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Vintage Waxでパーキンソン病患者の家具・建具をメンテナンスする

パーキンソン病とは、自分の意志に反して手足が震え、次第に身体が動かしにくくなってしまう難病だ。
治療方法が未だ確立されておらず、薬で症状を抑えて生活することになるのだが、「瓶の蓋が開けられない」「個包装のビニール袋が手で破れない」「薬のように小さなものをよく落とす」「ニンジンなどの固い野菜が切りづらい」「引き出しが開けにくい」「歩く速さが遅い」「段差のないところで転倒する」等々、日常生活の何気ない部分に結構な数の支障が出てくる。

我が家は築40年以上の日本家屋で、古い木製の家具や建具が多く、重くて開きにくい木の扉や引き出しが相当数ある。木材用のワックスやクリームを使って家具と建具の動きをスムーズにし、パーキンソン病の患者でも独力で負担なく家屋や家具を使えるよう配慮することにした。

VintageWax(クリアー)の蓋を開き、正面から撮影した写真。山吹色のワックスが画面左に写っている。

↑ 使用したVintage Wax。お色は「クリアー」で、蓋&内蓋を開くとこんな感じ。

使用した木材用ワックス「Vintage Wax」とは

本来は、木工製品や木製家具の風合いを変えるために塗る、木材用のワックスのこと。
ビンテージワックスと言う名前の通り、木製製品に塗ると木の色合い・風合いが変わり、ビンテージ風のクラシカルな雰囲気を醸し出せる。

ただ、私自身はVintage Waxのビンテージ感をまるっと無視し、木製製品の滑りを良くするために、主に使用している。

販売されている色は、クリアー・チーク・ウォルナット・エボニーブラックの計4色。(2022年現在)
どのお色も製品サイズは1個160gの一択で、お値段は1個2100円くらい。
お近くのホームセンターや、東急ハンズなどの雑貨店で購入できるが、メルカリやamazonでも取り扱いがある。

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製造元(ニッペさん)のwebサイト

vintage waxを製造されているニッペさんが、特設のwebサイトをご用意くださっていたので、下記にリンクを掲載。
ヴィンテージ風に塗り上げる動画などが公開されている。

ニッペホームプロダクツ WOOD LOVE
https://www.nippehome-online.jp/woodlove/wax.html

Vintage Waxを塗布した箇所

ワックスを塗布したもの 塗布した箇所 塗布回数 おすすめ度 備考
箪笥たんす(木製) 各引き出しの側面・底面、箪笥たんすの内側 2回 重くつっかかりのあった引き出しが、指1~2本分の力でスッと開く
和室の襖縁ふすまぶち 襖縁ふすまぶち(木枠) 1回
和室の敷居・鴨居 襖と木材が接する部分 1回 襖や引き戸が軽い力で開くように
書斎机(木製) 各引き出しの側面・底面、机の内側 2回 インク汚れやキズが目立たなくなり、引き出しもスムーズに開く
箪笥(とう) 各引き出しの側面・底面、箪笥の内側 1回 元々軽いとうの引き出しが更に軽くなった

木製家具で、引き出しや引き戸が付いている部分に、ことごとくビンテージワックスを塗布した。居間や患者の寝室など、パーキンソン病患者が日常的によく使う家具は、特に念入りに2回以上ワックスを塗り重ねた
1回の塗布にかかる時間は、引き出し1つにつき20~30分。真面目に2度塗りすると、箪笥1棹たんす さおで数日間から1週間ほどかかる。

また、ふすまや木製扉など、木と木が触れ合うタイプの建具についても、木と木の接触部分全てにビンテージワックスを塗り尽くした。

VintageWax(クリアー)を木製家具に塗布している写真。写真手前のワックスを塗布した箇所だけ、木材の色が深くなり、木目がくっきりと目立つようになっている。

↑ 木製家具にVintage Wax(クリアー)を塗布。クリアーを1度塗布するだけでも、木材の色みに相当な深みが出る。

Vintage Waxはどのくらいの量が必要か

160gのVintage Wax 1個で、タンス5~6台分を塗ることができた。私はタンス内部の木と木の接触部分のみにVintage Waxを1~2度塗りする方法で使っているので、この方法であれば結構たくさんの家具に塗りこむことができる。
家具の木部全てにVintage Waxを塗る方法であれば、2~3倍の量のワックスが必要だろうと思う。

木製家具と木製の建具すべて込み込みで、2世帯住宅の日本家屋に対し、Vintage Wax 2個で何とか足りた。

Vintage Waxの使い方

事前に必要なもの

5cm×10cmくらいの大きさの、汚れてもいい布(ウエス)が1~2枚必要。着古した綿100%のTシャツを小さく切って用いてもいいし、使い古しのハンカチや靴下を、裂いて転用してもいい。
Vintage Waxを塗ると、住宅の埃やワックスで布がすぐに汚れてしまうので、布は数枚ある方が望ましい。

ワックスの塗り方

ワックスの蓋を捻りながら開くと、ビニール手袋と説明書に加えて、内蓋がついている。説明書を読み、ビニール手袋をはめて、内蓋を開く。

  1. 利き手で布を持ち、小さじ1杯くらいのワックスを布にとる
  2. 布を木製製品にあてて、製品の木目に沿って、こするように塗り込む
  3. 換気を十分に行いながら、1日以上放置してワックスを乾かす
  4. ワックスを塗りこんだ部分を、乾いた布で木目に沿って拭き、余分なワックスを落として木材表面にツヤを出す
  5. 必要に応じて、乾いたワックスの上からもう一度ワックスを塗り込み、乾かしてから乾拭きする(重ね塗り)

ワックスを塗り終わったら、早めに石鹸で手を洗うことを忘れずに。ワックスを使うと手がベタベタになるので、住宅を汚す恐れがある上、喉や気管支などの呼吸器にもいい影響を与えない。

VintageWax(クリアー)を至近距離で撮影した写真。山吹色のワックスの質感がはっきりとわかる。ワックスには木くずが含まれており、黒っぽいごみのように見える。

↑ ワックスの質感はやわらかく、ジャムのような感じ。オイルを含んでいるので、テカリがある。黒っぽく見えるものは木屑。

Vintage Waxを使った感想

Vintage Waxは、元々は木製家具の表面塗装のためのお品だが、木製家具の内部や引き出しの側面に試し塗りしてみたところ、Vintage Waxが潤滑油として高い性能を発揮してくれることに気づいた。
亜麻仁あまに油や他社製品の木部用みつろうクリーム等も家具の引き出し側面に試し塗りしていたのだが、何故かVintage Waxを塗った時が、最も引き出しの滑りが良くなった。

どのくらい滑りが良くなるかというと、片手で「よいしょっ」と開いていた引き出しが、指1~2本分の力だけで「すいーっ」と滑るように開くようになる。あまりに滑らかに開いてくれるので、引き出しを開くこと自体に、何故か快感を感じるようになる(笑) Vintage Waxを木製家具に塗り始めた当初、用もないのに日に何度も引き出しを開け閉めしては、すいすいと開く心地良さに浸っていた(笑)

Vintage Waxの取り扱い説明書を撮影した写真。細かい文字で注意書きが書かれている。

↑ Vintage Waxに同封されていた説明書

パーキンソン病を患うと手足に意図せぬ震えが出るので、薬で症状を抑えていても、どうしても細かい作業や力の要る作業が不得手になる。(パーキンソン病に限らず、高齢者は全般的にそうなのかもしれないが) それでも、パーキンソン病患者でも自分のことは自分でやりたいようだし、自分でやるほうが病気の進行を抑えることにも繋がるので、居住環境をパーキンソン患者が動きやすいように整えていくことにした。
Vintage Waxを自宅中に塗り尽くし、全ての木製製品や建具がスムーズに開閉できるようにしているのは、その一環である。

Vintage Waxを塗り尽くすのは非常に骨の折れる仕事だったが、結果的に築40年の日本家屋全体が、パーキンソン病患者に限らず、老若男女に使いやすいものへと変わっていった。

Vintage Waxに同封されていた取り扱い説明書を撮影した写真。細かい文字で注意書きが書かれている。

木工用ワックスを塗る前には全く意識していなかったのだが、建具や引き出しが開きにくいと、無意識にその部屋やその引き出しを使わなくなってくる。
ので、つい手近な棚や机の上に物を出しっぱなしにしてしまい、家が散らかる一因になる。散らかったものを片付けるため、別のタンスや棚を買い足したことさえ過去にはあった。

家中の全ての建具・全ての引き出しが片手ですいすい開閉できるようになると、家族全員が家のすみずみまで使うことができるようになり、自宅が散らかりにくくなった。

パーキンソン病を患う家族も、自分の身体が思い通りに動かないため、置きやすい机の上などついつい手近なところに物を放置しがちだったが、Vintage Waxを塗布済みのタンスや事務用品入れを使い始めてからは、とりあえず引き出しの中に物を仕舞ってくれるようになった

引き出しの中は、程よく整理されている引き出しと、未整理のままとりあえず突っ込んである引き出しと、半々くらいの割合になったが、部屋が乱雑に見えなくなり家族全員がストレスなく動けているようなので、ひとまずこれで良しとした。

↑ Vintage Waxの説明書を撮影した写真。VintageWaxの塗り方の前半部分が、写真付きで掲載されている。

↑ 付属の説明書に載っていたVintage Waxの塗り方(前半) 背景に写り込んでいる木の板は、Vintage Waxを塗りこんだもの

引き戸や襖縁などの建具へのVintage Waxの塗布することも、住環境の機能性をアップさせる効果があり、全ての部屋の扉が軽い力で開閉できるようになった。

ただ、建具については、ワックスを塗布するだけでは不十分で、引き戸・襖の底部についている戸車のメンテナンスも併せて必要だった。
戸車が巻き込んでいた埃の塊をつまようじで取り除き、敷居や襖縁ふすまぶちに木材用ワックスを塗りこんだ後、戸車にもワックスを塗布してしまうと、かなりスムーズに動くようにはなった。特に引き戸については、両手を使ってもなかなか戸が開けない…ということは一切なくなった。

Vintage Waxの付属の説明書を撮影した写真。Vintage Waxの塗り方の後半部分が写真付きで掲載されている。

↑ Vintage Waxの塗り方(後半部分)

なお、ワックス塗布済みの木製家具に慣れてくると、ボックス型のプラスチックケースを使う頻度が急激に下がった。プラスチック製の家具の方が軽くて扱いやすそうに思えるのだが、実は木製家具よりプラスチック家具の方が、引き出しが開きにくかった。

また、パーキンソン病患者に限らず高齢者は転倒すると骨折しやすいので、転倒が命取りになるのだが、プラスチック製家具は軽くてグラグラするので、とっさの場合につかんで高齢者の身体全体を支えるには不向きなようだ。
身内のパーキンソン病患者も、がっしりした木の椅子やびくともしない木製のテレビボードなどを好んで使って、つかまり立ちすることが多い。

木部用ワックス「Vintage Wax」クリアータイプの、容器側面を撮影した写真。容器は白くて軽いプラスチック製で、茶色いラベルが貼られており、原材料が表示されている。

↑ Vintage Waxの容器側面に原材料が印刷されている

Vintage Waxを塗布する際の注意事項

Vintage Waxは、値段が手ごろで気兼ねなくたっぷりと使える反面、今まで使った木部用ワックス・クリームの中で、一番取り扱いが難しかった。

「クリアー」でも、色みが大きく変わる

Vintage Waxの「クリアー」は、パッケージを見ると無色透明に近い色合いに見えるのだが、クリアーにも顔料が含まれており、塗ると結構な頻度で木の色が濃くなる。木の種類によっては、木が水に濡れたような濃さではなく、明らかに2~3段階濃くなってしまうものもあるので、クリアーを使われる際にはご留意を。

個人的には、もう少し無色透明で木の色みを変えないワックスがあると、白木や貴重品にも塗布できて使いやすいだろうな、とは思う。

VintageWax(クリアー)を木製家具の引き出しに塗布して撮影した写真。木材の上半分に木工ワックスが塗布されており、その部分だけ木材の色が濃くなっている。

↑ 木製家具の引き出しの側面にVintage Waxのクリアーを塗っているところ。

塗布時と塗布後1週間は臭いがひどく、咳き込むこともある

私が使用したのはVintage Waxクリアーのみだが、塗布する際と塗布した後1週間ほどは、ワックス特有の臭いがかなりある。Vintage Waxを塗布したばかりの部屋に入ると、必ず鼻につく異臭を感じる。

Vintage Waxは何らかの物質の揮発量が多いのか、気管支喘息を有する私は、ワックスを長時間塗布し続けることができなかった。軽く窓を開ける等の換気は行っていたつもりだが、マスクもつけずに数時間塗布していると、咳や痰が増え、最終的には激しく咳き込む羽目になった

また、塗布後1週間くらいは揮発量や臭いが結構きつい。私は何も考えずに自室からワックスを塗布してしまったので、塗布後1週間自室で眠ることができなかった(笑)
Vintage Waxを塗布した後の部屋に長く滞在すると、眠っていても咳き込むので、その部屋で眠ることができなくなる。

塗布後に24時間窓を開けたままで数日間放っておくと、臭いが収まり、咳き込むこともなくなり、再び部屋で過ごせる状態に戻った。今はVintage Waxの塗られた箪笥や建具を眺めながら自室で過ごし、そのまま眠ることもできている。

自室にワックスを塗ったのは晩秋だったが、気温の低い晩秋でもこのような状態になったので、揮発量の増える夏場に、広い面積を塗り始めるのは避けた方がいいかもしれない。気温が上がれば上がるほど、空気中への揮発量は増えるため、臭いもひどくなるだろうと思う。

木材用ワックスを塗布する際の、その他の注意事項

時間と手間がかかる

木製家具に木工用ワックスを塗布するのは、それなりに手間と時間がかかる作業である。家具1台だけで、数日から1週間かかり、重ね塗りするなら単純に倍の時間がかかることを想定しておきたい。

2世帯住宅の家中にワックスを塗布するには、1か月では到底足りなかった。3ヶ月以上かかると想定して、気長に取り組んであげて欲しい。非常に時間を要する作業だが、一度塗ってしまえば、その後数年から数十年は日々の生活が楽になるので、頑張る価値はあるとは思う。

利き手に棘が刺さる

引き戸に塗布する場合に多いのだが、布ごしであっても木のとげが指に突き刺さることがあるので、乾燥のひどい木材に塗布するときには注意が必要。

私は右手人差し指で塗る癖があるのだが、VintageWaxを2個使い切るまでの間に、3回ほど人差し指にとげが刺さってしまった。約6mmの棘が深く刺さってしまったときは、棘抜きを使って1時間近く格闘しても、棘が抜けなかった。
困り果ててイボ・タコ用の絆創膏を1週間貼ってみたところ、皮膚がふやけて、周囲の皮膚ごとはがす方法で何とか抜くことができた。

棘が抜けるまでの間、右手でパソコンを打つたびに軽い痛みが走っていたので、仕事にも多少の支障が出たことをお伝えしておく…。

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木工用みつろうクリームで築40年の和室をメンテナンスする

「木工用みつろうクリーム」はお手頃価格なのに仕上がりが良すぎて、購入後1週間で10g缶使い切ってしまった(笑) 2缶目に200g缶を購入し、築40年の家屋を家中塗り倒しているので、製品をご紹介したい。

木工用みつろうクリームの蓋を開け、真上から撮影した写真。黄色いクリームの右横に、みつろうクリームを塗られたかまぼこ板が写っている。

↑ 購入した木工用みつろうクリーム(10g)

製造元(尾山製材さん)のwebサイト

製造元の尾山製材さんが、みつろうクリームのwebページを用意下さっている。最新情報をお知りになりたい方は、こちら↓からどうぞ。みつろうクリームの購入も可能。

尾山製材 木工用みつろうクリーム
http://www.oyamaseizai.com/portfolios/%E6%9C%A8%E5%B7%A5%E7%94%A8%E3%81%BF%E3%81%A4%E3%82%8D%E3%81%86%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0-2/

木工用みつろうクリームの説明

木材に潤いを与え、つやを良くし、木材を乾燥やキズから保護してくれるクリーム。木製製品や和室の木の部分に塗ることができる。
蜜蠟みつろうと呼ばれる蜂の巣を構成している天然素材と、菜種油・亜麻仁あまに油などの自然由来のオイルから作られている。

金属製の小さい缶に入れられた姿で売られており、10g・40g・200g・400gとさまざまなサイズから選べる。
購入できる店舗は、東急ハンズ等の小売店。(コーナン等のホームセンターでも購入できるかもしれないが、未確認)

 木工用みつろうクリームをかまぼこ板の上部だけ塗布した図。塗ったところだけ、木目がはっきりとしている。

↑ 木工用みつろうクリームを、かまぼこ板の上部だけ塗布した図。塗ったところだけ、木目がはっきりと浮き出て美しい

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みつろうクリームの塗り方

準備するもの

10cm×5cmくらいの大きさの、汚れても構わない布が2枚必要。綿100%の古いTシャツを小さく切ったものや、使い古しのハンカチなどでok。
布の色は何色でもいいが、白やベージュなどの薄めの色だと、クリームを塗った後布の繊維が木に残っても仕上がりが綺麗。

塗り方

私は下記のような手順で塗っている。

  1. みつろうクリームの缶を左手で持ち、蓋を開ける
    手のあたたかさで缶があたためられ、クリームが少し溶けて取りやすくなる
  2. 1円玉の4分の1くらいの量のみつろうクリームを、古布に取る
  3. 古布で木を擦り、クリームを木に塗り広げる
    この時、手のあたたかさでクリームを伸ばしながら塗ると、少量でよく伸びてくれるので効果的
  4. 30分~1時間くらい時間をあけて、塗ったクリームを乾かす
  5. クリームを塗った部分を、乾いた布でよく拭き、つやを出す

手順5の乾拭きは、時間のないときは割愛している。時間がある方は乾拭きすると、木材のきれいなツヤが出て輝きが増すのでおすすめ。

「木工用みつろうクリーム」の金属缶の蓋を開いたところを撮影した写真。薄い黄色のクリームが缶に入っている。缶の下には、みつろうクリームが塗られたかまぼこ板が敷かれている。

↑ 木工用みつろうクリームの蓋を開くとこんな感じ。クリームは薄い黄色に見えるが、塗るとほぼ無色に近くなる。

みつろうクリームを塗布できた場所

部屋 場所 おすすめ度 備考
和室(客間) 床、柱、押し入れ、窓枠、襖縁ふすまぶち、障子、神棚
洋室(書斎) 箪笥たんす
玄関 床(ウレタン加工)

木材の元々の色合いを大きく変えず、ツヤと木目の深みだけを出してくれる。仕上がりが非常にいいので、和室と相性抜群。「木工用」ではなく「和室用」と銘打って売り出した方がいいのでは、と一消費者が不遜極まりないアドバイスをしたくなるくらい、和室にぴったりだった。

築40年の日本家屋の障子の敷居に、木工用みつろうクリームを2度塗布した後の画像、敷居に木の色が戻り、ツヤが出ている。

↑ 築40年の家屋の敷居に、みつろうクリームを2度塗り。木目が美しく浮かび上がり、ツヤも出てきた

木工用みつろうクリームを使った感想

ひと塗りで圧倒的な仕上がり

木材用のワックスやクリームは、今まで「Vintage Wax」「Briwax」「木工用みつろうクリーム」「未晒し蜜ロウワックス」「アマニ油」の計5種類を利用させて頂いた。その中で最も仕上がりが良く、築40年の我が家と相性がいいな、と感じたのが尾山製材さんの木工用みつろうクリームだった。

木工用みつろうクリーム200g缶の蓋を開いた状態で撮影した写真。淡い菜の花色のクリームが、画面に写っている。

↑ 木工用みつろうクリームの200g缶。こちらは丁度片手で持てる大きさ。

どのクリームも、最初はかまぼこ板に試し塗りするところから使い始めるが、かまぼこ板の時点で美しさが圧倒的。たった1度の塗りで、木目が美しく浮き上がり、スーパーのかまぼこ板が大変上品になってしまった(笑)
あまりの仕上がりの良さに、塗布後のかまぼこ板を3日机の上に配置し、ことあるたびに美しい木目を愛でた。DIY好きも、ここまでくると阿呆である。

和室の柱や床など、面積が広くて人目につく木材を長期的にメンテナンスできるクリーム(またはワックス)が欲しかったので、ひと塗りで素晴らしく仕上がりがよくなる点に完全に惚れ込んでしまった。

木工用みつろうクリームの原材料・製造元が表示されている取扱説明書。茶色っぽく5cmに満たない小さな紙片で、折りたたんだ状態で写っている。

↑ 木工用みつろうクリームの成分表示

和室の柱から順に実際に塗ると、ひと塗りで木材の色はほんの少し色が濃くなる。手触りは、カサカサで毛羽立っていた木材が、少ししっとりとする程度。触り心地は良い。木材の表面をなでても棘が指に刺さらなくなるので、安全面も向上。ふた塗り目には更に一段色が濃くなるが、乾いてしまうと木材の色みに深みが出たように感じ、色の変化は好ましい方への変化かなと感じた。

ただ、白っぽい木でできたタンスで、クリーム塗布後明らかに白木の色から木材色に変わったものがあった。が、変色したというより、木材が樹木本来の色を取り戻したように見えた。全体的に少し黄みを帯びた色になり、ところどころ深い色合いに変わったが、こちらも個人的にはさほど気にならなかった。白っぽい木材がお好きな方は、目立たないところで試してから塗るなど、事前に注意頂いた方がいいかもしれない。

木工用みつろうクリームの取扱説明書を正面から撮影した写真。茶色っぽい紙片に注意書きが書かれており、みつろうクリームの小さい缶が写真に映りこんでいる。

↑ みつろうクリームの取扱説明書

人肌で溶ける固さ

また、これは個人的な好みかもしれないが、クリームの固さが絶妙。

木工用みつろうクリームは、冷蔵庫に保管してあるバターくらいの固さで、他の製品と比べるとやや固めにできているように思う。が、丁度人肌の温度でクリームが溶けてくれるので、塗る前に缶を手で握って軽くあたためておくと、クリームが溶け出して少量でするするとよく伸びてくれる。少量しか使わずに済むので、クリームのもちもいい。

やわらかすぎるクリームやワックスだと、季節によってはべたべたして手に付いてしまい、うっかり触った扉や家財を汚してしまうことがあったので、個人的にはこのくらいの固さが塗りやすく、好ましかった。

「木工用みつろうクリーム」の取扱説明書の裏面を撮影した写真。原材料や製造元が、茶色く折りたたんだ紙片に記載されている。

↑ 付属の取扱説明書(裏面)

塗りやすく、匂いがほぼない

塗布時の匂いは、ほぼなかった。無臭とまではいかないが、刺激臭は全くない。(但し、私は鼻が効かないほうである)
今まで試した中では、「Vintage Wax」は塗布時の匂いがかなり強く、窓全開&換気必須だったが、みつろうクリームは窓を開けずに2~3時間塗り続けることができるほど、塗布時の匂いが少なかった。

私は気管支喘息ぜんそくがあり、塗布時の匂いや物質の揮発量が多いと咳き込んでしまい、塗り続けることができなくなる。
咳が止まらなくなるほど症状がひどくなると、2~3日は咳や痰の量が増え、喘息ぜんそくが悪化してしまって困るのだが、尾山製材さんのみつろうクリームではこうした症状が全く出ず、その点でも大変助かった。

木製ワックスやクリームは定期的に塗り直しが必要なので、みつろうクリーム缶を安心して手元に置いておけるのは、とても有難い。

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水性さび止めペンキで錆びたハシゴを塗り直す

長年風雨にさらされ錆びてしまったハシゴを、さび止めのペンキで塗り直した。
さび止め水性ペンキは予想よりはるかに素人向けで扱いやすく、最終的には玄関の壁や納戸の扉まで自力で塗り直してしまった。

新型コロナウイルスの緊急事態宣言発令中、ペンキが1缶あれば退屈しなかった(笑)ので、外出自粛期間中にはおすすめ。

錆びたはしごに白いペンキが塗られている写真。梯子の上半分だけ白いペンキが塗られており、下半分は錆びがむき出しになっている。梯子の背景には青い空が映っている。

↑ 塗り替え途中のハシゴ。長年風雨に晒され、錆がひどい。

塗り替えに必要な道具

さび止めペンキそのものを除くと、特別な道具はほぼ必要なかった。

  • さび止めペンキ(水性)
  • さび止めペンキには油性と水性があり、水性ペンキは液体の間は水に溶けるが、乾くと耐水性になるという便利なペンキ。ペンキが濃すぎたら少量の水を入れて薄めることもできるなど、扱いやすさが素人向き

    アトムハウスペイントの錆び止めペンキ(ホワイト)を正面やや上から撮影した写真。ペンキ缶の蓋は閉じられており、缶の周囲にペンキが散っている。

    ↑ アトムハウスペイントの錆び止めペンキ缶

    アトムハウスペイントさんのさび止めは、細かいことは気にせず「錆の上から直接塗るだけ」という、水性ペンキの中でも特に扱いやすいお品で、今回はこちらを利用させて頂いた。

    私はホワイトの200ml缶を購入。

    アトムハウスペイントの「水性さび止・鉄部用」ホワイトを真上から撮影した写真。ペンキ缶は蓋が開いており、真っ白なペンキが缶いっぱいに入っている。

    ↑ アトムハウスペイントの水性さび止めペンキ(ホワイト)

    後日納戸の扉を塗り直す際には、ホワイト700ml缶と200ml缶ホワイトアイボリーを追加購入した。

    アトムハウスペイントの「さび止・鉄部用」ホワイトアイボリーを真上から撮影した写真。薄いベージュに似た色のペンキが、ペンキ缶いっぱいに入っている。

    ↑ 同じ製品のホワイトアイボリー。

    200ml缶1つで高さ6~7mのハシゴを端から端まで3度塗りできたので、思ったより長くもつな、いう印象。

    ハシゴを塗り終えてから納戸の扉にとりかかるまで、およそ4ヶ月間空いた。4ヶ月後に再び開封したペンキは、水分が飛び少しどろっとしていた。水性ペンキなので10mlほど水を足したところ、今度はシャバシャバになりすぎてしまい、逆に焦った(笑)


  • 使い古しの歯ブラシ、ハケ、ローラー
  • 塗り始めた当初、手元にハケがなかったので、古い歯ブラシで代用。ビジネスホテルに置いてあり宿泊後持ち帰れるような、一般的な歯ブラシで問題なかった。但し、歯ブラシでペンキを塗ると塗装表面に筋ができるので、人目につく場所にこの塗り方はおすすめできない。(私が塗ったハシゴは家の最も奥まった場所にあり、家族しか使わない)

    後日ペンキ専用にハケやペイントローラーを買い足した。広い面積を塗る場合や仕上がりの良さを重視する場合は、薄づきで広く塗れるペイントローラーが最も適していた。その場合も、扉の取っ手周辺などの細かい部分は、ローラーでは塗りきれないので、歯ブラシやハケで塗装。
    ペイントローラーは、ご近所のホームセンターや手芸店で数百円で購入できる。

  • 新聞紙 朝刊1日分 (任意)
  • ペンキを塗る際に、対象物の近くにある壁や床が汚れないよう新聞紙を2枚重ねて貼る。新聞紙がなければ包装紙・チラシ・養生シート・古布等、お好きなもので。

  • 養生テープ・ガムテープ (任意)
  • 新聞紙等が風で飛ばないよう、養生テープ↓で固定し、床や壁を保護する。養生テープがなければ、ガムテープや幅の厚いセロハンテープで代用可能。

  • 紙やすり 1枚 (任意)
  • 鉄が錆びている部分は表面がぼこぼこになっているので、紙やすり↓で削り表面を滑らかにする。百円均一ショップにて数枚100円で買える。

  • 軍手や手袋 (任意)
  • さび止めペンキは皮膚につくとなかなか取れないので、あった方がいい。軍手は百円均一ショップで1組100円で買える。

  • (伊達)眼鏡 1つ (任意)
  • ペンキの飛沫が目や目元に飛ぶことがある。100円均一の眼鏡で構わないので、目を保護するため眼鏡があるとより良い。

  • 汚れても構わない服 1着 (任意)
  • べったりペンキがついても笑って許せる服が必要(笑) 長袖Tシャツやくるぶしが隠れるジャージなど、動きやすく肌を保護してくれる服がおすすめ。

塗り替えにかかった日数(時間)

1日2~3時間 × 3日間 (はしご約5m分)

一度塗ったペンキが乾くのに最低1時間、できれば1〜3時間あけた方がいいので、2度塗りする予定であれば、1日の作業時間を短くし、作業日数を2~3日確保しておく方が確実。
なお、気温が低いと乾くまでの時間が長くなるので、冬に作業される方は要注意。冬場は乾燥だけで3時間くらいかかる。

白いペンキが塗られたばかりの梯子を正面から撮影した写真。梯子の後ろに薄緑色の汚れた壁が映っている。

↑ 塗り替え途中のハシゴ。最下段だけ2度塗りを終えた状態。

水性さび止めペンキの塗り方

ペンキ塗りにかかる時間より準備やペンキの乾燥にかかる時間の方が長いので、そのつもりで予定を組まれるとスムーズに進むと思う。

  1. 準備
  2.  汚れてもいい服に着替え、塗りたい部分の周辺の床や壁に新聞紙を貼る。
     ポイントは、新聞紙を広めに貼ること。風で新聞紙が折れ曲がったり、新聞紙が破れたり、ペンキの飛沫が遠くへ飛んだりして、想定より床や壁が保護されないことが多かった。

  3. 錆びている場所にやすりをかける
  4.  塗る前にやすりをかけておくと、錆がはがれ、表面がなめらかになり、塗った後の仕上がりがよくなる。ただ、10cm四方の紙やすりでハシゴなどの大きなもののやすりをかけるのは少々大変なので、アトムハウスペイントさんのペンキに甘え、やすりをかけるのは気になる箇所だけに留めた。

  5. さび止めペンキを塗る
  6.  さび止めペンキの缶の蓋を開け、中に直接歯ブラシの先を突っ込んでペンキを取る。あとは、ハシゴの表面に歯ブラシの先を沿わせて塗るだけ。ペンキの量が少なすぎると、地の錆びた色が透けて見えてしまうので、気になる箇所は2度塗りする心づもりで。
     歯ブラシを使って一定方向に塗ると、毛先がストライプの模様を作ってくれるので、塗りムラが目立たなくなる(笑)

  7. ペンキが乾くまで1~2時間待つ
  8. 2度塗りする
  9.  地の色が見えてしまっている部分や錆びの著しい箇所は、必要に応じてペンキを2度塗りする。ペンキが完全に乾いていることを確認し、ペンキの上からもう一度上塗りする。
    私は次回錆びるまでの時間もより長くしたかったので、ハシゴ全体を2度塗りすることを選択。

  10. ペンキが乾くまで1~2時間待つ
  11. 後始末
  12.  歯ブラシについたペンキが乾いて固まってしまう前に、水洗いして乾かす。床や壁に貼った新聞紙やマスキングテープをすべて剥がす。作業着は全身着替えて、肌についたペンキを洗って落とす。
     肌のペンキが落ちにくい時は、女性が化粧を落とす際に使うオイルクレンジングを肌に塗り、それから石鹸とぬるま湯で洗うと落ちた。女性がマニュキアを落とす時に使う除光液を小さい布に含ませて、その布で肌を拭いてもペンキが落ちたように記憶している。
    (オイルクレンジングやマニュキア除光液は、百円均一ショップで手に入る)

白い水性錆び止めを塗ったばかりのハシゴを、はしごに近づいて撮影した写真。ハシゴの表面に、うっすらと塗り跡が見えている。ハシゴの背景は薄緑色の壁。

↑ 白いペンキの下に、元々のハシゴの色(後ろの壁と同じ色)が透けて見える。この点油絵具と似ている。

水性さび止めペンキを使った感想

「ペンキ」という言葉の響きが、中級以上のDIYを想像させて、実際に塗り始めるまでは心理的なハードルが高かった。が、実際には、下準備に手間がかかるものの、本当に「塗るだけ」で作業が終わった(笑)

ただ、屋外で塗る作業を行う場合、天気や気温や風の強さの影響を少なからず受けるので注意して欲しい。
風が強い日に塗ると、ペンキに含まれる有害な揮発性物質を吸うリスクは低くなるものの、養生テープで止めたはずの新聞紙が止めても止めても風ではがれて飛んでしまい、予想外の作業遅延を強いられた(笑)

また、私は晩秋に塗り始めたのだが、2週間後の2度塗りの日は日没が早まっており、日が落ちてペンキの跡が見えづらくなり、翌日まで仕上がり状況も分からないといった苦戦を強いられた。

そんなこんなで、さび止めペンキを塗るまで意識してなかったことに次々と気付かされ、「期日を守って塗るって大変だな…」と塗装工の方の日頃の苦労を垣間見た気がした。

錆止め水性ペンキの使用上の注意事項

ペンキの飛沫が目や眼鏡に飛ぶ

錆止めペンキを塗った翌日、眼鏡拭きで愛用の眼鏡を拭いていたら、何回拭いても取れない汚れが2~3あることに気付いた。視力の低い裸眼を眼鏡に近づけて凝視してみたら、予想通り、錆止めペンキの飛沫が付着していた(笑)

水性ペンキとは言え、目に直接入るとさすがに危ない。伊達眼鏡等目元を保護する道具はあった方がいいと思う。

アトムハウスペイントの錆び止めペンキ缶の蓋を開いて撮影した写真。白くつやのある液体が映っている。

↑ アトムハウスペイントの錆び止めペンキ缶の蓋を開くとこんな感じ。液体なので、あちこちにペンキが跳ねる。

風が強いと髪にペンキがつく

屋外で使用する際、風の強い日に錆止めペンキを塗ると、風に吹かれた髪がペンキぬりたての部分に触れてしまい、髪にペンキがついてしまうことがある。
一度髪につくと水で洗う程度では取れないので、ぬるま湯でシャンプー等を使って早めに洗い流してやる必要がある。

髪にペンキがついたまま何時間も放置すると、見た目が宜しくないだけでなく、ペンキに含まれている揮発性の化学物質を吸い続けることにもなるので、身体に良くない。

私は気管支喘息の持病があるのだが、「さほど長い時間ペンキを塗ったわけでもないのに、今日は妙に喘息の症状が出るな」と思っていたら、髪にペンキが付着しており、風呂でペンキを洗い落とすと症状も改善に向かった。

健常者は喘息持ちほどはっきり症状が出ないとは思うが、注意するに越したことはないと思う。

塗り終わったら、衣服は上から下まで着替える

先に述べた、髪についたペンキと同じ理由。水性錆止めペンキには、揮発性の化学物質が含まれており、長時間吸い続けると身体に悪い。

例え1ヶ所でも衣服にペンキがついていると、服を着ている間中有害な化学物質を吸い続けることになるので、錆止めを塗り終わったら、衣服は全て着替えて全て洗濯してしまう方がいい。

塗り終わったら、早めに入浴

錆止めペンキを塗った後、自分でも気づかないうちに、肌にペンキがついてしまっていることがある。
ハシゴを塗り直した際、家族に指摘されるまで、左ひじにペンキがついていたことに私は全く気づかなかった(笑)

一度肌の上で乾いてしまった錆止め水性ペンキは、冷水で軽く洗った程度では落ちない。両手にペンキがついてしまった際、水とハンドソープで2回ほど丁寧に手を洗ったが、それでも半分程度しか落ちてくれなかった。

ペンキが肌にべったりついてしまったら、クレンジングオイルなどより洗浄力の高い溶剤が必要になる。両手に残ったペンキは、風呂に浸かって手を温め、クレンジングオイルをハンドソープで洗う時のように両手にたっぷり塗って、湯で洗い流すとようやく落ちてくれた。

肌に錆止めペンキがついている場合、揮発性化学物質を吸い続けてしまい身体に悪い
ペンキを塗った日は早めに入浴し、身体についた大小さまざまなペンキを全て洗い流してしまうことをおすすめする。


暗闇で長く光る高輝度蓄光テープ「Super α-FLASH」と「α-FLASH(ある・ふら)」

毎夜階段や廊下や電気スイッチが光るのに、電気代はかからず維持費(ランニングコスト)も0円。この便利さに慣れてしまうと、高輝度蓄光テープなしの生活に戻れない(笑)

超高輝度蓄光テープ「Super α-FLASH」と高輝度蓄光テープ「α-FLASH」

蓄光ちくこうテープとは、太陽や蛍光灯の光を一定時間浴びると光を溜め込み、辺りが暗くなると溜めた光を放つ特殊なテープのこと。

薄い黄色をしたテープは厚紙くらいの厚さがあり、テープの裏側はシールのようになっている。裏紙をはがすと、自宅や職場の平らなところに自由に貼ることができる。テープはハサミで切って形を変えたり、一度剥がしてまた貼り直すすることもできる。

スーパーアルファフラッシュSAF10Pを正面から撮影した写真。薄黄緑色の丸いシールが、15枚等間隔に並んでいる。シールの台紙は黒地に白い文字で印刷されている。

↑ 超高輝度蓄光テープ「Super α-FLASH」(スーパーアルファフラッシュ)(円型)

「テープ」という名の通り、セロハンテープのような形で売られているものが多いが、丸型や星型などさまざまな形のものがある。
光の色も、淡い黄緑色の光を放つものが多いが、水色やオレンジ色などの光を放つものもある。

スーパーアルファフラッシュSAF10Pに近づき、斜め上から撮影した写真。15枚の黄緑色の丸いシールが整然と並んでいる。シールは日中の光を反射しているが、発光はしていない。

↑ スーパーアルファフラッシュ(丸型) 拡大図

「スーパーアルファフラッシュ」と「アルファフラッシュ」は、テープの色が薄黄色で、放つ光は明るい黄緑色。
テープの形は丸型、短い長方形型、長い長方形型、テープ型などさまざま。ハサミで切って形を変えられるので、大きさや形は融通がきく。

高輝度蓄光テープ「アルファフラッシュ」(ある・ふら)を、パッケージに入った状態のまま、正面から撮影した写真。

↑ 高輝度蓄光テープ「α-FLASH」(アルファ・フラッシュ)

また、蓄光ちくこうテープは、放つ光の明るさや光を放つことのできる時間の長さなどによって、性能が分かれる。

「Super α-FLASH」スーパーアルファフラッシュ はJIS規格で最上級のクラスに対応しており、200ルクスの蛍光灯に20分間当てると、20分後273cd/㎥カンデラ立方メートルの光を放つ。
つまり、一般家庭のリビングに設置されている蛍光灯くらいの光を蓄光テープに20分間当てると、蛍光灯を消し20分経っても、蓄光テープはデスクトップパソコンのモニター画面くらいの明るさで光っている、ということ。

スーパーアルファフラッシュは、その性能の高さゆえ、総務省など国の機関の避難誘導にも用いられている。

高輝度蓄光テープ「アルファフラッシュ」が、正方形や細長い長方形に切られている写真。写真の右側にはカッターナイフが写っている。

↑ 「α-FLASH」ははさみやカッターナイフでお好きな形に切れる

但し、蓄光テープは太陽光や蛍光灯の光を十分当てた直後は非常に明るい光を放つが、時間が経つにつれ、急速に明るさを失う

「Super α-FLASH」も、光を当てた直後(10分後)は541cd/㎥というテレビ画面並みの明るさを誇るが、1時間後には83cd/㎥という暗いパソコン画面くらいに暗くなってしまい、6時間後には11cd/㎥という光っているのが辛うじて分かるくらいの暗さになってしまう。

明るさや製品仕様の詳細は、エルティーアイ社の公式ホームページ↓よりどうぞ。

エルティーアイ社 公式ホームページ
高輝度蓄光テープ 「Super α-FLASH」

高輝度蓄光テープの使い方

蓄光テープの裏についている裏紙を剥がし、お好きなところに貼るだけ。スーパーアルファフラッシュでも、アルファフラッシュでも使い方は同じ。

高輝度蓄光テープの表面に、自然光か蛍光灯の光を20分以上当てておくと、辺りが暗くなった際テープが発光する。
(但し、明るい場所では、高輝度蓄光テープは普通のシールにしか見えない(笑))

ただ、後ほど詳しく述べるが、白熱灯や夕日などの赤系暖色系の光では、高輝度蓄光テープが光を吸収できず、スーパーアルファフラッシュ・アルファフラッシュともに十分光ることができないのでご注意を。

超高輝度蓄光テープ「Super α-FLASH」(丸型)を明るい部屋で撮影した写真。超高輝度蓄光テープは白っぽい色をしており、光っていない。超高輝度蓄光テープは黒い3連スイッチのすぐ上に貼られている。

↑ 明るい室内で見るSuper α-FLASH(丸型)

超高輝度蓄光テープ「Super α-FLASH」(丸型)を真っ暗な部屋で撮影した写真。暗闇に黄緑色の明るい光が光っている。

↑ スイッチを押し電灯を消した直後のSuper α-FLASH。蓄光テープが明るく光るため、スイッチの場所がすぐに分かる。

間違ったところに貼ってしまった時は、テープの角から少しずつゆっくり剥がすと、綺麗に剥がれる。その後別の場所に貼り直せばok。
急いで剥がすとテープの一部が破れ、貼り跡が残ってしまうことがある。また、蓄光テープは水に弱いので、水で湿らせて剥がそうとしない方がいい。

超高輝度蓄光テープに適した部屋・場所・材質

おすすめ度 貼った場所 備考
玄関 電灯スイッチ、鍵穴  
廊下 電灯スイッチ、突き当たりの壁、手すり 便利!
階段 電灯スイッチ、段 便利!
居間 電灯スイッチ、壁、家電製品
台所 壁、家電製品  
書斎 家具  
浴室 ×   防水機能なし
その他 携帯電話  

窓から光の入る階段や廊下をお持ちのご家庭は、階段・廊下に貼るのが1番おすすめ。電灯をつけずに通路を行き来できるようになり、非常に便利。電気代も抑えられる。

また、夕方から夜にかけて家族が集う居間も便利。普段から白色蛍光灯が点いていることが多いので、蓄光テープの光り方が明るい。

小物に貼るなら、スマートフォンやベッド脇のランプなど毎日よく使う小物がおすすめ。スマホは暗い部屋で光るだけでなく鞄の中でも光ってくれるので、急いでいる時もすぐに鞄から取り出せるようになった。

材質では、プラスチックやガラスや金属と相性がいい。表面が平らで水のかからない場所であれば、石や家電製品や紙テープ(マスキングテープ)の上にも貼ることができた。

窓のない廊下などの暗い場所は、少ない光で長く光るスーパーアルファフラッシュなどの超高輝度蓄光テープをおすすめする。
逆に、居間など、普段から人が多く出入りし蛍光灯を頻繁に灯す部屋は、安物の蓄光テープでも十分役に立った。そうした部屋にスーパーアルファフラッシュなど良質な高輝度テープを使うのは、正直なところ勿体ないと思う。

超高輝度蓄光テープに適さない部屋・材質

白熱灯など暖色系の光を放つ場所では、高輝度蓄光テープが光を吸収しにくいため適さない。

スーパーアルファフラッシュの持つ高い性能も、太陽の西日や暖色光の前ではその性能を十分発揮できないようだ。相性の悪い組合せ、とも言えるかも知れない。

高輝度蓄光テープ「アルファフラッシュ」を製品パッケージから取り出した直後に撮影した写真。セロハンテープに似た形をした高輝度蓄光テープが写っている。テープ表面は薄い黄緑色をしている。

↑ 高輝度蓄光テープ「α-FLASH」 パッケージから取り出した直後の状態

また、スーパーアルファフラッシュには防水機能がついていない。そのため、屋外や浴室など雨や水のかかる場所・湿度の高い場所には適さない。

更に、ペンキで塗装された製品は、高輝度蓄光シールをはがす際に塗装等が剥がれ、製品の表面が汚らしくなったり蓄光テープ裏面に塗装の屑がついてしまう恐れがあるので、おすすめできない。

スーパーアルファフラッシュの使用上の注意点

夕方の西日・暖色光・白熱灯の光では十分に蓄光できない

白熱灯やハロゲンランプの光は、スーパーアルファフラッシュが吸収しづらい
そういった明かりの部屋では、スーパーアルファフラッシュを利用されない方が賢明。

高性能の高輝度蓄光テープと言えど、得意とする光と苦手な光とがある。
スーパーアルファフラッシュやアルファフラッシュは、紫外線から480nmナノメートルまでの波長の短い光はよく吸収するが、500nmナノメートル以上の波長の長い光を苦手としている。

高輝度蓄光テープ「アルファ・フラッシュ」のパッケージを裏返して撮影した写真。パッケージに記載されている日本語の製品説明文が写っている。

↑高輝度蓄光テープ「α-FLASH」製品パッケージ裏面の説明書き

ミクロの世界において、光は波の形をしており、1つ目の波から2つ目の波に至るまでの長さによって、光の色や性質が分かれる。
波の長さが短ければ光の色は青や紫になり、更に短ければ目には見えない紫外線になる。逆に長ければ、光の色はオレンジや赤になり、更に長ければ赤外線になる。

アルファフラッシュシリーズは波の長さが480nmナノメートルまでの光を得意としているので、紫外線・紫の光・青の光を受けると、その光を吸収することができる。だが、黄色の光・橙色の光・赤色の光など、波の長さが480nmよりも長い光は、光を受けても蓄光テープが吸収できず、テープが十分光ることができない。

人間の目に見える光であれば、光の波の長さは光の色によって見分けられるので、白熱灯など赤・オレンジ色っぽい光は「蓄光テープが光らないかも」と用心頂ければ幸い。

なお、太陽光・白色蛍光灯・LED電球などの白い光は、紫から赤までの色の光を偏りなく含んでいるので、スーパーアルファフラッシュを利用できる。

出典元:エルティーアイ株式会社 参考資料①
http://www.ltic.co.jp/news/ledkougen_to_tikkou.pdf

超高輝度蓄光テープ「Super α-FLASH」の良かった点

他社の蓄光テープよりワンランク上の明るさ

蛍光灯を消した直後、高輝度蓄光テープの明るさが、他社製品より1段階くらい明るい。素人が裸眼で見比べて違いがはっきりと分かるくらい、明確な差があった。

LTI社の超高輝度蓄光テープ「Super α-FLASH」を斜め上から撮影した写真。丸型や長方形型の黄緑色の蓄光テープが写っている。

↑ スーパーアルファフラッシュ(丸型・長方形型)

弱い光が長くもつ

蛍光灯を消し2~3時間経つと他社製品は、光っているのかどうか分からなくなるくらい、光が弱くなってしまった。だがスーパーアルファフラッシュは、ぼんやりと光っているのが分かるレベルで踏みとどまってくれた。

「ぼんやり光る」というのが割と大切で、住み慣れた家に蓄光テープを貼り、テープが薄ぼんやりとでも光っていると、壁や家具がどのへんにあるか、階段の段差が何段目くらいかおおよそ把握できる。

その結果、

  • 暗闇を手探りで進むこと
  • 暗闇で壁に激突すること
  • 電気のスイッチが見つからずまごつくこと
  • 階段の段差を踏み間違えること

が少なくなった。

真夜中で家中の電気が消えていても、蓄光テープが月明かりのように微かに通路を照らしてくれていれば、太陽の光がある時とさほど変わらないくらいの速さで、家の奥から玄関まで歩ける。

超高輝度蓄光テープが「暗く薄ぼんやり光っている状態」を便利だと感じるかどうかが、蓄光テープをご自宅で使えるかどうかの分かれ目だと思う。「暗く光っている状態」では不便だと感じたら、蓄光テープでは適しておらず、ソーラーライトなど別の製品を使う方がご都合に合うかもしれない。

暗闇の中で超高輝度蓄光テープが「Super α-FLASH」が緑色の光を発している写真。蓄光テープは長方形型で、光も緑の長方形のように見える。

↑ 夜に光るスーパーアルファフラッシュ(丸型・長方形型)

電気代・維持費が一切かからない

スーパーアルファフラッシュに限らず、高輝度蓄光テープは購入時に出費はあるが、維持費がかからないので、長く使えば使うほど元が取れる。

高輝度蓄光テープとソーラーライトのどちらを購入しようか迷った際、ソーラーライトは毎日使うとバッテリーが1〜2年しかもたず定期的に買い替えが必要と聞き、高輝度蓄光テープを優先して購入した方が長い目で見てお得だと感じた。

初期投資にかかる費用も、ソーラーライトが1000円以上かかるのに対し、超高輝度蓄光テープは数百円台から購入でき、少しだけお安い。
迷われたら、先に高輝度蓄光テープを試してみる方がいいようにと思う。

環境に優しい(サスティナブルでエシカル)

蓄光テープは、一度貼ってしまえば追加のエネルギーを必要とせず、5年10年は軽く使い続けることができる。
生活の質をさほど落とさずに、より少ないエネルギーで暮らせるようになるので、お財布に優しいだけでなく地球環境にも優しい。倫理的にも、年齢性別を問わず多くの方に受け入れられやすい製品だと思う。

誰でもすぐに使える

シールと同じように裏紙を剥がして貼るだけなので、自宅への導入が超簡単。お子様でも高齢者でも1人で貼ってはがせて、導入にもその後の維持にも、専門的な知識が必要ない。

なお、剥がして別の場所に貼り変えるのも、力いらずで手ではがすことができた。

↑ 超高輝度蓄光テープ「スーパーアルファフラッシュ」パッケージ裏面の説明書を撮影した写真。黒地に白文字がたくさん書かれている。

↑ Super α-flashのパッケージ裏面の説明書き。

北向きの窓でも使えた

北向きの窓から射し込む光(でも、窓から5m以内の場所であれば、Super α-FLASHは問題なく光ってくれた。

テープは数回貼って剥がせる

超高輝度蓄光テープは意外にも裏の粘着テープが使いやすく、2~4回くらいであれば、問題なく貼って剥がすことができた。

蓄光テープは、ここぞと思う場所に貼っても、午後の日当たりが悪いと想定より光らないことがあるので、貼って剥がして試行錯誤しながら、ベストな貼り位置を見つけていくことが多い。何度も剥がせて何度も貼れ、それでも粘着力があまり落ちなかったのは有難かった。

超高輝度蓄光テープ「Super α-FLASH」の悪かった点

「日当たり」「光の差し込む時間帯」「光の差し込む角度」を把握する必要がある

窓から射し込む太陽光で高輝度蓄光テープを光らせようとすると、「日当たり」「光の差し込む時間帯」「光の差し込む角度」をある程度把握しなければ、蓄光テープが十分光らず、宝の持ち腐れになってしまう。

今までこうしたことを考えてこなかった素人にとっては、この3点を把握するのが一番大変だった。素人が事前に把握しているのは、窓や家が北向きか南向きかという「日当たり」がせいぜいだろう。

「いい場所に貼ったつもりなのに全然光らないな」と首を傾げて調査すると、家族が早めに窓のカーテンを引いてしまっていたり、午後に入って光の射し込む角度が変わり1冊の本が影を作っていたりと、些細なことがテープの蓄光を妨げていることが多かった。
蓄光テープに「光の差し込む時間帯」は、つぶさに見ていかなければ、蓄光テープは性能を発揮できないと感じている。

また、壁よりも床に貼った蓄光テープの方が、夜によく光った。これは「光の差し込む角度」が関係しており、蓄光テープに対し光が直角に射し込むと、テープが効率良く蓄光でき、明るく光るようだ。

窓から自然光を取り込む場合、壁に貼ったテープに直角に光が当たるのは日没頃になる。日没の太陽光はスーパーアルファフラッシュが苦手とする赤や橙色の光なので、結局のところ効率良く光を吸収できず、蓄光テープは明るく光ることができない。

人には強烈に思える西日が蓄光テープには吸収しづらいのだから少々驚くが、こうした「光の差し込む角度」も頭に入れないと、蓄光テープは使いこなせないように感じる。

高輝度蓄光テープ・蓄光シールの選び方

性能のいいテープを少しだけ買う

初めて高輝度蓄光テープを使われるなら、なるたけ性能のいい製品を選んだ方がいい。

高輝度蓄光テープは、短時間で急速に輝度が下がる(暗くなる)など、製品の仕様そのものに癖がある
性能の悪い蓄光テープを買ってしまうと放つ光がとにかく暗いので、買ったはいいが使えなかったという残念な結果になりかねない。

私も最初、東急ハンズで買い求めた蓄光テープ(長さ45cm×幅1cmのもの)を自宅に導入したが、テープの光が暗いし光も1~2時間弱しかもたず、どうにも不満が募った。
1年後に「Super α-FLASH」、2年後に「α-FLASH」を買い増しした際、東急ハンズの蓄光テープはあらかた剥がし、新しい蓄光テープと置き換えてしまった(笑)

製品に人気が出てきたのか近年お値段が下がり、「Super α-FLASH」は数百円から手に入るようになったので、買えないほど高い値段ではないと思う。

ただ、蓄光テープは長さの割に高価なうえに、購入して暫くは、日の当たる場所を求めて貼って剥がしての試行錯誤の日々になるので、最初は少量買えば十分だと思う。

一番おすすめなのは、「Super α-FLASH」のお試しセット。使える量は少ないが、明るさと光る長さはは断トツ。
少し量が欲しい人には、「α-FLASH」の方をおすすめする。「Super α-FLASH」と比べると明るさは2~3割ほど落ちるが、500円台から買えるので、あちこちに気軽に使える。

BRIWAXを使用する上で注意すること (一時的な空気の汚染)

新品のBRIWAXを開封し半日ほど木製製品に塗ったら、その後小一時間咳が止まらなくなった。原因を探るべく、BRIWAXでの塗布中に、空気質測定器を使ってBRIWAX塗布中の空気に含まれるPM2.5と化学物質の濃度を調べてみた。

BRIWAXの缶をロゴが見えるよう正面から撮影した写真。蓋の近くに液だれの跡が茶色く残っている。
↑BRIWAX

BRIWAX塗布時の空気測定結果

上段がPM0.1, PM2.5, PM10の値。中段がホルムアルデヒドと総揮発性有機化合物そうきはつせいゆうきかごうぶつの値。下段が気温・湿度。
ホルムアルデヒド(HCHO)と総揮発性有機化合物(TVOC)が、厚生労働省や環境省の定める基準値(暫定目標値)を軽く振り切るほど、値が高かった。

空気質測定器を正面から撮影した写真。HCHOが1.662mg、TVOCが9.999mg、PM2.5が4μgと表示されている。背景にはニスを塗ったばかりの板とBRIWAXの缶が写り込んでいる。
↑ 屋外での空気環境測定結果

厚生労働省・環境省・WHO(世界保健機関)が定めた基準によると、

  • ホルムアルデヒドは、1㎥あたり0.1mg(=100μg)以下
  • 総揮発性有機化合物は、1㎥あたり0.4mg(=400μg)以下

であれば、長期的に吸い続けても健康に影響がないと知られている。

だが、BRIWAXの塗布中、基準値の数倍にあたるホルムアルデヒドと総揮発性有機化合物が検出された。

PM2.5は直径が2.5マイクロメートル(=0.0025mm)の非常に小さな粒子(粉塵)のことで、粒子が小さければ小さいほど身体の奥まで入り込み、呼吸器疾患や循環器系疾患などの原因となる。PM10以下の粒子は、1㎥あたり0.035mg(=35μg)以下であれば健康に悪影響がないとされているが、数回測ってもこちらは正常の範囲内だった。

BRIWAXは、吸い込むと人体に有害であり、十分に換気しながら塗布するよう、販売元サイトに注意書きが書かれている。
そのため今回の測定は、屋外か、室内で外へ繋がる窓1つと扉1つを全開にして扇風機を「中」で回した状態で行った。十分換気をしている環境にも関わらず、このような高い値が検出されたことに、非常に驚いた。

ホルムアルデヒド・総揮発性有機化合物とは

ホルムアルデヒドや総揮発性有機化合物は、シックハウス症候群の原因となることでも知られており、多量に吸うと身体を悪くする。

ホルムアルデヒドは、室内の空気を汚染する物質の代表格で、濃度が1㎥あたり0.5mg(=500μm)を超えると、眼や喉や気管支を刺激することで知られている。

揮発性有機化合物は、「揮発性がある」つまり常温で液体から気体に変わる有機化合物の総称で、こちらも室内空気汚染の目安となる。
総揮発性有機化合物は、トルエン・ベンゼン・フロンなどの各揮発性有機化合物の濃度を一定のルールに従って合計したもの。こちらも低ければ低いほど、空気環境は安全と言える。

どちらも、時間とともに空気中に拡散し濃度が下がるので、高濃度で検出された場合は、とにかく窓を開けて換気扇を回し、換気することが大切。
余談だが、新築したばかりの住宅で高濃度の揮発性化学物質が検出されると、24時間換気し続けることもあるらしい。十分な換気を3ヶ月程度続けると、ホルムアルデヒドやトルエンの濃度は半分から数分の一以下に下がるとのこと。

また、ホルムアルデヒドも総揮発性有機化合物も、気温が高ければ高いほど、揮発されて空気中の濃度が高くなりやすい。

私のように高濃度の化学物質を含む空気を吸ってしまった場合は、直ちに使用を中断して、屋外等でしばらく新鮮な空気を吸うといいとのこと。

BRIWAXを塗った後に激しく咳き込んだ理由

私がBRIWAXを塗布し咳込んだのは、気温30度を超える夏で、BRIWAXを数時間塗り続けた後だった。

気温が高いと、BRIWAXに含まれるホルムアルデヒド・揮発性有機化合物がより多く揮発し、空気中の有害物質の濃度が高くなりやすい。そんな環境でBRIWAXを長時間塗り続けると、高濃度のホルムアルデヒド・揮発性有機化合物を、長時間吸い続けることになる。

しかも私は気管支喘息の持病があるので、炎症が残っている喉や気管支が汚染された空気に真っ先にやられ、身体がホルムアルデヒド等の異物を少しでも体外に出そうとして、咳が止まらなくなったのだと推測される。

BRIWAX塗布後、どのくらい時間経てば安全か

塗られた面積や部屋の換気度合いにもよるので、何時間(何日)経てば安全かは、はっきりと明言できない。

新築の家の場合、建築当初化学物質の濃度が高いが、3ヶ月から6ヶ月ほど十分な換気を行えば、健康に害のない程度まで値が下がるそうだ。

ただ、BRIWAXは、塗布後1ヶ月以上を経過した頃に計測しても、ホルムアルデヒド及び総揮発性有機化合物の濃度が、基準値を超えているかギリギリ下回っているかというレベルでしかないことがあった。

以下、あくまで一個人の例として、実体験を述べる。

気温30度を超える日にBRIWAXの蓋を開けて放って塗布した際、塗布中は塗布している場所から2mくらい離れていても、空気質測定器のホルムアルデヒドと総揮発性有機化合物の値が極めて高く、空気測定器の出す「ピー、ピー」という警告音が鳴りやまなかった。
総揮発性有機化合物については、計測可能な値を振り切っている(「TVOC 9,999mg」のまま表示が止まっている)ことも多かった。

BRIWAXの蓋を閉めた状態で計測。蓋にBRIWAXが付着してしまっているためか、ホルムアルデヒドと揮発性有機化合物は基準値をオーバーしている。
↑ BRIWAXの蓋を閉めた状態で計測。蓋にBRIWAXが付着してしまっているためか、ホルムアルデヒドと揮発性有機化合物は既に基準値を大きく上回っている。

窓を開けて換気扇や扇風機を回す等の方法で十二分に換気しつつ、BRIWAX塗布後30分以上経って再び計測すると、塗布面から2m~3m離れた場所では、基準値を超えるような高濃度のホルムアルデヒドを検出しなくなった。
但し、塗布した面から10cm以内に空気測定器を近付けると、ホルムアルデヒド・総揮発性有機化合物ともに極めて高い値を計測し、警告音も復活した。

BRIWAX塗布から約1ヶ月経った頃に、改めて空気質測定器でホルムアルデヒドと総揮発性有機化合物の値を計測した。

木製扉の前で空気環境測定を行っている写真。扉は1ヶ月前にBRIWAXが塗布されたもの。TVOCの値は0.386mg/㎡と表示されている。
↑ BRIWAX塗布後1ヵ月後に行った空気環境測定

ホルムアルデヒドは0.056mg/1㎥で基準値(0.1mg/1㎥)の半分弱と正常だったが、総揮発性有機化合物TVOCは0.386mg/1㎥と健康に害のない暫定目標値(0.4mg/1㎥)ギリギリだった。

計測した場所は、下半分にBRIWAXを塗った木製扉の前。塗った面積によっては、総揮発性有機化合物の暫定目標値を超える場合も出てくるのではないかと思う。総揮発性有機化合物が目標値ギリギリでも、鼻につくような臭いは一切感じられず、機械で計測していなければ、私も扉の利用者も気づかなかっただろうと思う。

また、2ヶ月前にオイルステインとBRIWAXを数回重ね塗りして練習した木板も合わせて計測したところ、こちらはホルムアルデヒド・総揮発性有機化合物ともに、人体に影響がないとされる基準値をオーバーしていた。

BRIWAXと某社のオイルステインを重ね塗りし2ヵ月後に行った空気測定
↑ BRIWAXと某社のオイルステインを重ね塗りし、2ヵ月後に測定

BRIWAXよりも併用したオイルステインの方が、ホルムアルデヒド・トルエンをより豊富に含んでいた可能性はある。だが、この数値を見て私は、自宅を自らシックハウスに変えているようなものだと感じてしまった。

今後は、BRIWAXをトルエンフリーのラインナップに切り替えるか、オスモカラー等化学物質を一切含まない自然塗料に切り替えることに決めた。

人体への悪影響を防ぐ方法

最も手っ取り早いのはBRIWAX(オリジナル)を塗らないことだが、都合上トルエンフリーでないBRIWAXを使わざるを得ない方もいるだろう。
下記の項目に気をつけて塗布すると、気温が高くとも塗布時に咳が出ず、喉・気管支に違和感を感じることも少なかった。

  • 風の強い日を選んで塗る

台風到来の翌日に屋外でBRIWAXを塗布すると、風が強すぎて、ホルムアルデヒド総揮発性有機化合物ともに、値がかなり低くなった。磨く時に使うサンドペーパーや下敷きにする新聞紙が若干飛ばされそうになるが、乾きが早く、健康にも優しかった。

BRIWAX塗布中に空気質測定器を正面から撮影した写真。HCHOが0.064mg、TVOCが0.457mg、PM2.5が4μgと表示されている。背景にはBRIWAX塗布中の木の板とBRIWAXの缶と新聞紙が写り込んでいる。
↑ 台風襲来翌日に屋外での計測結果。ホルムアルデヒドは基準値以下に下がっている。
  • 風上で作業する

風上で塗布や磨きを行い、有害な化学物質やサンドペーパーの粉塵が風下へ流れるようにすると、人体への悪影響が少ない。風下に人がいないよう配慮することも忘れずに。

  • 窓を全開にする

少し開けるのではなく、全開に。空気の流れができるよう、2ヶ所以上窓を開けるとベター。ホルムアルデヒド等で汚染された空気を、少しでも多くの外気と換気できるよう配慮する。

  • 換気扇や扇風機を「強」で回す

風のない日は換気が十分行われないので、機械を使って空気の流れを作り、汚染された空気が新鮮な外気と混ざるようにする。送風機でもハンディタイプの扇風機でも、強い風を生み出してくれるものならOK。

  • 高性能のマスクを着用する

風のない日、市販の7枚200円程のペラペラのマスクでは、着用後1~2時間の塗布が限界だった。マスク着用していても喉に違和感を感じるようになり、それ以上塗布を続けられなかった。

私は喘息治療用に持っているウイルス対策マスクや3M社のN95マスクを利用すると、気管支への負担が少なかった。気密性が高いため少し息苦しいが、喉や気管支を守る機能はN95マスクの方が優れている。N95マスク着用時は、喉や気管支に違和感を感じず作業を終えられた。こうしたマスクは、コロナ禍以前はamazonや病院内にある医療用コンビニで1枚400円くらいで手に入ったが、今はさすがに少し値段が上がっているかもしれない。

高性能マスクをお持ちでない方は、マスクの紐を短く縛って密着度を上げたり、マスクを2枚重ねでつけるなどの工夫をすると、多少改善されるのではないかと思う。

  • BRIWAXの塗布と磨きは手早く行う

BRIWAXを塗り込む作業と、BRIWAXを塗り込んだ後ブラシで面を磨く作業は、できるだけ手早く行い、有害物質を吸い込む時間を少しでも短くする

  • 喉や気管支に違和感を感じたら、作業を終了する

気をつけて塗布していても、マスクを着脱する際に、揮発性の化学物質を少し吸い込んでしまうことがある。咳が出たり喉や気管支に違和感を感じたら、その日の作業はそこで終了することにした。

  • BRIWAXを塗布後、6時間以上十分に換気する

BRIWAXを塗布した後、塗布面にはホルムアルデヒドや総揮発性有機化合物が残っている。扇風機を「強」に設定してガンガン換気しても、ホルムアルデヒドや総揮発性有機化合物が正常値を下回るには、数時間かかった。
換気は、とにかく執拗かつ十分に行う方が良さそうだ。

  • BRIWAXは人体から離して保管

空気環境測定を行うまでBRIWAX(オリジナル)は自室の棚で管理していたが、人体に有害であることが分かったので、住居エリアから隔離して納戸に保管することにした。

地震等不慮の事故に見舞われても、人体に悪い影響が出ないよう、人から離れた場所に保管することを癖づけた方がいい。

BRIWAXメーカーの工夫

BRIWAXに「トルエンフリー」というラインナップを見つけた。トルエンは、先程紹介した総揮発性有機化合物の一種。トルエンフリーということは、トルエンを含まないBRIWAXということになる。

こちらの商品はまだ使ったことがないが、ナフサは含まれているそうなので、完全な化学物質フリーではない。ナフサは原油(石油)から得られる物質で、この物質からトルエンが生まれるらしい。(Google先生の受け売り)

半端なく高い値のホルムアルデヒドと総揮発性有機化合物を前に、BRIWAXの作り手も、手をこまねいているわけではないようだが、いずれにせよ、1度使って空気測定してみないと何とも言えないので、良し悪し使える使えないの判断は保留。

今回の計測に使ったBRIWAXと空気質測定器

空気質測定器

空気質測定器を正面から撮影した写真。取扱説明書とパッケージ(白い箱)も写っている。
↑ 空気質測定器

今回の計測には、Dienmernのハンディタイプの空気測定器を使用した。1万円前後で手に入り、軽くて、PM2.5は電源を入れた直後に、ホルムアルデヒドと総揮発性有機化合物も4分以内に表示される。

企業等は法律で2ヶ月に作業場の空気環境測定が義務付けられているが、そうした用途でも使用することができる機器と謳われていたので、正確な値が出るだろうと考え、こちらの機器を使用した。

BRIWAX オリジナル「ラスティックパイン」

BRIAXは、3ヶ月前に新品で購入した「ラスティックパイン」を使用。
BRIWAXにはオリジナルとトルエンフリーの2種類のラインナップがあるが、購入時はそれを知らず、オリジナルの方を購入した。

ラスティックパインを使って検出されたホルムアルデヒドは基準値の数倍から十数倍で、BRIWAXの他のカラーの製品にも塗布時に必ず換気するよう注意書きが記載されているので、ラスティックパイン以外のBRIWAXオリジナルでも同様と考え、注意頂いた方がいいと思う。

BRIWAXトルエンフリーはまだ使用したことがないので、どの程度の数値をはじき出すかは分からない。トルエンフリーを謳っているので、総揮発性有機化合物TVOCについては、恐らくオリジナルより低い値が出るだろうと思う。

終わりに

BRIWAX ラスティックパインを塗ったかまぼこ板を上から撮影した写真。かまぼこ板は全体が茶色で、焦茶色の木目がところどころにはっきり見え、僅かに光沢がある。
↑ BRIWAX ラスティックパインを塗ったかまぼこ板

塗布後の仕上がりだけを見ると、BRIWAXはDIYに適した非常にいい製品に見える。手順通りに塗れば、かまぼこ板が高級家具顔負けの色ツヤに仕上がるのだから、世界中のDIY好きがBRIWAXの虜になってしまうのも無理はない。

反面、BRIWAXの仕上がりの素晴らしさに隠れて、BRIWAXを使用する上で注意すべき点は、十分に強調されていないように感じる。

空気の汚染による有害物質の曝露には短期曝露と長期曝露の2種類があり、数時間程度の短期曝露でも、人体に影響を与えることがある

BRIWAX「ラスティックパイン」の蓋を開き、斜め上から撮影した写真。金属製の缶の中に黒い液体が入っている。
↑ BRIWAXの蓋を開いたところ

子供や高齢者、それに私のような呼吸器疾患持ちは、高濃度または大量の有害物質に曝されると、健常者より早く身体を悪くしやすい。しかもこうした人は、世の中に一定の割合で存在している。

やむを得ずBRIWAXと末長くお付き合いしたいと考えるなら、永続的ではないにせよ大気を汚染する性質を持っていることは、頭の片隅に記憶しておくべきだろう。

美術展のチラシで名画マグネットを作る

冷蔵庫に貼るマグネットを、お気に入りの絵で自作することに目覚めた。せっせと作って冷蔵庫に貼ると、冷蔵庫がお気に入り揃いの美術展に早変わり。

自作した葛飾北斎の絵の名画マグネットを冷蔵庫に貼り、正面から撮影した写真。淡い灰色の冷蔵庫の扉の部分に、葛飾北斎の浮世絵で作った名画マグネットが8枚貼られている。8枚のうち、5枚はサイズが大きい。赤富士や鳴門の渦潮、大はしあたけの夕立など、有名な浮世絵も貼られている。
↑ 葛飾北斎の浮世絵で作った自作の名画マグネット

手作り名画マグネットの材料

美術展のちらし

駅や美術館によく無料で置いてあるもの。手元になければ、インターネット上のものを印刷するなり、自分で描くなり、お気に入りの絵が印刷してあるものならok。

ルノワール美術展のちらし2枚と、琳派の美術展チケット1枚を床に置き、手前から撮影した写真。チラシの背景はござの様な質感の茶色の床。琳派の美術展チケットとは明るく派手な黄色で、「琳派 京を彩る」と飾り文字が書かれており、風神雷神図屛の雷神が描かれている。

mtの色付きマスキングテープ(紙テープ)

マスキングテープは貼ったりはがしたりが簡単に出来、絵に跡も残らない。マスキングテープが無ければ、やや難易度が上がるが、セロテープでもok。

茶色とベージュの幅の細いmtマスキングテープと、たまご色で幅の太いmtマスキングテープを床に置き、手前から撮影した写真。mtマスキングテープ3本の前には、小型の黒いハサミが1つ置かれている。背景は、ござのような質感の茶色の床。
↑ よく使うmtのマスキングテープ

柄や色はお好みでどうぞ。マスキングテープは名画マグネットで額縁の役割を果たすので、濃いめの落ち着いた色が使いやすい。東急ハンズやLOFTなどで、3つ200円くらいで売られている。

裏がマグネットになっているタイプの広告

よく見かける「水道トラブルを解決します」というマグネット広告が手元にあれば、そちらを使う。なければ、100円均一ショップで売っている大判サイズのマグネットでok。

カッターナイフやはさみ

両方あった方が便利。なければ、カッターナイフで。

手作り名画マグネットの作り方

0)広告マグネットと美術館ちらしを暇なときに集めておく

1)美術展ちらしに乗っているお好な絵を、好きなサイズに切り取る

画家川瀬巴水の美術展のチラシから、絵の描かれている部分を黒いハサミで切り取っっている写真。背景には、レンガ色のカーペットが映っている。

2)切り抜いた絵と同じ大きさになるよう、マグネットを切る

川瀬巴水の「馬込の月」の絵と同じサイズになるよう、水道トラブルの広告の書かれたマグネットをカッターナイフで切っている画像。黄色い定規も傍に置かれている

3)上が絵、下がマグネットとなるよう重ね、マスキングテープで四辺を留める
マスキングテープが真っ直ぐになるよう、ここは頑張りどころ。テープが斜めになってしまったら、一度はがして貼り直す。(mtのマスキングテープであれば粘着力が強くないので、綺麗にはがせる)

川瀬巴水の「馬込の月」の絵の下に同じ大きさの水道トラブルの広告のマグネットを重ね、茶色のmtマスキングテープで留めている画像

4)テープのはみ出した部分を、はさみで切る

川瀬巴水の「馬込の月」の絵から、茶色のmtマスキングテープのはみ出た部分を黒いハサミで切り取っている画像

5)出来上がり!

手作り名画マグネットの完成図。川瀬巴水の絵2点と葛飾北斎の浮世絵1点に、mtマスキングテープの茶色の枠が付けられている

手作り名画マグネットの使い方

冷蔵庫に貼り、通常のマグネットと同じように使っている。貼りつく力は強くないが、4~5枚作って貼っているので、プリントなどはマグネット1枚につき紙1~2枚と分散させて貼っている。

会社のロッカー金属製の机の引き出しにも貼り、仕事の合間に名画を眺めては、ちょっと息抜き。

手作り名画マグネット作品集

クロード・モネの「ルーアン大聖堂」

絵が手元に6枚しかなかったので、6枚だけ作成した。「ルーアン大聖堂」は言わずと知れた連作なので、残りの37枚もいずれ作り、冷蔵庫いっぱいに貼りたい(笑)

クロード・モネのルーアン大聖堂の絵2枚が灰色の毛足の長いカーペットの上に置かれている

余談

美術展に併設されているショップで名画が描かれたマグネットが売られていたが、1つ数百円とちょっとお高め。しかも、自分の好みの絵が売られていなかった。

「これなら自分で作った方が、安上がりかも」

と安直に考え、作り始めたのが始まり。1つ5~10分くらいで作れるので、まとめて作っておいては「冷蔵庫印象派展」や「冷蔵庫浮世絵展」を開催して、気分に合わせて楽しんでいる。

モネの美術展のちらしとルノワールの名画マグネットが灰色の冷蔵庫に貼られている
↑ 我が家の冷蔵庫。冷蔵庫印象派展(?)を開催中

気心の知れた間柄であれば、マグネット2~3枚をプレゼントとしてお渡ししても喜ばれる。手作り名画マグネットは実母にも何枚か渡したが、実母はお世話になった方によくプレゼントするらしい。
実母を見習って、同僚の和小物好きの女の子に浮世絵マグネット2つをプレゼントしてみたところ、予想に反してかなり喜ばれ、プレゼントしたこちらの方がびっくりした。「こんなもので良ければ、いつでも作るから..」と一言言いそうになった(笑)

手作り名画マグネットの注意点

紙広告と紙マスキングテープで作られたものなので、水気にも火気にも弱い。取り扱いには注意が必要。(冷蔵庫に貼られている時は、水難を被ることが多い)

柄物マスキングテープの実用的な使い道

無地でシンプルなマスキングテープは使い勝手が良いが、柄物のマスキングテープは、可愛らしさに負けて衝動買いしたはいいものの、結局持て余すことが多い…。
柄物マスキングテープの使い道を検討してみた。

mtマスキングテープが、7本立てた状態で置かれている写真。向かって手前左から、黒猫の柄のついたオレンジ色のマスキングテープ、黄緑色のストライプのマスキングテープ、猫の足跡の柄の緑色のマスキングテープ、黒猫の柄のついたピンク色のマスキングテープ、万華鏡柄の色とりどりのマスキングテープ。向かって奥左から、水色と銀色のストライプマスキングテープ、たまご色の無地マスキングテープ。

↑今回使用するマスキングテープ

自宅や小物をマスキングテープで飾る

白プラスチックで出来た横長のフックに、自転車の鍵が数個吊り下げられている。白プラスチックのフックには、ピンク色の背景に黒い猫の絵が描かれたmtマスキングテープが貼られている

さすがにこれは基本ですね(笑)
白やベージュなど地味な物に貼ると、マスキングテープも目立って効果的。

仕事用の小物に名札代わりにマスキングテープを貼る

会社からの支給品に、お気に入りのマスキングテープを貼る。お揃いになりやすいシャチハタ印鑑や携帯充電器も、マスキングテープを貼るだけで簡単に見分けられる。

黒いシャチハタの印鑑ケースと、黒い自転車の鍵と、白いiPhone充電器を白い床に並べ、真上から撮影した写真。シャチハタ印鑑ケースと鍵と充電器には、黒猫の描かれてたピンク色のマスキングテープが貼られている。

↑ シャチハタ印鑑と携帯充電器と鍵にマスキングテープを貼ったもの。

同じ部署内に2人の「鈴木さん」がいるというのはよくある風景だが、拾ったシャチハタ印が「鈴木」だったら、普通はどちらの鈴木さんか迷う。が、ピンク色の猫マスキングテープが貼られていたら、50代のおじさま鈴木さんではなく、女性鈴木さんの手元にきちんと戻ってくるのが、マスキングテープの良さだと思う(笑)

この方法を思いついたのは、会社から全員同じ型の電子機器が支給され、私に配布された機器を誤ってAさんが外出先に持ち出してしまう、という事件が起きたからだ。
使い始めた当初は、マスキングテープに所属と氏名も書き込んでいたが、最近は「猫のテープが貼られていたら、○○さんのもの」と認識して貰えるようになったので、氏名すら書かずに済むようになった(笑)

「猫、お好きなんですか?」と世間話のきっかけにもなってくれるので、便利。たくさん貼っておけば「借りパク」(誰かから借りたままパクる)に遭うことも少なくなるし、可愛らしく所有権を主張できる

なくしやすい小物にマスキングテープを貼って目立たせる

コンタクトレンズの入れ物・眼鏡の入れ物・小さくなった消しゴム・リモコン式電灯スイッチなど、それなりによく使うのに、どこへやったか探し回ることの多い小物はないだろうか。

リモコン式電灯スイッチがあまりに頻繁にどっか行く(大抵枕の下か布団の中にある)ことに腹が立ったので、派手柄マスキングテープで目立たせてみた。

電灯の白いリモコンを斜め上から撮影した写真。リモコンには、黒猫の描かれたオレンジ色のマスキングテープがたくさん貼られている。

結果、見失いにくくなった。見失った時も、派手すぎるので、見つかるまでの時間が短くなった。見つからないイライラが軽減されたので、ちょっと嬉しい。

この手法は、鞄の中で見つけづらい地味色小物(特に黒い小物)にも応用できそう。

見分けがつかない小物にマスキングテープを貼って区別する

三菱鉛筆uniの鉛筆6本を茶色いストライプの板の上に並べ、斜め上から撮影した写真。それぞれの鉛筆の根元の部分には、派手な柄のマスキングテープが貼られている。2H鉛筆には水色のマスキングテープ、H鉛筆にはピンクの黒猫のマスキングテープ、B鉛筆にはオレンジの黒猫のマスキングテープが貼られ、鉛筆を区別しやすくしている。

私は鉛筆をよく使うが、三菱鉛筆uniは6Bから8Hまでの異なる濃さ・硬さの鉛筆が、全て同じデザインで同じ色をしている。絵を描くたびに鉛筆を見分けるのが面倒なので、よく使う鉛筆だけ鉛筆の硬度ごとに違う柄のマスキングテープを貼り、ひと目で区別できるようにした

STAEDTLER鉛筆(軸が全て青色)やFaber-Castell鉛筆(軸が全て深緑色)でも同じことをやった。(各社とも、何故一目で区別できるような工夫しないのかは、よく分からない)

大学ノートやフラットファイルの背表紙に貼って区別しても、便利↓ (徳用で購入した品は、とにかく同じデザインのものが多くて困る…)

透明な二穴ファイルに書類を綴じたものを4冊重ねて平置きし、斜め上から撮影した写真。全てのファイルの背表紙に、水色や黄緑の柄物マスキングテープが貼られている。

↑ 二穴ファイルをマスキングテープで区別。

最初は無地マスキングテープを貼っていたが、部屋が薄暗いと色が判別出来ず、区別しづらかったので、柄物マスキングテープの方が適していた。派手柄マスキングテープでも、事務用品の背表紙だと不思議とあまり目立たないので、もう少しあざやかなテープでも使いやすいと思う。

大小さまざまなクリアファイルの背に柄物のカラフルなマスキングテープを貼ってある写真。

↑ クリアファイルもマスキングテープを貼れば見分けるのが楽。

増減を繰り返しやすいクリアファイルでも同様に。クリアファイルを切って領収書入れにしていたが、背表紙にマスキングテープを貼って棚に保管するようにすると、背表紙だけで見分けられるようになる。こちらも派手柄マステが便利だった。

鍵も同じ形で用途の違うものが2本あるので、別々のマスキングテープを貼り、区別した。セキュリティ上、鍵には名前や用途を書きづらいので、テープの色や模様など、自分と家族にだけピンとくるマスキングテープを使えると効果大

盗まれやすい小物にマスキングテープを貼り、性別を主張する

男性の多い世界だと、ピンク色のマスキングテープを貼り「これは女の持ち物だ」と主張するだけで、盗難防止になる。それを実感したのは、クロスバイクで街乗りを始めた頃。

GiantのEscapeR3の白いクロスバイクのハンドル部分に、ピンク色のmtマスキングテープを巻きつけてある。マスキングテープには歩いたり伸びをしている黒猫が数匹描かれている

クロスバイクやロードバイクは、いわゆるスポーツ自転車で、自転車のボディがアルミやカーボンなどの軽い素材で作られており、成人男性が乗ると原付に負けないくらいスピードが出る。
お値段も素材に比例して高価で、クロスバイク本体(フレーム)だけでも数万円以上、ロードバイクであればライトやペダル等の部品をひっくるめて10~20万円くらいかかるのが一般的。

クロスバイクライダーなら頷いて頂けると思うが、クロスバイクやロードバイクライダーの間では、自転車用ライトなどの盗難が日常的に横行している。
20数年間ママチャリを乗り続けても、ライトも自転車本体も一度も盗難に遭ったことがなかったが、クロスバイクは足かけ3年乗っただけで、ライト(市価約2000円)が2回、サイクルメーター(市価約5000円)が1回盗まれた。

「本体に数十万つぎ込んでおいて、備品は盗るのか!?」と盗られた側は心から思うが、思ってもライトが返ってくるわけでもないので、柄物マスキングテープで対策することにした。

GiantのEscapeR3の白いクロスバイクのフレームに、ピンク色のmtマスキングテープを巻きつけてある。マスキングテープには黒猫の親子が数匹描かれている

ロードバイク乗りには、とにかく男性が多い。女性は2割いないと思う。男性が数的に優位の世界では、男性同士の競争(つばぜり合い)が激しくなりやすい。(普段男性だらけの世界に身を置いているので、経験からの仮説)
反面、女性は希少価値が高いので、女だというだけで(ある程度)丁重に扱って貰え、激しい競争に巻き込まれることも少ない。

「クロスバイクにもこの仮説が使えるんじゃないか」と考え、クロスバイクの備品にピンク色の柄物マスキングテープを貼って『女』を主張してみたら、それ以降盗まれる回数が激減した。
自転車にマスキングテープを貼り始めて1年経ったが、まだ何も盗まれていない。

男性も、カモフラージュのために、ピンク色やかわいい系のマスキングテープを貼るのは有りだと思う。男性のキャラがマスキングテープの柄に合っていれば、お金をかけずに盗難対策が出来る。

既存製品のリメイク

10年程前に職場の方から頂いた魔法瓶水筒が出てきた。
そのままだと黒一色の魔法瓶で、液体が何も入っていなくても重たく見えるので、mtの柄物マスキングテープでリメイクしてみた。

白黒の魔法瓶水筒のボディに柄物のmtマスキングテープを貼ってリメイクした写真。

モノクロの魔法瓶水筒のボディにmtの柄物マスキングテープを貼り、後ろから写真を撮った写真。

パッケージに付いていた丸型マスキングテープを中央に貼り、余白に等間隔でテープを貼っていっただけ(笑) それでもメインを張る小物に格上げできるのは、柄物マスキングテープのお陰か。

まとめ

当初使い道に困っていた柄物のマスキングテープも、仕事系・文具系のデコレーションに使い始めてからは、さくさく使えるようになった。
柄物マスキングテープと仕事の組合せは相性が悪そうに思えるが、仕事系備品に飾り気がなさすぎる分、使いすぎなければ違和感なく溶け込んでくれて、意外と問題なかった(笑)

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