月別アーカイブ: 2017年12月

「ぐりとぐらのかいすいよく」 あらすじと読書感想文

「ぐりとぐらのかいすいよく」のあらすじ

※ストーリーの前半部分のみを記載

野ねずみのぐりとぐらは、静かな海の波打ち際で、砂遊びをしていました。

2匹は遠くの海に何か光るものが浮いているのを見つけましたが、残念ながら、ぐりもぐらも泳げません。光るものが浜辺に流れ着くのを待ってから眺めてみると、光っていたものは、とうもろこしのかわに包まれた、立派なぶどう酒の瓶でした。

ぶどう酒の豊かな香りを感じるぐりでしたが、ぐらは瓶の中身がワインではないことに気づきます。栓抜きではなく巻き貝をコルク抜きにして、なんとかワイン瓶の栓を抜くと、中に入っていたのは、色違いの小さな浮き輪が2つと、手書きで書かれた地図、それに手紙でした。

手紙には、

 しんせつなともだちへ 
 しんじゅとうだいにきてください 
 うみぼうずより

とメッセージが書かれていました。地図を見る限り、海を南に向かって泳いでいくと、真珠灯台に着くようです。

泳げないぐりとぐらでしたが、浮き輪があれば大丈夫。うみぼうずから貰った浮き輪に空気を入れて、いざ冒険に出発です!

「ぐりとぐら」シリーズについて

野ねずみのぐりとぐらが主人公の絵本シリーズ。
ぐりとぐらはお料理することと食べることが大好きで、おいしそうなごはんや森の動物たちが絵本に登場することも多い。
おはなしを中川李枝子さんが、イラストを山脇百合子さんが担当されており、お二人は実の姉妹(!)だそう。

現在出版されている「ぐりとぐら」シリーズの絵本は、下記の通り。(上にいくほど古い)

「ぐりとぐら」
「ぐりとぐらのおきゃくさま」
「ぐりとぐらのかいすいよく」
「ぐりとぐらのえんそく」
「ぐりとぐらのくるりくら」
「ぐりとぐらのおおそうじ」
「ぐりとぐらとすみれちゃん」
「ぐりとぐらの1ねんかん」

福音館出版。大きさは縦20cm×横27cmで、ハードカバー絵本。
大人が読んであげるなら4才から、お子さんがご自身で読まれるなら小学校低学年から、が推奨。

「ぐりとぐらのかいすいよく」の読書感想文

※ストーリーのネタバレを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

相変わらず、子ども心をくすぐるシチュエーション満載の絵本でした。

1番好きだったのは、ぐりとぐらが真珠灯台で真珠を探しに行くシーンです。
泳ぎがとても上手で身体も大きいうみぼうずなのに、身体が大きいことがあだになり、大切に守ってきた真珠を取り戻すことができません。しょんぼりするうみぼうずに代わって、小さな小さなぐりとぐらがしっかり真珠を見つけ出してしまうので、読者としては微笑ましかったです。

また、できないことは補い合い、できることは率先して行って友をより良い方向に導いてあげる、という友だちとの理想的な関係を、ぐりとぐらとうみぼうずは自然に築けているように見えます。
友への配慮と信頼が短い絵本の中にあふれているので、読んでいてあたたかく、素直に「いいなあ」と感じました。

海が舞台の絵本なので、春から夏にかけて読むと、より一層お子さんが楽しめそうです。
「ひらめ泳ぎ」や「くじら泳ぎ」、それに豪快な「いるかジャンプ」など、さまざまな泳法がうみぼうず直伝で紹介されていますので、恐らくどのお子さんも、プールや海で真似して泳いでみたくなるのではないかと思います(笑)

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鉛筆でデッサン力を養うのに適したモチーフの一覧

デッサン初心者の頃から鉛筆デッサン10年超の現在に至るまで、日々スケッチブックにモチーフとして描いてきたものを、描いた順にメモする。デッサン力向上を目指す方の一助になれば。

ひょんなことから今まで3つの絵画教室にお世話になったが、どの教室も工夫を凝らし、生徒が無理なくデッサンのスキルを伸ばせるよう、工夫してモチーフ選んで下さっていたと感じている。そして、「何を描くか」ということもさることながら、「どの順で描くか」も同じくらい重要だった。

鉛筆でデッサンしたモチーフ@N先生の絵画教室

社会人2年目に、完全なるデッサン初心者として通い始めたN先生の教室にて描いたモチーフをご紹介。デッサンのモチーフが、最もシンプルで初心者が学びやすい順に構成されていたなあ、と感じるのがN先生の教室だった。

鉛筆デッサン必修課題

 1枚目 白いプラスチックの植木鉢
 2枚目 青緑色のシンプルな形の壺
 3枚目 赤林檎1つ
 4枚目 赤林檎1つと半分に切った赤林檎1つ(キャンバスで林檎と林檎が接するようにモチーフを配置する)
 5枚目 透明なガラスのワイングラス
 6枚目 緑色のランプ

最初の1枚目の植木鉢から6枚目の緑ランプまでは、デッサン初心者も経験者も、N先生の教室に通い始めた全員が頑張って描く。使うのは、三菱鉛筆uniの2B鉛筆1~2本と、練り消しゴム1つと、全長30cmくらいのスケッチブック1冊のみ。
それぞれのモチーフと取り組む順には、重要な意味がある。

 1枚目 明暗を描く練習
 2枚目 色のついたものを描く練習
 3枚目 丸いものを描く練習
 4枚目 2物の関係を描く練習
 5枚目 透明なものを描く練習
 6枚目 中身の見えるものを描く練習

1枚目・2枚目は、色が1色か2色で、形もシンプルなモチーフが選ばれている。そして枚数が進むにつれ、色数が増え、形も複雑になり、絵に奥行きが求められるようになってくる。

ただ、4枚目の林檎1個×林檎半分は、2物の位置関係を平面上で組み立てねばならずとても難しいので、個人的には順番を少し入れ替えて、林檎1個×林檎半分は6枚目でもいいかなとも思う。

最初の6枚を入塾(?)した人が入塾した順に描くので、進捗は全員バラバラ。早めに描き上げても、何時間もかけてじっくり描いてもいい。中には小学校以来30年間絵など描いたこともなかったという人もいたが、先生のサポートを受けつつ、その方らしい絵を描き上げていた。

また、生徒全員が同じものを描くので、この6枚の絵が共通の話題となっていた点も見逃せない。年齢や職業が違ってもこの6枚の話題なら会話が出来てしまい、教室全体に一体感が生まれ、生徒同士が仲良くなるのに一役買っていた。生徒同士が仲良いと教室にも通いやすく、絵の技法からパンの美味しいお店まで、この教室でさまざまなことを教わった。

N先生は非常にお喋り好きで社交的な方だったが、コミュニケーションまでを考慮してこの6枚を必修課題とされていたのなら、見事というより他ない。

鉛筆デッサン選択課題

必修課題の6枚を描き上げると、パステル画や水彩画や色鉛筆画・油絵など、選ぶ道は十人十色だった。あと数枚鉛筆デッサンを描かれてから、ご自分の描きたい画材やモチーフを選ばれる方が多かった。こうした自由度の高さは、個人運営の絵画教室ならではの良さだと思う。
私は鉛筆1本で描けるシンプルイズベストな鉛筆デッサンが好きになり、積極的に鉛筆デッサンに励んでいたので、そのときのモチーフをメモ。

 7枚目 珈琲ミル
 8枚目 銅のランプ
 9枚目 ミロのビーナス(小型の石膏の胸像)
 10枚目 ビロードの袋の入ったウイスキーボトルと、水の入ったグラス
 11枚目 枯れ薔薇約20本と模様付きの白い花瓶
 12枚目 黒いランプ
 13枚目 造花の花3本
 写生会 川のある風景

7枚目以降は、N先生の教室に保管されていたモチーフのうち、先生に勧められ自分でも興味惹かれたものを順に描いた。質感や形の違うものが毎回選ばれていたなあ、と振り返ってみて感じる。
描く順はさほど気にしなくて構わないが、石膏像は非常に難しく感じたので、9枚目で描いたのは時期尚早だった気がする。

鉛筆でデッサンしたモチーフ@Aスクール

N先生の教室が閉じてしまった後、通い始めたのがAスクール。Aスクールには美術大学受験向けの講座があり、講師も生徒もデッサン力が超ハイレベルで、絵で賞を受賞されている方がたくさんいた。
Aスクールはデッサンコース内でのカリキュラムがおおよそ決まっており、デッサンのモチーフも予め定められていたが、何をどの順番で描くかは講師と相談しながら選ぶことができた。(かつ、デッサンに飽きた時は、絵本コースやコミックコースなど別のコースを受講することもできた)

 01枚目 石膏の立方体
 02枚目 石膏の直方体
 03枚目 石膏の円柱
 04枚目 石膏の球体
 05枚目 石膏の円錐角柱相貫体
 06枚目 グラス
 07枚目 紙コップ
 08枚目 木片
 09枚目 トイレットペーパー
 10枚目 ブックエンド
 11枚目 縄
 12枚目 レンガ
 13枚目 タオル
 14枚目 金属製のボウル
 15枚目 グラスとレモン
 16枚目 レンガとワインボトル
 17枚目 植木鉢とボーダー柄の布
 18枚目 オイル缶とさいころ
 19枚目 電球とクリップ
 20枚目 スコップと胡桃

※後半に行くほど、モチーフを描いた順序はうろ覚え。

最初が単体モチーフの石膏デッサン、次が単体モチーフで質感のあるデッサン、最後が複合モチーフで二物の質感の異なるデッサンだった。実はカリキュラムはこの後も続き、牛の頭蓋骨など形の複雑なモチーフを使ったデッサン、石膏人物像や木炭デッサンなどへと進んでいくが、私はこの20枚すら所要時間内に描けず、挫折した(苦笑)

石膏でできた立体の描き方を最初にしっかり学んでおくことは、形のとり方や奥行き・立体の表現の仕方を身に付けさせてくれたと感じる。特に立方体と円柱は、学びが多かった。実際に描き始めると単調に思えるかもしれないが、「この最初の数枚が描けないと、他のどのモチーフもまともに描けないだろう」とも感じた。

<参考>木炭でデッサンしたモチーフ@T先生の絵画教室

 1枚目 石膏の首像(ミロのヴィーナス)
 2枚目 石膏の首像(名称不明。男性の首像)
 3枚目 石膏の首像(名称不明。男性の首像)
 4枚目 石膏の胸像(ボルゲーゼの闘士胸像)
 5枚目 石膏の胸像(名称不明。青年戦士が甲冑とマントを羽織っている像)

入門直後の必須カリキュラムが最もスパルタだ、と感じたのが、T先生の教室。Aスクールで鍛えられた後でも、石膏像を5枚連続で木炭でデッサンするのは難しかった…。
初心者が石膏像を描くのは難しく、また、石膏像を個人で用意するのも費用が嵩むので、このカリキュラムは参考程度に見て頂ければ。

鉛筆画:テキーラ瓶とかるがものぬいぐるみ(製作途中)Tequila and Karugamo drawn by pencil

Tequila and Karugamo テキーラの空瓶1本とかるがものぬいぐるみ1つが鉛筆でデッサンされている絵を、正面から撮影した写真。絵はスケッチブックに描かれており、スケッチブック全体が写真に写っている。画面左に、テキーラのつややかなガラスのビンが描かれており、ビンには税関のシールやお酒のロゴラベルが貼られている。画面右に描かれているかるがもは、鉛筆で淡くふかふかとした質感で描かれている。

モチーフ テキーラの空瓶、かるがものぬいぐるみ
使用画材 スケッチブック、三菱鉛筆uni、練り消しゴム
製作場所 T先生の絵画教室
光源 自然光と蛍光灯を併用。自然光は3Fの窓から採光、時間帯は14:00~17:00
完成日 2017年12月16日(土)

モチーフについて

テキーラの空瓶は、T先生の教室でお貸し下さったもの。
購入当初は琥珀色の透明なテキーラが入っていたそうだが、残念ながらテキーラそのものにお目にかかることは出来なかったので、琥珀色の強いお酒を思い浮かべながら描いた。お酒を飲めない人間にとっては、酒は想像と創造の世界で愛でるものである。輸入した際のものと思われる関税(?)のシールがまだ貼られており、いい雰囲気を出していたので、それも描くことにした。
数年経ってから、amazonで売られていたモチーフ瓶を発見。ようやくテキーラのお酒の色を把握した。予想よりお酒の色が薄かったので、描く前にまだまだ修行が必要そうである..

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かるがものぬいぐるみは、我が家の古参。
同じ教室内で鳥を油絵で描かれている方がおり、自分も鳥好きなので鳥を描いてみたかったが、モデルになるようないい写真が見つからず、実物に先がけてぬいぐるみのかるがもで描いてみることにした。いずれは雀や山鳩や目白などを描いてみたいと思案している。地味色の鳥ばかりなのは、好みと都会固有の問題である。都会では明るい羽色をした鳥にお目にかかることがほぼない。ぬいぐるみのかるがもは20年来の古参なので、白い羽が経年の汚れで微妙に灰色がかっている部分があるが、そうした部分も再現する予定。

「質感の違い」を描き分けることが、今回も大きなポイントの1つ。今回のモチーフはどちらも茶色だが、片や硬くて透明で光の反射があり、もう片方はふかふかと柔らかく、輪郭さえはっきりしない。また、ぬいぐるみという愛らしいモチーフなので、見る人がきゅんとするような愛らしさを紙の上に再現できれば。

描き方について

テキーラ瓶は、6H鉛筆から4B鉛筆まで幅広く使用。4H・6H鉛筆といった芯の硬い鉛筆は、こうした固く透明なモチーフにおいて威力を発揮する。かるがもは今のところほぼH鉛筆で、部分的にHB鉛筆。

どちらもモチーフが焦げ茶なので、仕上がりが近付くにつれ、手の側面に鉛筆の粉がついて、キャンバスを汚す恐れがある。それを避けるため、2つのモチーフのおおまかな形を取った後は、左のテキーラ瓶から描き込んだ。こうした描き方の方が個人的には描きやすい。デッサンの描き方講座を見ていると、左右並行でバランスよく仕上げていく方も多い。

描いている最中に、かるがもが自宅のどこかに仕舞われてしまい見当たらなくなった。1ヶ月経っても出てこないので、テキーラ瓶のみを仕上げて一旦中断。