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鉛筆デッサン:ブックエンド a bookend drawn wirh pencil

青い金属製のブックエンド(本立て)1つを、白い画用紙に三菱鉛筆uniでデッサンし、完成後デッサンを正面から撮影した写真。ブックエンドは立てた状態で置かれており、中央に穴が開けられている。各辺が曲線でできている珍しいデザインのブックエンド。

モチーフ 青い金属製のブックエンド
使用画材 画用紙(裏面)、三菱鉛筆uni、練り消しゴム
製作場所 Aスクール
完成日 不明

モチーフについて

群青色に濃い灰色を混ぜたような色みのブックエンドだった。金属製だが薄く、百科辞典などは支えると折れてしまいそうな、やや華奢なブックエンドだった。右上と左上の角が外に張りだすように歪曲している、デザインの高い形をしていた。

色が好みでなく、描き手の熱意が掻き立てられなかったため、このモチーフにはあまり愛着が湧かない。ブックエンドの形は良かったので、ベージュなどのより好みな色をしていたら、もっと嬉々として描いただろうにと少し残念。
モチーフを好きになれるか、愛着が湧くかは、絵の仕上がりや作品そのものの質に直結してくるように思う。

描き方について

モチーフに装飾等がなく、長方形から微妙に歪んでいるブックエンド上面の形さえ正確に描ければ、色みと金属の質感を加えて仕上げにできる絵だと思う。モチーフが1点なので、2物の位置関係を考える必要がなく、その点は気が楽だった。

ブックエンドの垂直面と水平面が交わる部分においては、光の照り返しがあるため、ほんの少しだけ練り消しゴムで消して、元々の鉛筆の濃さを薄めている。光源がブックエンドより上の位置にある場合、本来であればブックエンドの足元は光から最も遠く、最も濃く書かなければならない箇所だが、先生の助言を受け光の照り返しを入れると、ブックエンドの立体感が増した。不思議なものだ。

形と色を再現するのに時間を食ってしまい、金属の質感は、十分に再現させることが出来なかった。モチーフの質感を精確に表現することは、現在に至るまで、私の課題の1つである…。

完成後この画像を友人に見せたら、単にブックエンドを撮っただけの写真だと思われた。描いた私は、狂喜乱舞(笑) 自分1人ではこうしたデッサンの精確さが出せないので、Aスクールの先生方のご指導のお陰だと思っている。

鉛筆デッサン:トイレットペーパー a roll of toilet paper drawn with pencil

白いトイレットペーパーひと巻きを、白い画用紙に三菱鉛筆uniでデッサンし、完成後正面から撮影した写真。トイレットペーパーは立てて置かれており、薄く柔らかな紙が手前に向かって延びている。

モチーフ トイレットペーパー1巻き
使用画材 画用紙(裏面)、三菱鉛筆uni 数本、練り消しゴム
製作場所 Aスクール
完成日 不明

モチーフについて

石膏以外のモチーフを、単体でデッサンする課題の中の1枚。

デッサンの対象となるモチーフは、1つ1つ質感が違うものが選ばれており、今回は「紙」でトイレットペーパーだった。Aスクールのモチーフ置き場に入っていた、何の変哲もないトイレットペーパーである。(ちなみにAスクールには、プラスチック製の大きな引き出しが10つ以上壁付近に積み上げられており、その中にデッサン用のさまざまなモチーフが保管されていた)

円柱形と平面を組み合わせた形もさることながら、トイレットペーパーの持つ独特の質感が、画用紙の上に再現できるかがポイント。再現できなければ、よくある石膏の円柱をデッサンしたものと、大して変わらない絵になってしまう。
このトイレットペーパーもそうだが、卵やボウルなど、身近にあるのに形や質感が面白い題材は、絵のモチーフとして繰り返し利用しやすいので、デッサンの練習にはもってこいだと思う。
この時はトイレットペーパー単体で描いたが、少し後には料理ボウルと組み合わせてもう1枚デッサンした。

描き方について

三菱鉛筆uniでざっくりと全体の形を取り、質感や陰影などの細部を描き込んでいくという、いつもと同じ手順で描いた。

モチーフが白一色なので、陰や影の部分をどこまで濃くするかは迷った。仕上がった絵を眺めていると、影はもっと濃い黒を置いていた方が、画面にメリハリが出る上トイレットペーパーの白さも際立つので、少々勿体ない事をしていると思う。また、このデッサンだとトイレットペーパーの紙が固そうに見えてしまうので、もう少し薄く柔らかそうな質感を出すべきだった。

以下、反省文。出来上がった絵について明らかに違和感を感じるのは、トイレットペーパーの奥から手前に伸びている一枚紙の部分の陰が、なだらかでない点。本来であれば、トイレットペーパーが机に接する部分は角を感じさせないくらい、陰の濃淡を少しずつ変化させなければならなかったが、当時そこまで技量がなかったためか、面2枚を繋ぎ合わせたような不自然な絵になってしまっている。

この絵を描き終えた後、デッサン技法書で、トイレットペーパー1巻きをほぼ同じ構図で鉛筆でデッサンしている絵を見せて頂いた。トイレットペーパーの紙の凹凸や、ふにゃっとした質感、透けて見えるくらいの紙の薄さが自然に表現されており、一目見て脱帽。単体モチーフだからこそ、己の技量の足りない部分がよく見える、と比較してみてつくづく感じた。

鉛筆デッサン:木材 a wooden block drawn by pencil

木目のくっきり見える四角柱の木片の塊を立置きし、画用紙に三菱鉛筆でデッサンし、完成したものを正面から撮影した写真。木片には年輪がある。a wooden block

モチーフ 四角柱の木片
使用画材 画用紙(裏面)、三菱鉛筆uni、練り消しゴム
製作場所 Aスクール
完成日 不明

モチーフについて

今回のモチーフは、年輪のある木片を、30cmほどの高さの四角柱になるよう切り揃えたもの。

木のモチーフの特徴である、木目がはっきり見えるように、切り口が考慮されていた。木の横断面に同心円の美しい年輪が見えており、縦断面には節が2~3あり、側面には自然なひび割れまで生じているという、木の特徴がこれでもかとまで詰まった素敵なモチーフだった。こうしたモチーフが用意されておりデッサン習得に使えるのは、美術に特化したスクールならではのメリットだと思う。

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描き方について

ひび割れ以外は四角柱の形なので、形を取るのは、さほど難しくない。

木材の全体の形が取れたら、木の色を出すのにまず苦労した。手近にある木製製品をご覧頂けるとよく分かるが、工業製品に比べ、色の濃いところと薄いところの差が少ない。木全体も木目も、彩度に工業製品ほど差がなく、色相にも大きな差はない。木の色は濃すぎず薄すぎず、全体的に同じような色をしているので、何も考えずに塗ると、のっぺりしてメリハリのない絵になる(既になっているが…)。

ひび割れや影を、4B以上の濃い鉛筆で描いておけば、よりメリハリのある、見栄えのする絵になると思う。Aスクールの先生によく、「『10番目の黒』を使いなさい」とご指導頂いたのを思い出す。「10番目の黒」とは、鉛筆1本で濃淡を作る練習の時に登場する、その鉛筆の作れる最も濃い黒色のこと。濃い黒・強い黒をキャンバスに置く度胸がなく、画面全体がメリハリのないグレー一色になりがちな私にとって、非常に的確なご指摘だった。この絵でも10番目の黒は登場しておらず、H・HB鉛筆をメインに据え、節や木目の部分を中心に濃い色を足す程度に落ち着いている。

木目を描いていくのは、面白い作業だった。木など自然界からやって来たものは、工業製品とは異なり、木目や節の位置が多少ずれていても鑑賞者にはバレないので(笑)、少し気楽に描くことができた。美しい木目が多かったので、年輪の箇所を中心にもう少し濃く描いても良かったかなとも思う。

改めて眺めると、影や陰の濃さが足りていないことも気になる。ひび割れが無い方の側面は、この木の持つ面の中で最も光が当たらない部分の面なので、そうと分かるよう濃さを足すべきだった。

鉛筆デッサン:白いタオル white towel drawn with pencil

布製の白いタオルを軽く結び、結び目が正面に見えるように机の上に置いたものを、白い画用紙に三菱鉛筆uniで鉛筆デッサンした画像

モチーフ 真っ白いタオル1枚
使用画材 画用紙(裏面)、三菱鉛筆uni、練り消しゴム
製作場所 Aスクール
完成日 不明

モチーフについて

モチーフは、デザインや模様の一切ない、ガーゼに似た質感のタオルだった。普段一般家庭で使われるやや毛足の長いタオルではなく、こちらのタオルがモチーフとして用意されていた理由は良く分からない。
タオルをどのような形にセッティングするかは、ある程度自分の意志や自由が効く。モチーフによっては見栄えのする置き方や、モチーフの魅力が引き出される置き方などもあるそうで、どこの教室に所属していた時でも先生のご助言を頂きながら置き方を検討することが多かった。今回はタオルの結び目となだらかな陰の部分がはっきりと見える置き方になった。
デッサンを1枚描き上げるのに非常に時間がかかる生徒だったので、モチーフを延べ数日に渡って持ち越すことがよくある。今回のようなモチーフでは、デッサン1日目が終わった後結び目を解いて仕舞ってしまうと、デッサン2日目に全く同じ形の結び目を作ってセッティングするのが大変なので、タオルを結んだ状態のままで木板に乗せて名札を張り、その状態で1~2週間保管頂くことが出来た。何も考えずに仕舞ってしまい翌週来た際には、同じモチーフが既に別の生徒さんに使われてしまっており、別のモチーフを使用する羽目になったこともあったように思う…。

描き方について

正面に結び目があるので、結び目の縁から見えたり隠れたりするタオルの線を違和感なく繋げることが重要なポイントだった。一瞥した時に、形に違和感を覚えたり、どういう形をしているかよく分からないものは、デッサンとしては不出来のようだ。
モチーフ全体が白色のみなので、モチーフの大まかな形を取った後は、H・2H・4H鉛筆が活躍した。もしかすると、6H鉛筆や8H鉛筆まで使ったかもしれない。N先生の教室では2B鉛筆のみで全ての絵を描いていたが、2H・4H鉛筆の良さを知ると、白の多いモチーフやガラス製品では使わずにおれなくなった。光を受けている明るい面において、線の濃さを気兼ねなく形や質感を描き込むことができ、鉛筆の芯が固い分画面に緊張感や繊細さが出てくるように思う。今回は影をしっかり濃くしたため、白い部分をより目立たせることが出来た。
結び目の正面の部分を少し濃くしすぎたが、それ以外は違和感少なめに抑えることが出来たので、自分の中では良しとしたい。

鉛筆デッサン:空の紙コップ paper cup drawn with pencil

市販の白い紙コップ1つを、白い画用紙に三菱鉛筆uniで鉛筆デッサンし、完成したものを正面から撮影した写真。紙コップは立てた状態で白い机の上に置かれており、机にコップの影ができている。紙コップの右手前に、紙の継ぎ目の部分が見えている。

モチーフ 紙コップ1つ
使用画材 画用紙(裏面)、三菱鉛筆UNI、練り消しゴム
製作場所 Aスクール
完成日 不明

モチーフについて

何の変哲もない、市販の白い紙コップだった。円錐台を逆さにした形なので、上面・底面の楕円の形を違和感なく描くことに、まず注意が必要。
紙コップの飲み口の箇所が、描く時に難儀しそう。均等な厚みがあり、形は楕円で、しかも内から外へ向かって丸まりチューブのような立体になっている。この形を紙の上に表現するとなると、ただでさえ難易度の高い楕円形を二つ重ねて描き、奥と手前で微妙に厚みを変えて、鉛筆の芯をカッターナイフで尖せてから小さな影を多数つけて、しかも光の反射している部分を塗り残さねばならない…。考えただけでも気が滅入る。

描き方について

教師の指示に従い、8割方をH鉛筆で描き込んだ。その教師曰く、H鉛筆は練り消しゴムで消した時鉛筆の跡が残らないので、モチーフのあたりを取るところから紙に立体を作り上げるところまでは、H鉛筆を使った方が良いとのこと。HB鉛筆以上の濃さが欲しい時は、仕上げの手前から足していけば良いそうだ。せっかくなのでその教えに従い描いてみたところ、鉛筆を選ぶ必要がないので描きやすく、絵全体に統一感が出て美しく仕上がった。

形については、上面の楕円形がやや膨らみすぎたかもしれない。もう少し細長い楕円の方が収まりが良かっただろうと思う。逆に紙コップの縁は、もう少し太く厚く描いた方がより実物に近い。

鉛筆デッサン:石膏の円錐角柱相貫体 a plaster object drawn by pencil

a plaster object。円錐に角柱を組み合わせた石膏の白い円錐角柱相貫体を、白い画用紙に三菱鉛筆uniで鉛筆デッサンした絵

モチーフ 石膏の円錐角柱相貫体 1つ
使用画材 画用紙(裏面)、三菱鉛筆uni 数本、練り消しゴム
製作場所 Aスクール
完成日 不明

モチーフについて

石膏の単体デッサンの課題の1枚。Aスクールに入学した後、まず始まったのが石膏の単体デッサンの課題だった。立方体から始まり、四角柱、円柱(直立)、円柱(横倒し)、円錐(直立)、球の順に画用紙に1枚ずつデッサンしていき、石膏の最後の1枚がこの相貫体だった。円錐と四角柱を組み合わせた形をしているので、円錐角柱相貫体という名前らしい。
円錐も四角柱も単体で既に1枚ずつデッサンしており、それぞれの描き方の特徴を指導頂いていたが、実際に描き始めてみると、「四角柱が横から挿し込まれただけで何故こんなに難しくなるのか」という難易度だった。

モチーフが辛うじて、円柱が横から挿しこまれた円錐円柱相貫体↓でなかったのは、先生方のお慈悲なのかもしれない。デッサン習いたてで、楕円と遠近法を駆使する円錐円柱相貫体は、絶対に描きたくない…。

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描き方について

円錐は、円錐の頂点から底面の輪郭線である曲線に向かって数えきれないほど直線を引き、円錐の側面を構成するところから始めた。円錐の輪郭を形作る2辺から、円錐の側面に沿うように斜めに線を走らせることも忘れてはならない。底面を構成する楕円は、最終的には手前の曲線だけが見え、奥の残り半分の曲線は見えなくなる。いずれにせよ、楕円が少し大きすぎた気もする。

円錐を貫いている四角柱は、僅かながら遠近法の影響を受けるため、右奥に行くほど小さく、長辺を延長した線がいずれは交わるように描く。平行な二組の短辺もそれぞれ遠近法の影響下にあるため、平行には描かず僅かに角度をつけて描き、辺を延長するといずれは交わるように描いた。補助線を引いては消し引いては消ししつつ描くので、実際に形が今の場所に収まるまでに時間がかなりかかった。

四角柱の各面の明るさについては、この絵の場合光源が相貫体より上の位置にあるので、四角柱の下の二面が最も暗くなる面になる。だが、下の二面は机からの光の照り返しを考慮に入れる必要があるため、実際に描く時は床に近づけば近づくほど、下の二面は明るくなるよう描いた。自分にとっては珍しく、黒くするべきところをしっかり濃く塗りこめているので、その点は褒めてやりたい。こうした白黒のメリハリのついた絵は、後で自分で眺めていても気持ちが良い。

鉛筆画:石膏の球体 a plaster sphere drawn by pencil

石膏製の白い球体のモチーフ全体を、大きい画用紙に三菱鉛筆UNIでデッサンした画像。A plaster sphere drawn by pencil

モチーフ 石膏の球体 1つ
使用画材 画用紙(裏面)、三菱鉛筆uni 数本、練り消しゴム
製作場所 Aスクール
完成日 不明

モチーフについて

石膏の単体デッサンの課題の1枚。Aスクールに入学した後、まず始まったのが石膏の単体デッサンの課題。立方体から始まり、四角柱、円柱(直立)、円柱(横倒し)、円錐(直立)、球、円錐角柱相貫体の順に画用紙に1枚ずつデッサンしていく。この球体のデッサンは、大きい画用紙に数種類の濃さの鉛筆でデッサンしていくことにようやく慣れた頃に頂いた課題だった。石膏の球体のモチーフは、ひと抱えほどもあり、細部まで良く見えた。

球体のデッサンを終えて数年程経った頃に、石膏の球体の値段を知る機会があった。石膏も球体も、小さいものでも結構お高かった…。どこの美術教室でも、古い石膏多面体を手入れをしながら大事に扱ってらっしゃったが、その理由が垣間見えるような気がした。

描き方について

球体を描く際は、糸巻きを描くように、球の表面を糸を巻くように線を何本も走らせて、球面の立体を作り上げる。球体を描いたのはこの絵が初めてだったが、この糸巻きのデッサン技法は描いてみると結構楽しく、楽しんで描かせて頂いた。糸巻きの線の他に、リンゴを切るときのような上から下に走る線や、円柱を描く時に使うような面に沿って斜めに描く線も多用した。

立体の形があらかた出来てから、陰や影を描いていくが、描いている途中に先生から色が薄すぎる旨をご指摘頂いたため、石膏の絵なのに私が今まで描いた中で最も黒い絵ではないかと思うほど、4B鉛筆・6B鉛筆で強く塗り込んで描く方法を試した。濃く塗ると、間違えた時に練り消しゴムで消えにくいため、緊張しながら塗ったが、結果的にはメリハリのついた良い絵になった。

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鉛筆画:グラス a water glass drawn by pencil

透明ガラスで円柱形の出来たウォーターグラスを、白い画用紙に三菱鉛筆UNIで鉛筆デッサンし、完成した絵を正面から撮影した写真。グラスはところどころ光を反射し、白く輝いている。背景は白い机。グラスと机が接する部分には、光を帯びたグラスの影ができている。

モチーフ 透明ガラスで出来たグラス 1つ
使用画材 画用紙(裏面)、三菱鉛筆uni 数本、練り消しゴム
製作場所 Aスクール
完成日 不明

モチーフについて

石膏でできた多面体のデッサンの課題を終えた後、質感の異なる物を単体でデッサンする課題に入った。その中の1枚で、ガラスの質感を持つ者として、ガラスのコップが選ばれた。モチーフ自体は、雑貨屋で売ってそうな、シンプルな形をした水飲みグラスだった。コップの底面から縁にかけてが外に広がっていないタイプなので、石膏の円柱をデッサンした際に身に付けた描き方がそのまま転用できる。そこにガラスの質感や、光の反射によるきらめきや陰影をプラスして描くイメージ。

デッサンとは直接関係がないが、元々ガラスや陶器で出来た食器を見て回るのが好きで見慣れたモチーフだったので、相性の良いモチーフと言えると思う。一度も見たことのないモチーフより、何度も触れて質量や質感を肌で理解しているモチーフの方が、正直描きやすい。創作の幅は広がらないかもしれないが…。

描き方について

グラスの形をざっくり取るところからスタート。H鉛筆・HB鉛筆を中心に使ったが、光が反射するガラスの明るい部分には2H鉛筆と4H鉛筆を使用。もしかしたら、6H鉛筆も使ったかもしれない。

だいだいの形を取ることができたら、細い鉛筆線を縦に何本も重ねて引いていき、コップの側面を少しずつ描いていった。この時心持ち濃い線を引いておくと、後の工程で見栄えが良くなる。コップの底面付近にある黒い横縞のような模様は、ガラスの厚さと光が生み出す模様でとても美しく、ガラスの質感を表現する重要なポイントになる。このグラスの場合この部分はガラスが厚いので、光の反射が他と異なってこうした模様になるようだ。HB以上の濃さの鉛筆でしっかりと描いた。また、底面の部分も同様にガラスが厚くガラスらしさが存分に出ている箇所なので、2H・H・HBの鉛筆を中心にしっかり表現するよう心掛けた。グラスの縁の部分の厚みを濃いめの鉛筆で表現した後、ガラス製品で最も楽しい作業にようやく取り掛かれる。練り消しゴムの汚れていない真っ白な面を使って、グラスの光が反射している部分を練り消しゴムで消していく。この時、何度か使って灰色に汚れた練り消しゴムは使わない方がいい。他の鉛筆線を汚さないよう一息で消す必要があり、消すのに失敗すると修復に時間がかかる。グラスの側面部分は練り消しゴムを広く使って、弱い力で広い面積を消し、底面の部分は練り消しゴムを細い鉛筆状にして、狭い面積を強く消した。消した後、その部分は面を構成していた鉛筆線がなくなってしまうので、4H鉛筆や6H鉛筆で、薄く線を塗り重ねて完成。こうした絵ほど、4H鉛筆の有難みを感じる。

鉛筆画:新しい黒ランプ Black lamp new ver. drawn by pencil

黒い金属と透明なガラスで出来たアンティーク調の黒い手提げランプを、スケッチブックに三菱鉛筆uniで鉛筆デッサンした絵。黒い金属の部分がところどころ白く光っている。Black lamp new ver. drawn by pencil.

モチーフ 黒い手提げランプ
使用画材 ワトソン紙のスケッチブック、三菱鉛筆uni 2B、練り消しゴム
製作場所 N先生の絵画教室
光源 自然光と蛍光灯を併用。自然光は3階の窓から採光、時間帯は14:00~17:00
完成年月日 2010年09月11日

モチーフについて

ランプのデッサン第3枚目。1枚目は緑色のガラス製、2枚目は銅製の古いランプのデッサンで、3枚目がこの金属製の真っ黒なランプだった。この後4枚目にカラフルな色ガラスのランプも水彩色鉛筆で描くことになるので、ランプには随分と縁があるらしい。少々描きすぎじゃないかとも思うが、どのランプも個性豊かで、描いていて特徴が被らないので、いい修行になってくれている。
だが、いずれのランプも火を灯して使われている状況を見たことはなく、このランプも実用品というより室内装飾のようなイメージで描いた。火を灯して野性味豊かな場所で日常的に使われいるランプを見る機会があれば、ランプの描き方もまた変わるだろうと思う。

黒い金属で出来ているが、実際に持ってみると、見た目より軽い。黒いワイヤーが、透明なガラス部分を覆うように取り付けられており、美しさを引き立てていた。洋画などで時々このデザインのランプを見かけるので、ランプの中でも割とポピュラーなものだと思う。

小さな部品が多数組み合わされてランプを構成しているので、全体的なバランスを崩すことなくランプの形を紙という平面に再構築出来るかが、第一のポイント。ガラスと金属という素材の異なる部品が組み合わされているので、質感の違いを描き分けられるかもポイントの1つなるが、今回ここは深く追求していない。

描き方について

この絵は、早い段階で大失敗をやらかした。鉛筆でランプの大まかな形を紙に移していく際に、ランプの大きさを測り間違え、ランプの底部がスケッチブックに収まらなかった。本来ならば一度全て消してイチから描き直すところだが、何故かこの時はそのまま続きを描いた。理由は覚えていない。

ランプのおおまかな形を取ったあと、光の反射している部分を白く塗り残しながら、残りった部分を黒く塗っていくのが、難事業だった。光を反射するモチーフを描く際は、光の周りの部分をしっかり濃く暗くしておかないと光が目立たなくなってしまうのだが、黒ランプなので躊躇なく黒く塗っていけたのは良かった。

完成したのは、真夏の昼間だった。暑くて集中力が切れそうになりながら描いていたのを覚えている。