前(W社勤務開始)~喘息発病の約3ヶ月前

発病の3年前に、W社での常駐勤務を開始。
W社にはR室という部屋があり、その部屋はビルの清掃員に入室を許可しておらず、約5年間ろくに掃除されていなかったたため、床と机にありえない量の埃が常時積もっていた(□)。が、W社の社員は9割以上が男性で、細かいことは気にせず勢いに任せて仕事をする会社だったので、部屋の汚さは気にも留めていない様子だった。

残念ながら私はR室で仕事を行うチームに配属されたので、平日は毎日朝10時から夜20時くらいまで、その部屋で仕事を行っていた。勤務当初は何ともなかったが、1年が過ぎた頃からR室に入ると1時間もしないうちに咳が出るようになったので、部屋を出てお茶を飲み、喉を楽にしてからまた仕事に戻る、という生活を繰り返していた。(□)
発病の1年前にはR室以外でも咳をするようになり、家族にも心配されたが、仕事が多忙で深く考える余裕がなく、咳は風邪とは関係なさそうだと思う程度だった。(□△)

W社に常駐していた期間は、自主的に仕事を組み立てる仕事の割合が高かったので、業務内容的には充実感があった。が、平日は21時~23時まで残業するのが当たり前で、土日に仕事をしないと翌週が迎えられないことも時々あったので、勤務時間は明らかに長過ぎた(○)。生活も夜型から超夜型へと変わった(△)。また、話の通じない他部署とやり取りをすることも多く、ストレスもそれなりに多かったとは思う(○□)。

W社が多忙すぎたため、運動に割く時間は更に減少した(△)。
W社に常駐していた期間は、常駐開始した半年後に隣の部署への異動があった(○)くらいで、家族構成の変更などはなく、心の影響は少ないと思う。

喘息発病の約3ヶ月前~発病直前

2016年8月から11月の仕事の繁忙期は、「どの仕事も絶対に期限内に終えないといけない」「絶対にミスできない」「絶対に仕事を休めない」というプレッシャーの中で勤務していた(○)。特に9月3週目は、①R大学のリバースプロキシサーバ作成と負荷検証②M製作所のxxx という厳しい業務が重なり、寿命が縮むかと思った(○)。勤務時間も延びがちで、休日も身体を休めるのが精一杯で運動には励まなかった(△)。

2015年までは年1度程度しか風邪をひかなかったが、2016年10~12月にかけては気管支が弱っていたためか、毎月のように風邪を引いた(△×)。12月は特に酷く、2週間も咳と鼻水が続いた(△×)。

気管支喘息発病

W社常駐して4年目に差し掛かった2017年1月に、健康診断を受けると呼吸器の検査結果が「要精密検査」と記載されて返ってきた。
呼吸器内科に通院し精密検査を受けると、ハウスダストとダニのアレルギーが陽性と診断され、UNIQLOに入ると呼吸が苦しくなるレベルの気管支喘息を発症していた。
 検査結果については →こちら

喘息発病直後~発病後3ヶ月目

職場・服屋・小売店に入ると、マスクの有無に関わらず、気道が狭まり呼吸が苦しくなる小発作が起きる(起きていた)ことにようやく気付いた(□)。
 発作がよく起きる場所については →こちら
休職と同時に、1日1時間以上の運動を開始。続けて、冷水浴を開始。

喘息発病原因のまとめ

※下記の結論に、医学観点による裏付けはない。あくまで患者本人の推測によるもの。

運動不足や冷え症といった身体的要因は数年以上継続しており、喘息発症の下地を形成した。
慢性的な長時間労働と時折発生する仕事上の強いストレスも、喘息の土壌を作ったと言える。

ハウスダストとダニのアレルギー体質を持っていながら、アレルゲン物質の蔓延した環境に数年に渡って身を曝さざるを得なかったことにより、強いアレルギー反応が起き、気管支を悪化させる一番の要因となった。
喘息発病の最後の一押しをしたのは、風邪の感染による増悪だと思う。

おわりに…

「自伝や手記が本当に喘息治療になるのか?」と試してみるまでは少し疑問形だったが、記憶から抜け落ちていた部分や無意識に行っており気付かなかった事柄も、記憶を文字に起こしていく作業の中で意識の上にのぼってきやすいことに気付いた。一度気付くと、悪い習慣だったかどうかの判断が出来る。

年単位で自分の生活や思考パターンを振り返ることにもなるため、喘息に宜しくないことがあっても客観的に見つめ直すことが出来、改善に繋がりやすかった。