「キャリアを200%アピールできる職務経歴書の書き方」上明戸聡

古い本だが、「キャリアの途中に契約社員・派遣社員がある」「転職回数が多い」など、職務経歴が複雑な方におすすめ。

「キャリアを200%アピールできる職務経歴書の書き方」の説明

職務経歴書の書き方の基本を押さえたうえで、応募職種別(営業・技術・企画等)、職務経歴書の種類別(編年体・キャリア体)に職務経歴書の書き方が説明されている。

転職書類=手書きを前提として記述されているが、現在は選考書類の大半がパソコンでの作成を前提となるので、この点は無視してお読み頂く必要がある。
1998年出版。

「キャリアを200%アピールできる職務経歴書の書き方」の感想

1998年出版というかなり古い本だが、現在においても、職歴が複雑すぎる方におすすめできる。

職務経歴書の実例が多様

職務経歴書の記入例がとにかく豊富で、20~30くらい実例が掲載されているので、就職活動に不慣れな人間は大いに助けられた。

ただ数が多いだけではなく、「キャリアの浅い方」「社歴の長い方」「転職回数の多い方」「未経験者」など、多種多様な応募者の状況に合致するように、履歴書・職務経歴書のバリエーションが用意されている。どの方にも、自分の経歴を説明するのに最も適した職務経歴書の実例が見つけられるのではないかと思う。

派遣社員の職務経歴書の書き方

私はキャリアの途中で派遣社員を経験している。派遣社員の場合、在籍企業はそのままで勤務先と職種がたびたび変わるので、正社員の記載例に合わせて職務経歴書を記入していくと経歴が多様になりすぎて、一見転々と職を変えているように見えるため、どう書けば良いやら分からず困り果てていた。

この本を読み込み、職務経歴書記入例をあれこれ比較・検討をして初めて、会社ごとではなく職種ごとに項目を作成するキャリア体の職務経歴書が自分に最も適していることが分かった。

また当時は、未経験の職種に進む予定だったたので、自己PR欄を設けて志望理由を明記し、書類選考の時点で自分の考えと意欲を相手企業に伝える必要があることにも気付かされた。

そうして職務経歴書を書き直してからは、無事書類選考を通過できるようになった。この本のお陰である。

余談 ~人生で最も重要な書類~

転職前に読んだ本に、

履歴書と職務経歴書は人生で最も重要度の高い書類です。この書類の良し悪しで、将来のチャンスと給与が決まります」

と書かれていたのを覚えているが、今はその言葉の重さを肌で理解できる。

それなりに良さそうな履歴書と職務経歴書が書けないと正社員にすらなれず、どれだけ能力があっても正社員になれなければチャンスすら与えて貰えないのが、日本という国の現在の仕組みだ。

相変わらず、職務経歴書を書くのも面接で喋るのも苦手だが、採用選考という面倒なものが避けて通れない以上、なるべく人生の早いうちに、自分に適した職務経歴書の書き方をマスターしたいものだと思う…。