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「こまったさんのスパゲティ (おはなしりょうりきょうしつ 1) 」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

小学校1~4年生向けの本です。特に料理が上手になりたいお母さんに、おすすめします。

「こまったさんのスパゲティ」のあらすじと説明

「こまったさんのスパゲティ」のあらすじ

こまったさんは、駅前で小さなお花屋を営んでいます。

お花屋さんが今日はお休みで、外は雨、ご主人のヤマさんはベットで朝寝を決め込んでしまったので、こまったさんは冷蔵庫にあったひき肉や玉ねぎを使って、ミートソーススパゲティを作ることにしました。

ペットの九官鳥のムノくんと一緒に歌いながらミートソースを作り上げたまでは良かったのですが、お鍋にスパゲティを茹でる水を張ろうとしても、不思議なことに、水がなかなか溜まりません。

ようやく水が張れ、鍋を火にかけ、スパゲティを茹で始めることができたと思ったら、今度は鍋からスパゲッティが見えなくなってしまいます。
お鍋をお箸で丁寧に掻きまわしてみると、今度はお湯が溢れてきてスパゲティの海に流されてしまいました。

そうしてたどり着いたのは、雑誌で見ていたアフリカの地。見つけたレストランに入ると、ゾウもサイもライオンも「やっとコックが来た」「スパゲティはまだか」と騒いでいて……。

こまったさんシリーズについて

こまったさんシリーズは、ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのハンバーグ」や「こまったさんのオムレツ」など、料理の種類ごとに10冊くらい出版されています。「こまったさんのスパゲティ」は、こまったさんシリーズの記念すべき第一作目です。

「こまったさんのスパゲティ」についてはこちらへ
「こまったさんのカレーライス」についてはこちらへ
「こまったさんのハンバーグ」についてはこちらへ
「こまったさんのオムレツ」についてはこちらへ
「こまったさんのサラダ」についてはこちらへ
「こまったさんのサンドイッチ」についてはこちらへ
「こまったさんのコロッケ」についてはこちらへ

「こまったさんのスパゲティ」の読書感想文

※ストーリーのネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

短い絵本なのに、スパゲティのレシピが3つも出てきます。
ミートソースはひき肉やタマネギから作る方法がシンプルに書かれていますし、あさりたっぷりのボンゴレスパゲティに、スパゲティ・コン・トンノ(まぐろの缶詰とトマトのスパゲティ)という聞き慣れないスパゲティまで登場します。

大人が読んでも、十分楽しめて活用できる本です。普段料理をされている主婦の方なら、お子さんと一緒にこの絵本を読むだけで、料理のバリエーションが増えると思います。

子供の頃の私は、こまったさんがスパゲティの海に流される場面が特に好きでした。
お鍋を小舟代わりにしてスパゲティの海に浮かび、自分の真横を身の丈よりはるかに長いスパゲティが何本も流れていくのを捕まえるなんて、夢がありますね。

この絵本を読んで育ったのに、残念ながら子供の頃は料理は全く作らず、絵本を眺めて楽しむだけでした。
が、大学に進学したあたりから作り始め、2品目に早くも作れるようになったのが、スパゲティでした。

イタリアンレストランでのアルバイトも経験し、パスタは作るのも食べるのも大好きになって、今では週1回「麺の日」を設けて、ナポリタンやトマトソースのスパゲティを作っては家族に振舞っています。

子どもの頃に読んだ絵本は、不思議とどこかで、現在の自分にリンクしていますね。

「男の腕まくり 旨い麺」(ムック) で麺類のレパートリーを増やす

うどん・そば・そうめんなどの、麺類料理レシピのレパートリーをとにかく増やしたい方におすすめ。

「男の腕まくり 旨い麺」を料理してみた感想

意外なおいしさ

意外に(と申しては大変失礼だが…)レシピ通りに作るだけでどれもおいしく仕上がる

たとえば、クルミ入り蕎麦。普通のざるそばと普通のつけ汁を用意し、つけ汁に包丁で細かく砕いたクルミを入れるだけ。
「和風のお蕎麦にクルミ? そんなもの合うの?」「ちょっと手軽すぎない?」「これ本当に美味しいの?」と作る前は半信半疑どころか一信九疑くらいの気持ちだったが、実際に作ってみると、つけ汁にクルミのコクが出て、いつもと一味違ったざるそばになった。くるみのつけ汁は温めても冷たくても美味しく、しかも誰かに指摘されなければクルミだと分からないほど自然な味。腹持ちも良くなり、昼食に蕎麦をより出しやすくなった。

どのレシピもさほど手間のかかる作り方ではないので、作る手順や食材どうしの組合せがよく練られているのだと感じる。(手間暇的には、レシピをその日初めて見ても、材料さえ揃っていれば30分後には出来上がって食べられる感じ。鴨肉など、一般のご家庭にはあまりないかな…、と思う食材も時折登場する)

作る時は「うどんだから、大体こういう味になるだろう」と無意識のうちに先入観があったが、出来上がったうどんは普段のうどんとは一味違う、旨みの強いものばかりになった。

麺料理のレシピのレパートリーが増えた

掲載されている麺類+αのバリエーションがかなり幅広い
温泉卵としゃぶしゃぶ豚のがっつり系から、鶏のわさび風味のさっぱり系、くるみ入り蕎麦などの変化球系まで、素人には思いもつかなかったレシピが多く、綺麗な写真に魅かれて読むだけで麺類の可能性に気付かされる。

レシピに従って1品ずつ作ってマスターしていくと、がっつり系かあっさり系か、和風か洋風かなど、麺類をその日の食材とTPOに応じて作り分けられるようになった。麺をゆがくだけという麺類調理入門レベルから、アレンジ自在の調理中級レベルにレベルアップできた気がする。

細切れ豚&茄子そうめんレシピがおすすめ

この本の中で一番のお気に入りレシピは、「細切れ豚&茄子そうめん」。つけ汁に茄子や豚が入るだけで、そうめんは単に湯がくだけというお手軽さで、熱々でも美味しく冷やして食べても美味だった。
冷やしても美味しいので、忙しい日の前日につけ汁を作って冷やしておけば、翌日はそうめんをゆがくだけで昼食にありつける。豚肉は、もちろん薄切りでもミンチでもok。1ヶ月前に冷凍した豚肉で作っても、普通に美味しかった。

栄養バランスも悪くない上に豚肉が入っている分腹もちも良く、葱やカイワレ大根を散らしても相性が良いなどアレンジもしやすい。成人男性から高齢者まで、老若男女美味しく食べられるレシピだと感じている。

そうめんのレシピだが、季節を問わずあまりによく作ってしまったので、逆に家族からこの料理をリクエストされることも増えてきた。
作りすぎてあまったつけ汁は、切った豆腐に醤油の代わりにかけてもいいし、ほうれん草のお浸しのように茹でた野菜を浸して食べてても結構美味しい。

「男子食堂別冊 男子のパスタ最強図鑑」ムック

女子ですが、じっくり読みました(笑) 論理的に料理へ斬り込んでゆきたい方におすすめします。

「男子のパスタ最強図鑑」を使って作った感想

理論派料理本

分量と手順しか書かれていないレシピに不満を感じてらっしゃる方に、是非ご一読頂きたい本です。

表紙から巻末までパスタづくしの本ですが、「何故この手順で作るのか」「どうしてAではなくBを使わなければいけないのか」という料理の根拠や理論が全面に打ち出されています。男性向け料理本とは、こうした理屈っぽい本なのかと読んだ当初は驚きました(笑)

ですが、この本は性別を問わず一読する価値ありだと思います。この本の理論や手順に従って作ると、単なるトマトソース、単なるカルボナーラの味が違います。家庭料理の味というよりもむしろ、イタリア料理人(見習い)のような味になり、手軽に作れるのに味はしっかりイタリア風になります。
それもその筈で、水煮缶にはホールトマトを使うこと、トマトは包丁ではなく手で潰すこと、オリーブオイルとトマトを数分以上十分に混ぜ合わせることなど、理論を学ばなければ思いも付かないポイントが目白押しでした。

レシピの種類が多い

掲載されているレシピも、トマト・クリーム・和風・オリーブオイル系など、種類もレシピも幅広いです。私自身もアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノやアンチョビのパスタなど、パスタのレパートリーを増やすことができました。
「プッタネスカ」(アンチョビ・オリーブ・ケッパー・唐辛子の入った刺激的なパスタ)など日本の料理屋さんではまず見かけないパスタも、作り方が掲載されています。実際に作ってみると、意外と短時間で作れて、塩味濃いめで美味しかったので、出会えてよかったなと思いました。

パスタを上手に作れると女性にもてそう

若い女性は不思議とパスタ大好きなので、美味しいパスタがご自宅で作れると、女性に大歓迎されそうだなあ、と思いました。トマトソースやミートソースであれば、パスタソースは前日のうちに作っておいて当日は麺を湯がくだけ、という方法も取れるので、失敗して自分の株を下げることも少なそうです。

暫定一位!

このパスタ本を読み、男子食堂シリーズをすっかり気に入ってしまったので、この後和食で1冊、たれで1冊の男子食堂本を追加購入しました。和食やたれの本も読みやすくて良かったのですが、今のところこの男子パスタ本が最も作りやすく理解もしやすかったので、男子食堂シリーズの中では私の一位です。

最近はwebサイトが充実し、わざわざ本を買わずともネットにレシピがあふれるようになりました。ですが、たまにプロの書かれた料理本を読むと、「やっぱりプロはプロだなあ…」と唸らせられることも多いです。本屋や図書館等を上手に使い、時間のある時にはプロの料理本を読むようにすると、より手軽に美味しく料理を作れるようになると思います。