モチーフ | 四角柱の木片 |
使用画材 | 画用紙(裏面)、三菱鉛筆uni、練り消しゴム |
製作場所 | Aスクール |
完成日 | 不明 |
モチーフについて
今回のモチーフは、年輪のある木片を、30cmほどの高さの四角柱になるよう切り揃えたもの。
木のモチーフの特徴である、木目がはっきり見えるように、切り口が考慮されていた。木の横断面に同心円の美しい年輪が見えており、縦断面には節が2~3あり、側面には自然なひび割れまで生じているという、木の特徴がこれでもかとまで詰まった素敵なモチーフだった。こうしたモチーフが用意されておりデッサン習得に使えるのは、美術に特化したスクールならではのメリットだと思う。
描き方について
ひび割れ以外は四角柱の形なので、形を取るのは、さほど難しくない。
木材の全体の形が取れたら、木の色を出すのにまず苦労した。手近にある木製製品をご覧頂けるとよく分かるが、工業製品に比べ、色の濃いところと薄いところの差が少ない。木全体も木目も、彩度に工業製品ほど差がなく、色相にも大きな差はない。木の色は濃すぎず薄すぎず、全体的に同じような色をしているので、何も考えずに塗ると、のっぺりしてメリハリのない絵になる(既になっているが…)。
ひび割れや影を、4B以上の濃い鉛筆で描いておけば、よりメリハリのある、見栄えのする絵になると思う。Aスクールの先生によく、「『10番目の黒』を使いなさい」とご指導頂いたのを思い出す。「10番目の黒」とは、鉛筆1本で濃淡を作る練習の時に登場する、その鉛筆の作れる最も濃い黒色のこと。濃い黒・強い黒をキャンバスに置く度胸がなく、画面全体がメリハリのないグレー一色になりがちな私にとって、非常に的確なご指摘だった。この絵でも10番目の黒は登場しておらず、H・HB鉛筆をメインに据え、節や木目の部分を中心に濃い色を足す程度に落ち着いている。
木目を描いていくのは、面白い作業だった。木など自然界からやって来たものは、工業製品とは異なり、木目や節の位置が多少ずれていても鑑賞者にはバレないので(笑)、少し気楽に描くことができた。美しい木目が多かったので、年輪の箇所を中心にもう少し濃く描いても良かったかなとも思う。
改めて眺めると、影や陰の濃さが足りていないことも気になる。ひび割れが無い方の側面は、この木の持つ面の中で最も光が当たらない部分の面なので、そうと分かるよう濃さを足すべきだった。