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IT系資格:MCA Platform (Microsoft Certified Associates Platform)の勉強法など

MCA Platformは、受験料9,450円がかかるが、取得後社内外で高く評価された資格。

MCA platform(エムシーエー プラットフォーム)とは

MCAはMicrosoft Certified Associate(マイクロソフト認定アソシエイト)の略称で、ITの基礎理論マイクロソフト製品の知識を有していることを証明する資格。

IT技術者としての入門レベルの資格に該当し、上位資格にMCTS windows7(旧MCP)がある。

但し、MCA Securityは2014年で実施終了してしまった。

MCA platformの勉強法

学習期間 使用したテキスト
3週間 「徹底攻略 MCA platform問題集」(黒本)

通称「黒本」と呼ばれる「徹底攻略 MCA Platform 問題集」を端から端まで3度解いて解説を読み込み、本番試験に臨んだ。使用した教材は、この1冊のみ。
結果は得点率75%で、ボーダーラインぎりぎりだったが辛うじて一発合格できた(笑) 良かった!

黒本は便利

解説文に多少重複があるため、使いやすさはMCA Securtyの黒本ほどではなかったが、MCA Platformの黒本も試験対策には大変有効だった。

問題を解く→解説を読む、というオーソドックスな手順で学んだが、解説の質が高く、学習しやすかった。問題集の解説とは思えないほど、事柄が整理されて記載されているので、解説をそのまま参考書として使うことができる。結果、通勤時にこれ一冊を持ち歩くだけで ①学習 ②問題形式に慣れる の両方を行うことができ、短期合格に繋がったのではないかと思う。

MCA Platformは、セキュリティ分野に特化して出題されるMCA Securtyとは異なり、出題範囲がネットワーク・セキュリティ・ドメイン管理など多岐に渡る。どなたにも手薄な分野があると思うので、苦手分野については、試験前に関連書籍や関連WEBサイトに目を通し、技術理論の概要を掴んでおくとより良い。

私はネットワーク系の知識に触れる機会が乏しかったので、ネットワークに関する書籍1冊にざっと目を通した。分からない用語は、google検索を辞書代わりに使い、隙間時間でこまめに知識を厚くするよう心掛けた。

MCA Platform取得後 ~活用しました~

就職活動の際に驚いたのだが、MCA Platformは社外でそこそこ高く評価される資格だった。

就職活動に有利

この資格を持っていると「IT技術の基礎ができている人」と認識頂けるようで、書類審査やペーパーテストで不合格になることが少なくなった。面接でもMCA securityについて訊かれることは殆どないが、MCA Platformの方はほぼ全てのIT系企業に、取得年月日等を訊ねられた。

熟練技術者から信頼して貰える

そして就職活動以上に、新しい職場でMCAが大活躍した。

MCA platformの学習でネットワークとクライアントPCの仕組みがおおよそ分かっているので、ハードウェアの技術者ネットワーク技術者との会話についていくことができる。

ネットワーク技術者が「第1層でトラブルが発生している」、修理担当者が「HDD読み込みに失敗したのでadmin権限でレジストリーを修正する」などの言葉を発しても、相手が何のことを言っているのかすぐに理解でき、適切な言葉を返せるため、熟練技術者からの信頼度が上がった。

熟練技術者と仲良くなると、自然に一緒に昼を食べに行ったり飲みに行ったりするようになり、食事の合間に様々な情報を他人より先に頂けるようになったので、自分のITスキルに更に磨きがかかり、「もっと技術力を伸ばしたい!」と仕事と資格取得の両方を頑張ることができた。

職種変更を経てキャリアアップ&年収アップ

MCA platform を取得した当時、私の職種はテクニカルサポートだったが、その後転職をしてデータベースエンジニア兼サーバーエンジニアへとステップアップすることができた。派遣社員から正社員になれた上、取得後10年かけて年収も+180万円上がった。(残業時間も、0~10時間から10~80時間へ延びた(笑))

MCA Platformのお役立ち度

1万円でこの高評価なら安すぎる、というのが正直な印象。それくらい社内外の評価が高く、自分自身の仕事のスピードも早くなった。

システム開発者の方であればMCA Platformのみでは不十分だろうが、運用保守の面からシステムに携わる方であれば、取っておいて決して損はないと思う。

基本情報処理技術者試験 文系が独学で一発合格した勉強法など

文系だが、1年内に基本情報処理技術者と応用情報処理技術者の両方を一発合格できたので、勉強法をメモ。

基本情報処理技術者試験とは

IT分野の国家資格。技術者(=システムエンジニア)向けの3つの国家資格の中で、1番目に易しい技術者入門レベルの試験。(基本情報処理技術者 < 応用情報処理技術者 < 各種高度試験 の順に難易度と専門性が高くなる)

求める人物像は、システムの分野のプロフェッショナルになるために、基本的な知識・技能を身に付けている人。年齢・性別・職種などの制限はなく、どなたでも受験可能。10歳以下のお子さんからから70歳過ぎのおじいちゃんまでどんと来い。

システムを作る人(プログラマーなどの開発者やアーキテクトなど設計者)・システムを運用する人(テクニカルサポートやサーバエンジニアなどの作業者)・システムを導入する人(ITコンサルタントなど)の受験者数が多いが、営業や人事総務などシステム分野以外の方もそれなりの数受験されている。
受験者の性別は、特に統計等公開されていなかった。

試験は、春期(4月第3日曜と秋期(10月第3日曜)の年2回開催。合格率は20%台で推移している。

試験内容は、午前問題と午後問題の大きく2つに分かれ、午前問題は4肢選択式で80問出題。午後問題は多肢選択式。午後問題は、大問11問出題され、計5問を解答する。そのうち、「セキュリティ」と「アルゴリズム」の2問は必須解答。
午前問題・午後問題ともに、合格ラインは正答率60%以上。

基本情報処理技術者試験の詳細については、下記のリンクより公式サイトへ。 ↓
情報処理技術者試験 公式サイト http://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html

基本情報処理技術者試験の過去問

過去10年以上×年2回分の過去問と解答・解説が公式サイトで無償公開されている。過去問は全てPDFファイルで、ダウンロードや印刷も可能。
まず見たいという方は、下記のリンクよりどうぞ。

情報処理技術者試験 公式サイト(過去問題) https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/_index_mondai.html

追記:令和2年以降、基本情報処理技術者試験については、過去問題が公開されなくなってしまったそうだ…。
基本情報処理技術者であれば、各種過去問の書籍や参考書が多数発売されているので、本屋さんで書籍を立ち読みしてみてあげてほしい。

基本情報処理技術者試験の学習期間・勉強法

学習期間 約1ヶ月
使用教材 過去問(3年分)
市販の参考書(1900円)
学習の概要
  1. 基本情報処理技術者に関する市販の参考書を1冊買い、読み込む
  2. 参考書の読み込みと同時並行で、午前問題の過去問3ヶ年分を解く
  3. 参考書読後に、午後問題の過去問3ヶ年分を解く

午前問題の試験対策は、過去問を解くだけ

午前問題については市販の問題集は購入せず、過去問を印刷して鞄に入れて持ち歩き、新しいものから順にひたすら解いた。

午前問題は1問1答形式で、4つの選択肢から正答を選ぶ問題だけなので、忙しい社会人でも毎日10分~20分程度の時間があれば、午前問題対策を進めることができる。
午前問題だけでも早めに取りかかって解いておくと、自分が合格圏内にいるのかどうか、あとどのくらい点数が必要なのかがおおよそ分かるのでおすすめ。

午前問題は、出題範囲が幅広い。プログラミングの知識から経営管理や法務の知識まで求められる。どなたにでも普段実務や学問で触れていない分野があると思うので、未経験分野もある程度までは潰しておくことをおすすめする。(自分は法務系が苦手だった…)

また、午前は過去に出題された問題が再度出題されることがある。過去問を事前に十分解いておけば、合格ラインの60%を上回ることはさほど難しくない。午前問題が正答率70%取れるようになれば、早めに午後問題対策へ進むこと。

午後問題対策

午後問題は、IT技術者に必要不可欠な「論理的な思考」と、表計算・JAVA・C言語などの「プログラミング言語」「IT技術への専門知識」が問われる。

IT分野で開発・運用の実務を経験された方には易しいのかもしれないが、実務経験の乏しい方ほど学習と問題への慣れが必要。午後問題に早めに取り掛かり、苦手分野を見つけ余裕を持って潰すことが、基本情報の合格圏内に入るための近道であり、IT技術者としての基礎を身につける早道でもあると思う。

使用したテキスト

午後問題では、知識をインプットするためのテキストは1冊ある方がいい。IT分野は覚えることが多く、実務でも応用力が問われるので、解けなかった問題を答えの丸暗記でしのいでいると、点数や技術力が伸び悩む原因になってしまう。知識と理解を深めながら過去問に取り組む方が、暗記の量が減り、勉強も単調になりにくい。

私はある出版社から発刊されていた参考書の2010年度版を使ったが、こちらの本はおすすめしない。技術用語が分かりやすい言葉で解説されている良書だが、この本に掲載されていない単語が本試験問題に多数出題されており、試験範囲を網羅した本とは言えないためだ。

基本情報処理技術者の参考書は何種類か市販されているので、

  1. 知らない用語が分かりやすく解説されているか
  2. 評判の良い本か
  3. 自分が使いやすそうか

の3点を確認して入手されると、失敗が少ないと思う。

応用情報処理試験の受験時に使用した問題集&解説書の姉妹品があったので、こちらのリンクを貼っておく。このシリーズの書籍は分厚く持ち歩きに難儀するが、解説が行き届いており、知識を短期間で身につけられる。

残念ながら、市立図書館には基本情報処理技術者の参考書がなかったので、大学等のより専門性が高い図書館を探すか、書店やネットで購入することになる。購入する際も、ネット上で評価の高い本をリストアップしてから書店に足を運び、実物を手にとって中を確かめてから買うことをおすすめする。

自分に合わない参考書を購入してしまうと、学習に余計な時間がかかる上、精神的に辛くなる。別の本を入手して軌道修正するのも、時間との戦いになるので厳しい。
多少の手間とお金をかけてでも、自分に合う参考書を選んだ方がいいと思う。

なお、情報処理技術者試験の本試験では比較的新しい技術も紹介されるが、全ての技術が参考書で紹介されているとは期待しない方がいい。新しい技術については多少点を落とすことを想定した上で、それでも合格できるよう実力をつけるといいと思う。

基本情報処理技術者試験の本番当日

午後問題は集中力を切らさない

午前問題は、知識が足りない方を落とすための足切り試験。基本情報処理技術者試験の本番は午後問題とお考え頂いた方がいい。午後問題では、午前問題を解いて疲れた頭でも短時間で論理的に考え解答を導き出すことが求める。午前問題で燃え尽きず、午前の出来が芳しくなくても諦めず、お昼の休憩時間に十分頭を休めてから午後問題に取りかかること。

受験者はとにかく男性が多い

基本情報処理技術者の試験会場で驚いたのが、とにかく男性の数が多いこと。全体の8割程度が男性で、しかも、お世辞にも小綺麗とは言えない服装で来られる方、試験開始直前におかしな挙動をされる方などもおられた。女性の方は雰囲気に呑まれないよう、特に注意して欲しい。

普段女性の多い職場で働いていた私は少々面食らい、IT世界で生き延びるということは男性社会で生き延びることと同義なんだな、と認識を新たにした。

合格証書

基本情報処理技術者に無事合格した後、自宅に合格証書が送られてきた。情報処理技術者試験の合格証書はどことなく古風で気に入っている。

基本情報処理技術者の合格証書を正面から撮影した写真。

↑ 基本情報処理技術者の合格証書。

基本情報処理技術者取得後 ~活用しました~

半年後に応用情報処理技術者試験に合格

基本情報処理技術者に合格した半年後に、応用情報処理技術者試験にトライし、無事一発合格できた。

同じ情報処理技術者試験だけあって、基本情報処理技術者と応用情報処理技術者は、試験で問われる内容が似ている。特に、応用情報の午前問題は四肢択一の選択問題で、基本情報を受験した翌月に応用情報午前問題の過去問を解いたところ、正答率67%で、合格ライン(正答率60%)を上回っていた。そのため午前問題対策をあまりせずに済み、午後問題対策に集中することができた。

基本情報処理技術者で学んだITの基礎や試験攻略法は、応用情報処理技術者にそのまま生かすことが出来るので、基本情報に続けて応用情報を取得するのはおすすめ。少ない手間で、より高いリターンが狙える。

しかも、転職活動では、基本情報処理と応用情報処理を1年で両方取得したことを評価下さる企業様が、非常に多かった。応用情報単体で受験するより、基本情報→応用情報の流れで受けた方が確実に合格可能性は高まると思うのだが、面接官には内緒にしておいた。

MCA Security(Microsoft Certified Associates Security)の勉強法など

受験料に9,450円がかかりましたが、お金と時間を割いて取得する価値があった。セキュリティに関する幅広い知識と判断力が手に入り、それを世界に向けて証明することができる。

MCA Securityの説明

MCAとはMicrosoft Certified Associatesの略で、マイクロソフトが主催するセキュリティ技術者の入門レベルの資格。上位資格にMCPがある。(MCPは、windowsに習熟し十分な経験とIT知識を備えた技術者が取得する資格)

MCAはMCPをセキュリティ・プラットフォーム・アプリケーション・データベースの4分野に分け、難易度を下げて、初学者向けにITの基礎理論を充実させている。

但し、MCA Securityは2014年で実施終了されてしまったため、ご注意を。

MCA Securityの勉強法

学習期間 使用したテキスト
3週間 徹底攻略 MCA Security 問題集(通称「黒本」)

黒本」と呼ばれる「徹底攻略 MCA Security 問題集」を書店で購入し、最初から最後まで2~3度解き、解説を読み込んで、本番に臨んだ。

黒本が素晴らしい

この黒本が良書だったので、3週間という短期間で合格することができた。解説の質が高く、問題の解説とは思えないほど説明が過不足なく整理されており、解説をそのまま参考書として使うことができた。

結果、通勤時にこの一冊を持ち歩くだけで

  • セキュリティ分野の知識を深める
  • MCAの問題形式に慣れる

の両方を行うことができたので、短期合格に繋がったのではないかと思っている。

また、黒本は、一般的なセキュリティ知識と、windowsファイアウォールやWindowsアカウントのセキュリティポリシーなどWindowsOSに固有のセキュリティ技術の両方が紹介されている。WindowsOSの操作画面を写した写真(スクリーンショット)も豊富に掲載されており、仕事の合間に自分のパソコンで画面を出したり触ったりして、隙間時間でも少しずつ技術を身につけることができた。

MCA Security取得後 ~活用しました~

フランス系企業に、セキュリティ技術者として就職が決まった

この資格を取得した2年半後に、フランス系IT企業で正社員のセキュリティエンジニアとして働き始めることが決まった。採用時にプラスに働いただけでなく、「マルウェア」「ワーム」「IDS」「プロキシ」などのセキュリティ用語にもついていけるため、助かっている。

「MCPを取得れそうな人」に見える

私はMCA PlatformとMCA Securityを同時期に取ったのだが、この2つを持っていると、上位資格である「MCPに手が届きそうな人」と扱って貰えることが多く、Microsoft製品を数多く扱う企業で、特に評価が高くなった。

他のシステムエンジニアと差別化できる

システムエンジニアは世の中に多数いらっしゃるが、私が取得した当初はセキュリティ技術者自体が珍しい存在で、セキュリティ技術に詳しい方も多くなかった。

多くのシステムエンジニアは「SSLとTLSって何がどう違うの?」「ワームって何?」「フルスキャンが何時間たっても終わらないんだけど…」等々、セキュリティの基本的な事柄で躓いていることも多く、にもかかわらず、セキュリティについて腰を据えて学ぼう、と検討されている方も少数派だった。

そのため、本1~2冊分の知識を身につけるだけで他のシステムエンジニアと差別化できてしまい、困っているエンジニアに手を貸してやれる「仕事のできるエンジニア」に仲間入りできてしまう。私自身もMCA security取得後は、トラブルを起こした不勉強エンジニアを説教する側に回っていた(笑)

ユーザとの関係性が良くなる

セキュリティソフトや通信セキュリティにおいてトラブルが起きた際に、起きている事象について、ユーザに分かりやすく説明できるようになった。

「マニュアルの記載通りに試して頂ければ、パソコンにログインできるようになると思います」

ではなく、

「パソコンが正常に動作するのに必要なサービスが起動していなかったため、Windowsにログインできなかったようです。こちらのボタンをクリックしてサービスを起動していただければ、ログインできるようになります」

と説明出来るようになり、ユーザに有用な知識と安心感を与えることができるようになった。結果、ユーザがこちらの指示に納得して従ってくれるようになるとともに、別件で困った時にはメールで直接質問頂いたりと、頼って頂けるようにもなった。

MCA Securityのお役立ち度

パソコンやシステムに関わる仕事に就かれている方なら、実務に直結する資格なので、取得して損はないと思う。社内の評価が上がり、いざという時は転職にも有利に働く。

ITパスポート(初級システムアドミニストレータ) 取得するメリットなど

今でこそサーバエンジニアとして働いているが、エンジニアとしての第一歩は、20代半ばに事務職をしながら取得した「初級システムアドミニストレータ」(現在の「ITパスポート」)だった。
この資格が、長い時間をかけて今の道を切り開いてくれた気がしている。

ITパスポート(旧名:初級システムアドミニストレータ)について

ITパスポートとは

IT系国家資格のうち、最も易しい資格。ITパスポート → 基本情報処理技術者応用情報処理技術者 → 各種高度情報処理技術者 の順に難易度が上がる。
受験者は20代が最も多い。受験者の5割強が社会人、4割弱が学生。

パソコンで受ける試験で、100問出題の四肢択一式。(=4つの選択肢の中から1つを選ぶ) 正答率60%で合格だが、ストラテジ系・マネジメント系・ テクノロジ系のそれぞれの分野で正答率30%以上でないと合格できない。

試験の詳細は、下記の公式サイトを参照。

ITパスポート試験
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/guidance/summary.html

過去問題

ITパスポート試験は、過去問が無料で公開されている。下記のリンク先から、過去8年分15回分以上の試験問題と解答を、無料でダウンロードすることができる。
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/openinfo/questions.html

ITパスポートの勉強法と試験の感想

学習期間 使用したテキスト
2~3ヶ月 「1週間で覚える初級シスアド」(1~3巻)

この資格を取ろうと計画し始めた当初パソコンが苦手で、全くと言ってよいほどITにもパソコンにも電化製品にも疎かったので、どうやってITパスポートを勉強すれば良いか全く分からなかった。なので、本屋でITパスポート対策の本を1冊買い、とにかく前から順にやっていった。

だが、残念ながら、それでも訳が分からなかった(笑) 当時は、wordやexcelの知識を問う問題が出てくる試験だと思っていたのですが、ITパスポート(初級シスアド)はITの基礎理論を学ぶ資格なので、マイクロソフト社が宣伝のように出てくる筈もなく、アルゴリズムやセキュリティやエンドユーザコンピューティングなどの用語がひたすら並ぶ。途中何度も投げ出しそうになり、「自分はITの世界に向いていない」と心の底から思った。
(ちなみに、word/excelなどの問題が出題されるのは、Microsoft社の”Microsoft Office Specialist”(MOS))

今でこそサーバエンジニアとして偉そうな顔をしているが、受験当時はこのような悲惨な心境だった(笑)
あまりにやる気を失ってしまうので限界を感じ、途中でテキストを変更。説明が短く、章ごとに問題がついているテキストに変え、説明に飽きたら問題を解くという方法にしたところ、何とか本の章末まで辿り着くことができるようになった。

ITパスポート試験当日

過去問に手をつける時間がなかったので、ぶっつけ本番で試験に臨んだ。当時のITパスポート(初級シスアド)は午前と午後に1つずつテストがあり、「午後の方が難問だよ」と知人に言われていたのでびくびくしながら午後を迎えたが、実際は午後の方が簡単だった。

午前問題は知識を問う問題で、見知らぬIT用語ばかりが出てきてお手上げでしたが、午後問題は知識より論理的思考を問われるテストだった。AだからB、BだからCと1つ1つ思考を整理すると解くことができるので、午前問題で撃沈していた私は「……いけるかもしれない」と復活したのを覚えている(笑)

結果は、見事一発合格だった。良かった!

合格証書

合格してしばらくすると、合格証書が自宅に送られてきた。賞状のようで、少しカッコいい。

初級システムアドミニストレーターの合格証書を正面から撮影した写真。賞状に似て金の縁取りがあり、文面や大臣の署名は毛筆で記載されている。

↑ 初級システムアドミニストレーターの頃の合格証書。

数年後に応用情報処理技術者も取得したが、昔も今も合格証書がほぼ変わっておらず、少し嬉しかった。

ITパスポート取得後 ~活用しました~

事務職をしながらITの実務スキルを磨く

ITパスポート取得後もITスキルにはあまり自信がなかったのだ、丁度当時の職場の右隣の席に、元システムエンジニアで現営業職の方が座っていた。その方に試験に受かったことを話したところ、excelで営業資料を作る仕事などを振って下さるようになった。

何とか振られた仕事をこなしつつ、もう少しITスキルを伸ばすために、会社で行われていたword・excel・powerpoint・accessのスキルアップ講座をこつこつ受講していくと、半年程で「資料作成ならとりあえずこいつに頼んどけ」という図式が社内で出来上がり、最終的にはMicrosoft Office Access(データベースソフト)での顧客情報管理とメンテナンスを任されるようになった。

当時は事務職だったが、当時の職場には事務職でありながらデータベースの構築・運用を行える女性が何人かいらっしゃっったので、恵まれた環境だったなあと今振り返ってみると思う。

ステップアップ

その職場を退職してからも、ITパスポートとMicrosoft Officeの実務スキルを身につけたお陰で、htmlとホームページビルダー(ホームページ作成ソフト)で社内ホームページを編集する仕事をしたり、マイクロソフト社で新製品を小売店に紹介して回る仕事をしたり、自分でwebサイトを作って公開し始めたりと、公私に渡って有形無形の恩恵を受けることができるようになった。

サーバエンジニアへ

ITパスポートを取得し、10年以上が経った。途中基本情報処理技術者を取り、現在は応用情報技術者を取得しサーバーエンジニアとして勤務しているので、ITパスポートが1人の若者をここまで運んで来てくれたんだなあと思うと感慨深い。
今毎日のようにサーバとデータベースを操作し、アプリケーションサーバを作ったり、セキュリティ技術について勉強不足なお客様を叱ったりしているのが、少し不思議な感じもする。

IT業界に本格的に足を踏み入れた際、当時の私が持っているIT系資格はITパスポート(初級シスアド)だけだった。あまりの成り上がりぶりに「わらしべ長者」のおとぎ話を思い出したが、ITパスポートにそれくらいの力があるということは、紛れもない事実だと思う。

ITパスポート(初級シスアド)のお役立ち度

取得しやすい割に、相当使える資格だと思う。若い方の場合は特に、この資格を持っていると認められ、そこから実務スキルを磨くと仕事に繋がると感じている。