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映画「アナと雪の女王」の主題歌”Let It Go” の英語詞に使われている英単語の意味と発音記号

映画「アナと雪の女王」の主題歌”Let It Go”は、歌詞に韻が多用されており、とても美しい。
松澤喜好氏「英語耳ドリル」の学習方法では、洋楽を学習教材にでき、洋楽の歌詞カードを作成する必要があるのだが、せっかくなので紙ではなくwebページで簡易版を作成してみることにした。

歌詞には著作権がある関係で、歌詞全文を私が翻訳することは許されないが、歌詞の英単語リストについては著作権に無関係なので、Word等に自由にコピーして使っていただいて構わない。主に自分用のメモ書きだが、英語学習同志の方の一助になれば幸い。なお、作成者がうっかり誤っている可能性もあるので、使用は自己責任でお願いします。

作成者の英語レベル

TOEIC850。(2012年に受験したきりだが…)
2022年現在、仕事で毎日データベース系の技術文書(英語)を読んでいる。
過去には、アストラゼネカ社での日本語&英語のテクニカルサポートやシャープ株式会社の社内文書の翻訳を経験している。ビジネス英語の読み書きは問題ないが、話すのはどちらかというと苦手(そもそも日本語を話すのも苦手!)。

映画内で”Let It Go”が歌われているところの動画

ディスニーさんが、映画「アナと雪の女王」の中で、エルサが「Let It Go」を歌っている箇所を動画にして抜粋下さっていたので、下記にYouTubeのリンクを掲載する。

Let It Go Sing-along | Official Disney UK
https://www.youtube.com/watch?v=L0MK7qz13bU

作詞・作曲は、クリステン・アンダーソン=ロペス氏、ロバート・ロペス氏。

まずは、美しい曲と詞をご堪能下さい♪ 私もテレワーク中に何度も聴きました(笑)

“Let It Go”の歌詞に用いられている英単語の意味・発音記号

書籍「英語耳」の読者様方には、何といってもまず英単語の発音100回だよな!ということで、歌詞の蘊蓄より先に英単語リストを記載する。皆様、ともに発音100回頑張りましょう。
発音記号は、weblio英和辞典や英辞郎on the webのサイトから引用させて頂いた。アメリカ英語の発音を採用し、書式は「英語耳」により近いものを採用している。

場所 単語 発音記号 意味
1番 footprint [fútprìnt] 足跡
1番 howl [hául] 遠吠えする、唸る
1番 swirling [swˈɚːl] 渦を巻く
1番 conceal [kənsíːl] 隠す、秘密にする
1番 hold back [kənsíːl] 隠す
1番 slam [slǽm] バタンと閉める
1番 rage [réɪdʒ] 激怒する
1番 rage on 怒り狂う、荒れ狂う
2番 control [kəntróul] 操作する、制御する
flurry [flə́ːri] [動詞](雨や雪が)さっと(わずかに)降る
[名詞]にわか雪
spiral [spáirəl] [動詞]らせん(渦巻き)状にする
frozen [fróʊzn] freeze(氷が張る、凍る)の過去分詞形
fractal [frǽktəl] フラクタル
→雪の結晶や氷の結晶のことを指している。フラクタルは幾何学の用語で、ある形を繰り返すと全体の形が作られるとき、その形はフラクタル構造を持っていると言うらしい。自然界によく見られる構造で、雪の結晶や野菜のカリフラワーやブロッコリーなどもフラクタル構造をしている
all around [ɔːl əráund] あたり一面に、至る所に
crystallize [krístəlàiz] 結晶化する、(考えなどが)具体化する
icy [άɪsi] 氷の
blast [blǽst] 強いひと吹き、突風
dawn [dɔːn] 夜明け、暁

歌詞の構成についての研究&感想

歌詞には著作権があり、英語詞の全文を翻訳することは著作権法に引っかかってしまう可能性が高そうなので割愛。
歌詞の中で管理人が気になったところだけ、日本語訳を添えながら良さをお伝えしてみたいと思う。(歌詞の日本語訳は管理人の自作)

韻が数多く使われている

発音記号を調べていて気づいたことだが、短い歌詞の中でいんが数多く踏まれている。単語の末尾に踏む韻を「脚韻きゃくいん」、単語の先頭で踏む韻を「頭韻とういん」と呼ぶそうだが、”Let It Go”にはどちらも何度も登場する。例えば、2番の歌詞の

No right, no wrong, no rule for me
正しさも間違いもルールも、私にはない

の部分。文字で見るだけでは分からないが、発音記号を付けて歌ってみると

No right, no wrong, no rule
[nóu] [ráit] [nóu][rɔŋ] [nóu][ruːl]

と各単語がすべてR音の音から始まっている。「No」の単語も韻を踏んでいると考えると、3音+R音の韻が踏まれていることになる。
N音はともかく日本人が苦手とするR音がこれでもかと続くので、発音し慣れるまでは大変だが、R音に慣れてくるとこの歌詞は歌っていてとても心地いい。

また、文末に登場する脚韻については、エルサが氷の城を作っているところの詞が、特に素晴らしいなと感じる。

My power flurries through the air into the ground
My soul is spiraling frozen fractal all around
And one thought crystallizes like a icy blast
I’m never going back, the past is in the past
私の力が 大気を通り 地に降り注ぐ
私の魂が あたり一面の雪の結晶を 渦と化す
そして ある考えが まるで氷の疾風のように 形になる
私は決して戻らない 過去は過去にある

こちらの歌詞も発音記号を並べてみると

My power flurries through the air into the ground
                  [gráund]
My soul is spiraling frozen fractal all around
                [əráund]
And one thought crystallizes like a icy blast
                 [blǽst]
I’m never going back, the past is in the past
                 [pǽst]

と、綺麗に脚韻揃い。

歌詞として意味が通るだけでなく、あちこちに韻を散りばめて、詩の美しさと歌う楽しさを両立されているので、凄いなあと感じる。”Let It Go”には日本語訳の歌詞もあるが、さすがに韻までは踏襲されていなかったので、英語版の詞の方が個人的には好きだ。

雪と氷にまつわる単語が次々に登場する

韻の多さだけでなく、”Let It Go”の英語詞は、歌詞の単語の選び方にまで配慮が行き届いている。
歌詞に登場する単語の多くが雪や氷に関するもので構成されており、これまた数多く詞の中に散りばめられている。
先程と同じ歌詞を引用して、雪や氷に関する単語を拾いあげてみると

My power flurries through the air into the ground
    (雪が)さっと降る
My soul is spiraling frozen fractal all around
        氷の結晶
And one thought crystallizes like a icy blast
       (氷が)結晶になる 氷まじりの強い風

3行にこれだけの数が含まれている。しかも、歌詞として違和感なく意味が通じるところが凄い。

韻といい、単語といい、これだけ徹底して作られている英語詞を今まで見たことがなかったので、この詞を通して英語圏の詩人の底力を垣間見たような気がしている。

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「英語耳」「英語耳ドリル」「単語耳 1」で100回発音練習し効果を実感する

「英語耳」シリーズは、日本で英語を学ぶ方には超おすすめ。

身につけるのに時間を要するが、日本にいながら「美しい発音」と「英語が自然に聞き取れる耳」を確実に身につけることができる。買ったその日から練習に取り掛かることができ、かつ、毎日無理なく続けることが出来る。

私はTOEIC850を取得した後に「英語耳」の書籍に出会ったが、自分でも「えっ?」と思うくらい学びが多かったので(笑)、既に高スコアをお持ちの方にも心おきなくおすすめしたい。

英語耳の著者のwebサイト

書籍「英語耳」シリーズの著者松澤喜好さんは、webサイトを運営されている。「今すぐ読みたい!」という意欲に溢れた方は、下記のリンクからどうぞ。

 英語・発音・語彙/英語耳 http://eigo33.com/

「英語耳」を実践する

英語耳シリーズの記念すべき第1冊目が、こちらの「英語耳」。
発音を矯正し英語力を身につける、というコンセプトに従って、各子音・母音の発音から英語詞の歌での実践まで、学習内容がバランスよく盛り込まれている。

英語耳シリーズは、星の数ほどある英語学習法の中で、数少ない正解の1つだった。
英語耳シリーズで学習すると、英語のリスニング力は確かに向上する。大枚をはたいて英会話スクールに通う前に、こちらの本を試されることをおすすめしたい。本書「英語耳」は近くの市立図書館でも借りることができ、試し読みもしやすかった。

英語の正しい発音を身につけるとリスニング力が向上する、という著者の主張を、実は最初あまり信じてなかったが、「英語耳」の教えに従い子音と母音の発音を1種類ずつ何度も繰り返し発音練習すると、英語の音の聞こえ方が明らかに変わってきた。

「立体的に聞こえる」という表現で通じるか定かでないが(表現力が乏しくて申し訳ない…)、今まで列車の通過音の様に右から左へ通り過ぎるように聞こえていた英語の音が、言葉として、意味を伴って、脳に直接響くように聞こえるようになった。ニュースで流れる英語だけでなく、洋楽や異国の方とのお喋りの英語でも同様。そして巻末付近にある「Amaging Grace」(アメイジング・グレース)という英語詞の歌が、英語ネイティブの方に近い発音で歌えるようになった。

明らかに効果が出たのが嬉しくて、「英語耳ドリル」(全1巻)、「単語耳」(全4巻)、「英語耳ボイトレ」(全1巻)の順に購入し、時間の許す限り試してみた。

「英語耳ドリル」を実践する

「英語耳」は曲あり文章ありのバランスが取れた教材だったが、「英語耳ドリル」は音楽(洋楽・英語詞の歌)に特化した学習内容だった。

「Fly Me To The Moon」「Time After Time」などのゆったりとした曲調の歌を100回~300回聴き、曲と一緒に歌うことで、正しい発音を身につけていく、というトレーニング方法。この学習法は、著者の若かりし頃、英語を身に付ける時に実際に使用した手法だそうだ。

本書1冊に5曲が収録されており、数ヶ月かけて5曲とも何とかやり終えた。100回~300回という歌う回数の多さに、「なかなか終わりが見えないなあ…」と最後の方は気力が尽きそうになった(苦笑)

結果として、「英語耳」だけの時より発音とリスニングがやや向上したように思う。だがそれ以上に、「音楽で英語を身につける」という方法をマスターできたのが良かった。

洋楽は英語のテキストよりはるかに種類やジャンルが豊富なので、好きな曲を自由に選んで学べるようになったのが嬉しかった。しかも、家事をしながら入浴しながらの5~10分の隙間時間でも学習でき、忙しい現代人の生活にもしっくりくる。

また、「音楽で英語を学ぶと忘れにくい」、という単純な事実にも気付かされた。聞き馴染んだCM曲は自然に口ずさんでしまうように、TVや繁華街の店舗から流れてきた英語詞の歌を自然に口ずさんでしまうようになるので、英単語や英文法の復習が簡単にできてしまう。

むしろ、この学習法に慣れれば慣れるほど、学習している気がしなくなる。英和辞書をひいて発音記号つきの歌詞カードを作るのが少し手間だったが、慣れると殆ど調べる手間もなくなり、聴いて歌詞を覚えて歌っているだけになってきた。

歌える曲のレパートリーを増やすほど、自然に反復学習できる機会も増えるので、後になるほど楽しんで英語を身に付けることができた。

個人的には「英語耳ドリル」で取り上げられているようなバラード曲より、ロック系やピアノ・バイオリンがじゃんじゃん鳴っている曲の方が好きなので、英語耳ドリル修了後は、The Beatles→B’z(英語詞の曲)→QUEEN→Jazzの曲→Billy Joel→AeroSmithの順に、自分で歌詞カードを作っては歌って学んだ。今では、エアロスミスも私の英語の先生であると言える(笑)

超個人的におすすめの曲

  • Billy Joel “Honesty”
  • Billy Joel “Stranger”

どちらも、人の心が持つ複雑な気持ちを、英語で見事に言い表している曲。特にHonestyは、苦しみ・悲しみの真っただ中にいる人によく響くと思う。ビリー・ジョエル氏はピアニストなので、ピアノ好きな方にも是非。

ディスニーがお好きな方にはこちらを。非常に有名な曲だが、英語詞は詞の構成や単語の選び方が素晴らしくいいので、是非英語バージョンもご堪能頂けると。

ロック好きの方には、エアロスミスを全力で推させて頂く(笑) 曲調や言葉遣いは荒いのに、英語での感情表現が絶妙で、美しささえ感じる。

「単語耳1」を実践する

英語耳シリーズの中でも最もスパルタ学習なのが、こちらの「単語耳」(1巻~4巻)。英語の子音・母音の反復練習を徹底的に行い、英単語の反復練習もこれまた徹底的に行うという学習内容。

私は現在2巻を学習中なので、ここでは1巻についてのみ記載する。

スパルタだけあって、英語耳シリーズの中で最も学習効果が高かったのは、こちらの「単語耳」だった。徹底して発音の反復練習を行うので、真面目に取り組める方ほど飛躍的に発音が良くなる。

例えば、「単語耳」第1巻の実践編では、英語の子音と母音を各100回(!)ずつ発音する。
[s]音・[p]音・[r]音など英語を構成する1つ1つの母音・子音を短期間にこれほどたくさん聴いて発音すると、恐ろしく発音が矯正される。特に著者が最重要だと指摘する[s]音については、舌を上の歯の裏に付けることも、強い息を当て鋭い摩擦音を出すことも、ごく自然にできるようになったので、今では普通に発音していても、[s]音なら半径3~4m先まで聞こえるんじゃないかと思う(笑)

各音の発音回数が40〜50回の頃は、洋楽を口ずさむ際「随分発音が良くなったなあ」と思っていたが、発音回数が70〜80回を超えたあたりからは、発音が矯正されすぎて、「これは自分の声だろうか…」と感じるようになった(笑) 自分の声とは思えないくらい、英語を発する声が美しい。なかなかに怖い境地である。

「単語耳1」の書籍に「正」の字がたくさん書かれている写真。第4章の[t][d]のページが開かれている

↑ 書籍に「正」の字を書いて、発音した回数をカウント

なお、弊害として、「単語耳」第1巻をやり込んだ後、日本語ネイティブの歌手が歌う英語詞の歌が、発音が下手すぎて聴くことができなくなった(笑) 歌詞の音が美しく聞こえないので、好きなバンドの曲でさえ、聴いていてイラっとする。代わりに、カーペンターズなど英語ネイティブで発音の美しい歌い手の良さが、心から理解できるようになった。

単語耳第1巻は修了したものの洋書の読書量はまだまだ足りていないので、ニュース英語などスピードの速い英語は、半分から3分の2くらい理解できる程度。「ちょっと速いな」「もう少しゆっくり話してくれると嬉しいな」とは感じる。YouTube動画は、自分の仕事の分野なら、ほぼほぼ理解できるようになった。
単語耳第1巻は非常によく使う英単語が揃えられているので、日常英会話に効果大(でも英語の電話は未だに怖いが…)。難しい単語や専門用語は、単語耳第2巻以降で学習するので、まだ発音し慣れない感じ。洋楽は初めて聞く曲だと、断片的に単語や文が聴き取れて意味が分かる程度。

ただ、サーバやデータベースについて英語のwebサイトを時々仕事で読むが、TOEIC850を取った数年前と比べ、読む速度が速くなった。目視で読んでいる時も、脳内で英語の音が鳴っている。その証拠に、読めない(音の分からない)単語に出くわすと、走っていてつまづいた時のように、読むスピードががくっと落ちる(笑)

今のところ、技術系英語の読解速度はチーム内で私が最速なので、こういったところにも英語耳シリーズの効果が現れているんじゃないかな、と感じる。

「単語耳1」の書籍にオレンジやピンクのラインマーカーが引かれている写真。「正」の字がたくさん書かれている。

↑ 発音下手な英単語はどんどんカラフルに…

なお、補足として、私は単語耳1巻の学習中、数年に渡って学習を中断している。単語耳1巻の学習を再開した際、英語を10分以上発するだけで疲れるほど英語口(?)の筋肉は衰えていたが、不思議と[s]音や[t]音の発音方法は忘れていなかった。ただ、舌の筋肉が落ちすぎて、[r]音の発音は非常に下手になっていた(笑)

学習の中断を挟んでも発音の仕方は忘れなかったので、学習の中断はさほど恐れなくていいのではないかと思う。落ちた口の筋肉は、毎日英語の発音をしていたら1ヶ月で回復したので、後からすぐに取り戻せる。
忙しい時は学習を中断し、時間ができたら再開する。そうした自由さも、「英語耳」シリーズは許容してくれるようだ。

素朴な疑問 ~100回の発音練習は必要か~

英語耳シリーズに取り掛かる方に高い壁として立ちはだかる、「発音100~300回」という膨大な練習量。「50回でもいいんじゃないの?」「何とか30回に減らせない?」と思われた方も、私を含め多数いらっしゃるんじゃないかと思う(笑)

英語耳シリーズを学習しながら感じた個人的な感覚としては、「英語の発音練習は少なくとも50~60回は必須」「80回以上できると望ましい」という感じだった。
発音回数ごとに体感したことを書くと、下記のようになる。

  • 発音0~10回
  • 英単語を何とか正確に発音するので精一杯。単語の意味や音節の切れ目や語源は、意識する余裕がない。
    発音や英単語が身体に定着するには程遠く、咄嗟に口をついて英語が出てくる….なんてことは当然ない。

  • 発音10~30回
  • 単語の発音が少しなめらかになり、多少の余裕が出てくる。英単語の意味が少しずつ頭に入り始める。
    発音記号を見ながらでないと、英単語が正確に発音できない。無意識に口をついて英語が出てくるのは、まだ先。

  • 発音30~50回
  • 頻出の[s]音や日本語に音の近い母音は上手に発音できるようになってきたが、[r]音・[əː]音はまだまだ苦手。
    口や舌がついてこずにつっかえる上、口が大変疲れる。
    単語の意味は頭に入った。

  • 発音70~80回
  • どの音もかなり綺麗に発音できるようになり、英単語を発音することが楽しくなってくる
    成果が目に見えて出始め、英語を発音することが楽しいので、自主的に練習量が増える。
    ただ、英単語の表示順を変えられたりすると、[r]音と[l]音を発音し間違えたりする。

  • 発音90~100回
  • 完全に無意識に英単語が発音ができる。長時間英語を喋っても疲れない。
    発音記号が書かれていなくとも、即座に正確な発音ができる上、発音しながら脳内で英語以外のことを考える余裕がある。

なお、苦手な発音記号・英単語については、発音100回でも習得しきれなかったことも付け加えておく。
私は[ɑ]音と[ɔ]音が苦手なのだが、この2つを正しく発音することは、「単語耳1」で発音100回を修了した後でも、自信が持てなかった。仕事等で実際に英語を使う際、発音の正確さに気を配っている暇はないので、苦手な音・苦手な英単語については、100回を超える発音練習を行った方がいいと思う。

最後に ~英語耳シリーズの効用~

英語耳シリーズを学び始めてから感じたのは、今までやっていた文法・リスニング中心の学習方法は少し不完全だった、という事実だった。

今までの学習法では、高校時代に英文法を詰め込まれ、大学時代には隙間時間で英語を聞き流して1000時間以上をリスニングに費やすことで、英語を英語のまま理解する英語脳を作ることには成功していた。

が、お酒に酔ったり周囲に雑音が多くなったりすると、英語が聞きとりづらくなり、「今まで割と英語の勉強をしてきたのに、何で聞き取れないんだろう? あと何をすればいいんだ?」と少々深刻な(=仕事に差し障る)問題を抱えていた。

「英語耳」で学ぶと、こうしたよくある問題への解決の糸口が見え、心の負担が減り、前向きな気持ちが蘇ってきた。日本で英語を学び、英語で異国を学ぶことは、雲の上へと続く長い階段を上っているようなものだが、心の負担が減ると、不思議と先が見えなくとも歩き続けることができている。

英文法も英語の多聴も勿論大事だが、先入観なしに学習方法を矯正して再び英語にアプローチする大切さを、英語耳から教えて頂いたように思う。

英単語の語彙強化に「TOEIC必修単語 ― パート別出題形式で覚える2800語」(ジャパンタイムズ)

TOEIC650以上で英単語の語彙力を高めたい方におすすめ。この本を利用する前のTOEICスコアは650で、利用し始めてから1年後に受けたスコアは795だった。

「TOEIC必修単語2800語」の説明

「TOEIC必修単語2800語」は、日常生活やビジネスで必要な英単語を身につけることに特化した本

本全体がTOEICテストと同じ構成になっており、大きく7つの章に分かれている。全ての単語には例文が添えられており、例文はCDにも収録されているので、ネイティブの発音した英文を繰り返し聴き、テキストで例文の意味を確認していると、自然に英単語を覚えられるよう工夫されている。

本全体で2800の英単語が取り上げられているが、単語の脇には派生語が添えられているものもある。例えば、alter(意味:変える)の脇にはその派生語であるalteration(意味:変更)とalternative(意味:二者択一の)の語句と意味が添えられているので、実際に理解することのできる単語数は2800よりも多いはず。

「TOEIC必修単語2800語」を使用した感想

TOEIC Part1 にまで難単語が掲載されており最初は少し驚きましたが、ビジネスに頻出の英単語が多数揃えられていました。この本を最初から最後まで学習し終えた後、医学論文など極めて専門性の高い英文書以外は、英文の概要がつかめるようになります。

パソコンを操作することを、これまでは”operate the computer”などと表現していましたが、この書籍でmanipulateという単語を学んでからは、”I manipulated the laptop.”(意味:ノートパソコンを操作していました) という英文が口から自然に出てくるようになりました。付属のCDで耳からも英単語を刷り込んであるので、会話の中で難単語が発されても、遅れることなく理解し適切な答えを返すことができます。

TOEIC600台後半からは語彙の強化が重要

大学時代に英語の勉強法に関する本をよく読んでいたのだが、ある程度英語力がついてくると、リスニングと語彙力(英単語力)が英語学習のポイントとなる、とのこと。語彙が増えれば増えるほど、幅広い分野の話題を深く速く理解することが出来るようになるのだとか。

そのことを知ってからは語彙力増強に励み、大学受験御用達の「target1900」(1900語) → 「ニュース英語2000」(2000語、下記の本↓) →「必修単語2700」(2700語)(学習当時は2800ではなく2700だった)の順にチャレンジした。

お陰で英語学習において大きな壁を感じることなくTOEICスコアを850まで伸ばすことができたので、この勉強方法は間違っていなかったのだろうと感じている。

ただ、TOEIC試験対策の本なので、どちらかというと無味乾燥で退屈な本ではある。楽しんで英語を学びたいという方にはおすすめできないが、ちょっと苦しい思いをしてでも本気で英語を身につけたい、TOEICスコアを上げたい、という方にはおすすめできる。

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洋書の無料電子図書館 “Project Gutenberg” 使い方や感想など

洋書を何冊でも無料で読める電子図書館がありました。

Project Gutenberg (プロジェクト・グーテンベルク)
https://www.gutenberg.org/

“Project Gutenberg”の説明

Project Gutenbergは海外の著名な小説・書物のうち著作権が切れたものを、無料で読むことのできるウェブサイトです。「シャーロックホームの冒険」・「不思議の国のアリス」など、現時点で54,367作品がこちらのサイトに保存されています。

著作権の切れた日本の文学作品をウェブ上で無料で読むことのできる青空文庫というサイトがありますが、プロジェクト・グーテンベルクは青空文庫の海外版、主に洋書が取り扱った無料電子図書館です。

プロジェクト・グーテンベルクはアメリカの大学生が創始したサイトなので英語で書かれた作品が多いですが、フランス語・ドイツ語・イタリア語から、中国語ラテン語・タガログ語に至るまで、幅広い言語で書かれた作品が保存されています。

筆者が日本人の著作や日本に関する書籍も、数は多くはありませんが、保存されています。小説では、夏目漱石「坊っちゃん」、小泉八雲「怪談」等があり、日本の神話や日本の女性についてなど、外国の方から見た日本が書かれた学術書もあります。

また、選んだ作品をどう読むかも読者が選択できます。
HTML形式を選んでWeb上で作品を開いて読んだり、テキスト形式を選んでパソコンにダウンロードして単語のメモを取りながら読んだり、Kindle形式を選択してDropBox・GoogleDrive・OneDriveに作品を保存したりできます。

但し、ホームページは全て英語で書かれていますので、使いこなすには多少の英語力が必要です。

洋書の電子図書館”Project Gutenberg”の使い方

英語の苦手な方向けに、本の探し方を簡単にご説明します。

1. 下記のリンク(下線の部分)をクリックし、Project Gutenbergのサイトを開きます

Project Gutenberg (プロジェクト・グーテンベルク)
https://www.gutenberg.org/

2. サイトが開いたら、画面上部にある検索ボックスに、読みたい本の著者の名前や著作名を半角英数字で入力します。
  ここでは仮に、新渡戸稲造「武士道」を検索したいと思いますので、「nitobe」と入力しました
  ※日本語や全角英数字は文字として認識されませんのでご注意下さい

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで、読みたい本を検索する方法を説明しているスクリーンショット。Project Gutenbergのwebsiteのトップ画面が開かれており画面最上部にあるsearch boxに「nitobe」と入力されている。

 入力を終えたら、検索ボックスの右側にある虫めがねのマークをクリックし、検索を開始します。

3. 検索結果が表示されました。
  検索結果の中から、読みたい本を選び、リンクをクリックします。

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで読みたい本を検索する方法を説明しているスクリーンショット。画面2(新渡戸稲造「武士道」を検索して検索結果が1件表示された画面)

4. 最後に、どの形式で読むかを選択します。
  とにかく読めればいい!という方は、「Read this book online: HTML」の箇所をクリック下さい。

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで読みたい本を検索する方法を説明しているスクリーンショット。画面3(新渡戸稲造「武士道」をどの形式で読むか選択する画面。ここではHTML形式を選択している)

5. 本の中身が表示されました。

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで読みたい本を検索する方法を説明しているスクリーンショット。画面4(新渡戸稲造「武士道」のタイトルがwebサイト上にHTML形式で表示されている)

本によっては最初に訳者による注釈が書かれている場合があるので、本文から読む際は、少しスクロールして本文を探し出してからお読みください。どの本も上から順に、

 「PREFACE」(はじめに)
 「CONTENTS」(目次)
  (本文)

という構成で書かれていることが多いです。

ジャンルごとに本を選ぶ場合は

現時点で”Project Gutenberg”には22のサブカテゴリーが用意されているので、ジャンルごとに読みたい本を探すことも出来ます。

1. 下記のリンク(下線の部分)をクリックし、Project Gutenbergのサイトを開きます

Project Gutenberg (プロジェクト・グーテンベルク)

2. “Project Gutenberg”のトップ画面の左の列にある「Book Categories」のリンクをクリックします
  右側の画面が切り替わり、サブカテゴリーごとに分類されている画面が見えるようになります。

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで読みたい本をジャンルごとに探す方法を説明しているスクリーンショット。画面1(Book Categories」のリンクをクリックした後の画面)

 サブカテゴリーはいくつかの本棚(Bookshelf)に分かれており、更に詳細に本を絞り込むことができます。
 例えば、「Fine arts」(美術)のサブカテゴリーは、「Architecture」(建築)と「Art」(美術)の本棚に分かれています。

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで読みたい本をジャンルごとに探す方法を説明しているスクリーンショット。画面2(subcategoryの欄でArt bookshelfへのリンクをクリックした画面)

それぞれの本棚のリンクをクリックすると、著者と著作名が一覧になった画面が開いて、本を選ぶことが出来るようになっています。
ここでは「Art」(美術)の本棚を開いてみました。下にスクロールすると、書籍一覧の中にレオナルド・ダ・ヴィンチのノートやレンブラントの解説書が表示されているのが分かります。

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで読みたい本をジャンルごとに探す方法を説明しているスクリーンショット。画面3(subcategoryの欄でArt bookshelfのリンクを開いた後の画面)

“Project Gutenberg”を使ってみた感想

洋書を購入する前に、試し読みとして使えるのが気に入っています。全世界で聖書の次に売れていると言われるアガサ・クリスティの作品まで、無料で公開されていました。

 アガサ・クリスティ「スタイルズ荘の怪事件」(名探偵ポアロシリーズ)
 http://www.gutenberg.org/ebooks/863
 アガサ・クリスティ「秘密機関」(トミーとタペンス・シリーズ)
 http://www.gutenberg.org/files/1155/1155-h/1155-h.htm
 
先日ラダーシリーズで読んだディケンズの”Oliver Twist”も無償公開されていました。こちらはイラスト付きです。
(イラスト付きの書籍は、画像を読み込むのに時間がかかるので、Webページが全て開くまでに少し時間がかかります)

 チャールズ・ディケンズ「オリヴァー・ツイスト」
 http://www.gutenberg.org/files/46675/46675-h/46675-h.htm

小説だけではなく、歴史書や美術解説などの学術書などもあります。レンブラントの作品と解説が掲載されている本も、少し拾い読みさせて頂きました。

 Estelle M. Hurll「Rembrandt」
 http://www.gutenberg.org/files/19602/19602-h/19602-h.htm

ただ、Html形式で開くと、本の拾い読みをするには丁度いいのですが、英和辞書で調べた英単語の意味を小説の余白にメモしておくことができず、困りました。特定の著作を本格的に読み込みたい方は、テキスト形式でダウンロードして、パソコンに保存してから読む方法をおすすめします。この方法であれば、お好きなところにメモをとることができます。

洋書など、母国語ではない書籍を読む場合、書籍の内容が自分の興味に沿うかどうかに加えて、自分と書籍の英語レベルが合っているかも関わってきます。そのため、本屋さんで大枚をはたいて購入しても、結局殆ど読まなくなってしまった本が何冊かあります。
そうした状況は本にとっても自分にとっても悲劇なので、買って読まなくなるくらいなら”Project Gutenberg”を上手に使った方が良いかな、と最近は思っています。

Project Gutenberg (プロジェクト・グーテンベルク)

ラダーシリーズ(ladder series)で洋書の多読に挑戦

英語の多読入門者レベル(=私)の方向けに、適した本が見つかった。ペーパーバックより読む分量がぐっと少なく、巻末には本に出てくる英単語の意味を載せた単語集まで付いている。

ladder seriesの説明

Ladder(はしご)を一段ずつ上るように、自分の語学力に適したレベルから始めて徐々に上のレベルを目指していけるよう、掲載する英単語数を調整してある入門者向けの洋書

レベルは最も簡単なレベル1から最難関のレベル5までの5段階に分かれており、それぞれのレベルで小説からノンフィクションまで幅広いジャンルの読み物が用意されている。
各レベルの難易度は、下記の通り。

難易度 詳細
レベル1 中学校で学習する単語 約1000語
レベル2 レベル1の単語 + 使用頻度の高い単語 約300語
レベル3 レベル1の単語 + 使用頻度の高い単語 約600語
レベル4 レベル1の単語 + 使用頻度の高い単語 約1000語
レベル5 語彙制限なし

ラダーシリーズを使用するメリット

「ラダーシリーズ」という子供向けの良い洋書がある、というのは以前から耳にしたことがあった。が、「20歳を過ぎてから子供向けの本を読むのもな…」と思い、試しもしないまま、数年が経ってしまっていた。

洋書で読みたい本が無くなった時、気まぐれにラダーシリーズを試してみたら、利便性が高い上に大人が読んでも十分面白かったので、過去の自分に説教したい気分になった(笑)

自分の語学力に合った本を選べる

どのレベルを選ぶかは後ほど詳しく説明するが、自分の語彙力・文法力・読解力に応じた本を簡単に選べるのは、英語学習を続ける上で非常に重要&魅力的。
一般的な洋書(ペーパーバック)買ってしまうと、

  • 日本の文庫本より洋書の方が値段が高い
  • 自分の語学力より洋書の難易度の方が高い(ことが多い)
  • 読む量が多すぎて、読み終わる前にやる気が無くなってしまう
    • などの弊害が出てしまい、洋書多読が続かない遠因になっていた。kindleなどの電子書籍を活用しても、上記の弊害は一部残ってしまう。
      我が家にも、一時の気まぐれで購入し結局読み終わらなかったペーパーバックが、5冊以上転がっている…。

      本文で使用されている英単語の意味が巻末に記載されている

      いちいちiPhoneで単語の意味を調べずとも、巻末の単語リストを開くだけで済むので、ストーリーから離れる時間が短くて済み、読書に集中できた。特にラダーシリーズのLevel 1~2は、掲載されている全ての単語の意味が巻末に載せられている。
      Level 3~5では、難易度の高い単語のみ抜粋して巻末に掲載されているが、日本人が困りやすい単語が網羅されているようで、Level 4の本でも98%くらいまで巻末のWord Listだけで事足りた。

      ジャンルが幅広い

      おとぎ話からビジネス書まで用意されているので、仕事で手っ取り早くTOEICのスコアを上げたい方は、「スティーブジョブズ」や「日本の経済」などの本を選ぶことができる。反面、私のような小説大好き人間は、「ルパン傑作短編集」やら「ジェーン・エア」ばかりを読み進めることもできる(笑) 

      もう少しビジネス書が用意されていると、大人も手に取りやすくなるな、勿体無いな、とは個人的に思う。

      持ち運びが楽

      語学学習は継続が命なので、続けやすいに越したことはない。ラダーシリーズは日本の文庫本をより縦のサイズが少し長いのだが、厚さは1cm程と文庫本と変わらないので、何処にでも持ち運べて、隙間時間を洋書多読に使うことが出来た。

      活字が大きい

      ペーパーバックより活字が大きいので、どんどん読み進めることが出来、「あとまだこんなに読まないといけないのか…」と悲観的になることが少なかった。

      ラダーシリーズでどのレベルを選ぶか

      TOEIC 850&多読未経験者の私の場合、ラダーシリーズのLevel 3が丁度辞書を引かずに楽しく読めるレベルだった。これまでそれなりに英語を学んできた方だと自負していたのに、快適な読書レベルがlevel 4ではなくlevel 3だったので、なけなしのプライドは少々傷付いた(笑)

      ラダーシリーズのLevel 1

      未読なので割愛。

      ラダーシリーズのLevel 2

      単語の難易度が低く、全単語が巻末のWord Listに掲載されているので、するする読み進めることができた。
      Level 2は単語が易しい分、登場人物の気持ちなどをきめ細かく描写するのは少し苦手のようだった。また、comeなどの平易な単語を用いた熟語がそれなりに多い、という印象も受けた。(英熟語の意味も、巻末の単語集に掲載されている)

      意外にも、読書の速さはLevel 2でもLevel 3でも大差なかった。(=日本語を読む時の30~50%くらいの速さ)
      国際会議を取り仕切ってらっしゃる方の著書で「難しい単語を知ることより、haveやcomeなどで作られた平易な文章を数こなすことが大事」と書かれていたのを読んだ覚えがあるのだが、「あえて低めのLevelの本をたくさん読む方が、読解スピードのアップに繋がるかもしれないな」とLevel 2を読んでいて感じた。

      自分が最も楽しめるのはLevel 3だったが、当面はLevel 2とLevel 3の両方を読んでいこうと思う。

      ラダーシリーズのlevel 3

      既知の単語も多かったが、数ページに1つくらいずつ見知らぬ単語が出てきた。読むことへの心理的負担はほぼなく、仕事の昼休みを使って、とても楽しく読み終えることができた。

      英単語数が増える分、心理描写や話の展開も盛り上がってくるところが嬉しい。読書の速度等を忘れて読書に没頭し、純粋に読むことを楽しめたのがLevel 3だった。

      今まで読んだラダーシリーズの中で、Level 3の「怪盗ルパン傑作短編集」が一番面白かった。アルセーヌ・ルパンの幼い頃の話や、著者がルパンが出会うきっかけとなった事件など、1つ1つのストーリーが濃く、短編であることさえ感じさせなかった。
      次に面白かったのが「シャーロックホームズ傑作短編集」。短編で読みやすいこともさることながら、ミステリを解き明かしていくところが面白い! 1話目を読み終えた後しばし呆然とするほど、のめり込んで読んでしまった。

      レベル3にはほかにも「風とともに去りぬ」など読み応えのありそうな書籍が目白押しなので、1冊ずつ読了していくのが楽しみだ。


      ラダーシリーズのLevel 4

      1ページに1~3つくらい分からない単語(「magistrate(行政官)」など)が出てくるので、読み始めは少々辛かった。Chapter 6(第6章)を過ぎた頃から単語や文体に慣れてきて、読書に集中出来るようになった。
      ところどころ単語を調べながら読むことになるので、読むスピードは遅め。

      Level 4では、ドストエフスキー「罪と罰」とチャールズ・ディケンズ「オリバー・ツイスト」を試した。
      「罪と罰」は英語以前にロシア語の登場人物名を覚えるのに苦労しすぎて、あえなく読書中断となった(笑) 世の理不尽さを強く感じるようなストーリーで、Chapter 1(第1章)から引き込まれるような魅力は伝わり、結局読書中断した後も続きが気になりすぎて、日本語訳の「罪と罰」書籍に切り替えて読み進めた。

      「オリバー・ツイスト」は英国の話なので、gentleman=スーツと黒帽子を隙無く着こなした紳士、というように場面場面を想像しやすく、読みやすかった。
      わずか9歳のOliverが、自らの運命に翻弄されUpper階級(上流階級)とLower階級(下流階級)との間で浮き沈みを繰り返す様は、読んでいて切なくはらはら。読書の最初はまたしても難単語にやられ、読んでいて苦痛を感じたが、ラストが近付くにつれ面白さが加速し、読後この本の筆者チャールズ・ディケンズが英国を代表する作家の一人に数えられる理由に納得がいった。

      レベル4にはこのほかにも、アガサクリスティの不朽の名作「オリエント急行殺人事件」やスティーブジョブズの伝記などが出版されている。

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      ラダーシリーズのlevel5

      未読なので、感想は割愛。

      レベル5に至ると、マイクロソフト社を作った「ビルゲイツ」氏、車椅子の物理学者として有名な「スティーブンホーキング」氏など、著名人の伝記が多く出版されている。西郷隆盛の伝記や新渡戸稲造「武士道」など、英単語の選択が難しそうな幕末~明治期を題材にした作品も、レベル5であれば読めるようだ。
      個人的には、ビクトル・ユーゴーの傑作「レ・ミゼラブル」がレベル5にあるので、これは是非とも読みたいと思っている。

日本語・英語併用のITサポートの仕事(ITヘルプデスク・テクニカルサポート)

人生における英語圏滞在期間は未だに1週間というお粗末さだが、イギリス系企業に常駐しメールや電話で英語を使って仕事をしていた時期があるので、その時のことを記録する。

日英併用のシステムサポートの仕事内容

当時常駐していた企業は、本社がイギリスにある会社だったため、日本法人の社長を筆頭に管理職からメンバー(役職なし社員)に至るまで、外国籍の方が数多く勤務されていた。

各部署に数名の割合で母語が日本語以外の方がおり、私が常駐していたIT部門もインド国籍4〜5名、ヨーロッパ1名、マレーシア1名と多国籍で、日本人も帰国子女1名、英語圏在住経験者3名という程よく国際色豊かな職場だった。

法務や広報など他の部署も似たような感じ。営業部門だけは、営業する先の顧客がほぼ100%日本人だったので、外国籍の方は見かけなかった。

よくあるトラブル

当時の私の担当は、日本語対応と英語対応の両方を行うITサポート。業務の大半は日本語での対応だったが、週に1~2回程度の割合で、母語が日本語以外の方から英語で電話がかかってきて、起きているトラブルの内容を聞き、解決までサポートする。

よくあるトラブルとしては、

 ”My laptop won’t start…(パソコンが起動できなくなった…)”
 ”couldn’t access to internal network via mobile wifi.” (モバイルwifiで社内ネットワークに接続できなかった)
 ”Some mails disappeared. I’ve sort them in this folder, though it disappeared too.”(フォルダごとメールが無くなってしまった)
 ”I’m afraid my password has been locked”(パスワードがロックされてるんじゃないかと思う)

などなど。日本人でもよくあるトラブルが多かった。

ただ、海を渡って日本に仕事に来られている方は優秀な方が多く、少し調べると解決できるようなトラブルは大抵自己解決されており、ITサポートを利用しないと解決出来ないようなトラブルの方が多かったのが印象的だった。

英語でのサポートで苦労したこと

応対について、英文メールの読み書きはまだ何とかなったが、英会話がとにかく苦手な私は、訛りや癖のある英会話のスピードについていけず苦戦した。
TOEICや英検などでは訛りの強すぎる英語は出題されないが、実際のビジネスの現場では、中国語訛り・インド訛りの英語の方が多いくらいなので、こうした仕事を目指される方は入念に準備された方が良いと思う。
自分は、

・事前に業務用語・IT系専門用語を出来る限り英語に訳しておく
・通勤時間を利用して、トラブルと解決方法を英語で説明する練習を行う

の2点に絞って、説明と解決だけはこちらから主導出来るよう、時間を割いて準備していた。

そうして苦戦しつつも英語で仕事をするうちに、東欧から来たIT技術者の友人が出来たり、役員の部屋まで行ってシステムトラブルに対応したりと、少しずつ場数を重ねて、英語で仕事を行うことにある程度慣れることが出来た。

ちなみに2年半この業務を経験した後でも、インド訛りの英語にはついていけない(苦笑) 帰国子女の方や外国籍の友人の多い方に相談してみても、「インド英語は無理」「間近で口の動きまで見ながら話しても聞き取れない」という意見が出てくるので、日本語とインド英語はよほど相性が悪いようだ。
とはいえ、数学大国のインドには優秀なIT技術者が多く、今後も避けて通れる道ではなさそうなので、インド英語攻略法は現在も模索中…。

英語ITサポートの仕事で身に付いたもの

この仕事を経た後、技術系の英語文書やwebサイトを読むのに、抵抗や自覚がなくなってきた。調べ物をするとき、基本は読書スピードの速い日本語文書から読み進めるが、日本語文書が少ない分野では英語文書も読み進める。「あれ、いつから英語で読んでたっけな」と気付かないうちに英語に切り替わっていることも多くなった。
この仕事の後、社内メールは英語という外資系企業も経験したが、英語の面では問題なく業務が出来た。(業務知識は足りなかったが…)

また、母語でない言葉で仕事をするからこそ、準備の重要性に気付かされた。単語を日本語に訳しておくなどの準備さえある程度整えておけば、突然問合せを受けてもある程度までその場で対応でき、顧客を待たせることもない。逆に、最低限の業務知識と英語力がなければ、問合せを受けてからでは到底間に合わず、調査や翻訳に時間がかかった挙句何も返せないことも多い。対象となるシステムの仕組みやエラーメッセージの意味さえわかっていなければ、日本語でも手助けが出来ないことを想像して貰えれば、分かりやすいと思う。

“Ex-word 電子辞書XD-ST7200 フランス語対応モデル” CASIO

英語学習のみならず、フランス語学習のツールが充実している電子辞書です。

「Ex-word 電子辞書 フランス語対応モデル」の説明

CASIOから発売されている電子辞書です。電源を入れ、ボタンで辞書を選択して、調べたい語句を入力すると、言葉の意味を表示してくれます。

普通の電子辞書と異なる点は、語学学習のツールが充実していること。この製品は、英語とフランス語が特に充実しています。英語は英和辞書・和英辞書・英英辞書の3種類、フランス語は仏日辞書・日仏辞書・英仏辞書・仏英辞書・仏仏辞書の5種類の辞書が標準で搭載され、国語辞典(広辞苑)・漢語林など日本語の辞書も入っていますので、日仏英の3言語を使用・学習される方に適しています。

側面拡大図。180度開く。

↑ 側面拡大図。180度開く。

大きさは、縦 約10cm × 横 約14.5cm という掌サイズで、厚みは約1.5mm(薄めの文庫本くらい)。重さは、電池込みで約250g(文庫本1冊分くらい)です。
単4乾電池2本で稼働。eneloopやsonyの充電池も利用できます。

CASIOの電子辞書を裏返し、電池の蓋を外したところ。

↑ 電子辞書を裏返すとこんな感じ。

連続稼働時間は130時間だそうですが、大学の講義などで持ち歩いて普通に使用して、丁度半年くらいもちます。

casioのフランス語学習・英語学習向け電子辞書の蓋を開きフランス語単語「joli」の意味を検索している画像

スピーカーが内蔵されており、「音声」ボタンを押すと、英単語やフランス語単語を読みあげてくれるので、耳からも単語を覚えられます。
文字サイズは3段階で大きさを変更でき、「バックライト」ボタンをONにすることと、暗い場所でもご利用頂けます。
ページは「ページ送り」ボタンで1ぺーじずつめくれます。画面スクロールの手間が少なくなり、地味に便利です(笑)

CASIOフランス語対応電子辞書の裏面拡大図。スピーカーとイヤホンの切り替えボタンなどがある。

↑ 電子辞書の裏面拡大図。スピーカーとイヤホンの切り替えボタンなどがある。

この機種はフランス語学習を重視するタイプですが、他にも中国語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、韓国語、ロシア語に特化した電子辞書が発売されています。

より詳しい機能を知りたい方は、CASIOのwebサイトをご参照下さい↓ 
CASIO公式ホームページ http://arch.casio.jp/exword/products/XD-ST7200/

電子辞書の裏面拡大図

↑ SDカードの差込み口もある。

「Ex-word 電子辞書 フランス語対応モデル」を使用した感想

CASIOの電子辞書を購入後8年経った今でも愛用しています。

電子辞書の素晴らしい点が、まず学校や職場に行くときに、紙製の重い辞書を持ち歩く必要がない点。語学は継続が命なので、無理なく学習できる環境を整えておくのは大事だと思い、思い切ってこちらを購入しました。

↑ Casioのフランス語対応電子辞書のキーボード部分を拡大して撮影した写真。

↑ Casioのフランス語対応電子辞書。キーボード拡大図。

英語・仏語・日本語の充実度

数ある電子辞書の中でCASIOのこの製品を選んだ理由は、

 ①広辞苑(国語辞典)
 ②漢語林(漢字辞典)
 ③英語辞書(英和辞典・和英辞典)
 ④フランス語辞書(仏和辞典・和仏辞典)

の4つが標準で備わっていたからです。
フランス語を学びつつ、仕事やWEBで英文を読み、日本語の文章も毎月10,000~30,000字ほど書くので、日本語・英語・フランス語の3言語が全て充実しているというのが欠かすことの出来ないポイントで、その条件を満たしつつ、大学生のバイト代で手が届く電子辞書がこの製品でした。

3言語が充実しているという点において、この電子辞書は文句なしです。
この辞書を使っている間に、英語力はTOEIC550から850へ、フランス語力は知識ゼロから実用フランス語検定3級レベルへと上達しましたが、どの段階でも学習に支障がありませんでした。

しかも購入して10年近く経ちますが、一度も故障していません。……今振り返ると、CASIO凄いですね。

文学作品の無料ダウンロードもできる

青空文庫から文学作品を無料でダウンロードできる点も気に入っています。
青空文庫からダウンロードできるのは著作権の切れた日本の文学作品だけですが、常時70作品を手間なく持ち運べるのは大変有難いです。
 → 青空文庫については、こちらへ

まとめ

CASIOでこの製品の開発・販売を手掛けられた方に、「いい製品を作ってくださって有難うございます」とお礼を言いたいです(笑) これからもずっと、大事に使っていきますね。

英文メール作成時に何度も助けられた本「ビジネス英語 ライティング表現1000」(イジユン 著)

英語のITヘルプデスクとして勤務していた際に、仕事で何度も助けられた本。英文メールに日夜苦戦を強いられている方には特におすすめ。

必要な英語力レベル

TOEIC500~850くらい。もう少し英語力が低い方でも、問題なく使えるかもしれない。

「ビジネス英語 ライティング表現1000」を使った感想

仕事での英文メールや報告書作成など、丁寧な英語で人に物事を伝える必要がある方には特におすすめする。

英国系企業で働き始めた当初、10行ほどの英語メールを書くのに20~30分かかってしまい、外国の方とやり取りが2~3件立て込むだけで他の仕事に支障を来たしていたため、英語を書くスピードを速くしたい一心で選んだのがこの本だった。

即日使える英文テンプレート

巻末に大量の英文テンプレが掲載されているので、本文を読まずとも巻末を探すだけで、まともな英文が書けてしまうところがまず重宝する。

この状態を筆者は「借文」と表現されているが、巻末から何度か借文するうちに、よく使う言い回しは自然と身に付く。身に付き板に付いてくると、テンプレを自分なりに少しアレンジして使うようになってくる。
つまり、きちんとした英語を身につけるまでの時間稼ぎに、「借文」が一役買ってくれるわけだ。

ビジネスパーソンの方であれば、仕事や家事や育児で忙しく、英語学習時間を十分確保できない方が大多数にのぼると思う。それでも英語仕事は容赦なく舞い込むので、質の良い英文テンプレートを一時的に「借り」て仕事をさばくのは、社会人に必要とされるスキルの一つじゃないか、とも感じた。

5~10通りの言い回しが用意されている

「10時で大丈夫です」という趣旨を伝えるのに、毎回同じ表現を使っていると、「英語が出来ない人」と思われてしまう(笑)
仕事では特定の人と何度もやり取りをすることの方が多いので、同じ意味で表現の違う言い回しを3~4つ用意しておくと、自分の評価が下がらずに済む。

「ライティング表現1000」であれば、意思を伝える表現に5~10通りほどの例文が載せられている↓ため、同じ人と何度かメールのやり取りをしても、借文のストックが切れることがなく受け答えができた。

ページを開いた状態の「ビジネス英語 ライディング表現」の本と、英語の例文がたくさん書かれた白い紙が並んでいる

休日に「ビジネス英語 ライティング表現1000」を英訳

本書を購入した当初、この本のなめらかな英文を自分の血肉にしたかったので、借文するだけでなく「ライティング表現1000」の日本語例文を1文ずつ英訳し、借文と照らして答え合わせをする、という方法で数ヶ月間学んだ。

結果、英文ライティングのスピードが大きく改善されただけでなく、目上の方とやり取りするのに相応しい丁寧な英語(敬語)が、付け焼刃ながら身に付いた。
例えば、「こちらのマニュアルをお読みください」と伝える際に、

“Please read the manual”(マニュアルを読んで下さい)

と命令口調で書かず、無意識のうちに、

“Would you kindly follow the direction?”(こちらの手順に従っていただけますか?)

と依頼文で書くようになった。

ビジネスでは目上の方に情報を伝えることも多いので、ただ英語ができるだけではだめで、丁寧で礼節を失わない英語でなければいけない。日本人であれ外国の方であれ、間違っても上司に「これやっといて」と言ってはいけない(笑)

20代のうちに、本書で礼を失わないビジネス英語表現を身につけることができ、本当に良かったと思う。いい年して粗雑な言葉で仕事をしていては、少し恥ずかしい。

唯一の不満ポイント

この本で唯一の不満に感じる点は、CDが付いていないことだ。

CDが付いていれば、通勤時間で耳から英文を覚える(CDを聞き流す)ことができ、もっと早く質のいい英語を身につけられたになあ、と非常に残念。書籍自体が非常に使いやすく良いものなので、いつかCDも付けてくれないかと期待している。

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余談 ~目上の方への丁寧な英語表現について~

英語に敬語はないと誤解されている方がおられるが、英語にも丁寧な表現とそうでない表現がある。

英語が苦手な方には英文が書けるだけで凄いことのように見えるらしいのだが、実際には、会社の経営層(役員)に「これやっといて」とカジュアルすぎる英文を送っていたり、「スイッチへオンされます」など意味の通らない英文を送ってしまっていることが、往々にして見受けられる。

誰が読んでも理解できる言葉で書かれていることは言葉を使う上での大前提だが、ビジネスシーンで英語を用いるのであれば、丁重で、ある程度の品格を備えた英文を使う必要がある。

そうでなければ、「こんな人に仕事を任せて大丈夫かな?」と自分自身の仕事のスキルが疑われてしまうので、ご注意を。

英語で仕事:プレゼンテーション資料・メール

英語で仕事その1に引き続き、和文英訳の業務内容をご紹介。

プレゼンテーション資料 presentation materials

国内で導入されているシステムを海外子会社に導入する場合、国内導入に用いたプレゼンテーション資料を、翻訳して海外向けにも使う場合がある。
システムのメリットや利用方法を記載した説明資料、と考えると分かりやすい。

難易度

プレゼンテーション資料を翻訳する場合、日本語パワーポイント資料という原文があるので、メール作成より難易度が上がる。だが、公式通達文と異なり多少の意訳が認められている

プレゼンテーションには通常、「営業」「有益な情報の共有」「社内教育」など事前に目的が設定されており、かつ、その資料に目を通す方も数人~数百人程度と、公式通達文よりも狭い範囲の人々が対象になる。そのため、英語も目的を達成するために用いれば良く、意訳や平易な英語を用いても構わないことになっている。
 
プレゼンテーション資料はA4用紙数枚~数十枚と分量は多く、デザインを崩さず英文を収めることなど英訳以外にも気を回す部分はあるのだが、通達文などの正式な文書と比べると気楽で英語力を必要としない業務と言える。

英訳する際に私が気を配るのも、できるだけ平易な英語を使い読みやすくする、ということだけだった。骨のある英語は社内通達文で用いるので、実務レベルで用いる資料はできる限り分かりやすく、行動や判断に結びつきやすい英文を作るよう心がけていた。

eメール e-mail / チャット chat

英訳業務に携わっていた時のみならず、外資系企業ではどこでも行う業務になるので、この項目は全般的に記載する。

海外や外国から来られた方と関わりのある部署に所属しているので、当然のように英文メールでのやりとりすることがある。また、近年は業務にもチャットの利用が広がってきたので、MicrosoftのLyncやOffice Communicatorを利用して、eメールの代わりにチャットで業務を進めることがある。
英文eメールやチャットでの会話は、英語を使う業務の中で最も気楽な業務だと思う。

原文を元に訳す必要がないので、通常は頭に浮かんだことをそのまま英語で書くだけで済む。日本語を介して考える必要がないので、その点も楽。英文テンプレートが用意されている時は、更に手間無く書くことができる。

英文メールやチャットで業務を行う際に気をつけることは1点だけで、意味の取り違えが起こらないように書く、ということだけだった。使いこなせない英語構文や意味のあやふやな英単語は、無理に使用しない方が良い程度。
日本語でメールを書くときも注意することだとは思うが、海外向けメールの場合、日本国内以上にさまざまな文化や風習をお持ちの方が多いので、意味の取り違えが起こりやすいことは否めない。

端的で易しい英語で書き、あとは日本製のまごころと気遣いを込めておけば完璧である(笑)