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「国旗のえほん」(戸田やすし 著) 読書感想文

1987年出版という20年以上も前に出版された絵本ですが、未だ人気が衰える気配もありません。

「国旗のえほん」の説明

0歳~6歳のお子さん向けの絵本です。

横幅25cmくらいのハードカバー本で、本の形が長方形になっています。
ページを開くとページ1枚につき国旗が1枚どーんと大きく掲載されています。どのページにも、5メートル離れていても易々と判別出来るくらい、色あざやかで大きな国旗の絵が印刷されています。

各ページの上部には、大きな活字で国の名前が印刷されていて、ページ中央に国旗、ページ下部に各国のデータと地図、という構成になっています。文字で書かれた情報はほとんどありません。
そうしたページが50ページくらい続き、巻末にミニサイズの国旗が多数掲載されています。

国旗の並び順はあいうえお順です。

「国旗のえほん」の読書感想文

この本の素晴らしい点は、どの国旗も色あざやかで眺めていて飽きないことに尽きます。

首都や気候などその国についての細かい情報が書かれていなくても、不思議なことに、幼い子どもはこの絵本を気に入り、飽きずに眺めては楽しみます。絵本を時間を忘れて眺めるうちに、幼い子どもは記憶力が良いので、国の名前と国旗の大半を覚えてしまいます
私も兄や弟と一緒にこの本を眺めて育ちましたが、20年経った今でも、この絵本に掲載されていた国の名前を「アルゼンチン」「アンチグッバーブダ」「イギリス」「インド」「ウガンダ」…のように、前から順にすらすらと言うことができます。
今はIT用語ひとつ覚えるのに四苦八苦しているというのに、不思議なものですね…

何度も眺めてこの絵本の国旗を覚えてしまうと、残念ながらこの本は忘れ去られてしまいますが、代わりに少し大きくなってから、今度は日本や世界の地理について書かれた本やゲームで遊び始めました。

私と兄弟の場合は、小学生になってから桃太郎電鉄というゲームでよく遊び、47の都道府県名と県庁所在地名とその都道府県の名産をまたしても空で言えるようになり、高校では世界史を通して、大学では語学と海外貧乏旅行を通して、世界を知ることに夢中になりました。

今振り返ると、TOEIC850を取得し英語を使いながらいろいろな国の人々と働くことになった原動力は、実はこの本1冊の本だったのかな、と思うことがあります。
影響を受けた本、というと言いすぎかもしれませんが、幼い頃の本の影響がゼロとは、どうも思えません。

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「21世紀こども百科」(小学館) 読書感想文

小学校4~6年の頃の私の愛読書だった本です。夕ご飯食べた後、習い事の無い日はこの大きな本を引っ張り出し、自分でも不思議なほど飽きずに眺めていました。

「21世紀こども百科」の説明

小学生向けのカラー百科事典です。「おんがく」、「とり」、「でんわ」、「パン」、「リニアモーターカー」など、身近なテーマが分かりやすい言葉で説明されています。

どのページも写真やカラーイラストをふんだんに盛り込む形で編集されています。掲載されているテーマが多岐に渡るので、どんな子でも、自分の興味のあるページを見つけることが出来ると思います。

また、取り上げられているテーマも、さまざまな角度から説明がなされています。
例えば「アイスクリーム」のページでは、いろいろなアイスクリームの写真だけでなく、アイスクリーム工場でどのようなことが行われているかイラスト入りで説明され、アイスクリームの歴史や、ご家庭でのアイスクリームの作り方などが別途添えられています。

「21世紀こども百科」を読んだ感想

とにかく懐かしい!(笑) ああ、これよく読んだなあ。読み過ぎて、未だに本の内容を克明に覚えています。「ほうせき」のページでエメラルドがページのどのへんにあったか、20年経ってもまだ言えます(笑) どんだけ熟読してるんでしょう……。

この本を思い返すと、小学生の記憶力って凄いなと、つくづく感じます。人間の骨は全部で約200個で、脳細胞約140億個など、本に載っているどうでもいいようなことを、小さい子どもは全部覚えてしまうんですよ。時々母に話しては呆れられ、本に書いてないことを質問攻めにしては、よく怒られました(笑)

でもその甲斐あってか、小学校の成績はクラスで5番以内に入るほど良かったです。

子どもの側からすると面白いから読んでいただけなのですが、小学校の国語・理科・社会の授業で困ることが少なかったです。授業に出てくるレベルのことは、この「21世紀こども百科」にも詳しく書かれていることが多かったので、授業の理解がほかの子より早かったのだと思います。
 
そのお陰か友人達からも一目をおかれ、いじめに遭うこともなく、楽しい小学校時代を過ごせました。
子どもの頃に読む本は本当に大事ですね。本好きな子どもは根暗で運動の苦手な子に見えますが、意外にも友人を増やし、私の人生を豊かにをしてくれました。

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「世界の歴史5000年」(七瀬カイ 著) 読書感想文など

5000年分の世界史を漫画で学べてしまう本です。

「世界の歴史5000年」の説明

先史時代から現代に至るまでの世界の歴史5000年分を、この1冊で学ぶことができる本です。ヨーロッパの歴史はもちろん、中国や日本にトルコといった、アジアの歴史もふんだんに盛り込まれています。

十字軍や産業革命などの歴史上の主な出来事についてテーマごとに漫画化されており、どのページの脇にもその時代に活躍した人物や歴史用語の説明が、イラスト付きで記載されています。
漫画セクションの前後には、文章と写真で実際の遺跡や解説を施しているページが用意されており、漫画だけでなく実際の資料からも知識を深めることができます。

「世界の歴史5000年」の読書感想文

「世界の歴史5000年」は小学生の頃に出会い、布団に持ち込んでは読み耽った思い出の本ですが、大学受験を控えた高校生が読んでも十分楽しめると思います。

中世ヨーロッパの皇帝と教会の力関係や、マホメット(ムハンマド)がイスラム教を創始者になる経緯など、文字だけで読むと「封建制度」「カノッサの屈辱」「アッラー」など見慣れない単語の山に押し潰されてしまうのがオチですが、こちらの本は「漫画」なので、服装の違いや背景に描かれてある建物や人物の口調などからも世界史を理解することができ、より正確に、より親しみを持って世界史に取り組んでいけるようになります。

また、より理解を深めたい方向けには、漫画ではなく写真と地図とテキストで世界情勢が解説されているページも併設されているので、興味を持った部分だけ知識を深めていくことも出来るようになっています。


日本という国は、国際人を養成するのに英語などの語学教育を推し進める傾向がありますが、世界史や地理をあまり推進しないのは、とても不思議だなと思います。
英語はあくまでも思考を伝える道具であり入れ物に過ぎないので、英語が出来ることより、「英語で何を話すか」「英語という器に何を盛るか」の方がより重要ではないかと。

自分が外資系企業で働き出してから、ブルガリア人の友人が出来、イギリスや中国から来られた方とデスクを並べて仕事をすることが出来たのは、TOEIC850という英語の力だけでなく、高校時代に学んだ世界史と大学生時代のアジア貧乏旅行で培った「異なるバックグラウンド(文化的背景)を持つ人々への配慮と敬意」が大きなファクターを占めているように思います。

飲み会の時に、マレーシア人の女性より先に料理を味見して豚肉の有無を教えてあげたり、ノンアルコールドリンクのある場所を無意識に案内できるのは、世界史を通して、イスラム教徒は豚肉とアルコールを嗜まないことを知っているからです。

こうした地域ごとに息づく文化と人々への配慮を培うには、世界史は英語以上に適している教科だと思います。個人的には、高校において世界史は選択科目ではなく英語同様の必須科目にした方がいいのではと考えていますが、学校で世界史を選択されなかった方は、書籍等で少しでも補っておくと、世界の見え方から友人の質まで変わってきてしまうので、おすすめです。

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