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気管支喘息の症状とピークフローメーターの値を毎日の時間帯ごとに記録する「喘息日記」

喘息日記は、喘息の症状を医師に正確に伝えるのを助けてくれる。特に夜間症状の回数やピークフローの値をメモできる点が有難く、毎日使わせて頂いている。

日記と言っても文章で書くあの日記ではなく、その日その日の喘息の症状を表に○を付けて記録し必要に応じてメモを残すだけという、メモのように簡便な日記だ。

喘息日記の入手方法

青いボールペンで記入された「喘息日記」4日分。発作の有無、咳の有無、痰の量や切れの良し悪し、夜眠れたかなどの欄が朝・昼・夕・夜の欄に分かれれて並んでいる。

喘息日記の原本は、下記のリンク先から入手できる。
リンクをクリックして環境再生保全機構のサイトを開き、「PDFダウンロード(PDF、3.92MB)」のリンクをクリックすると、PDF形式でダウンロードされる。プリンターで印刷してから使用する。

 独立行政法人 環境再生保全機構:ぜん息「日記」

 ※喘息日記はPDF形式なので、Adobe ReaderなどのPDFを開くためのソフトウェア(無料)を、事前にパソコン(もしくはスマホ)にインストールする必要がある

印刷が手間な方は、喘息日誌の冊子を何冊かまとめて発送頂くこともできるらしい。筆者はまだ利用したことがないので、発送にかかるお値段や日数は分からない。

喘息日記の説明

他の疾病と比べ自己管理が重要な喘息において、喘息日記をつけて日々の症状を記録することはごく一般的な手法で、治療の一環として位置づけられている。こちらの喘息日記も、医師の方が書かれた喘息に関する書籍で紹介されていたのを、ネットで探して見つけてきたものだ。

発作(大・中・小)・咳・痰・胸の痛み・息切れと、喘息の主な症状を記入する欄がデフォルトで用意されていて、朝・昼・夕方・夜で記入する欄が分かれている

「喘息日記」にあるピークフロー値入力欄を撮影した写真。朝昼夕晩で記入欄が分かれており、ピークフローの数字が手書きで記入されている。

↑ ピークフロー値の記入欄

ピークフローメーターの数値も、朝・昼・夕方・夜と毎日4ヶ所記入する欄が設けられている。記入した数値を、ページ右側にあるグラフ欄にも転記すれば、1週間のピークフロー値の推移を示すグラフ↓ができあがる。

1週間分のピークフロー値を喘息日記でグラフにしたもの。

↑ 1週間分のピークフロー値を喘息日記でグラフにしたもの。
基準値の100%と80%で青線を引くと、ピークフロー値の推移が一目瞭然に。

吸入・内服している薬の量と頻度を書く欄も設けられており、空欄に項目を自由に書き足して記載することもできる。

喘息日記を使用した感想

こうした資料がインターネット上になければ、Excelで自作して試行錯誤しないといけないだろうと思っていたから、時間と手間が省け大いに助かった。

喘息症状はいつどこで起きたか、どんな症状だったか、咳や痰はあったか、発作用吸引薬はいつ何時頃何回使用したか、夜はよく眠れたか、などを毎日記録し、喘息専門医との診察に喘息日記を毎回持参
前回診察を受けてから起きた発作の症状と回数などを伝え、診察の判断材料にして頂いている。喘息日記の記録を元に、薬の種類が変わったり、薬の量が加減されることが普通にある。

喘息重症度の判定基準の1つに、「1ヶ月間で睡眠を喘息症状に何回妨げられたか」という項目があるが、ひと月に夜何度起きたかはさすがに記録しないと覚えていないので、症状を正確に伝えることに貢献してくれていると感じる。

喘息と診断されてから5ヶ月目に、吐く息を計測するピークフローメーターを使い始めたが、喘息日記のピークフローメーターの欄に毎日値を記録しておくと、ピークフロー値の移り変わりを、簡単にグラフ化できるようになっている。

フィリップス社の「アズマ チェック」(ピークフローメータ―)を、ボディ全身が入るよう正面から撮影した写真。

↑ ピークフローメーター

数値とグラフが上がる=快復しつつある、なので、薬の1~2ヶ月継続して値が上がった時は喘息日記を主治医の先生にお見せし、薬を少し減らして頂くことができる。逆に、数値とグラフが下がる=気道が狭まり悪化しつつある、なので、現在のピークフロー値と調子の良い時のピークフロー値を比べると、症状が良くなっているのか悪化しかけているのか、素人でもすぐに分かるようになった。

私はピークフローの基準値の80%を下回ると喘息発作が出るという分かりやすい体質だが、医師はグラフを見ると私の身体の状況が分かるようで、「今のままキープできると良いですね」など、説明やアドバイスを下さっている。

また、1日1回記入するよう心掛けると、吸引薬と抗アレルギー薬の吸い忘れ・飲み忘れに効果大だった(笑) 毎日3~4種類も薬を持ち歩いていると、どれをいつ飲んだか、1~2日前の記憶と混ざってしまうことも多い。
ひと月ごとに集計すると、発作の回数や咳の頻度が前月より減っていることに気付いたりするので、治療のモチベーションを保ってくれる効果もあった。

喘息日記を使用する上での注意事項

喘息日記を印刷し忘れ、月曜日に記入ができないことがある

喘息日記の仕様上、見開き2ページを1週間で使い切るので、大量に印刷するかこまめに印刷しないと、すぐに日記の用紙がなくなってしまう。記入する項目も多いので、1~2日用紙がないだけでも、覚えきれずに困る。

子ども用の喘息日記(男の子向けと女の子向け)

女の子向けの喘息日記を正面から撮影した写真。全体がピンク色で、表紙に「げんきノート」と書かれており、マイメロディのイラストが印刷されている。

↑ 女の子向けの喘息日記

先日子ども向けの喘息日記を見つけた。
「喘息日記」という名ではなく「まいにちげんきノート」という名前で、「喘息日記」を配布しているのと同じ独立行政法人のホームページで無償公開されている。

漢字に全てよみがなが振られており、イラストやシールも付いているので、小学生以下のお子様にはこちらの方がおすすめ。

「毎日げんきノート」のページを開いて撮影した写真。発作や薬などの漢字にルビが振られている。

↑ 「毎日げんきノート」を開くとこんな感じ。

原本の入手方法も大人の喘息日記と同じ。下記のリンクをクリックして環境再生保全機構のサイトを開き、「PDFダウンロード(PDF、3.92MB)」のリンクをクリックすると、PDF形式でダウンロードされるので、プリンターで印刷してから使用する。
住所登録等の手続きを行えば、冊子として自宅に郵送して貰うことも可能。

男の子向けのぜんそく日記

原本は下記のリンク先よりどうぞ。

小児ぜん息日記「まいにちげんきノート」(しんかんせん版)

男の子向けのものは、印刷が青で、新幹線のイラストつき。

女の子向けのぜんそく日記

原本は下記のリンク先よりどうぞ。

小児ぜん息日記「まいにちげんきノート」(マイメロディ版)

女の子向けのものは、印刷がピンク色で、マイメロディのイラストつき。

気管支喘息を発病するまでの経過を記録する(病歴調査)

喘息の治療法の1つに、自伝や手記を書き喘息の原因となっている心の葛藤を取り除く、という治療法があるらしい。

心のあり方や持ち様が原因で喘息を発症・増悪される方に使われる手法のようで、主にハウスダスト・ダニのアレルギーが起因となって増悪する喘息患者(=私)には適した治療法ではなさそうだが、良い機会なので、発病までの経過を記載してみる。

折角なので、久徳医師の著書に書かれてた病歴調査の手法に倣い、

 心が原因と思われるものには….○
 身体が原因と思われるものには….△
 アレルギーが原因と思われるものには….□
 気道粘膜への刺激と思われるものには….▽
 感染と思われるものには….×

を記入する。

子どもの頃~大学卒業までの経過

父が「心配性」、母が「口うるさい」と、自立より過保護を促す養育環境(=小児喘息を発症しやすい)ではあったが、幸い小児喘息は発症しなかった(○) 。活発な子だったが、感情の切り替えが下手で悪い感情を引きずりやすく(○)、くよくよ悩んだり不安に感じたりする気持ちが人より強かった(○)。
入院歴はなし。3歳から10年間水泳を習っていたため、肺活量も人並み程度にある。

社会人時代~W社勤務前まで

毎年1回勤務先で健康診断を実施頂き、胸部X線のレントゲンを取って頂いていたが、毎回異常なし。1秒量などを量る呼吸機能検査は一度も受けたことがなかった。
BMIが低すぎて「要経過観察」を頂くことは何度かあったが、それ以外どの項目も検査結果に引っかかったことはなかった。

仕事は室内でのデスクワークが多く、常にパソコンがそばにあり、埃を吸い込みやすい環境ではあった(□)。
だが、会社と自宅を往復するだけの生活を送っていたものの、どの会社も清掃が行き届いており、自分も自宅の掃除が嫌いではないので、呼吸器に不安を感じるような機会はなかった。

率先して仕事を組み立てて周りを引っ張る仕事より、周囲のサポートを行う仕事が多かったので、積極的に自立を促される環境ではなかったかもしれない(○)。だが、社会人になって数年が過ぎるまでは、スキルや経験が足りないことが多く、がむしゃらに仕事についていっていた傾向が強いので、その点は良かったと思う。

休日も家でゆっくりすることが多かったので、慢性的な運動不足ではあった(△)。3年前にクロスバイクを乗り始めてからようやく、通勤や遊びで定期的に身体を動かすようになったが、それでも外にいるより室内にいる時間の方が圧倒的に長かった(△)。
社会人の間を通じて、寒がりの冷え症だったため、冬は勿論春秋でもウール素材のあたたかい服で厚着することが多かった(△)。

喘息発病の3年前(W社勤務開始)~喘息発病の約3ヶ月前

発病の3年前に、W社での常駐勤務を開始。
W社にはR室という部屋があり、その部屋はビルの清掃員に入室を許可しておらず、約5年間ろくに掃除されていなかったたため、床と机にありえない量の埃が常時積もっていた(□)。が、W社の社員は9割以上が男性で、細かいことは気にせず勢いに任せて仕事をする会社だったので、部屋の汚さは気にも留めていない様子だった。

残念ながら私はR室で仕事を行うチームに配属されたので、平日は毎日朝10時から夜20時くらいまで、その部屋で仕事を行っていた。勤務当初は何ともなかったが、1年が過ぎた頃からR室に入ると1時間もしないうちに咳が出るようになったので、部屋を出てお茶を飲み、喉を楽にしてからまた仕事に戻る、という生活を繰り返していた。(□)
発病の1年前にはR室以外でも咳をするようになり、家族にも心配されたが、仕事が多忙で深く考える余裕がなく、咳は風邪とは関係なさそうだと思う程度だった。(□△)

W社に常駐していた期間は、自主的に仕事を組み立てる仕事の割合が高かったので、業務内容的には充実感があった。が、平日は21時~23時まで残業するのが当たり前で、土日に仕事をしないと翌週が迎えられないことも時々あったので、勤務時間は明らかに長過ぎた(○)。生活も夜型から超夜型へと変わった(△)。また、話の通じない他部署とやり取りをすることも多く、ストレスもそれなりに多かったとは思う(○□)。

W社が多忙すぎたため、運動に割く時間は更に減少した(△)。
W社に常駐していた期間は、常駐開始した半年後に隣の部署への異動があった(○)くらいで、家族構成の変更などはなく、心の影響は少ないと思う。

喘息発病の約3ヶ月前~発病直前

2016年8月から11月の仕事の繁忙期は、「どの仕事も絶対に期限内に終えないといけない」「絶対にミスできない」「絶対に仕事を休めない」というプレッシャーの中で勤務していた(○)。特に9月3週目は、①R大学のリバースプロキシサーバ作成と負荷検証②M製作所のxxx という厳しい業務が重なり、寿命が縮むかと思った(○)。勤務時間も延びがちで、休日も身体を休めるのが精一杯で運動には励まなかった(△)。

2015年までは年1度程度しか風邪をひかなかったが、2016年10~12月にかけては気管支が弱っていたためか、毎月のように風邪を引いた(△×)。12月は特に酷く、2週間も咳と鼻水が続いた(△×)。

気管支喘息発病

W社常駐して4年目に差し掛かった2017年1月に、健康診断を受けると呼吸器の検査結果が「要精密検査」と記載されて返ってきた。
呼吸器内科に通院し精密検査を受けると、ハウスダストとダニのアレルギーが陽性と診断され、UNIQLOに入ると呼吸が苦しくなるレベルの気管支喘息を発症していた。
 検査結果については →こちら

喘息発病直後~発病後3ヶ月目

職場・服屋・小売店に入ると、マスクの有無に関わらず、気道が狭まり呼吸が苦しくなる小発作が起きる(起きていた)ことにようやく気付いた(□)。
 発作がよく起きる場所については →こちら
休職と同時に、1日1時間以上の運動を開始。続けて、冷水浴を開始。

喘息発病原因のまとめ

※下記の結論に、医学観点による裏付けはない。あくまで患者本人の推測によるもの。

運動不足や冷え症といった身体的要因は数年以上継続しており、喘息発症の下地を形成した。
慢性的な長時間労働と時折発生する仕事上の強いストレスも、喘息の土壌を作ったと言える。

ハウスダストとダニのアレルギー体質を持っていながら、アレルゲン物質の蔓延した環境に数年に渡って身を曝さざるを得なかったことにより、強いアレルギー反応が起き、気管支を悪化させる一番の要因となった。
喘息発病の最後の一押しをしたのは、風邪の感染による増悪だと思う。

おわりに…

「自伝や手記が本当に喘息治療になるのか?」と試してみるまでは少し疑問形だったが、記憶から抜け落ちていた部分や無意識に行っており気付かなかった事柄も、記憶を文字に起こしていく作業の中で意識の上にのぼってきやすいことに気付いた。一度気付くと、悪い習慣だったかどうかの判断が出来る。

年単位で自分の生活や思考パターンを振り返ることにもなるため、喘息に宜しくないことがあっても客観的に見つめ直すことが出来、改善に繋がりやすかった。