OracleDatabase」タグアーカイブ

ORACLE MASTER Gold DBA 2019(試験番号:1Z0-083-JPN)に無事認定された

新試験制度のORACLE MASTER Gold DBA 2019に先日無事認定されたので、勉強法や当日の様子をシェア。相変わらずの独学で、地道に細々と学び続ける方法を取ったが、正答率86%で無事一発合格できたので、他人様のお役に立つ情報だと信じたい。

しかし…最近はどこもかしこもクラウド化で、データベースのことを考える人が減ってきた気がする…。データベースはまだまだ自由で面白いと思っているのは、私だけだろうか。

オラクルマスターゴールド2019の認定証の画面キャプチャ。旧試験制度と同じ形の認定証。認定証の左上に、OracleMasterであることを示すバッチが表示されている。

↑ ORACLE MASTER GOLD 2019の認定証。認定証は旧試験制度と同じ形だった。

ORACLE MASTER Gold 2019 取得時のスペック

ORACLE MASTER Goldの認定には、ORACLE MASTER Silverの有資格者であることに加えて、「Oracle Database Administration II」(試験番号:1Z0-083-JPN) という試験に合格する必要がある。Administration II試験に合格した時点のスペックを記載する。

Oracleデータベースの経験年数:足掛け8年

うち4年半は、アーカイブログモードすら使ってない小規模データベース。データベースにパッチを当てたり、エクスポート&インポートコマンドを使ったりは問題なくできる。アーカイブログモードやRMANを使うようなミッションクリティカルなDBは、2年9ヶ月くらい経験。

マルチテナント構成使用歴は、1年弱。アシスト社にマルチテナント構成の講座(3時間。凄く分かりやすい!)を実施頂いたり、海外のDBエンジニアのYouTubeを眺めたりして、マルチテナントの概要を理解した。その後は19cシングルDBの構築要件を洗い出し、DBを構築しながら構築手順書を1人でせっせと作っていた。

Oracle RACの経験年数:2年9ヶ月

RACの設計・構築はやったことがなく、運用保守・監視がメイン。障害調査やメモリ周りのチューニングは、調べ倒せば何とか解答を捻り出せる程度。RACは複雑怪奇で未だに理解が追い付いていないが、仕組みはすごく面白いので、今後積極的に学んでいきたい分野ではある。
Grid InfrastructureとOracle ASMの使用年数も、同じく2年9ヶ月。

Oracle Exadataの経験年数:経験なし

機会があれば使ってみたい。

Linux OSの経験年数:3年くらい

Red Hat Enterprise Linux 6~7を中心に経験。OSユーザ作ったり、limit.confをviエディタで編集したりはできる。シェルスクリプトも、調べ倒しながらであれば、おおよそは読める。
だが、Linux全般が物凄く苦手。ORACLE MASTER Gold 2019が認定されたその日に、LPIC レベル1の問題を解いてみたら、20問中5問しか解けなかった…。
「経験年数3年です!」と言い張っていいのかは、大いに謎。

Oracle Master Silver認定後どのくらいでGoldを取得したか:4年後

旧試験制度でOracle Master Silverに認定された後、新試験制度に変わり、Goldの試験を受けたいのに受けられない期間が1~2年あった。特にインターネット上に、Gold 19c対応の情報がほぼ出回らなかったのは、正直痛かった…。
もし仮に新試験制度になっておらず、試験範囲も11gのままだったなら、アーカイブログモードで稼働するDBの実務経験を1年ほど積んだら、早めに受験しに行っていたと思う。

ORACLE MASTER Gold DBA 2019の学習期間:3ヶ月

ORACLE MASTER Gold 11gの参考書が2年前から自宅にあり、システムトラブルが起きるたびに辞書代わりに読んでいた。がっつり朝から晩まで勉強したのは、2022年4~6月の3ヶ月間。

Gold DBA 2019の認定後に、webサイトでオラクルマスターゴールドの学習目安時間は40~50時間と書かれているのをたまたま目にしたが、新試験制度のORACLE MASTER Goldは試験範囲が相当広くなっているので、40時間はさすがに無茶ではないかと思う。
マルチテナント構成やGrid Infrastructureなどについて十分な実務経験があり、めちゃくちゃ記憶力のいい人なら、40時間で取れるのかもしれないが…

ORACLE MASTER Goldの認定試験は、そもそも実務経験をある程度積んでいないと厳しいので、実務経験の時間を割り引いて学習時間だけを算定するのも、少し算出する意味が薄いかもしれない。

使用した参考書・問題集・学習ツール

3ヶ月間「使い込んだ」と言えるほど使ったのは、下記の3つ。

  • 書籍①「オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationII(株式会社コーソル 著)
    黒い表紙の本。19cに対応している
  • 書籍②「ORACLE MASTER Gold[Gold DBA11g]完全詳解+精選問題集」
    白い表紙の本。11gに対応しているが12c以降は非対応
  • ORACLE MASTER Goldラーニングサブスクリプションの動画

使った順序は、動画 → 白本 → 黒本 の順。
たまたまOracle Universityでeラーニング動画が無償公開されていたことと、学習開始時にGold 19cに対応している受験対策参考書が見当たらなかったので、3種類も使う羽目になってしまった(笑)

2022年5月以降に学習を開始される方は、コーソルさんの黒本メインで学習すればいいと思う。黒本が、情報が最も端的にまとまっていて使いやすかった。黒本は5月に出版された(らしい)ので、あわてて入手してやり込み6月末に受験したのだが、黒本があるとないとで、点数が全然違っていたと思う。

ORACLE MASTER Gold ラーニングサブスクリプションの動画

Oracle UniversityにORACLE MASTER Goldの学習動画(兼試験対策動画?)が結構な高値で販売されているのだが、たまたま2022年4~5月の2ヶ月間くらい、ラーニング動画のうち6時間分だけが無償公開されていた。
試験問題とおおよそ同じ形式の問題を解いて講師の解説を聞く、というタイプの動画だった。

動画は重要ポイント盛りだくさんで、1度聴き流す程度では一体何のことを話してるのか理解できないくらい、「初めまして」な新機能や用語が多かった。私は文字情報より耳から情報を得て学習する方が楽なので、理解できなかった箇所はスマホの機能で音声録音しておき、家事や散歩の合間に聞き流しては、知識を定着させた。
無償公開されていた期間が長かったので、問題演習は2〜3周くらいできたと思う。

ラーニングサブスクリプションに興味のある方は、下記のリンクからどうぞ。

Oracle Master Portal:ラーニングサブスクリプション
https://www.oracle.com/jp/education/index-172250-ja.html#10

なお、私はこの動画に出会って初めて、新試験制度のORACLE MASTER Goldが旧試験制度のSilver 11gの出題形式とほぼ変わりない、という事実を知った(笑)

11g対応の白本「ORACLE MASTER Gold[Gold DBA11g]完全詳解+精選問題集」

念のため断っておくが、マルチテナント構成という概念がない、11g時代のORACLE MASTER Gold参考書である。

当然この書籍だけでは「Oracle Database Administration II」の試験範囲はカバーできず、50〜60%くらいが新試験の試験範囲とかぶっているかな、という印象。
19c対応のいい書籍があれば勿論そちらを使ったのだが、「ないのだから仕方ない!」と早々に諦め、半ば開き直ってこの書籍を使っていた。

だが、「11g時代に出版された書籍でいいから、取り敢えず学習を先に進める」という強引な作戦は、結果的には大きな回り道をすることなく、プラスに働いたと思う。
11gの白本を2ヶ月かけて3周し、巻末の模擬試験を解くと、正答率が61%だった。RMANなどのDBA必須技能をここで先に身につけられた上、Oracle Master Gold 11gの合格ラインに到達しつつあると把握できたので、残りの1ヶ月は、Gold 2019の黒本でマルチテナント構成と12c~19c新機能の知識を足し込むことだけに集中した。

19c対応の黒本「オラクルマスター教科書 Gold DBA Oracle Database AdministrationII」

恐らく、現時点で最強のOracle Master Gold対策本だと思う。データベースと実務にめちゃくちゃ詳しい人が、19cシングルデータベースのことを端的にまとめた、という印象の本で、とにかく本全体に無駄がない

聞きなれない単語は、ほぼすべて欄外や括弧書きで単語の意味が添えてあるので、いちいちスマホで調べる手間が省ける。一度も流したことのないコマンドは、実行結果が全文丸ごと掲載されているので、これまた実機でコマンドを流す手間が省ける。
読み進める&解き進めることに集中できる本なので、12c~19cで新登場した機能・概念を中心に読み込み、1ヶ月で2周することができた。1ヶ月後巻末模擬問題を解くと、正答率が76%に達していたので、本試験申し込みに進んだ。

極めつけに、この黒本で学習したのと非常に似た形式の問題が、本試験で2〜3問出た。サービスが良すぎる。オラクル社監修は伊達じゃなかった。
著者であるコーソル社の皆様に、深く感謝したい。

実機演習をどのくらいやったか

Oracle Master Silver 11g受験時は、自宅では特に実機演習はしなかったのだが、今回はさすがに実機演習の時間を取った。

自宅のPCにマイクロSDカードを挿し、SDカードのディスク上にVMware PlayerでRed Hat Enterprise8の仮想サーバと19c(EE)のシングルDBを作る、というやっつけ感満載の自作環境だったが、RNANのコマンドは無事に流れたのでよしとする。1ヶ月半ほど、この超遅の仮想環境で、コマンドを流せるだけ流した。

RMANでのリカバリなどは、実務でもそう頻繁には行わない(はず)なので、バックアップ&リカバリの実機演習の時間はあってもいいと思う。
マルチテナント構成や19c新機能は、時間が取れなかったこともあり、特に実機演習しなかった。

試験結果:正答率86%で一発合格

Oracle Database Administration 2の試験結果の画面キャプチャ。画面中央に、正答率と合格ラインがパーセント表記で表示されている。

↑ 受験直後に画面モニターに表示される試験結果。その後メールでも通知され、実物は写真つき

黒本の巻末模擬試験の正答率が76%だったので、本試験だと7割取れたらいい方かな…と想定していたが、想定外の8割超えだった。頑張った成果が認められたようで非常に嬉しかった半面、「もしかしたら学習期間2ヶ月半でも受かったかも…」と少し後悔した。

なお、2022年6月末時点でも、合格ラインは57%のままだった。

 →Oracle Database AdministrationⅡ受験当日の体験記はこちらへ

ORACLE MASTER Gold 取得後どう活用したか

まだ取ったばかりなので不明。活用できたら追記する。

知識が増えたのは良かったものの、goldだと「実務で使ってないわー!」という機能が半分近くあるので、goldを取ることで実務能力が上がったのかは、正直分からない。実務で使う知識や技術については都度学んできているので、(というかデータベースエンジニアであれば、それが当たり前だろうと思うので)、マルチテナントの知識以外はさほど使わないかもしれないな、とも思う。

ただ、ORACLE MASTER Goldに認定されたというだけで、周囲の自分を見る目が変わりすぎて怖い
ORACLE MASTER Gold取得前と後で、自分ではスキルに大した差を感じていないのだが、周囲からは「凄いね」という驚き交じりの反応が返ってくる。自社の営業がやたらに誉め言葉を並べ始めたり、会ったばかりの客先の役員が何故か私の名前を知っていたりする。怖い。

今まではスキルを過小評価されて仕事しづらいことが多かったが、ORACLE MASTER Gold認定後は、逆にスキルを過大評価され、周囲の期待が大きすぎて困惑することが増えてきた。
自分では、LinuxやOracle RACを筆頭に、身に付けねばならないことがまだまだ山ほどあると思っているのだが、周りはそうは思わないらしい。

今どんな仕事をしているか

今まで同様、Oracleデータベースの設計・構築・運用。Solarisで稼働しているOracle RACの面倒を見るお仕事。
Solaris氏とはまだまだ疎遠なので、早く仲良くならなければ…とは思っている(汗)

地位・年収に変化はあったか

取得したばかりだが、まだ変化なし。ヒラ社員で年収は400万円台後半のまま。
今後変化があるかどうかも正直分からない。

地位や年収を上げたいだけなら、ORACLE MASTER取得ではなく仕事でプロジェクトマネージャやリーダーポジションを目指す方が上がりそうだな…とは思う。
技術力を高めれば高めるほど現場最前線の仕事に回されるので、課長職・部長職から遠のいていくのが、日本企業の不思議なところ。

ORACLE MASTER Gold 学習のポイント

「Oracle Database AdministrationII」の試験は、試験範囲がとにかく広いので、記憶力との戦いに陥らないようにすることが、非常に大事ではないかと思う。私のように記憶力の悪い人間ほど、暗記中心の学習に陥ると、その時点で敗北濃厚になる(笑)

コーソル社のオラクルマスター教科書 GoldDBAの書籍の目次を撮影した写真。目次の項目の一部に、緑色の色が塗られている。

↑ コーソル社の黒本。11gの白本で学ばなかった項にだけ色を塗り、重点的に学習した

運良く実務経験を積める立場にいる方は、まず日々の仕事を全力で頑張り、1コマンドでも多く経験を積み上げるのが、プラスに働くと思う。やはり実務で経験していると、知識の脳内定着力が全く違う。

実務の積めなかった分野については、自宅PCの環境でコマンドを流せるだけ流して経験を補い、経験と知識を紐づけられるよう気を配った。本だけ読み続けていると眠くなるが、知識と紐づけながら経験を増やすと、知識が定着しやすく忘れにくいように感じる。

最後に、実務経験も自宅での実機演習もできなかった分野については、本試験の重要度や出題頻度が低ければ、潔く諦めることにした。具体的には、データベースの複製や高速ホームプロビジョニングなどは、書籍を2~3度読み込んで、仕組みを理解するだけに留めた。

試験範囲が広いので、「学んだことを忘れる」という残念な事象も、結構な頻度で起きると思う
一度学習した分野は、時折テキストを高速で眺め返すようにすると、少しは忘れにくい。具体的には、テキスト見開き2ページあたり2~3秒くらいの速さで、ざーっとテキストを眺めていく。2~3秒ではテキスト全文は読めないが、太字で印刷されている重要用語やアーキテクチャの図などは目に入ってくるので、「そういえばこんな機能あったな…」と学んだことを自然に思い返すようになる。こうしておくだけでも、覚えた知識を忘れにくくはなると思う。

もう少し時間が取れる方は、スマホで写真を撮って通勤時に読み返す、重要単語だけ手帳に書いておくなど、忘れにくくする工夫は色々とできそう。

ORACLE MASTER Goldは取得した方がいいか

データベースエンジニアとして生きていきたいなら、あった方がいいと思う。
以前から、就職活動や配属面談の際に、ORACLE MASTER SilverだけではDBA(データベース管理者)として不十分と見なされることが多かったので、私自身は数年前からORACLE MASTER Gold取得したいと考えていた。

また、営業や事務の方など、システムの現場に一切出ない方々にとっては、エンジニアが実務でどれだけ凄い経験を積んでいても、その人の技術力の高さが分からないらしい…ということに最近気づき始めた。

システムエンジニア同士だと、一緒に働いたり雑談したりしているうちに、相手がどの分野にどの程度の技術力を持っているかは、おおよそ把握できる。資格を持っていなくとも凄腕のエンジニアは結構な数いらっしゃるし、技術力さえあれば現場の仕事は回るので、忙しい中無理して資格を取らなくても、業務上大きな障りはない。

だが、営業さん達や人事の方々はどうも、「経験年数」や「持っている資格のレベル」などで、各エンジニアの技術力を推し量っているようだ。
現場で重宝されているエンジニアほど多忙なので、資格を取っている暇などないし、いいエンジニアほどキャッチアップも早いので、短い経験年数でも十分凄腕になってらっしゃるのだが、システムに詳しくない方にとっては、資格というラベルが人に貼られていると便利らしい。

ラベルの有無で人生が変わってくるのも正直どうかとは思うが、つまらない方の人生に追いやられるのも腹が立つので、時間がある方は早めにとっておかれると損はないと思う。

余談:ORACLE MASTER Gold 受験後の感想

試験範囲がとにかく広すぎて泣けてくる。
この上にORACLE MASTER Platinumがまだ控えているかと思うと、考えるだけで眩暈がする…

Oracle Database Administration Ⅱ(ORACLE MASTER Gold DBA 2019認定試験) 受験記

ORACLE MASTER Gold DBA 2019の認定要件である「Oracle Database Administration Ⅱ」(試験番号:1Z0-083-JPN)という試験を受験し、無事に合格できたので、受験日前後の体験記を記載。

新試験制度になってから、ORACLE MASTER Goldの認定試験の合格報告や合格体験記が、ネット上に少なすぎる気がする。参考書が長らく出版されていなかった上に、巷に出回っている情報が少なすぎて、受験に踏み切れていない人も相当多いんじゃないかな…という予感。
 → ORACLE MASTER Gold 2019の勉強法等については、こちらへ

試験前日:Oracle Database Administration Ⅱ試験を申し込む

黒本の参考書の巻末にある模擬試験を実施したところ、正答率76%で合格ラインに達していたので、恐る恐る本試験を申し込むことにした。ORACLE MASTER Silver 11gを受験した時と同様に、ピアソンVUE社のwebサイト↓から本試験を申し込む。

ピアソンVUE
https://www.pearsonvue.co.jp/

受験地と受験日時を自由に選択できるのは、コロナ禍以前と同様。自宅から5km圏内に2ヶ所の受験会場があったが、最短日程(=申込の翌日)に本試験を受けることのできる会場は1ヶ所だけだったので、その会場を選択することにした。(結果的に、ORACLE MASTER Silverの本試験受験時とは、違う試験会場になった)

コロナ禍ということもあり、自宅で受験する方法も選択できるようになっていた。事前に専用のアプリをインストールしてシステムチェックを行った後、当日は画面録画&試験監督付きで自宅で受験できる、という仕組みのようだ。感染リスクゼロで、移動時間まで省けるのはとても魅力的。冷暖房も自分好みに調整できるので、夏&冬には特に都合が良さそう。

ただ、ORACLE MASTER Goldの認定試験は、試験時間が2時間半に渡る長い試験で、自宅だとネットワークより先に集中力が切れる恐れがあることと、宅配便の配達等の邪魔が入る可能性もあったので、今回は自宅受験を断念した。

ピアソンVUEからオラクル社のCerfViewにログインした後、受験する試験を選ぶのだが、Oracle Database AdministratorⅡの試験の選ぶ場合、少なくとも英語版・中国版(?)・日本語版の3種類の試験があるようだ。試験タイトルの末尾に「JPN」とついているものを選択しないと、英語等で試験を受ける羽目になるようなのでご注意を。最初全く気づかないまま英語版を申し込みそうになり、慌ててキャンセルボタンを押した…。

ピアソンVUEでOracle Database Administration 2の試験を検索している画面のキャプチャ。1Z0-083の試験が3種類表示されている。

↑ 試験番号が同じ試験が3つ表示されるが、試験番号に「JPN」とついているものを選ぶ

試験予定時刻は10:30〜13:00とした。朝は十分に眠って脳を休ませたかったので、10時以降開始にした。試験予定日は丸一日有給休暇を取ることにして、会社に有休取得申請。
32,000円程度の受験料をクレジットカードで支払い、申込が全て完了すると、メールで支払い完了連絡と予約確認のメールが届いた。

本試験の荷造りとして、参考書のほかに本人確認書類2点、冷房対策用の上着、長い前髪を留めるための髪留めを準備した。なお、時計は持ち込みできなかったので、準備対象外。
本試験前日は、眠る直前まで学習を続けてはいたが、やはり緊張してしまい、思ったほど学習は進まなかった。

試験当日

本試験開始15分前:受験会場を間違える

オラクルマスターの認定試験には、試験開始前に本人確認や写真撮影などの事前手続きがある。そのため、試験開始15分前までに、試験会場に到着している必要があるので、朝食と身支度・化粧を済ませたら、余裕をもって試験会場に向かった。

(オラクルマスターの認定試験は写真撮影があるので、女性はまともな服を着て、軽くお化粧をされて行く方が無難。すっぴんだと試験を落とされるということはないのだが、すっぴん写真が公式記録として残ってしまうのは、どうにも困るので…)

試験会場の建物は知っていたので迷わず到着し、ピアソンVUEと書かれた事務所に入ると、アルコール消毒剤で手を消毒。受験者も受付の方も、全員がマスクを着用していた。受付に行くと、受付開始まで椅子でしばらく待つよう促された。受付開始までの時間は、参考書に軽く目を通すことができた。

試験開始15分前になり受付が開始され、受付してもらおうとすると、実はOracleの試験は試験会場が1つ隣の会場だった、という事実が判明した。慌てて手荷物をまとめ、隣の会場へ。試験前に、無駄にヒットポイントを減らしてしまった。
余談だが、私がオラクルマスターの認定試験を受けようとすると、大抵何かしらの小トラブルが起き、すんなりと試験を開始できた試しがない。

本試験開始10分前:受付手続き(同意書記入・本人確認・写真撮影)

隣の会場は以前の会場より静かで、中央に受付があり、広くて座り心地のよさそうなベンチが何台かあり、荷物やジャケットを保管できるよう縦長のロッカーが壁際にずらりと併設されていた。
受付の男性に受付が遅れた理由を伝え、何とか受付開始して頂くことができた。受験前の注意事項が書かれたA4用紙1枚半のラミネートシートを読み、異論がなければ書類にサインする。この時、一定以上の厚さの装身具は試験室に持ち込めないことを知り、身に付けていた8mm珠のガラスパールのイヤリングは慌てて外して鞄に突っ込んだ。

本人確認書類2点を提示して受験者本人であることを確認して頂くが、このときは不織布マスクを外した。この後小型のwebカメラ(?)で写真撮影を行ったが、この時もマスクは外した。
髪留めも厚みがあるものは試験室に持ち込めないと知ったが、幸い私の髪留めは百均で買った薄い小型のものだったので、受付の方に持ち込んでいいか確認頂き、持ち込み許可を頂けた。

受付を終えて、ロッカーのキーを受け取り、手荷物を全てロッカーに仕舞う。待合室には、同じく受験者と思われる20代くらいの若い女性が1人座られており、「女性のエンジニアかな?」と感じて嬉しかった。女性のエンジニアは、まだまだ少ない。特にインフラ領域は女性が非常に少ないので、どこの現場に配属されても、男子校にたまたま女が1人混じっているような雰囲気になる。

本試験開始5分前:試験室へ

受付の男性に連れられ、受付前から試験室に移動。試験室と受付&待機室は扉で仕切られており、扉には透明なガラスが張られ、試験室内が見えるようになっていた。

試験室は、机とパソコンと座席がセットになったものが40~50席くらい用意されており、全ての座席はパーティションでほかの席と仕切られていた。恐らくカンニング防止のためだと思う。(但し、受験者は各自が申し込んだ試験を受けるので、隣り合った人と同じ試験を受けているとは限らない)

席同士の間隔は狭めで、1m離れていないくらい。通りを挟んで真後ろの席も1.5m離れていないくらい近い。試験中は喋らないので、感染対策としてはこの距離でいいのかもしれないが、普段業務中にこの距離で人と座ることはもはやないので、反射的に少しヒヤッとした。

私が案内された席は、ロッカー番号と同じ81番で、通路の最も奥にある席だった。デスクトップ型の黒いパソコンが1台置かれていて、デスクトップパソコンの上部には、周囲の雑音を遮断するための大きなヘッドホンが1つ用意されていた
受付の方より、A4サイズのホワイドボードとホワイトボードマーカー(黒色)1本をメモ書き用として受領。ホワイドボードは無地ではなく、薄い灰色で格子状に罫線が引かれていた。

受付の方にパソコンにログイン頂くと試験名が表示され、受験する試験名に誤りがないことを確認して、試験開始。

本試験開始直前:注意事項の確認

試験開始から10分間は、画面操作の説明や注意事項を読む時間に充てられていた。残りの試験時間や現在の何問目を回答しているかなどの情報は、画面右上に表示されると知った。問題の見直しの仕方なども、合わせて確認。

ORACLE MASTER Silver受験の際、ホワイドボードマーカーのインクが次第にかすれてきて焦った記憶があるので、マーカーの書き具合もここで確認した。

ここのセクションは10分間用意されていたが、内容的には5分あれば終わるので、残りの時間で少し心を落ち着けてから、試験開始ボタンをクリックした。

本試験開始0~15分後:難問目白押しで焦る

本試験を開始してから1問目~9問目は、一度も見たことがない難問が続いた。ORACLE MASTER Silverの認定試験の時もそうだったが、オラクルマスターの認定試験は、試験範囲(?)に含まれない問題が数問出ることがあり、こうした問題は最初の数問に集中しているようだ。

最初の十数分間、見慣れない問題を延々と解かされる羽目になるので、解けずに焦り、ストレスがかかり、自分の試験対策は間違っていたのかと不安になる。ORACLE MASTER Silverの時のように、手が震えるようなことはさすがになかったが、周りの雑音がやけに耳に入った。

試験問題の上部にチェックボックスがあり、後で見直したい問題にチェックを入れておくと、全問解き終わった後にその問題が表示されてまとめて見直しをできる仕様になっている。9問全問チェックボックスにチェックを入れ、何とか先へと進んだ。

本試験開始15~75分後:苦手な問題と騒音に苦しめられる

10問目以降は、試験範囲内の問題に戻ったようで、何とか解答を捻り出せそうな問題が続いた。ただ、苦手なマルチテナント構成や高速ホームプロビジョニングの問題がさっそく続出して、再びストレスがかかった。できればRMANや自動メモリ管理あたりから、先に出題して欲しかった(我儘)。

ただでさえストレスがかかっているところへ、別席の試験を終えた後のパソコンだとは思うが、テレビが壊れた時のような「ザーーー」という音が2~3分続き、耐えかねて備え付けのヘッドフォンのお世話になることにした。
ヘッドフォンはずっしりと重く結構大きめのサイズで、長時間つけていると右耳が痛くなるので時々外さないといけなかったが、ノイズキャウンセリングの機能はしっかりしているようで、テレビ音も真後ろの席の男性受験者のため息も聞こえなくなったので、ひとまず良しとした。

試験時間が2時間半もあると、人の出入りがそれなりにあり、受付の男性が使用後の机のアルコール除菌を行ったりもするので、騒音対策は意外と重要だな、と改めて感じさせられた。
自宅で学習している時は基本的に1人きりなので、音対策をすることもなかったが、今回は平日午前にも関わらず受験者が意外なほど多かったので、雑音に気を散らさないことも必要だなあと痛感。そういえば実務でも、ベラベラと四六時中喋りまくるおじさまが隣の席にいる時は、私の能率がだだ下がりする。(上司なら部下の能率を無駄に下げないで欲しい…)

出題傾向は、コーソル社の黒本で網羅されているところが、ほぼほぼ出てきた印象。出題形式も、黒本やサブスクリプション動画で学んだ形式によく似ていた。マルチテナント形式のリソース今シューマープランや、アプリケーションコンテナのポリシー周りが出題され、苦手な高速ホームプロビジョニングは2問も出てきた。アプリケーションコンテナのコンテナマップは、今回は出題されなかった。

出題の半分を解き終えた時点で残り時間を確認したところ、黒本の模擬問題を解いていた時とほぼ同じペースで解答できていた。全85問を2時間ほどで解き終えるのが私の普段のペースなので、時間不足で解答不能に陥ることはなさそうだとわかり、少し安心した。

試験中は、配布されたミニホワイトボードにも、頻繁にお世話になった。ORACLE MASTERの試験は、「下記の選択肢(6つ)のうちから2つ正しいものを選べ」というような複数回答の問題が多いが、主に選択肢の肢切りにホワイトボードを利用。「13問目 A〇 C× D×」などと正解・不正解が確実に分かっている選択肢だけをボードにメモしておき、残り1つの正解に迷ったら、残った3択(B・E・F)から正解を選んでいた。

本試験開始75~130分後:寒いが粛々と問題を解く

試験の後半になると、フラッシュバックドロップや自動メモリ管理やRMANコマンドなどの、慣れ親しんだ分野が平和に出題され始め、気持ちも落ち着いてきた。苦手なフラッシュバックトランザクションはメインでは出題されず、選択肢の形で出てきたのでセーフだった。これまた苦手なデータベースの複製とPoint-In-Time-Tablespaceも、各1問ずつくらい出題されたと思う。プラットフォームのエンディアンが異なる環境間での表領域の複製が1問出て、19cで追加されたDatapumpの新引数も、1問出題された。

出題意図が読み取れない悪問や、変にひねりすぎた奇問は、1問も出なかったと思う。参考書で基本的な知識を確実に押さえていれば十分解答可能なように、出題の難易度が抑えられていた。新しいデータベースで何ができるか、どういう点に注意が必要かをきちんと知っておいてほしい、というオラクル社の意図が伝わってくるような出題だった。

試験の後半に入ると問題を解くのは楽になったものの、今度は冷房の寒さにやられ始めた。解き始めたころには気づかなかったが、私の席は冷房の風が直接当たる席だったようだ。ひざ掛け等はさすがに用意されていなかったので、寒さに耐えながら粛々と解き進めた。

また、当たり前と言えば当たり前なのだが、試験時間が2時間半もあると、途中で集中力が途切れるタイミングが2~3回訪れる。具体的には、問題文や選択肢の文章を読もうとしているのに、文章の内容が全く頭に入ってこず、1行も先に進めないような状態になる。

こうした集中力切れは、自宅で白本や黒本の模擬問題を解いている頃から既に出ており、対処法も用意していた。単純に脳味噌が問題を読みたがってないので、試験を中断し、1分くらい壁をボーっと眺めて何も考えない時間を取った。そうしてしばらく脳を休めると、再び解き進められる状態に戻る。
試験後半は緊張もほぐれたせいか、こうした集中力枯渇ステータスに2度ほど陥り、そのたびに目の前の壁を眺めてやりすごした。

そして、集中力が切れてくると特に起きやすいのが、「選択肢〇つのうちから正しい3つを選択」という問題で2つしか選ばずに次の設問に進んでしまうパターン。私はそそっかしいのか、書籍で学習中よくこうした凡ミスを繰り返したので、選択する数だけは誤らないよう気を付けた。
なお、設問より少ない数を選択して次の設問に進んでも、試験システムは何の警告も出さない。(設問より多い数を選択した時は、即座に警告メッセージを出してくれる)

試験時間が残り20分弱になったところで、全85問を解き終えた。予定通り時間内に解き終わり、ひとまずほっとした。

本試験開始130~150分後:時間の許す限り見直しする

85問目を解き終えると、次の画面では、後で見直ししたいとチェックボックスにチェックを入れた問題だけが、問題番号に問題文の最初の十数文字を添えて縦長のリスト形式で表示される。
最初の1問目から見直すこともできるし、気になる問題だけを自分で選んで見直すこともできる。

私は試験の前半に、見直しチェックボックスにチェックを入れた問題がたっぷり溜まっていたので、残りの時間を全て使って、最初の1問目からチェック済み問題群を見直ししていった。冷静になってから読み返すと、間違っている気がして解答を変更した問題が4~5問あった。
1問目から30数問目までを見直しした時点で、試験時間が残り1分になったので、試験終了のボタンを押し、試験を終了した。

試験終了時:試験結果の表示

試験終了ボタンを押すと、「本当に終了します?」という確認画面が表示され、試験を自分で終了することができる。(2時間半待たなくとも、1時間半や2時間くらいで試験を終了しても勿論構わない)
試験を終了すると、その次の画面で、受けた試験の合否がモニター画面に表示される

自分の顔写真とともに、「正答率:86%」「結果:合格」とはっきり表示されており、安心して力が抜けた。
この画面は、後からメールで通知されるCerfViewの試験結果と同じものだと思う。

Oracle Database Administration 2の試験結果の画面キャプチャ。画面中央に、正答率がパーセント表記で表示されている。

↑ 試験終了直後にモニターに表示された試験結果。実物はもう少し縦に長く、受験者本人の写真つき

試験終了後:受付を忘れずに

試験終了後、座席番号である81番のプレートとミニホワイトボード&マーカーを持って、試験室を出た。
試験終了後は、まず受付を済まさないといけないので、受付に出向いて備品を返却すると、A4の紙を1枚手渡された。合否通知はその紙には記載されておらず、後ほどメールで通知されます、ということが書かれていた。

Oracle Database Administration 2の試験終了後に受領した紙のキャプチャ。試験結果はメールで通知される旨が書かれている。

↑ 試験終了後に受付で受け取った通知書

受付後にロッカーから荷物を出し、ロッカーの鍵を返却した上で、試験会場を後にした。時刻は13時を少し過ぎたころで、冷房の影響で手足がすっかり冷たくなってしまっていたので、太陽の下に出て真っ先に身体を解凍した。(こういうとき、巷で話題のSDGsやエネルギー不足とは一体何なのかと、世に問いたくなる…)

試験終了後、私用を済ませていたら、oracle.comから「試験合否のお知らせ」というタイトルで、メールが1通届いた。メールのリンクを辿ると、オラクル社のCerfViewが開き、本試験直後に見た合否結果が見れるようになっていた。
ただ、この時点では、ORACLE MASTER Gold DBA 2019の認定は行われておらず、資格認定画面はORACLE MASTER Silverのままだった。

試験の翌日:ORACLE MASTER Gold DBA 2019に認定される

翌日の午後、再びoracle.comから「資格認定のお知らせ」というタイトルでメールが届いた。CerfViewにログインして確認すると、無事ORACLE MASTER Gold DBA 2019に認定されており、証明書やバッチがダウンロードできるようになっていた

認定証明書はORACLE MASTER Silver 11gのときと変わっていなかった。認定書右上にゴールドのバッチが付いていることだけが変化点だが、ゴールドの有資格者になったという自覚は未だ湧いていない。

オラクルマスターゴールドDBA2019の認定証の画面キャプチャ。旧試験制度と同じ形の認定証。認定証の左上に、OracleMasterであることを示すバッチが表示されている。

↑ ORACLE MASTER Gold DBA 2019の認定証。認定証は旧試験制度の頃と同じ形

今所属している会社は資格報奨金制度のある会社なので、認定照明書を添えて申請すると、報奨金が出るそうだ。受験代+αを補填頂けるのは有難い限りだが、AWSやAzureなどのクラウド周りの資格を取れと会社全体で推し進めている雰囲気があるので、「(人気薄の)オラクルマスターを取りました」と報告すると、逆に「空気を読め」と叱られそうな予感もする。

クラウド化推進企業の熾烈なシェア奪い合いにはあまり加担したくないので、もうしばらくデータベース界隈でのんびり技術を磨いていたいのだが、一体どこまで黙認されるやら。ORACLE MASTER Goldを取得してもまだまだ肩身が狭そうなので、何だか少々切ない。

ORACLE MASTER Silver 11g 認定試験受験当日の注意事項

ORACLE MASTER Bronze 11g取得から3年後にORACLE MASTER Silver 11gを受験&取得した際、受験当日の注意事項をことごとく忘れてしまっていた。数年後ORACLE MASTER Goldを受験する時に思いだせるよう、備忘録。

ORACLE MASTER Silverの試験会場について

大阪府北区(梅田近辺)の会場で受験した。

試験会場(清和梅田ビル)はウインズの隣

OracleMasterの受験会場である、梅田清和ビルの1階表玄関。

↑ 梅田清和ビルの1階表玄関。

「清和梅田ビル」という名のビルが、ORACLE MASTER Silverの試験会場だった。確かBronzeも同じ会場だったと思う。だが、Silver受験当日に気付いたのだが、このビルはJRA(日本中央競馬会)のWINS(場外勝馬投票券発売所)のすぐ隣だった。

梅田清和ビルの左隣が、競馬のWINSのビル。

↑ 左隣がWINS(競馬の馬券を購入できる施設)のビル

私の試験開始時刻は、テレビドラマのお約束かのように、日曜13時開始。
ただでさえ混雑する週末の梅田周辺が、駅からWINSまでの間中馬券を買い求めるおじさま方と交通整理真っ最中の警備員さんでごった返しており、自転車を下りないと前に進めなかった(笑)
しかも、梅田清和ビルの看板は、見上げないと見えない位置(10階くらい?)に取り付けられており、うっかりビルの前を素通りしてしまい、試験前の貴重な数分をロスした。

自転車置場は試験会場の1階裏

清和梅田ビルは、裏手に回ると立体駐車場になっており、喫煙所や守衛室がある。喫煙所の前にスペースがあり、1台自転車が止められていた。
守衛さん(もしくは立体駐車場の職員さん)らしき方が出て来られ、清和ビルに入る理由を答えると、喫煙所前のスペースに自転車を停めさせて下さった。感謝。

なお、ビル周辺に有料・無料の自転車駐輪場は見当たらなかった。

受付スペースは広くない

清和梅田ビルの5階に、試験会場「大阪駅前テストセンター」がある。
大阪駅前テストセンターは、雑居ビルの一室。表札がなければ、これまた通り過ぎてしまうんじゃないかと思うほど、ごく普通のビルの一室だった。

室内には、受付カウンターと2名の職員さん、それに木製のロッカーと椅子3脚と机1つ。4~5人入るといっぱいになってしまうくらいの広さしかない。

到着してすぐ、本人確認が始まった。

本人認証の身分証明書は2種類

Oracle Master Bronze受験の際、誤って身分証は1種類と思い込んでいたので、改めて記載。本人確認の身分証明書は2種類必要

着いてすぐ、紙の書類に受験日時とコースと氏名を署名する。その後、クレジットカードのサインを行うような電子ボートに、自筆署名する。

お化粧をして行きましょう…

その後、webカメラに向かって写真撮影。

自転車運転後のボサボサ髪にすっぴんという成人女性にあるまじき姿だったが、もちろん容赦なく撮影された(笑)
試験前で精神的に余裕がないとはいえ、身だしなみ(女性はお化粧も)は整えて行った方がいい…。未だに私のORACLE MASTER Silverの認定証は、この時のボサボサすっぴん写真である。

携帯の電源をオフにし、コートと鞄はロッカーにすっぽり入れる。
ロッカーにはハンガーが入っているので、仕事帰りに背広姿で受験しに行っても、背広を皺にならずに仕舞えると思う。

本人確認手続きが終わると、すぐさま試験開始

私は日曜13時開始で、ORACLE MASTER Silverの試験を予約した。だが実際には、試験は13時丁度には開始されない。受付での本人認証手続きが終わり次第、別室の試験場へと連れて行かれ、そのまま試験開始となった。

試験は別室

試験を行う部屋はガラス張りで、外からよく見える。中は1席に1台デスクトップ型パソコンとPCモニタが置かれて、席ごとに番号が振られている。

中に持って入ることができるのは、受付の方が用意くださるメモ用のB5サイズくらいのボードと黒ペン2本、それに身分証明書(私は運転免許証だった)を1種類。

前髪が邪魔なので小さい髪止めを1つ持って入っていいか尋ねたところ、無事に許可頂けた。

身分証は机に置いた状態で、試験開始。

ORACLE MASTER 試験時間中の注意事項

試験名にSilverは含まれない

マウスをカチカチ操作して試験概要を表示すると、試験名が「Oracle …. Administrator」と表示された。試験名に「Silver」の文言はない。

「あれ、試験名間違えて申し込んだかな…」

と頭が真っ白になった。何度見直しても、試験名に「Silver」とは書かれていない。
この試験名で正しかったと確信を持てたのは、試験終了後だった。

最初の10~20問は緊張と焦りで手につかない

問題数は70問だった。試験名で恐怖の洗礼を受けたこともあり、最初の10~20問は緊張と焦りで、問題文が頭に入らず問題を素通りすることが多かった。各問題には見直し用のチェックボックスがついており、チェックをつけておいて後で見直しすることができるので、取りあえず何かしら解答を選び、チェックボックスにチェックもつけておく、というのが20問中15問くらいあった。

問題も数をこなすと、問題集の類似問題や即答できる問題が出て来始め、「この試験で合ってたかも」と徐々に落ち着きを取り戻してきた。落ち着きが戻ると、75分で解き、残り15分をチェックに充てる、と時間配分まで気が回るようになった。

黒ペンのインクが出ない

入室時に手渡される黒いペンは、ホワイトボードで使うペンの細字版といった雰囲気。だが、2本手渡されて2本ともインクがかすれ始めた時は、焦った。

選択肢の多い問題でも、パソコンのモニタにはメモすることができないので、手元のボートに「1)× 2)○ 3)× …」という風にメモして頭を整理したかったのだが、試験後半はペンのかすれが苛立ちと不安をかきたてるので、ペンの使用を諦め気味になった。

試験終了ギリギリまで見直しする

学習が十分でなく、試験前半が平静でいられなかった自信があるので、全問解き終わった後も、試験終了間際まで見直しに時間を充て、4~5問解答内容を修正した。

ORACLE MASTER 試験後の注意事項

試験直後には合否が分からない

試験終了後は、受付で終了時刻を記載し、合否結果の確認方法が書かれたA4の紙を貰って終了。ここでも、試験後案内が書かれた紙がプリンターから出力されないというトラブルに見舞われ、「もしかして、受験し直しか?」と危ぶんだが、回答内容は無事送信されていた。

30分待つと、メールボックス(Gメール)に合否のお知らせが届いていた。そのメールに記載されていたURLをクリックすると、webサイトに飛び、サイト内で合否を確認した。

結果、合格ライン66%に対し、正答数70%でぎりぎり合格。見直しで4~5問修正していなければ、合格できなかったんじゃないかと感じる。

合格証明書

オラクルシルバー認定証。(日本語表記のもの)

↑ オラクルシルバー認定証。日本語表記と英語表記の2種類がある。

webサイトから、日本語もしくは英語で書かれた合格証明書(pdf)をダウンロードできる。

ORACLE MASTER Silverのバッチは合否判明から2〜3日後に使える

ORACLE MASTER Silverでは、三角形の形をした「バッチ」と呼ばれる画像が使えるようになる。

Oracle Master Silverのバッチ見本。銀色の逆三角形で中央が青い図形。

↑ Oracleバッチ

名刺等に載せて、技術力を証明するツールとのこと。資格が期限切れになるまでの間、使用できる。利用開始になるのは、合否判定から2〜3日後。

ORACLE MASTER 試験当日におすすめの手荷物

試験会場に持っていって良かったもの

スマートフォン。Google Mapがなければ、時間内に試験会場にたどり着けなかっただろうと思う。
髪止め。落ちてくる前髪を減らせるので、試験に集中できる。

試験会場に持って行かなくとも良かったもの

腕時計。腕時計の持込は禁止されており、腕時計をはめたままでは入室できない。ビルまでの道のりは携帯電話の時計で確認できるので、腕時計は持って来なくて良かったかも。
飲み物。飲食物も持込禁止。
参考書。結局当日は開く暇がなく、持ち運びが重いだけで終わってしまった。

試験前日のおすすめの過ごし方 ~やって良かったもの~

試験に申し込む!

情報処理技術者試験と違い、ORACLE MASTERの認定試験は試験日前日まで試験の予約ができる。そのため、十分学習し試験対策を行い「これなら受かる!」と思えた日に、翌日開催される試験の申し込みができてしまう。

ORACLE MASTER 認定試験の受験料は高く、IT技術者は突発的な仕事(システムトラブル)で予定が潰れることも多いので、ギリギリまで試験を申し込まない方が安全。

なお、キャンセルは試験開始時刻の24時間前まで可能とのこと。

十分読み込んだ参考書や問題集を、1ページ3秒程度で全ページ流し読みする。

学習の総仕上げとして、試験2日前と前日に行った。学習したことを全分野でざっと総復習して思い出せるので、時間がかからない割に効果が高かった。プロセス名など普段覚えきれていない細かい知識も、このタイミングで頭に入れた。

前日に軽くお酒を飲み、友人と話す

私は緊張しやすいたちで、案の定試験前日に緊張と不安を感じていたので、試験の前夜は、お酒を軽く飲みながら友人達とお喋りし、緊張をほぐした。
ORACLE MASTERの認定試験はSilverに限らず試験開始時間を自分で選べるので、試験開始時刻を午後にしてしまえば、寝坊や遅刻を心配することなくお酒を飲めた。

お酒と友人は効果大で、「試験に落ちても、失うのはお金だけだ」「不合格なら、もう1回チャレンジすればいいだけだ」と不安が遠のき、いい意味で開き直れたので、自分には適していた。

ORACLE MASTER Silver 11g 独学で一発合格した勉強法など

2018年02月に念願のORACLE MASTER Silver 11gに合格。直前2ヶ月はほぼ学習できなかったが、何とか無事に合格できたので、ORACLE MASTER Goldの取得に備えてメモ。

ORACLE MASTER Silver 学習開始時のスペック

ORACLE MASTER Silver学習開始時点での、筆者のスペックを記載。下っ端ヒラ社員なので、大層なスペックはない。

Oracleデータベースの使用歴:3年

仕事でほぼ毎日オラクルデータベースを触り、実務経験は丸3年。UPDATE文を自分で作って流したり、表領域拡張したり、アラートログを取ったり、手順書を元にデータベース構築したりは普通にできる。

パフォーマンスチューニングは微妙。メモリの割当を増やしたければinit.oraのDB_CACHE_SIZE初期化パラメータを変更したらいいことは分かるが、値をいくつにしたらいいかは自信がない。statspackの取り方は分かるが、分析には自信なし。

トラブル対応は、自分1人だと厳しい。前例のないトラブルを1人で捌けないので、先輩エンジニアがいると安心。Oracle RACやExadataは、噂で聞いて知ってるレベル。見たり実機に触ったりしたことはない。

サーバOSの使用歴:3年

扱えるサーバは、windows server OSのみ。主に保守、たまに構築で、windows server 2003・2008・2012を丸3年間毎日使用。
Linux OSは、ubuntuを少しだけ触ったことがあるが、操作はほぼできない。
AIX、Solarisは経験・知識とも皆無。

その他(セキュリティ・ネットワーク・ハードウェア)

セキュリティ系は、実務経験を1~2年積んだので、そこそこわかる。ネットワーク系は応用情報処理技術者試験で学んだので、知識は多少ある。実務経験はpingやtracertやnslookup使ってトラブルの切り分けをする程度。ハードウェア系は、かろうじて自力でメモリ増設できる程度で、初級エンジニアレベル。

ORACLE MASTER Silverの学習方法

11gの黒本問題集を購入し、端から端まで読み込み、ひたすら設問を解いた。設問は、各問題を2〜5回ずつくらい解いた。

黒本1読目は、読んでも読んでも何が書いてあるのかさっぱり理解できず、本当に辛かった。毎日Oracleデータベースの実機に触っているのにこれほど理解できないとは、「私って相当な阿呆じゃないか」とさえ思った。

実機を使っての動作確認や操作は、自宅ではやらなかった。実機を構築&操作する時間を知識充填に当てていた。
勤務時間中は、調べる時間が乏しいままずっとOracleデータベースを触り続けていたので、経験と知識のバランスを是正したかったのも、実機操作を避けた理由の1つ。

勤務中に毎日実機(Oracle Database 9i/10g/11g/12cとOracle Client)を触れたことが勉強時間の短縮に役立ったので、仕事中に積極的に実機を触るのはおすすめ。
私のように記憶力の悪い人は、知識を理解し脳に蓄えるだけでも相当な時間を要するので、自宅学習は問題集の理解と問題解きに充ててしまうのも、少しおすすめできる。

ORACLE MASTER Silverの学習期間:足掛け1年くらい

毎日きちんと時間とって学習したのは、半年くらい。
肺年齢90才と診断された気管支喘息の治療と、労災申請の手続きとを並行でこなしながらの学習で、心身の健康は微妙すぎる時期だった。Oracleの学習に、肺と気管支の機能は大していらないらしい、ということは分かった(笑)

ORACLE MASTER Silverの学習スタイル

主な学習時間は、仕事の昼休み。自作の弁当を15~20分で食べ終え、残りの35~40分が学習タイム。
平日自宅に早く帰れた日は、+1時間くらい自宅学習。土曜・日曜・祝日は、余裕がある時のみ頑張った。

ORACLE MASTER Silver試験結果:合格

正答率70%で、何とか一発合格。

定着しきってない知識も多々ある状態で受験したので、試験前も試験中も試験後も、合格しそうな気持ちと不合格になりそうな気持ちが半々だった。「不合格になったら、明日からこれやって鍛えて、1ヶ月後にまた受験しよう」とも思っていた。

ORACLE MASTER Silver取得後、どう活用したか

ORACLE MASTER Bronzeの試験は「広く浅く」データベースの仕組みを知る試験だったが、ORACLE MASTER Silverは「断片」。オラクルの機能の要所要所を、深めに掘り下げて知識を得る試験だった。

だが、実務で役立つ知識が多かったので、学習している途中でも、得た知識が大活躍し、周りからの信頼も高まるので、仕事中に学習のモチベーションを上げてもらえるという相乗効果があった。

データベース障害を独力解決できる

ORACLE MASTER Silverに合格した翌週に、勤務先でデータベース障害が起きた。データベースファイルが壊れた障害と、データベースに接続できなくなった障害の、計2件。
よくある障害だが、ORACLE MASTER Silverの取得を報告した直後に、2件とも2時間以内に独力解決できてしまったため、周囲の自分を見る目が一気に変わった。自分自身も「意外と自己解決できるな…」と少し自信がついてきた。

その後は、Oracleデータベースに関してのみ、「3次受け」のようなポジションで仕事をした。1次受けがヘルプデスク、2次受けがインフラ技術者チームで、インフラ技術者チームが答えきれなかった問合せについて、事象を確認し、ログやwebサイトから技術的な裏付けを取り、チーム全員に分かるように回答する、というのが普段の仕事の一部になった。
今思うと、Silverしか取得していないのに、よく頑張ったものだ(笑)

転職には大きく影響せず

その後転職する際、私自身はデータベース技術者として転職したかったのだが、ORACLE MASTER Silverだけでは、データベース技術者としてとして十分ではない、と見なされることが多かった。
データベース技術者として生きていきたい方は、ORACLE MASTER GoldかORACLE MASTER Platinumを早めに取得することを、強くおすすめする

データベースエンジニア(兼サーバエンジニア)になり、データベース漬けの生活に

ただ、私はたまたま運が良かったようで、Red Hat Enterprise Linux OSに構築されたOracle RACがわんさかある客先に配属された。日経平均株価を構成するような日本有数の製造業様で、顧客にも配属された他の技術者にも、「超」がつくハイレベルエンジニアが何人もいた。いくら人手が足りなかったとはいえ、よく配属してもらえたものだと今でも思う(笑)

配属時の職種はサーバエンジニアだったが、データベースの台数が多い割にデータベースエンジニアが全然足りない職場だったので、実質的にはデータベース専業に近いエンジニアとして働いていた。

応用情報処理技術者を取った後にも感じたことだが、私は「資格を取るたびに職種が変わる」という経験をしている(笑) IT業界はそういうものなのかもしれないが、数年ごとに自分の職種が変わるので、面白い業界だな…とは思う。

丁度11gから19cへのバージョンアップの時期に配属されたので、WindowsOSのシングル構成DBからLinux&Oracle RAC構成へのデータインポートをやったり、RHEL7の19cマルチテナント構成DBについて、要件定義や構築手順書の作成から構築運用まで一貫して携われたりと、貴重なキャリアを数多く積ませて頂けた。

Linux OSのOracle RACを毎日触れる環境に身を置けたのが、ORACLE MASTER Silverを取得した一番のメリットかもしれない。特にマルチテナント構成の19c RAC(Enterprise Edition)はまだまだ珍しいんじゃないかと思うので、便利だが複雑怪奇な構成を毎日がっつり見れたのは、本当に良かった。

コロナ禍で週5在宅勤務に

年収は400万円台後半まで上がったが、それ以上に良かったのが、コロナ禍に入り週5在宅勤務で仕事をさせて頂けたこと。

コロナ禍でご苦労された方々には正直申し訳ないのだが、私はコロナ禍に入ってからの方が年収が上がり、通勤やら化粧やら飲み会やら無駄な雑事が一切なくなって、仕事が楽になった。

安全に働くことができただけでなく、浮いた通勤時間で技術書をデータ化していつでもどこでも読めるようにしたり、英語の発音を矯正する時間が取れたり、ORACLE MASTER Goldの厚さ4.8cmの技術書を持ち運ばずに読み進められたりと、仕事のスキルを上げる点でもプラスに働いた。

独学でのORACLE MASTER Silverの学習で、つまづく要因

独学で黒本問題集を3回解き、それでも正答できなかった問題は、

  1. 理解が浅い
  2. 実務で使用した経験がない
  3. 暗記ができない

の3点が主な要因だと思うので、それぞれの原因に適した対策を採るよう心掛けた。

(1)理解が浅い

インターネットで用語とその周辺知識とを検索することで、理解を補った。問題文で登場した未知の単語については、十分に意味を調べ、システムの動く仕組みや構造そのものを理解しようと努めた。

私は記憶力が悪く、新しい単語を一度にたくさん覚えるのは苦手なので、新しく登場した単語は意味とセットにして参考書の余白にメモしておき、折に触れて読み返すよう心掛けていた。

(なお、調べた後の画面をスマホで撮影し、写真として見返すようにしていた時期もあった。だが、写真で記録すると、うっかり関係ない写真にスワイプしてしまい、気が散って結局読まなくなることが多かったため、この方法はあまり効果がなかった…)

(2)実務で使用した経験がない

ORACLE MASTER Silverはオラクルデータベースの持つ様々な機能を、様々な切り口から問う問題が多く、実務で使用したことがない機能や仕組みへの知識も求められる。

当時の勤務先はセキュリティにうるさくない企業だったので、監査やリポジトリマネージャー、それに各種アドバイザーの機能は、ORACLE MASTER Silverの勉強を始めるまで見たことも聞いたこともなかった。

増える実務経験と乏しい知識の偏りを是正するのが今回Silverを受験した目的の1つだったので、実務で使用しないものは仕組みや概要を理解し、動的パフォーマンスビューを仕事の合間に眺める程度に留め、深追いはしなかった

お時間のある方や未知の機能に興味の強い方は、OTNで検証用のOracleデータベース11g・12cを入手してご自宅のパソコンにインストールし、実機でがんがん機能に触れるのも、理解が進んでいいとは思う。

Oracle Technology Network(OTN) 公式サイト
http://www.oracle.com/technetwork/jp/community/join/overview/index.html

(3)暗記ができない

私はとにかく暗記が苦手なので、1~2度読んだくらいで用語を覚えるのは諦めた(笑)
システムの仕組みを十分理解しているかをまずチェックし、それでも暗記の必要な項目は、隙間時間に繰り返し参考書を読み返す&見返すことで補った。

1~2回参考書をしっかり読み込んだ後、3回目以降は1ページあたり2~3秒の速いペースで同じ参考書を読むことで、プロセス名やV$ビューの名前など覚えにくい用語に繰り返し触れることができ、単語を定着させやすくなった。
この方法は後半が楽で忘れにくいので、少しおすすめ。

ORACLE MASTER Silver取得に適したタイミング

記憶力があると有利なので、なるべく早め取得するといい

データベース構築やチューニングに日常的に携わっている方なら、実務経験が1年前後でも受験できると思う。運用保守畑在住だった私は、Oracleを実務で使い始めて3~4年が経過した頃にようやく受験し、それでも合格ラインギリギリだった。

だが、Oracle初心者でも、学習を開始して1年以内にORACLE MASTER Bronze・Silver・Goldの3つを取得した女性を知っているので、経験が浅くてもやる気と記憶力次第で取得できるはず。

Oracleデータベースが有する機能について幅広く問われ、細かい機能の暗記もそれなりに必要とされる資格なので、どうせ受験するなら、なるべく早くて若い方がいい。記憶力の低下する30代半ば以降は、やや不利になる。

ORACLE MASTER Silver 11gと12c どちらを受験すべきか(2018年時点の情報)

ここから下は、新試験制度ができる以前の情報なので、情報が結構古い。2022年時点では、試験制度そのものが新試験制度に変わっているので、オラクル社の公式サイト等で最新の情報を入手されることをおすすめする。


2018年以降に取得するなら、12cがいい。

オラクルマスターという資格には、国家資格とは違い資格に有効期限があるので、後々のことを考えると12cで取る方が資格を長く使える。オラクルマスターの取得に万単位のコストがかかることを考えると、少しでも長く使って元を取る方がいい。

しかも11gは、2018年1月にExtended Supportが切れ、Sustaining Supportへと移行してしまった。

ORACLE社のベンダーサポートはPremier Support → Extended Support → Sustaining Support の3種類で、Sustaining Supportはサポートの終末期。他のミドルウェア製品とは異なり、Sustaining Supportはサポート無期限という好待遇で、既存の脆弱性に対するパッチは適用されるしサービスリクエストで問合せもできるが、新規で見つかった脆弱性のパッチは提供されない

Sustaining Supportに入ると、企業様は予算や他のソフトとの兼ね合いで、新サーバの購入&移行を行い、移行ついでに新しいバージョンでOracleデータベースをサーバに入れる。そのようにして、じわじわと12cのOracleデータベースが増えていくだろう。ただ、11gから12cに移行する際保守料金が上がってしまう企業様がいるため、11gから12cへの移り変わりは流れが緩やかだ。

ちなみに2018年現在では今のところ、勤務先では11gユーザ様が大多数。1割が12c、1~2割が10g、9iはゼロ、残りが11gという比率。そろそろ12cが増えてきてもおかしくないので、これから取得するならORACLE MASTER 12cの方がおすすめ。

そして、12cを勧めておいて何だが、11gでオラクルマスターを取っても無駄になるわけではない。
オラクル社のsustaining supportは無期限で、サポート切れがない(=困った時Oracle社が助けてくれる)。ので、セキュリティにうるさくないお客様の中には、11g(バージョン11.2.0.4)を使い続ける企業様もそこそこいると思う。

ORACLE MASTER Silverは取得した方がいいか(おすすめの資格か)

Oracleデータベースを実務で使うなら、心の底から取得推奨

ORACLE MASTERもSilverに至ると、Oracleデータベースを実務で使わない方は、取得する意義が薄い。
ORACLE MASTERは、10g・11g・12cなどのデータベースのバージョンごとに受験するので、取って1~3年のうちに使わないなら、製品バージョンの方が進んでしまって、せっかく身に付けた知識が陳腐化して時代遅れになってしまう。

将来データベース系の仕事につきたいだけであれば、情報処理技術者試験などの国家資格系を狙うか、windows server 2016などサーバ系の資格を取る方が、他の分野に使い回しが効くと思う。(ただ、私がデータベースの仕事を始めた時、サーバ保守未経験&データベースもほぼ未経験で、資格も応用情報処理技術者があるくらいだった…)

ORACLE MASTER以外のデータベース系資格

データベースの知識や技術を身につけたいなら、応用情報処理技術者試験・データベーススペシャリストのいずれかをおすすめする。

どちらも難しい資格だが、情報処理系の国家資格で、特定のデータベースに依存しない知識が身につくので、汎用性が高い。
1回の受験料が5700円と安く、取得した資格に有効期限もないので、ベンダー資格とは比較にならないほど、費用対効果がいい
過去問も公式サイトに10年分以上無償で公開されている。過去問と答えが掲載されており、解説は確かついていなかったと思う。

「応用情報処理技術者試験」は、IT関連技術を幅広く問う試験だが、選択できる分野の1つにデータベースがある。
ここでデータベースを選択すると、SQLや正規化やトランザクションなどデータベースの仕組みの基礎を学ぶことができる。
但し、応用情報処理技術者の資格を取りたいなら、プログラミングやネットワークなど別分野の知識や経験も必要。学習範囲が広いので、データベースを学ぶだけでは取得は難しい。が、「とりあえずデータベースについて手っ取り早く学びたい!」という方には、とっつきやすいとは思う。

「データベーススペシャリスト試験」は、応用情報処理技術者の上位資格で、情報処理系国家資格の最難関の1つ。出題範囲は、データベースに特化している。ORACLE MASTERと異なり、出題範囲はデータベースの設計・開発系の比率が高いので、DB構築・運用経験者よりDB開発経験者の方が有利だと思う。DB開発でよくあるデータベースのテーブル設計の問題は、データベーススペシャリストでは見かけるが、ORACLE MASTERでは出題された記憶がない。
試験は年1回、毎年春にしか開催されない。データベーススペシャリストは私も未取得なので、取得に向けて現在進行形で修行に励んでいる…。

以前は、「MCAデータベース」というマイクロソフト社の入門レベルのデータベース資格も存在したが、残念ながら、2014年でサービスを終えている。

ORACLE MASTER 11gの失効期限

オラクルマスターという資格には、TOEICのように、その資格が有効である期間が限られている。
2018年10月現在、ORACLE MASTER 11gの失効日はまだ設定されていないようだ。11gと12cが、現在オラクル社の認める「最新バージョン」であるとされている。

参考
ORACLE MASTER データベース資格者の方へ 重要なお知らせ

11gは、Oracle社のExtended Support(延長サポート)が2019年1月末で切れ、最もサポートレベルの低いSustaining Supportへ移行する。ORACLE MASTER 11gが失効するのは、少なくともOracle 11gがSustaining Supportへ移行し、しばらく経ってからだろうと思う。(データベース製品より先に資格が失効するという馬鹿げたことは、さすがにオラクル社はしてこないはず)

Websphere Application Server8.5.5.xとJAVA1.71(JAVA1.8)のバージョンアップにおいて考慮すべき点(メモ)

遅ればせながら、2017年にWebsphere Application Server(略して、WAS)の7.0.0.xxから8.5.5.9へのバージョンアップと、Websphere Application ServerのJAVA1.6からJAVA1.7.1へのバージョンアップの要件定義・計画を行ったので、バージョンアップ実施までに考慮した事柄をメモ。
言葉足らず・説明足らず・考慮不足があると思うので、利用される方はご注意を。

目的

Websphere Application Server(WAS)内部で使われているJAVAのうち、JAVA1.6が2018年04月30日にサポート切れになる。JAVA1.7もしくはJAVA1.8へのバージョンアップが必要なため。

参考:
WAS V7/V8 サポート終了 およびWAS V8.5同梱のJava 6/7のサポート終了について
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=jpn1J1013265

バージョンアップを行うOS・ミドルウェア・ソフトウェアの範囲

WAS → VerUp(WAS8.5.5.x & JAVA 1.71へ)
 + サーバOS → Stay(現OSバージョンのまま)
 + ORACLE → Stay(現JAVAバージョンのまま)
 + 自社開発アプリケーション → Stay(現JAVAバージョンのまま)

WASのJAVAのみバージョンアップを行い、他のミドルウェア・他のアプリのJAVAは更新しない。サーバOSのバージョンアップやサーバの構成変更も実施しない。

WAS リリーススケジュールの確認

WASバージョン リリース日 自社開発アプリの評価 IBMが推奨するか 備考
WAS8.5.5.9 2016/03/18 評価済(JWSLT) 推奨する ★着地バージョンの最有力候補
WAS8.5.5.10 2016/08/15 未評価 推奨する
WAS8.5.5.11 2016/12/23 評価済(JWST) 推奨する
WAS8.5.5.12 2017/07/21 評価済(JST) 推奨する
WAS8.5.5.13 2018/02/05 未評価 推奨する

IBMが推奨するWASバージョンの一覧(英語)
Recommended updates for WebSphere Application Server
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg27004980#ver85_0

結論:WAS&JAVAの着地バージョン

JAVA:1.71
WAS:8.5.5.9
自社開発アプリ:2017/12か2018/01の最新モジュール

バージョンアップ検討案

第1案:WAS8.5.5.11かWAS 8.5.5.12へバージョンアップし、JAVA 1.8をインストールしてJAVAの切替を行う

最も理想的な案。だが、WASのJAVA 1.8はWindows Server 2008(windows server 2008 R2を含む)をサポートしておらず、Windows 2008を利用している企業が半数を占める現状では、採択できなかった。

また、WAS 8.5.5.11でGUI画面からインストールすると、デフォルトのJAVAがJAVA1.8になる、という情報↓がある。

Installing Java SDK 8.0 on WAS 8.5.5.x
https://www.ibm.com/developerworks/community/blogs/aimsupport/entry/Installing_Java_SDK_8.0_on_WAS_8.5.5.x?lang=en

インストール時に表示される画面がWAS8.5.5.3インストール時の画面から変わったのであれば、WAS 8.5.5.11 以上を入手した後、社内サーバで動作検証を行った上で、社内のWASインストールマニュアルを変更しなければならない。しかしながら、検証とマニュアル更新を突貫工事で行い、バージョンアップ実作業に間に合わせるのは、少し無理があった。
→後日WAS8.5.5.12を社内検証サーバにインストールしたところ、JAVA7orJAVA8へのバージョンアップを推奨する画面が1枚追加されていただけで、インストール手順は今までとほぼ同じ。インストールされるJAVAも、JAVA6だった。

第2案:WAS 8.5.5.9へバージョンアップし、JAVA 1.71をインストールしてJAVAの切替を行う

WAS 8.5.5.9は、JAVA 1.6・JAVA 1.71・JAVA 1.8の3種類のJAVAが利用可能で、柔軟性が高い。Windows Server 2008・2008 R2・2012・2012 R2 のいずれのOSでも利用OK。
最も現状に即していたため、客先はこの第2案を採択。
(WAS 8.5.5.9は、WASインストール時のデフォルトがJAVA 1.6、オプションでJAVA1.71を利用できる。更に、このバージョンからJAVA1.8もサポートされる)

第3案:WAS 8.5.0.xへバージョンアップし、JAVA 1.70をインストールして、JAVAの切り替えを行う。

JAVA 1.6・JAVA 1.7の2種類しかサポート範囲に含まれないが、バージョンアップするサーバ台数が少なくて済むというメリットがある。
だが、WAS 8.5.0.xにはクリティカルな脆弱性があるそうで、開発チーム・ミドルウェア出荷チームから激しい反発にあい、JAVA1.70は出荷すらして貰えなかった。この案は採択できず。
(JAVA 1.71はWAS 8.5.5.2以降しかサポートされないため、WAS 8.5.0.xはJAVA 1.70しか選択できない)

第4案(補欠):WAS 7.0.0.xxのまま、JAVA 1.70をインストールして、JAVAの切り替えを行う。

計画と準備に手間と時間がかかるWASバージョンアップを行わずに済むので、トータル作業時間が最も少ない案。
但し、WAS7.0とJAVA1.7の組み合わせはIBMのサポート範囲外のため、実装できるかどうかや、正常に動作するかどうかは分かっていない。
社内検証だけでも試してみたかったが、採択できず。

超重要!な注意事項

IBMは、Windows Server 2008 OS × Websphere Application Server JAVA1.8 の組み合わせをサポートしない

JAVA1.8を使うのであれば、Windows Server 2012もしくはWindows Server 2016へのOSバージョンアップが必須。

windows server 2008の延長サポートは2020年1月14日まで提供されるが、WASのJAVA 1.7のサポートは2019年9月30日で切れるので、OSより先にWASが(マルウェアを覚悟しないと)使えなくなってしまう。

JAVA1.7.1の初期バージョンには、致命的な不具合がある

WAS8.5.5の各Fix Packの紹介ページに1行だけ注意書きが付されているが、JAVA1.7.1の初期バージョンには、WASが起動できないという致命的な不具合がある。


Known side effects

WebSphere Application Server 8.5.5 may not start when using Java 7 after upgrading to fix pack 2 or later. See Technote for more details.

<日本語訳>
(本FixPackの)既知の副作用

JAVA7を用いてFix Pack2以上にアップグレードすると、WAS 8.5.5が起動しないことがあります。詳細はテクニカルノートを参照のこと。


この不具合は、JAVAをJAVA7.1.4以上にバージョンアップすると解消する。JAVA7.1.4は、WAS8.5.5.12以上のFixPackと同時に出荷されている。
WASと、そのWASに対応するJAVAは同時に出荷されるが、JAVAだけを切り離して適用しても差し支えない。そのため、WAS8.5.5.2以上のWASに適用するJAVA7は、WASのバージョンに関わらず、JAVA7.1.4以上となる。

本不具合の詳細については、下記のURLより確認できる。

JAVA7を用いてFix Pack2以上にアップグレードすると、WAS 8.5.5が起動しないことがあります(英語)

WebSphere Application Server 8.5.5 may not start when using Java 7 after upgrading to fix pack 2 or later, with APAR PM97140
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg21692797


Problem(Abstract)
After upgrading WebSphere to 8.5.5 fix pack 2 or above, if a server is using Java 7 and the optional Java 7 service release is not also updated (as recommended), WebSphere will fail to start.

Symptom
WebSphere fails to start after upgrade and native_stderr.log has the following error message:

JVMJ9VM007E Command-line option unrecognised: -Xcheck:dump
Error: Could not create the Java Virtual Machine.
Error: A fatal exception has occurred. Program will exit.

Cause
APAR PM97140 introduced -Xcheck:dump to the application server arguments which requires a minimum of Java 7 SR4.

Resolving the problem
Upgrade the optional Java 7 to the recommended version to match the WAS upgrade: https://www-304.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg27005002

<日本語訳(抜粋)>

障害(概要)
WAS8.5.5 fixPack 2もしくはそれ以上を用いてアップグレードした後、サーバがjava 7 を用いており、かつ、オプションのjava7 サービスリリース(?)を更新していなければ、Websphereが起動に失敗します。

(中略)

原因
(文章前半は訳せない) ..最低でもjava7のSR 4が必要です。

問題の解決
JAVA 7を推奨バージョンまでアップグレードし、WASのアップグレードに合わせて下さい。


windows OSでWAS8.5.5.9とJAVA1.7.1.0.0の組み合わせを社内検証した際、プロファイルが新規作成できず、DmgrとNodeAgentのサービスが両方とも起動に失敗するという、悲惨な目に遭った。
JAVA7.1.4が手元になかったため、手元にある最上位バージョンだったJAVA1.7.1.3.60を上書きインストールすると、どちらのサービスも正常に起動できるようになった。
上記の不具合と直接の関係はないのかもしれないが、初期出荷のJAVA7.1は十分警戒した方がいい。

一度に2種類のJAVA7はインストールできない

JAVA 7.1.0.0がインストールされているWAS 8.5.5.9にJAVA 7.1.3.60をインストールすると、JAVA 7.1.0.0が上書きされてしまった。JAVA6とJAVA7は2つ同時にインストールしておくことができ、managesdk.batで使用するJAVAを切り替えることができるが、JAVA7同士は同時にインストールしておくことができないようだ。

先にインストールしたJAVA 7.1.0.0フォルダをリネームしてから2種類目のJAVA 7.1.3.60をインストールし、2種類のJAVA 7を無理矢理共存させる方法は、採れなくもない。
ただその場合、Installation Managerが先にインストールしたJAVA 7.1.0.0を認識できなくなるのではないかと懸念している。

WAS バージョン検討の詳細

WASバージョン JAVAバージョン 使用可否 考慮事項
8.5.5.11~ JAVA1.71 or JAVA1.8 NG WASがデフォルトで使うJAVAとしてJAVA 1.6もしくはJAVA1.8のどちらかをインストールでき、JAVA1.71をオプションとして選択できる。JAVA1.6が2018/04/30にサポート終了(EOS)することを踏まえると、①JAVA1.8でインストールする、②JAVA1.6でインストールして4月末までにJAVA1.71へバージョンアップする、の二択。但し、JAVA1.8はWindows Server 2008をサポートしない。また、GUIモードでインストールするとデフォルトがJAVA1.8になる。(コマンドラインを用いたインストールであれば、JAVA1.6かJAVA1.8を選択できる)
8.5.5.10 JAVA1.71 or JAVA1.8 NG 自社開発アプリが未検証
8.5.5.9 JAVA1.71 or JAVA1.8 OK
8.5.5.3~8.5.5.8 JAVA1.71 OK
8.5.5.2 JAVA1.71 NG Solaris/ HPでJAVA1.7を利用できないのでNG
8.5.0.x JAVA1.70 NG 自社開発アプリがJAVA1.70をサポートしないのでNG
7.0.0.x JAVA1.6 NG 2018年4月末以降IBMがサポートしないのでNG

WAS8.5.5.11以降
デフォルトがJAVA1.8。
コマンドラインモードでインストールするのであればJAVA1.6を利用でき、JAVA1.7をオプションで選択できる。
本来はJAVA1.8でインストールし、一時的にJAVA1.8→JAVA1.7のバージョンダウンすべきだが、バージョンダウンは未検証なので、現時点では使用不可。

WAS8.5.5.9
デフォルトがJAVA1.6かJAVA1.8。JAVA1.7をオプションで選択でき、WASバージョンアップなしにJAVA1.8を利用できる。
本来はJAVA1.8でインストールし、一時的にJAVA1.8→JAVA1.7のバージョンダウンすべきだが、バージョンダウンは未検証なので、現時点では使用不可。

WAS8.5.5.2以上(実質8.5.5.3↑)
JAVA1.71インストールが可能になる

WAS8.5.0.x
JAVA1.70しかインストールできない

Installing optional Java 7.x on WebSphere Application Server 8.5
https://www.ibm.com/developerworks/community/blogs/aimsupport/entry/installing_optional_java_7_x_on_websphere_application_server_8_5_0_0?lang=en

————————————————–
・Java 7.0 was shipped as an optional feature that can be installed with WAS v8.5.0.0
・Java 7.1 is shipped with WAS v8.5.5.2 (in a full installation) which can be installed as an optional feature on WAS v8.5.5.2 or higher (not available for WAS running on Solaris/ HP)
————————————————-
訳文

・java7.0はオプションの機能として出荷され、WASのバージョン8.5.0.0でインストールできます。
・java 7.1はWASのバージョン8.5.5.2とともに出荷され、WAS8.5.5.2かそれ以降のバージョンで、オプションの機能としてインストールできます。(但し、ソラリスやHPで稼働しているWASには、ご利用頂けません)

(和訳文はブログ管理人が作成)
———————————————-

JAVA1.8はWAS8.5.5.9以上が必要
————————————————–
WAS traditional V8.5でJava 8をサポートするには、少なくとも8.5.5.9またはそれ以降のフィックス・パックが必要であり、
Java 7.1であれば8.5.5.2またはそれ以降のフィックス・パックが必要であり、
Java 7.0であればV8.5.0.0からサポートされています。
————————————————–

WAS8.5.5.11以降は、デフォルトがJAVA6かJAVA1.8でインストールされる
Installing IBM WebSphere SDK Java Technology Edition Version 7.0 or 7.1 using the GUI
https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/en/SS7K4U_8.5.5/com.ibm.websphere.installation.nd.doc/ae/tins_installation_jdk7_gui.html

自社開発アプリ側はWAS8.5.5.11で評価、お客様にも案内

8.5.5以降 デフォルトJAVA1.6
8.5.5.2以降 オプションでJAVA1.71インストールok WAS8.5.5.2は一部OSがサポート外
8.5.5.11以降 デフォルトJAVA1.8
 ->WAS8.5.5.3~8.5.5.10がベスト

自社開発側のJAVA1.8対応が済んでる?? -> 済んでたらwindows2012のみJAVA8、windows2008はJAVA7でインストール&稼動
自社開発側のJAVA1.8対応が済んでない -> windows2012・windows2008ともjava7でインストール&稼動

現在、windows2012の自社アプリはJAVA1.7.011で稼働中。WASはJAVA1.6で稼動

WAS8.5.5.2 JAVA7.1とRED HAT LINUX5との組合せがNG
H社はRED HAT LINUX6でセーフ
N社はDBサーバがRED HAT LINUX5だが、APサーバはwindowsOSなのでセーフ

JAVA SDK7.1のインストール

インストール手順書
 インストール + JAVA切替 が必要
 JAVA1.6とJAVA1.7とJAVA1.71はそれぞれ別フォルダにインストールされるため、同時に存在でき、切り替え・切り戻しが可能
 インストール&切替手順は別記事で記載

SDKモジュール
WAS8.5.5.9に付属なし
SDKモジュールをMW出荷担当部署からに送って貰う

Oracleバージョンアップ

Oracle 11.2.0.3以下 -> 11.2.0.4
 具体的な手順書は別記事で記載
 既存環境に上書き適用ができず、実質的に新規インストール+α
 実績少ない
 適用モジュール不明 ★要対応
   >>Oracleパッチ適用の手順は、
   >>(1)現行のOracleインストールフォルダをリネーム
   >>(2)新たにOracle11.2.0.4をインストール
   >>(3)設定ファイルを移行
   >>(4)各インスタンスにアップグレード処理を実行
 HDD空きは、全環境のフルDMP + 10~20GB
 11.2.0.4で新規作成した方が早いかも…?

Oracle 10g->11g、10g->12c、11g->12c
 通常のインストール手順書で代用

全工程WBS作成

Oracle + WAS(7->8.5.5 or 8->8.5.5) + TLS1.2対応 で作成

参考リンク

Installing IBM WebSphere SDK Java Technology Edition Version 7.0 or 7.1 using the GUI
https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/en/SS7K4U_8.5.5/com.ibm.websphere.installation.nd.doc/ae/tins_installation_jdk7_gui.html

————————————————–
Starting in version 8.5.5.11, you must install either Java SE 6 or Java SE 8 as the version of Java SE contained in the /java and /java64 directories in WebSphere Application Server and used by default during server and node configuration. Java 8 is the recommended Java SDK because it provides the latest features and security updates. You can continue to use Java SE 6, but no service can be provided after the end of support in April 2018, which could expose your environment to security risks.
————————————————–

Installing IBM WebSphere SDK Java Technology Edition Version 7.0 or 7.1 using response files
https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/en/SS7K4U_8.5.5/com.ibm.websphere.installation.nd.doc/ae/tins_installation_jdk7_silent.html

Switching to Java 7.0 SDK in WebSphere Application Server
https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/en/SSWLGF_8.5.0/com.ibm.sr.doc/twsr_java17.html


8.5.5.9: WebSphere Application Server V8.5.5 Fix Pack 9
http://www-01.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg24041819

ORACLE MASTER Bronze 11g 独学で一発合格した勉強法など

Oracleデータベースの世界の水先案内人が、ORACLE MASTER Bronzeという資格。 データベースの世界に入って1年弱が過ぎた頃に、独学でORACLE MASTER Bronze 11gを取得できたのでメモ。

ORACLE MASTER Bronzeとは

「ORACLE MASTER」は、Oracleデータベースの体系的な知識を持ち、Oracleに関する問題を解決に導くことができる技術者を認定する資格制度。

上位資格に ORACLE MASTER Silver・ORACLE MASTER Gold・ORACLE MASTER Pratinumの3つがあり、Bronze → Silver → Gold → Pratinumの順に難易度が上がる。
ORACLE MASTER Silver以降は日本国外でも通用する資格として認定され、取得するとOracle製品に対し一定の技術力を有することを、全世界に証明することができる。

ORACLE MASTER Bronzeに認定されるには、2つの試験を受験し合格することが必要。

  • 「11g SQL基礎I[11g SQLI] (1Z0-051)」もしくは「Bronze SQL基礎I[Bronze SQLI] (1Z0-017)」のどちらか1科目
  • 「Bronze DBA11g」

「Bronze DBA」はOracle Database の基本的な仕組みと機能を理解するための試験。「SQL基礎I」 はデータベースと情報をやり取りするための標準言語であるSQL(読み方:エスキューエル)の基礎を身につけるための試験。

SQL基礎Ⅰの試験はどちらを選択しても、試験会場で受験するか、インターネット上で受験するかを選択することが可能。

Oracle Master Bronze 学習開始時点の所持スキル

データベースの経験年数:10ヶ月半

 OracleデータベースとSQLは、実務で10ヶ月半。
 Microsoft Access 2003 は座学で一通り学び、実務でデータ閲覧とレコード修正をやったことがある程度。
 select/delete/insertなどの基本的なSQLは作れるが、unionやleft joinなどは使えない。

その他システム系の実務経験

 セキュリティ・ネットワークに加え、Windows系アプリケーションを一通り使用した。
 ハードウェアと開発の経験はゼロに等しい。

ORACLE MASTER Bronze「Bronze DBA11g」の勉強法

  • 学習期間:2ヶ月
  • 使用した問題集:「徹底攻略 ORACLE MASTER Bronze DBA11g問題集」(通称:黒問題集)

Oracle製品の織り成す世界は、WindowsOS・Microsoft Office・各種業務ソフトのどれにも似ておらず、実務を多少経験していても、Oracleデータベースの仕組みやOracle専門用語に慣れるのに手間取った。
インスタンスとメモリやプロセスの関係やSGAとPGAの違いなど、用語だけは時折耳にしていても、改めて仕組みを問われると答えに窮した。

読むだけのテキストは購入せず、黒本と呼ばれる「徹底攻略 ORACLE MASTER Bronze DBA11g問題集」のみを購入し、3回解いた。(Oracleに限らずどの資格にも言えるが、ひたすら読むだけの本より問題を解くタイプの本を購入した方が、知識の定着が早い)
問題も漫然と解き進めるのではなく、1問ごとに、正解なら「◯」、不正解なら「×」を付けておき、「×」が3つ溜まった問いは理解が不足している部分なので、問いの周辺にある用語や背景となる知識も調べ、覚えるのではなく理解するよう心掛けた。

それ以外にも、聞いたことのないOracle用語が黒本には頻繁に登場した。近い将来ORACLE MASTER Silverの取得を視野に入れていたので、見慣れない用語が登場した場合は、時間の許す限りインターネットで調べるようにしていた。

Enterprise Managerは実務で使用する予定がないので、さらっと眺める程度で深くは学ばず、設問に出ても答えられないことが多かった。

ORACLE MASTER Bronzeの取得後、どう活用したか

実務にすぐさま役立つ

前の職場に所属していた時から「ORACLE MASTERの資格は社内外で評価が高い」と聞いており、ブロンズに認定された後後改めて思うのが、ORACLE MASTERはOracleデータベースの実務で使う知識が試験内に網羅されている、ということだ。

ベンダー資格の強みでもあると思うが、特定の製品かつ特定のバージョンに特化して学ぶので、実務でその製品を使用していれば、学んでいる段階(資格未取得の状態)でさえ知識を生かすことができ、問題解決にかかる時間が短くなった

ただ、自己解決出来るのは、シンプルなエラーが多い。
ハードディスクの破損によるデータ欠損や、インスタンスがMOUNTより先に進まず起動出来ないトラブルなど、複雑かつ難易度がやや高いトラブルは、リスナーログとアラートログを取得してORA-xxxxxのエラーを調べるのがせいぜいで、独力ではトラブル解決出来なかった。

定型的なタスクを中心とした業務が仕事の大部分ならORACLE MASTER Bronzeで十分だが、障害対応をバリバリ行うならBronzeだけでは心もとなく、Bronze取得にかけた時間の何倍も実務経験を積み上げるか、ORACLE MASTER Silver取得に進むことが必須。

社内の評価が良くなった

今の勤務先は年に2度多面評価が行われ、その評価を元に年収が確定するが、 Bronze取得後は2回連続で高評価を頂けた。

年収が数十万円増えた

ORACLE MASTER Bronze以外の要因も大きいのだが、 ORACLE MASTER Bronze取得後に2年程かけて年収が徐々に上がった。(その後身体を壊し、1年間くらい収入が半減したが、また元の年収に戻った)

補足情報:ORACLE MASTER SilverとORACLE MASTER Platinumについて

ORACLE MASTER Bronzeは、ORACLE MASTER Silverより重要

ORACLE MASTER Bronzeを取得した3年後に、Oracle Master Silverを取得した。(時間が空いてしまった理由は、仕事の都合。可能であれば、Bronze取得後記憶が薄れないうちに、Silverに取りかかる方が有利だと思う)

ORACLE MASTER BronzeはOracleデータベースの基本的な仕組みが一通り紹介されている印象を受けたが、ORACLE MASTER Silverは学ぶ内容がより深くなっているものの、「この機能はどこの企業も使ってないし、今後も使う予定がない」的な機能紹介もそこそこ含まれている。(AUDITコマンドなどは使っている企業様を見たことがないし、Oracle ASMもごく僅か…)

ORACLE MASTER Silverの方が学びが深く、障害時に絶大な力を発揮することは、実体験の上でも間違いない。だが、Silverの知識は明らかにBronzeの知識の上に乗るものなので、ORACLE MASTER Bronzeの知識をあやふやにせずきっちり理解し、実務経験で肉付けしておくことが、結局はORACLE MASTER Silverや一人前のデータベース技術者への近道になるだろうと思う。

ORACLE MASTER Platinumが取得できる環境

先日、Oracleについて抜きんでた技術をもつ企業様と話す機会があったので、どういった研修制度を敷いてらっしゃるのか尋ねてみた。この企業様には、ORACLE MASTERの最上位であるプラチナホルダーが何人も在籍している。

企業様曰く、企業の側で行うのは、資格支援の仕組み(試験料を負担し、合格時には一ケタ万円くらいの報奨金を出す)を作り、今年度の資格目標数を通達することくらいらしい。

それ以上に、社内に既にプラチナホルダー(「鬼教官」と表現されていた)がいて、プラチナ未取得者が望む望まないに関わらず、勝手に周りをしごいていることの方が効果が大きいらしい(笑)

人を育てるのは人。そう感じさせるエピソードだった。