月別アーカイブ: 2018年2月

製作で使用している画材紹介 ~ 水彩絵具・パレット・筆 ~

水彩は先生に師事して専門的に学んだことがなく、水彩画の技法本を読み漁っての独学。なので、間違っている箇所があったらごめんなさい。

水彩絵具

コープ水彩絵具

中学の美術の授業で買い与えられたものを、未だにメインで使っている(笑)

学生時代の絵具を愛用している最大の理由は、使い慣れた絵具の方が、色を混ぜた際にでき上がる色を想像しやすいから。
絵具を単色で使うならカラーチャートを作っておけば事足りるが、水彩絵具は2色~5色以上混色して使うことが圧倒的に多いので、混色のしやすさは欠かすことのできない重要ポイントの1つ。
作業の速さから作品の出来栄えまで、製作全般に大きく影響してくるので、少なくともあまりに使いづらい絵具は使わないことにしている。

焦茶色の木机の上に、6本の水彩絵具をのせて、絵具に近づいて撮影した写真。Coop水彩絵具の空色・青・黄灰色・焦茶の絵具チューブが乱雑に転がっている。

また、このコープ水彩絵具には、「きはいいろ(黄灰色)」や非常に赤みの強い「あかむらさき(赤紫)」など、「何でこれが一般向けの製品に入っているんだろう?」と首を捻りたくなる色が何本かあり、それらが私の好みに大変マッチして良い仕事をしてくれている(笑)

ホルベインやターナーなど他のメーカーでも、探せば似たような色には巡り合えると思うが、1つの画材に慣れ、その魅力を引き出すまでには時間がかかるし、自分でもちょっと意味が分からないほどコープ水彩絵具から離れる気にならないので、当分このままでいいかと思っている。

透明なビニール袋に入ったコープの水彩絵具19色セットを茶色い床に置き、撮影した写真。水彩絵具セットの手前には、青色と紫色の絵具のチューブが1本ずつ置かれている。

派手な色がなく、どの色も使いこなせるのも有難い。

Dr.Martin カラーインク(読み:ドクターマーチン)

サブの水彩画材として、ドクターマーチンカラーインクは非常によく使う。

青色・緑色・黄色のドクターマーチンカラーインクを白い紙の上に立てて並べて、ラベルの正面が写るように撮影した写真。美しいガラス瓶のボトルが、無造作に並べられており、どのボトルも中の液体が半分くらいに減っている。

ドクターマーチンのインクを使うと、通常の水彩絵具にはない透明感とあざやかさを出せる。が、ドクターマーチンを単色で使うとあざやかすぎて、そこだけキャンバスから浮いてしまうので、上記のコープ水彩絵具と混ぜて使うことが多い。

ドクターマーチンのカラーインクを使うと、多少絵が下手でも美しい色合い・グラデーションが簡単に作れてしまうので、若かりし頃に水彩へのめり込むきっかけを作ってくれた製品でもある。
本当に色合いが美しく、使うのが楽しくなるカラーインクなので、一度も使われたことのない方はぜひ一度試してみて頂きたい。初めての方には、蛍光色のないシンクロマチックシリーズが、使いやすくておすすめ。
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Dr. Martens
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ホルベイン透明水彩絵具

上記2つの絵具でも欲しい色がない場合は、ホルベインの透明水彩を使っている。

ホルベイン水彩絵具のチューブ2本を、チューブの近くで撮影した写真。チューブの色はそれぞれ、オペラ(あざやかなピンク色)と、パーマネントイエローディープ(明るい山吹色)。

↑ ホルベイン透明水彩

コープ水彩絵具より値段が張るが、10年以上引き出しに保存していても、チューブが錆びたり絵具が乾燥したりすることがなかった。色数も豊富に揃えられるので、色が足りないと感じることがなく助かっている。個人的に黄色から青にかけての色が好みなのだが、緑と青と灰色が絶妙な割合で混ざっている色↓ような、好みだが自分ではぱっと作りづらい色も用意されている。

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また、水彩画の技法書には、素敵な水彩画を掲載し、その水彩画を描く際に実際に使用した絵具のメーカーや色名を、合わせて記載しているものがある。
「真似して描きたい!」と思って色名を見るのだが、「ローアンバー+ウィンザーバイオレット+カドミウムレッド」(京都の古い家並みの板壁の色)など、「手持ちのCoop水彩絵具に当てはめると何色ですか?」としょんぼりする色名が記載されていることが多い(笑)

「メイン画材はホルベインなどの有名処にしておいた方が、水彩を学ぶのが早まったかな…?」と今になって思うが、学生の頃から染みついた習慣はそう簡単には取れそうにないので、今から学ばれる方は反面教師にして欲しい…。

茶色い床に赤い箱に入ったホルベインの透明水彩絵具が蓋を開いた状態で置かれている。箱には緑や茶色や赤の水彩絵具チューブが真新しい状態で入っており、箱の手前に黄色とピンクの水彩絵具チューブが置かれている

もし購入を検討される場合は、最初は色数を多く揃えなくていいと思う。
水彩は何といっても、色や水を自由に混ぜ、微妙な色合いや濃淡を作って楽しめるのが魅力なので、最初から何もかも色を揃えてしまっては勿体ない。
私がコープ水彩絵具19色セットで不満を感じないように、最初はせいぜい20色もあれば十分じゃないかと思う。

ただ、水彩画では通常、白い絵具はほぼ使わない。白絵具と他の色を混ぜると色が濁るし、原色そのままで使うと目立ってしまい、白を塗ったところだけキャンバスから浮いてしまう。
個人的な意見としては、白チューブの入っていない透明水彩絵具セットを売った方がみんな絵が上達していいんじゃないかと思うが、ホルベインもターナーもウィンザーアンドニュートンも、絵具セットにデフォルトで白色が入ってしまっている…。

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水彩パレット

折り畳み式プラスチック製パレット

中学生の頃から、ずっとこのパレットを使っている。未だにあまり不足を感じないところが凄い。

白いプラスチックの水彩用パレットに、赤や黄色や青色や紫色の水彩絵具が乗せられている。パレットの手前には、使い古した筆が1本添えられている。

このパレットは折りたたみ式になっており、数多くの絵具を乗せてそれらを一度に把握することができ、かつ、混色するスペースが広いところが気に入っている。

amazonなどを眺めていて、絵具を置くスペースが広いパレットと、色を混ぜるスペースが広いパレットの大きく二通りがあるように感じた。絵具を置くスペースが広いパレットは、大きな絵を制作する方向けだろうか。個人的には、混色であれこれ試行錯誤して、小さめの絵を描きたい派なので、混色スペースの広いパレットの方に軍配が上がる。陶器でできたお皿のようなパレットもあるが、屋外制作などがあるなら、軽さや取り扱いのしやすさを踏まえてプラスチックパレットの方が良いのではないかと思う。室内制作がメインで大きな絵を描かれる方なら、陶器パレットもありかも。

白いプラスチックの水彩用パレットに、赤や黄色や水色や紫色の水彩絵具が乗せられている。絵具はすべて乾燥してカチカチに固まっており、パレットには、赤や黄色を混色している跡が残っている。

また、水彩ではパレットは殆ど洗わない。プロの方も洗わない、というのをどこかの本で読んで以来、根がものぐさなのですっかり洗わなくなってしまった。軽く10年以上洗っていないように思う。代わりに、絵具を混ぜる広い部分が汚れてきたら、水を浸した古布でふき取っている。

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チョコレートの箱のパレット

最近変わり種のパレットも使い始めた。チョコレートが入っていた小箱が、Van Gogh(ヴァン・ゴッホ)の固形水彩絵具の入れ物にぴったりだったので、試しにパレットとして使ってみている(笑)

Mary'sのおしゃれなチョコレートの紙箱にVan Goghの固形水彩絵具の詰めてパレットにした写真

Van Goghの固形絵具を普通のプラスチックパレットに乗せて使おうとすると、動いた拍子に絵具が床に落ちてしまい困っていたので、当面この菓子箱パレットを使って様子を見てみようと思っている。

Mary'sのおしゃれなチョコレートの紙箱にVan Goghの固形水彩絵具の詰めてパレットにしたもの(拡大図)

水彩筆と筆入れ

水をよく含む柔らかい筆が、使いやすいように思う。

木製の台の上に、左から順に折り畳み式プラスチックパレット、使い古した筆、プラスチック製の丸い筆入れが置かれている。プラスチックパレットは、古びており、ところどころ絵具で汚れている。

この筆のほかに、細かい部分を描く細い筆と、水を画面いっぱいに広げられる太い筆を併用しているが、筆は3~5本あれば十分事足りる。筆を買い揃えるより絵具を買い揃えた方が、制作の幅が広がりそう、と個人的には思う。

↓ この3種があると便利。

水彩画をたくさん描かれるなら、上の写真↑の左端に写っている平筆は1本あると便利。無くても描けるが、水彩画は広範囲に水や薄めの水彩絵具を塗ることが多く、その上から絵具を落として滲ませて着彩することも多いので、均一な濃さでぱぱっと広い範囲を塗るには、平筆が一番楽だと思う。

その後描き込むように塗る時は、中央の丸い筆を使い、最後に細部を仕上げたい箇所だけ、右端の細い筆を使う。それぞれの筆の太さはお好みで。自分に合う筆の太さは、描く絵のサイズや描き手の個性にもよると思うので。

ちなみに筆入れも、中学校の美術授業で買い与えられたものを未だ使用している。長い筆を入れても筆先が決して潰れない、という入れ物が意外に見当たらず、結局この筆入れに落ち着いた。軽いし透明なので、筆の入れ忘れも少ない。

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水入れ

水入れには全くこだわりがなく、ジャムの空き瓶や和風だしの入っていたプラスチックのボトルを転用している。
たっぷりの水で絵具を溶かすと水彩特有の透明感が出るそうなので、コップより大きいサイズの入れ物を使う方が、水彩絵具の良さを生かせると思う。

日商簿記検定3級・2級・1級 勉強法・メリットなど

日商簿記を3級から1級まで一通り受験したので、簿記の勉強法等についてメモ。経理や会計専門職を目指さない方も、簿記2級までの知識が身についていると仕事が楽だと思う。

日商簿記3級の勉強法

試験内容

試験時間は2時間で、出題範囲は商業簿記のみ。合格ラインは70%以上。受験料は約2500円。
簿記3級では個人商店や小規模な会社で利用できるような、簿記の基礎を学ぶ。

学習期間

約1ヶ月(うち、予備校通学は10日間)

使用したテキスト・問題集

資格予備校LECのテキストと問題集

勉強法・学習のポイント

簿記3級は、お金と時間をかけずに取得できる。
資格予備校に通学して学ぶ場合は、受講料1万円程度を支払えば通学講座に申し込める。全10回10日間のコースで、通学期間は約1ヶ月。授業は夜間のみ開講されていた。
受講料1万円なので、高校生・大学生でもアルバイト代で十分支払える。

簿記3級の試験は簡単なので、高卒・大卒程度の学力があれば、殆どの方は一発合格できる。(私にとっては、簿記三級より高校数学の方がはるかに難しかった…) 簿記3級でも、あるとないとでは履歴書に書ける内容が変わってくるので、時間のあるうちにさくっと取得されることをおすすめする。

勉強のポイントは、仕訳などの練習問題を十分に解くこと。日常生活で簿記は普段使用しないので、簿記特有の考え方に戸惑うかもしれないが、問題を通じて慣れることができると思う。仕訳や電卓計算を間違えずに出来ればok。
簿記2級・簿記1級まで目指されている方は、仕訳作成から試算表までの会計全体の流れと、それぞれの作業の意味を把握しておくと良いかも。

資格取得したメリット

僅か1ヶ月の学習で履歴書に書ける資格が取れ、社会でそれなりに評価して貰える。小さい企業・組織では、日商簿記3級までしか取得されていない経理の方もお見かけしたことがあり、3級取得者であることを割と自慢げに話されていたので、実務的にも使えるものなのだと思う。

日商簿記2級の勉強法

試験内容

出題範囲:商業簿記、工業簿記

学習期間

約3ヶ月

使用したテキスト・問題集

LEC出版のテキストと問題集、電卓

勉強法

簿記2級は独学で取得。簿記3級で簿記の基本的な処理や考え方が身についており、簿記2級は学習範囲が広くなるが基礎は変わらなかったので、独学でも特に問題なかった。

工業簿記は簿記2級で初めて登場するが、基本的には製品を作るのにいくらかかったか(製品原価)を正確に知りたいだけなので、計算結果が正しく出るように頑張った。個人的には、仕訳が少ないので工業簿記の方が馴染みやすかった。(勘定科目と仕訳の処理を暗記するのが苦手なので…)

テキストと問題集がセットになった書籍を友人から勧められ、それを約3ヶ月解いたら、無事合格。(私より記憶力が良い友人は、学習期間2ヶ月で合格)

簿記2級は地道に学習を続けてればいずれ受かると思うが、3ヶ月間仕訳ばかり解いてると途中で面白くなくなったり飽きたりするので、飽き対策は考えておいた方がいいと思う。
自分は、アルバイト → 勉強 → アルバイト…… のエンドレスで乗り越えた。独学に飽きるとアルバイトで人と接しながらばりばり働きたくなるし、バイトでへこむことがあると「簿記2級取ろう…」と簿記独学に戻った(笑) 

取得したメリット

会計・経理に関する仕事に就ける。日商簿記2級取得後に経理未経験で経理・財務職の面接に応募したことがあるが、書類選考もそれなりに通ったので、実務でも評価して貰えるようだ。会計ソフトのサポートなどIT絡みの仕事では、当時会計・経理の実務経験ゼロだったのに書類選考どころか内定まで出た。
但し、日商簿記2級を持っている方はそれなりに多いのでは、他者との差別化は難しい。

日商簿記1級の勉強法

試験内容

出題範囲:商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算

試験時間は、商業簿記・会計学で90分、工業簿記・原価計算で90分の計3時間。それぞれの科目で40%以上得点し、総合計70%以上の得点で合格。
合格すると、税理士試験の受験資格が得られる

試験日:6月上旬、11月上旬。
受験料7710円(税抜)。

使用したテキスト・問題集

「検定 簿記講義 1級」(中央経済社出版) 計4冊、電卓
 →「検定 簿記講義 1級」の詳細については、こちら

日商簿記1級を通学で学ぶ

日商簿記1級を短期間で一発合格したいのであれば、予備校に通われる方が効率が良い。自分も初めは資格予備校で学んだ。

日商簿記1級は、使用頻度の少ない細かい論点が増え、学ぶ範囲が広くなり、難易度が格段に上がる。学習期間も半年~1年と倍以上に伸びるので、独学では途中で分からなくなって挫折する恐れがある。

逆に予備校通学だと、これほど長期間通うと顔見知りも出来るので、簿記友達もできるし悪くない環境だと思う。異業種の方や学生・管理職など、普段接しない人々と知り合う機会も増える。
社会人向けの夜間&土日のみ講義の予備校もあるようなので、予備校通いの時間と費用が捻出できる方は、一度通学を検討されたし。

資格予備校の通学費用(授業料)は、大原簿記で17万円、授業回数は89回。クレアールだと15万円で、授業回数は80回程度。車の免許を取得するのに20~30万かかるので、その半額だと考えると大学生でも捻出できる筈。

予備校については、TACとLECは宜しくなかった(実体験に基づく判断)が、大原簿記はいい学校のようだ。大原簿記は過去に一度体験授業を受けたきりだが、授業が面白く、時間があっという間に過ぎて行った。その時の講師の方は、その後数年間ずっと、メルマガで日経新聞記事に解説を加えたものを送って下さった。

また、ネットスクールの桑原先生やクレアールの石井先生は著書が良く、弥生カレッジはyou tubeの無料講座がとても良かったので、合わせておすすめしたい。

日商簿記1級を独学で取得したい方は…

日商簿記2級を取得していることがが大前提。簿記2級取得していないとしても、簿記2級レベルの仕訳がさらっと書けないと、独学で簿記1級を取るのは相当厳しい。また、当然のことながら、予備校通いより取得に時間を要することは、頭に入れておく。

その上で、簿記1級のテキストを1冊用意する。最初に学習を始めるのは、簿記2級で学んだ商業簿記か工業簿記が、取り組みやすくて良いと思う。会計学は一番最後に学べばいいので、学習開始時点では無視して構わない。

まず何章かテキスト読んで問題を解いてみて、独学で挫折せず進められそうか手ごたえを確かめる。商業簿記なら、税効果会計・外貨換算会計・退職給付会計・企業結合と事業分離会計あたりが難しい論点になるので、これらの山を独力で越えることができるなら、独学でも問題ないと思う。私は外貨換算会計の繰延ヘッジや退職給付会計の数理計算上の差異の会計処理あたりで、予備校にいても心が折れそうになった…。

が、これらの小山で心が折れてしまうのであれば、商業簿記の最後に控える連結会計という大山を乗り越えられないのでは、と思う。連結財務諸表の決算時の会計処理には、個別財務諸表の会計処理が全て登場するし、その上で連結決算の仕訳も書けないいけないので、個人的には連結会計が最重要かつ最難関だと思う。同時にこの難所は、日商簿記1級を学ぶ1番の醍醐味でもある。

you tubeが普及した今なら、予備校の無料講義がyou tubeでも視聴できるので、公開されているものだけでも聞き込んでみると、独学の助けになってくれる。
個人的には弥生カレッジCMCの無料講義が分かりやすかった。公開されているものは2~5年前の講義が多いが、それでも十分助けになる。

会計学(理論科目)の対策

暗記が苦手なので、英語でTOEIC850を取得した時と似たやり方を採用した。
簿記テキストの説明の中で、重要だと感じた箇所、理解が悪いと感じた箇所をピックアップし、ピックアップした部分の文章を読み上げてボイスレコーダーやスマホのボイスレコーダーアプリに吹き込んだ。そうした録音音声をいくつか溜めておき、家事や散歩や通勤の隙間合間を見つけて聴き込むようにした。

自分は読むより聞くスピードの方が速いので、この方法であれば短時間に繰り返し復習出来、重要用語が頭に定着しやすい。

音声を聞く際にスピーカーではなくイヤホンを使うなら、ノイズキャウンセリングイヤホンがおすすめ。周囲の雑音をシャットアウトすることが出来るので、都心部での通勤や自宅の皿洗いなど、音の多い場所にいてもクリアな音が聞こえ、学習が苦にならない。

試験本番の様子

自分が受験した時は、専門学校の団体受験の中に紛れてしまったらしく、20才前後の男女が全体の8~9割を占めていた。休憩時間によく喋る子も多かったので、会場が専門学校の授業中のようだった(笑)

試験の前半で行われる商業簿記・会計学はそれなりに静かだったが、試験後半の工業簿記・原価計算に入ると、試験開始30分を過ぎた直後に退出する人が数%くらいいた。さすがに30分では全問解けないと思うので、今回は様子見で受験された方が結構いたんだなあ、と気付かされた。

また、受験番号が右詰め記入だったり、生年月日を書く欄があったりと、解答用紙が他の資格試験に比べて独特だった。(自分がITとTOEICの試験に慣れ過ぎただけかもしれないが) 簿記で金額計算に慣れ親しんだ人々を相手に番号を右詰め記入させるとは、誤記入のもとだとは思った(笑) 簿記を学ぶと、数字は無意識に左詰めにして書いてしまう。

問題用紙は持ち帰ることが出来るので、解答を問題用紙にメモしておくと、インターネット上に掲載される解答速報と答え合わせが出来、合否がすぐ分かって便利。

おわりに(目指して1級!)

実務で経理職に就きたいなら日商簿記2級で十分だが、せっかく取得するなら、簿記1級まで取得した方がいいと思う

日商簿記1級取得にはお金と時間がかかるが、1級があると、公私ともに住む世界が変わってくる。

日商簿記1級を取得できれば、公認会計士試験や税理士試験への挑戦が、頑張れば手に届くものとして視野に入ってくる。公認会計士は企業会計の、税理士は税務のプロフェッショナルであることを証明できる資格で、社会的地位も責任も年収も桁違いに高い。

公認会計士を目指す場合も、最初の半年から1年は日商簿記3級から簿記1級までの学習を徹底的にやり込む。会計士の財務会計論と管理会計論は、日商簿記1級と学習範囲がかぶっている。人生の早いうちに1級を取得できると、会計のプロフェッショナルとして大きく弾みがつき、他者とも差別化ができる。

会計の専門職に就かずとも、企業で働く方で日商簿記1級をお持ちであれば、「企業の数字が読める人」として扱われる。企業では地位が上がれば上がるほど、会社の数字が読めることは必要不可欠のスキルなので、早いうちに1級を取得できるならそれに越したことはない。管理職になってから取ろうとしても、簿記や会計だけに時間を割く余裕がなく、取得が遅れる。

また、会計と英語、会計とITスキルのように、会計に何か別のスキルが加わると、更に強力になる。組み合わせにも依るが、会計だけが出来る方より会計+αの合わせ技の出来る方の方が数が少ないので、社内に留まらず、社外からもお声がかかるようになる。上手に転職できれば、やりがいも年収も上がるだろう。

プライベートにおいても、連結財務諸表が読めるようになるので、大企業の株式に投資する際に得た知識を生かせる。NISAが導入された際、会計の知識を生かして私も株式購入を始めたが、数字の面からもいい会社かどうかがわかるので、素人投資家でも不思議と損失が出ない。今現在は数十万円の評価益を保持したまま運用を続けている。

また、ニュースや日経新聞の話題が一読で理解できるようになるので、ビジネスに精通した方と自然に話が合うようになり、作れる友人の質が変わってくる。個人的には、この部分のメリットが最も大きかった。大企業の粉飾決算問題などが起きると新聞を読んでも深く理解できるので面白いし、新幹線で会計の書籍を読んでいると偶然隣の席に乗り合わせた税理士さんに話しかけられ、名刺まで頂戴してしまったこともある。会計分野のITコンサルタントとも話が合うし、一目を置いて貰える。

20万円程度のお金と半年~1年程度の学習期間の両方が準備できる方は、是非若いうちに簿記1級まで取得されることをおすすめする。長い人生において、公私に渡ってあなたを支えてくれると思う。

「ベートーベン―運命の大音楽家」(高木卓 著) あらすじと読書感想文

子どもの頃に繰り返し読んだ伝記からもう一冊。音楽にひたむきに打ち込むベートーベンの生涯が、読む人の心をとらえて離しません。

「ベートーベン―運命の大音楽家」のあらすじ

声楽を仕事とする飲んだくれの父親に育てられたベートーベン。
父ヨハンはベートーベンを、13歳で神童と呼ばれたモーツァルトのようにしたくてたまらず、まだ8才にもならないベートーベンを夜中の2時でも気にせず叩き起し、初見でピアノを演奏させたり、演奏の途中に転調を何度も入れて弾かせたりと、熱心すぎるほどのレッスンを行います。

ベートーベンは、父は自分を見世物のようにしてお金を稼ぎたいだけなのだと気付いていましたが、母の苦労を間近で見続けていることもあり、小学校まで辞めさせられても音楽から逃げることが出来ません。
父の熱心な教育の甲斐もあり、持ち前の才能をぐんぐん伸ばしたベートーベンは、11才にして宮廷音楽士として働き出し、作曲した曲を楽譜として出版し、貴族や侯爵の家でピアノを教えるようになります。

ですが音楽に打ち込む日々の中、恐ろしいことに、ベートーベンの耳は徐々に聞こえなくなっていきました。遺書を書き、一時は自殺まで考えたベートーベンでしたが、もう一度音楽に向き直り、再び素晴らしい曲を生み出していきます。

「ベートーベン―運命の大音楽家」の読書感想文

この本を読んでいた頃はまだ小学4年生くらいで、クラシック曲を聴く習慣がなかったので、どの曲がベートーベンの曲なのか全く分からないまま読んでいました。

ですが、耳が上手く聞こえないのに人から賞賛を受けるほど素晴らしい音楽を作れる、というベートーベンが不思議で、この本をよく読み返していたのを覚えています。
ベートーベンの音楽への情熱は、本当に人の心をとらえて離しません。
音が聞こえなくなることが、音楽家である彼にとってどれほど辛いことだっただろうと思いますが、それでも安易に死に逃げず、音楽をやめなかったベートーベンの姿勢は、時を経てもなお美しいと思います。

大人になり、クラシック曲の持つ音の繊細さと美しさに目覚めてからは、ベートーベンの偉大さがより深く理解できるようになりました。ベートーベンの凄さは、「この曲は本当に、難聴の方が作ったんだろうか…?」という一言に尽きます。交響曲第7番・第9番(歓喜の歌)を好んで良く聴きますが、こんなに複雑で美しい旋律をどうやったら思いつくのかが、まず分からない。ましてや、さまざまな楽器の音を組み合わせて、完成後何百年後を経てなお称賛を受ける交響曲に仕上げる方法は、耳がよく聞こえていても私には創作不能です。

昔には凄い方がいたものだ、と時折本を読み返しては、しみじみ感じています。

「トレーニングペーパー フランス語/単語編」ニュートンプレス

トレーニングペーパー(フランス語)に単語編があるのを見つけた。私はこの本を使用なかったが、単語編もなかなかに良さそうな一冊。トレーニングペーパーシリーズはどれも秀逸でいい。

「トレーニングペーパー(単語編)」の説明

ひたすら書いて覚えるトレーニングペーパーの学習スタイルは、単語編でも勿論健在。
この1冊で1000個の単語を学ぶが、1~2文の例文の中にフランス語単語が埋め込まれている形式で学ぶので、言葉の使いまわしの微妙なニュアンスをとらえながら単語を覚えることができる。(単語は単語だけでばらばらで覚えるより、文章を理解して文脈から覚える方が、覚えやすく忘れにくいと思う)

また、テキストにはリスニング用のCDも付いているので、日常生活の中でCDを聞き流しして、馴染んだ頃に机に向かって問題を解く、という学習スタイルが使える。
単語は特に繰り返しやらないと記憶に定着しないので、CDのあるテキストは重宝すると思う。

私個人は、フランス語ではあまり単語だけを覚えることはしなかったが、英単語の語彙力アップに励んでいた時期は、CDを非常に重宝した。家事の合間にCDをひたすら聞き流していると、脳が自然に単語を覚えてくれたので(笑)

ちなみにテキストの大きさはA5だが、ページが薄いため、厚さ1~1.5cmほどの本なのに200ページほどの分量がある。重さは、A5のビジネス書1冊と同じくらい。

追記 ~トレーニングペーパーの絶版~

フランス語のトレーニングペーパーシリーズが絶版になってしまった。

時折古本市場に出品されるものがあるようだが、数が少ないため、特に文法編2巻の値段が高止まりしている。1981年出版の旧版であれば比較的値段が安いので、そちらのリンクも追加した。旧版にはリスニング用のCDが付いていないが、少しでも安いほうが良い方は一度ご検討を。

私も文法編1巻は旧版を使用して学習したが、内容は新装版と遜色かった。

個人的には、単語編を購入されるよりも先に文法編読解編を購入された方が学習が進むのではと思うが、文法編読解編は2万円を軽く超える値段に跳ね上がってしまっていることもあるので、とてもではないが、おすすめしづらくなってしまった。
絶版になってから数年間、折に触れトレーニングペーパーの値段を注視してきたが、大きく下がることはほぼなかったため、比較的価格の低い単語編から取り掛かるのも容認せざるを得ないと思っている。

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↑ 2003年出版の新装版

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↑ 1989-1990年出版の旧版。上がトレーニングペーパー、下がカセットテープ。

「BLACK JACK」 (手塚治虫著) の読書感想文

医師免許を持つ漫画家、手塚治虫さんの不朽の名作。今読んでも普通に楽しめるどころか、熱中してどんどん読み進めてしまうのが凄い。

「BLACK JACK」の説明

手術の縫い目の跡が残る不気味な顔に、真夏でも黒コート、目つきも悪ければ愛想も悪い医師「ブラック・ジャック」。

毎回患者から法外な医療費をふんだくる上に無免許医。だが、比類ない外科手術の腕を持っているので世界中から引っ張りだこ。しかも口が堅く患者に関する情報は絶対に外部に漏らさないので、各国の要人からテロ組織の首謀者、そして名もない民間人まで、他に方法の無い人々に呼び出されては、困難の伴う手術を次々と成功させてしまう。

基本的に一話完結で、どの巻から読み始めても楽しめる。極端な話、13巻15巻といった半端な巻から読み始めても十分楽しめる。

「BLACK JACK」の読書感想文

「BLACK JACK」という漫画が凄い点は、一話完結という非常に短いストーリーなのに、一話一話がとにかく深いこと。一話完結でこれほど胸に染みる話をこんなにたくさん作れるとは…と読んでるこちらが感心するくらい、ストーリーの中身が濃い。

例えば、こんな感じ。

※以下、ネタばれを含みます。要約文は当ブログ管理人が作成。


ある日ブラック・ジャックは難民キャンプに呼びつけられ、手術室もろくな機材もない状態で、大動脈に食い込んだ銃弾を取り出すという大手術を依頼される。しかもその患者は、5,000万ドルの賞金を懸けられた列車強盗。
あまりに無謀な手術にブラックジャックも一度は依頼を断ろうとするが、断り切れず、結局その患者の大動脈に別の部位の皮膚を縫いとめるという応急処置を施した。

応急処置はあくまで応急処置なので、患者が警察のいないところに逃げ延びたら改めて自分が手術を行うことを約束して、ブラックジャックは患者の元を去る。その帰路、手術を施した患者が実は義賊で、強盗をしては貧しい人々に分け与えている難民キャンプの英雄であることをブラックジャックは知った。

1年後患者から連絡を受け出向いてみると、患者はパリ警察で身柄を保護され、1年内に死刑でこの世を去る身となっていた。
患者の頼みでブラックジャックは最高の手術をやり遂げるが、元患者の死刑は変わらず、銃殺刑の場に引き出された元患者はこの世を去る最後の瞬間、銃殺刑執行者に誇らしげにある事を依頼する……


……これほど濃いストーリーが、高々20ページに収まってること自体、どう考えてもおかしい(笑) 手塚治虫って凄い。改めてそう感じる。

また、さすが医学の素養のある方と言うべきか、手術や患部の描写が細やか。臓器や血管がどの回もぼかすことなくきちんと描かれているし、医療用語も次から次へと出てくるが、説明が分かりやすい。手塚先生自身が医療畑出身の方なので、こうした描写ができるのだろう。

結局、ブラックジャックは全巻揃えてしまった。その後、この漫画のお陰で、医師を志した友人との会話に苦労しないという副産物を得た(笑) 「え、その人腹水溜まってるの? 取らなくていいの?」といったような会話が、普通にできるようになってしまった…。

「ぽんたのじどうはんばいき」(加藤ますみ 著) あらすじと読書感想文

心あたたまる絵本を1冊。ぽんた君がかわいすぎます。

「ぽんたのじどうはんばいき」のあらすじ

たぬきのぽんた君は、ふもとの村で見かけた自動販売機をとても気に入ってしまい、森に帰って自分も自動販売機を作ろうと思い立ちます。

ぽんた君はたぬきですから、葉っぱを何かに変えるのは、得意中の得意。自動販売機に葉っぱを入れてもらい、お願い事を聞かせてもらえれば、ぽんた君が「ぽぽんのぽん!」で葉っぱを欲しいものに変え、みんなのお願いを叶えてあげられるわけです。

「うえのくちからはっぱを入れて ほしいものをいってください。」

そう書かれたお手製の赤い自動販売機の後ろに隠れ、ぽんた君が待っていると、いろんな動物がやってきて、ぽんた君にお願いを始めました。
でもある動物さんのお願いに、ぽんた君はとても困ってしまいます……。

「ぽんたのじどうはんばいき」の読書感想文

この子たぬきさん、かわいすぎます……。何でこんなにかわいいんでしょう。読んでいて大変癒されます(笑)

自動販売機を作って誰かのお願いを叶えてあげるというその発想がそもそも心優しく、目の前で困っている誰かのお願いを何とかして叶えてあげようとする姿がいじらしいです。何ていい子たぬきさんなんだ。

私のようなすれた大人が1人でもいたら、お金や高級品が欲しいなどとお願いして、かわいらしい子たぬきさんの優しい思いを台無しにしてしまうところです…。

閑話休題。

実家にあったこの「ぽんたのじどうはんばいき」は、実兄が幼稚園であまりに読み耽っていたので、卒園式の時に幼稚園の先生がプレゼントしてくれた本だったそうです。

その後成長した兄は見事な世話焼きに育ち、最後には生涯を人のために尽くす医療の仕事に就いたところを鑑みると、ある意味、実兄はこのぽんた君そのものです。
絵本とは、幼い子どもの心を形作り人生さえ影響を及ぼしてしまうという、とても力のあるものなのですね。

小さい頃好きだった本に寄り添うような人生を人は知らず知らずのうちに選ぶ、というのが私の仮説なんですが、今のところ、大きく外れてはいないなあ、という印象です。

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「しろくまちゃんのほっとけーき」 (わかやま けん 著) 読書感想文など

もうすぐ2歳になる姪が大好きな絵本です。

「しろくまちゃんのほっとけーき」の説明

しろくまちゃんがお母さんといっしょにホットケーキを作る絵本です。

冷蔵庫を覗いてたまごを取りだし(その際しろくまちゃんはたまごを1つ落として割ってしまいます)、ボウルをごとごと鳴らしながらたまごと小麦粉とおさとうを頑張って混ぜます。フライパンに流し入れたら、焼き上がるまで、リズミカルな音に耳をすませたり、ちょっと覗いて焼き加減を確かめてみたりします。
焼き上がったらお友達のくまちゃんを呼んで、みんなでいっしょにあつあつのホットケーキをいただきます。

「しろくまちゃんのほっとけーき」の読書感想文

絵本にリズミカルな擬音語が溢れています。
主人公のしろくまちゃんがたまごをボウルに割り入れる場面では「ぽたぁん」、ホットケーキが焼けるまで待つ場面では「どろどろ」「ぴちぴち」「ふくふく」など、絵本全体にリズミカルな言葉が多く散りばめられています。

実際に声に出して読んでみると、子どもに読み聞かせる経験の少ない大人(=私)が読んでも、リズム良く楽しく読める言葉が選ばれていました。それをじっと聞いている子どもも、お気に入りの言葉とページが出てくるたびにきゃっきゃと楽しそうな声をあげ、笑顔を見せてくれますので、子どもの耳にも聞き心地のよい言葉なのだと思います。

何度も読み聞かせましたが、姪はこの本を読み終わるたびに、小さい手でまたこの絵本を差し出してきて、大人にもう一回読ませようとします(笑) ホットケーキを作るだけというとてもシンプルなストーリーですが、子どもにとっては何度も読みたい&聞きたいくらいに、お気に入りの1冊になってしまうようです。

ORACLE MASTER Silver 11g 認定試験受験当日の注意事項

ORACLE MASTER Bronze 11g取得から3年後にORACLE MASTER Silver 11gを受験&取得した際、受験当日の注意事項をことごとく忘れてしまっていた。数年後ORACLE MASTER Goldを受験する時に思いだせるよう、備忘録。

ORACLE MASTER Silverの試験会場について

大阪府北区(梅田近辺)の会場で受験した。

試験会場(清和梅田ビル)はウインズの隣

OracleMasterの受験会場である、梅田清和ビルの1階表玄関。

↑ 梅田清和ビルの1階表玄関。

「清和梅田ビル」という名のビルが、ORACLE MASTER Silverの試験会場だった。確かBronzeも同じ会場だったと思う。だが、Silver受験当日に気付いたのだが、このビルはJRA(日本中央競馬会)のWINS(場外勝馬投票券発売所)のすぐ隣だった。

梅田清和ビルの左隣が、競馬のWINSのビル。

↑ 左隣がWINS(競馬の馬券を購入できる施設)のビル

私の試験開始時刻は、テレビドラマのお約束かのように、日曜13時開始。
ただでさえ混雑する週末の梅田周辺が、駅からWINSまでの間中馬券を買い求めるおじさま方と交通整理真っ最中の警備員さんでごった返しており、自転車を下りないと前に進めなかった(笑)
しかも、梅田清和ビルの看板は、見上げないと見えない位置(10階くらい?)に取り付けられており、うっかりビルの前を素通りしてしまい、試験前の貴重な数分をロスした。

自転車置場は試験会場の1階裏

清和梅田ビルは、裏手に回ると立体駐車場になっており、喫煙所や守衛室がある。喫煙所の前にスペースがあり、1台自転車が止められていた。
守衛さん(もしくは立体駐車場の職員さん)らしき方が出て来られ、清和ビルに入る理由を答えると、喫煙所前のスペースに自転車を停めさせて下さった。感謝。

なお、ビル周辺に有料・無料の自転車駐輪場は見当たらなかった。

受付スペースは広くない

清和梅田ビルの5階に、試験会場「大阪駅前テストセンター」がある。
大阪駅前テストセンターは、雑居ビルの一室。表札がなければ、これまた通り過ぎてしまうんじゃないかと思うほど、ごく普通のビルの一室だった。

室内には、受付カウンターと2名の職員さん、それに木製のロッカーと椅子3脚と机1つ。4~5人入るといっぱいになってしまうくらいの広さしかない。

到着してすぐ、本人確認が始まった。

本人認証の身分証明書は2種類

Oracle Master Bronze受験の際、誤って身分証は1種類と思い込んでいたので、改めて記載。本人確認の身分証明書は2種類必要

着いてすぐ、紙の書類に受験日時とコースと氏名を署名する。その後、クレジットカードのサインを行うような電子ボートに、自筆署名する。

お化粧をして行きましょう…

その後、webカメラに向かって写真撮影。

自転車運転後のボサボサ髪にすっぴんという成人女性にあるまじき姿だったが、もちろん容赦なく撮影された(笑)
試験前で精神的に余裕がないとはいえ、身だしなみ(女性はお化粧も)は整えて行った方がいい…。未だに私のORACLE MASTER Silverの認定証は、この時のボサボサすっぴん写真である。

携帯の電源をオフにし、コートと鞄はロッカーにすっぽり入れる。
ロッカーにはハンガーが入っているので、仕事帰りに背広姿で受験しに行っても、背広を皺にならずに仕舞えると思う。

本人確認手続きが終わると、すぐさま試験開始

私は日曜13時開始で、ORACLE MASTER Silverの試験を予約した。だが実際には、試験は13時丁度には開始されない。受付での本人認証手続きが終わり次第、別室の試験場へと連れて行かれ、そのまま試験開始となった。

試験は別室

試験を行う部屋はガラス張りで、外からよく見える。中は1席に1台デスクトップ型パソコンとPCモニタが置かれて、席ごとに番号が振られている。

中に持って入ることができるのは、受付の方が用意くださるメモ用のB5サイズくらいのボードと黒ペン2本、それに身分証明書(私は運転免許証だった)を1種類。

前髪が邪魔なので小さい髪止めを1つ持って入っていいか尋ねたところ、無事に許可頂けた。

身分証は机に置いた状態で、試験開始。

ORACLE MASTER 試験時間中の注意事項

試験名にSilverは含まれない

マウスをカチカチ操作して試験概要を表示すると、試験名が「Oracle …. Administrator」と表示された。試験名に「Silver」の文言はない。

「あれ、試験名間違えて申し込んだかな…」

と頭が真っ白になった。何度見直しても、試験名に「Silver」とは書かれていない。
この試験名で正しかったと確信を持てたのは、試験終了後だった。

最初の10~20問は緊張と焦りで手につかない

問題数は70問だった。試験名で恐怖の洗礼を受けたこともあり、最初の10~20問は緊張と焦りで、問題文が頭に入らず問題を素通りすることが多かった。各問題には見直し用のチェックボックスがついており、チェックをつけておいて後で見直しすることができるので、取りあえず何かしら解答を選び、チェックボックスにチェックもつけておく、というのが20問中15問くらいあった。

問題も数をこなすと、問題集の類似問題や即答できる問題が出て来始め、「この試験で合ってたかも」と徐々に落ち着きを取り戻してきた。落ち着きが戻ると、75分で解き、残り15分をチェックに充てる、と時間配分まで気が回るようになった。

黒ペンのインクが出ない

入室時に手渡される黒いペンは、ホワイトボードで使うペンの細字版といった雰囲気。だが、2本手渡されて2本ともインクがかすれ始めた時は、焦った。

選択肢の多い問題でも、パソコンのモニタにはメモすることができないので、手元のボートに「1)× 2)○ 3)× …」という風にメモして頭を整理したかったのだが、試験後半はペンのかすれが苛立ちと不安をかきたてるので、ペンの使用を諦め気味になった。

試験終了ギリギリまで見直しする

学習が十分でなく、試験前半が平静でいられなかった自信があるので、全問解き終わった後も、試験終了間際まで見直しに時間を充て、4~5問解答内容を修正した。

ORACLE MASTER 試験後の注意事項

試験直後には合否が分からない

試験終了後は、受付で終了時刻を記載し、合否結果の確認方法が書かれたA4の紙を貰って終了。ここでも、試験後案内が書かれた紙がプリンターから出力されないというトラブルに見舞われ、「もしかして、受験し直しか?」と危ぶんだが、回答内容は無事送信されていた。

30分待つと、メールボックス(Gメール)に合否のお知らせが届いていた。そのメールに記載されていたURLをクリックすると、webサイトに飛び、サイト内で合否を確認した。

結果、合格ライン66%に対し、正答数70%でぎりぎり合格。見直しで4~5問修正していなければ、合格できなかったんじゃないかと感じる。

合格証明書

オラクルシルバー認定証。(日本語表記のもの)

↑ オラクルシルバー認定証。日本語表記と英語表記の2種類がある。

webサイトから、日本語もしくは英語で書かれた合格証明書(pdf)をダウンロードできる。

ORACLE MASTER Silverのバッチは合否判明から2〜3日後に使える

ORACLE MASTER Silverでは、三角形の形をした「バッチ」と呼ばれる画像が使えるようになる。

Oracle Master Silverのバッチ見本。銀色の逆三角形で中央が青い図形。

↑ Oracleバッチ

名刺等に載せて、技術力を証明するツールとのこと。資格が期限切れになるまでの間、使用できる。利用開始になるのは、合否判定から2〜3日後。

ORACLE MASTER 試験当日におすすめの手荷物

試験会場に持っていって良かったもの

スマートフォン。Google Mapがなければ、時間内に試験会場にたどり着けなかっただろうと思う。
髪止め。落ちてくる前髪を減らせるので、試験に集中できる。

試験会場に持って行かなくとも良かったもの

腕時計。腕時計の持込は禁止されており、腕時計をはめたままでは入室できない。ビルまでの道のりは携帯電話の時計で確認できるので、腕時計は持って来なくて良かったかも。
飲み物。飲食物も持込禁止。
参考書。結局当日は開く暇がなく、持ち運びが重いだけで終わってしまった。

試験前日のおすすめの過ごし方 ~やって良かったもの~

試験に申し込む!

情報処理技術者試験と違い、ORACLE MASTERの認定試験は試験日前日まで試験の予約ができる。そのため、十分学習し試験対策を行い「これなら受かる!」と思えた日に、翌日開催される試験の申し込みができてしまう。

ORACLE MASTER 認定試験の受験料は高く、IT技術者は突発的な仕事(システムトラブル)で予定が潰れることも多いので、ギリギリまで試験を申し込まない方が安全。

なお、キャンセルは試験開始時刻の24時間前まで可能とのこと。

十分読み込んだ参考書や問題集を、1ページ3秒程度で全ページ流し読みする。

学習の総仕上げとして、試験2日前と前日に行った。学習したことを全分野でざっと総復習して思い出せるので、時間がかからない割に効果が高かった。プロセス名など普段覚えきれていない細かい知識も、このタイミングで頭に入れた。

前日に軽くお酒を飲み、友人と話す

私は緊張しやすいたちで、案の定試験前日に緊張と不安を感じていたので、試験の前夜は、お酒を軽く飲みながら友人達とお喋りし、緊張をほぐした。
ORACLE MASTERの認定試験はSilverに限らず試験開始時間を自分で選べるので、試験開始時刻を午後にしてしまえば、寝坊や遅刻を心配することなくお酒を飲めた。

お酒と友人は効果大で、「試験に落ちても、失うのはお金だけだ」「不合格なら、もう1回チャレンジすればいいだけだ」と不安が遠のき、いい意味で開き直れたので、自分には適していた。

ORACLE MASTER Silver 11g 独学で一発合格した勉強法など

2018年02月に念願のORACLE MASTER Silver 11gに合格。直前2ヶ月はほぼ学習できなかったが、何とか無事に合格できたので、ORACLE MASTER Goldの取得に備えてメモ。

ORACLE MASTER Silver 学習開始時のスペック

ORACLE MASTER Silver学習開始時点での、筆者のスペックを記載。下っ端ヒラ社員なので、大層なスペックはない。

Oracleデータベースの使用歴:3年

仕事でほぼ毎日オラクルデータベースを触り、実務経験は丸3年。UPDATE文を自分で作って流したり、表領域拡張したり、アラートログを取ったり、手順書を元にデータベース構築したりは普通にできる。

パフォーマンスチューニングは微妙。メモリの割当を増やしたければinit.oraのDB_CACHE_SIZE初期化パラメータを変更したらいいことは分かるが、値をいくつにしたらいいかは自信がない。statspackの取り方は分かるが、分析には自信なし。

トラブル対応は、自分1人だと厳しい。前例のないトラブルを1人で捌けないので、先輩エンジニアがいると安心。Oracle RACやExadataは、噂で聞いて知ってるレベル。見たり実機に触ったりしたことはない。

サーバOSの使用歴:3年

扱えるサーバは、windows server OSのみ。主に保守、たまに構築で、windows server 2003・2008・2012を丸3年間毎日使用。
Linux OSは、ubuntuを少しだけ触ったことがあるが、操作はほぼできない。
AIX、Solarisは経験・知識とも皆無。

その他(セキュリティ・ネットワーク・ハードウェア)

セキュリティ系は、実務経験を1~2年積んだので、そこそこわかる。ネットワーク系は応用情報処理技術者試験で学んだので、知識は多少ある。実務経験はpingやtracertやnslookup使ってトラブルの切り分けをする程度。ハードウェア系は、かろうじて自力でメモリ増設できる程度で、初級エンジニアレベル。

ORACLE MASTER Silverの学習方法

11gの黒本問題集を購入し、端から端まで読み込み、ひたすら設問を解いた。設問は、各問題を2〜5回ずつくらい解いた。

黒本1読目は、読んでも読んでも何が書いてあるのかさっぱり理解できず、本当に辛かった。毎日Oracleデータベースの実機に触っているのにこれほど理解できないとは、「私って相当な阿呆じゃないか」とさえ思った。

実機を使っての動作確認や操作は、自宅ではやらなかった。実機を構築&操作する時間を知識充填に当てていた。
勤務時間中は、調べる時間が乏しいままずっとOracleデータベースを触り続けていたので、経験と知識のバランスを是正したかったのも、実機操作を避けた理由の1つ。

勤務中に毎日実機(Oracle Database 9i/10g/11g/12cとOracle Client)を触れたことが勉強時間の短縮に役立ったので、仕事中に積極的に実機を触るのはおすすめ。
私のように記憶力の悪い人は、知識を理解し脳に蓄えるだけでも相当な時間を要するので、自宅学習は問題集の理解と問題解きに充ててしまうのも、少しおすすめできる。

ORACLE MASTER Silverの学習期間:足掛け1年くらい

毎日きちんと時間とって学習したのは、半年くらい。
肺年齢90才と診断された気管支喘息の治療と、労災申請の手続きとを並行でこなしながらの学習で、心身の健康は微妙すぎる時期だった。Oracleの学習に、肺と気管支の機能は大していらないらしい、ということは分かった(笑)

ORACLE MASTER Silverの学習スタイル

主な学習時間は、仕事の昼休み。自作の弁当を15~20分で食べ終え、残りの35~40分が学習タイム。
平日自宅に早く帰れた日は、+1時間くらい自宅学習。土曜・日曜・祝日は、余裕がある時のみ頑張った。

ORACLE MASTER Silver試験結果:合格

正答率70%で、何とか一発合格。

定着しきってない知識も多々ある状態で受験したので、試験前も試験中も試験後も、合格しそうな気持ちと不合格になりそうな気持ちが半々だった。「不合格になったら、明日からこれやって鍛えて、1ヶ月後にまた受験しよう」とも思っていた。

ORACLE MASTER Silver取得後、どう活用したか

ORACLE MASTER Bronzeの試験は「広く浅く」データベースの仕組みを知る試験だったが、ORACLE MASTER Silverは「断片」。オラクルの機能の要所要所を、深めに掘り下げて知識を得る試験だった。

だが、実務で役立つ知識が多かったので、学習している途中でも、得た知識が大活躍し、周りからの信頼も高まるので、仕事中に学習のモチベーションを上げてもらえるという相乗効果があった。

データベース障害を独力解決できる

ORACLE MASTER Silverに合格した翌週に、勤務先でデータベース障害が起きた。データベースファイルが壊れた障害と、データベースに接続できなくなった障害の、計2件。
よくある障害だが、ORACLE MASTER Silverの取得を報告した直後に、2件とも2時間以内に独力解決できてしまったため、周囲の自分を見る目が一気に変わった。自分自身も「意外と自己解決できるな…」と少し自信がついてきた。

その後は、Oracleデータベースに関してのみ、「3次受け」のようなポジションで仕事をした。1次受けがヘルプデスク、2次受けがインフラ技術者チームで、インフラ技術者チームが答えきれなかった問合せについて、事象を確認し、ログやwebサイトから技術的な裏付けを取り、チーム全員に分かるように回答する、というのが普段の仕事の一部になった。
今思うと、Silverしか取得していないのに、よく頑張ったものだ(笑)

転職には大きく影響せず

その後転職する際、私自身はデータベース技術者として転職したかったのだが、ORACLE MASTER Silverだけでは、データベース技術者としてとして十分ではない、と見なされることが多かった。
データベース技術者として生きていきたい方は、ORACLE MASTER GoldかORACLE MASTER Platinumを早めに取得することを、強くおすすめする

データベースエンジニア(兼サーバエンジニア)になり、データベース漬けの生活に

ただ、私はたまたま運が良かったようで、Red Hat Enterprise Linux OSに構築されたOracle RACがわんさかある客先に配属された。日経平均株価を構成するような日本有数の製造業様で、顧客にも配属された他の技術者にも、「超」がつくハイレベルエンジニアが何人もいた。いくら人手が足りなかったとはいえ、よく配属してもらえたものだと今でも思う(笑)

配属時の職種はサーバエンジニアだったが、データベースの台数が多い割にデータベースエンジニアが全然足りない職場だったので、実質的にはデータベース専業に近いエンジニアとして働いていた。

応用情報処理技術者を取った後にも感じたことだが、私は「資格を取るたびに職種が変わる」という経験をしている(笑) IT業界はそういうものなのかもしれないが、数年ごとに自分の職種が変わるので、面白い業界だな…とは思う。

丁度11gから19cへのバージョンアップの時期に配属されたので、WindowsOSのシングル構成DBからLinux&Oracle RAC構成へのデータインポートをやったり、RHEL7の19cマルチテナント構成DBについて、要件定義や構築手順書の作成から構築運用まで一貫して携われたりと、貴重なキャリアを数多く積ませて頂けた。

Linux OSのOracle RACを毎日触れる環境に身を置けたのが、ORACLE MASTER Silverを取得した一番のメリットかもしれない。特にマルチテナント構成の19c RAC(Enterprise Edition)はまだまだ珍しいんじゃないかと思うので、便利だが複雑怪奇な構成を毎日がっつり見れたのは、本当に良かった。

コロナ禍で週5在宅勤務に

年収は400万円台後半まで上がったが、それ以上に良かったのが、コロナ禍に入り週5在宅勤務で仕事をさせて頂けたこと。

コロナ禍でご苦労された方々には正直申し訳ないのだが、私はコロナ禍に入ってからの方が年収が上がり、通勤やら化粧やら飲み会やら無駄な雑事が一切なくなって、仕事が楽になった。

安全に働くことができただけでなく、浮いた通勤時間で技術書をデータ化していつでもどこでも読めるようにしたり、英語の発音を矯正する時間が取れたり、ORACLE MASTER Goldの厚さ4.8cmの技術書を持ち運ばずに読み進められたりと、仕事のスキルを上げる点でもプラスに働いた。

独学でのORACLE MASTER Silverの学習で、つまづく要因

独学で黒本問題集を3回解き、それでも正答できなかった問題は、

  1. 理解が浅い
  2. 実務で使用した経験がない
  3. 暗記ができない

の3点が主な要因だと思うので、それぞれの原因に適した対策を採るよう心掛けた。

(1)理解が浅い

インターネットで用語とその周辺知識とを検索することで、理解を補った。問題文で登場した未知の単語については、十分に意味を調べ、システムの動く仕組みや構造そのものを理解しようと努めた。

私は記憶力が悪く、新しい単語を一度にたくさん覚えるのは苦手なので、新しく登場した単語は意味とセットにして参考書の余白にメモしておき、折に触れて読み返すよう心掛けていた。

(なお、調べた後の画面をスマホで撮影し、写真として見返すようにしていた時期もあった。だが、写真で記録すると、うっかり関係ない写真にスワイプしてしまい、気が散って結局読まなくなることが多かったため、この方法はあまり効果がなかった…)

(2)実務で使用した経験がない

ORACLE MASTER Silverはオラクルデータベースの持つ様々な機能を、様々な切り口から問う問題が多く、実務で使用したことがない機能や仕組みへの知識も求められる。

当時の勤務先はセキュリティにうるさくない企業だったので、監査やリポジトリマネージャー、それに各種アドバイザーの機能は、ORACLE MASTER Silverの勉強を始めるまで見たことも聞いたこともなかった。

増える実務経験と乏しい知識の偏りを是正するのが今回Silverを受験した目的の1つだったので、実務で使用しないものは仕組みや概要を理解し、動的パフォーマンスビューを仕事の合間に眺める程度に留め、深追いはしなかった

お時間のある方や未知の機能に興味の強い方は、OTNで検証用のOracleデータベース11g・12cを入手してご自宅のパソコンにインストールし、実機でがんがん機能に触れるのも、理解が進んでいいとは思う。

Oracle Technology Network(OTN) 公式サイト
http://www.oracle.com/technetwork/jp/community/join/overview/index.html

(3)暗記ができない

私はとにかく暗記が苦手なので、1~2度読んだくらいで用語を覚えるのは諦めた(笑)
システムの仕組みを十分理解しているかをまずチェックし、それでも暗記の必要な項目は、隙間時間に繰り返し参考書を読み返す&見返すことで補った。

1~2回参考書をしっかり読み込んだ後、3回目以降は1ページあたり2~3秒の速いペースで同じ参考書を読むことで、プロセス名やV$ビューの名前など覚えにくい用語に繰り返し触れることができ、単語を定着させやすくなった。
この方法は後半が楽で忘れにくいので、少しおすすめ。

ORACLE MASTER Silver取得に適したタイミング

記憶力があると有利なので、なるべく早め取得するといい

データベース構築やチューニングに日常的に携わっている方なら、実務経験が1年前後でも受験できると思う。運用保守畑在住だった私は、Oracleを実務で使い始めて3~4年が経過した頃にようやく受験し、それでも合格ラインギリギリだった。

だが、Oracle初心者でも、学習を開始して1年以内にORACLE MASTER Bronze・Silver・Goldの3つを取得した女性を知っているので、経験が浅くてもやる気と記憶力次第で取得できるはず。

Oracleデータベースが有する機能について幅広く問われ、細かい機能の暗記もそれなりに必要とされる資格なので、どうせ受験するなら、なるべく早くて若い方がいい。記憶力の低下する30代半ば以降は、やや不利になる。

ORACLE MASTER Silver 11gと12c どちらを受験すべきか(2018年時点の情報)

ここから下は、新試験制度ができる以前の情報なので、情報が結構古い。2022年時点では、試験制度そのものが新試験制度に変わっているので、オラクル社の公式サイト等で最新の情報を入手されることをおすすめする。


2018年以降に取得するなら、12cがいい。

オラクルマスターという資格には、国家資格とは違い資格に有効期限があるので、後々のことを考えると12cで取る方が資格を長く使える。オラクルマスターの取得に万単位のコストがかかることを考えると、少しでも長く使って元を取る方がいい。

しかも11gは、2018年1月にExtended Supportが切れ、Sustaining Supportへと移行してしまった。

ORACLE社のベンダーサポートはPremier Support → Extended Support → Sustaining Support の3種類で、Sustaining Supportはサポートの終末期。他のミドルウェア製品とは異なり、Sustaining Supportはサポート無期限という好待遇で、既存の脆弱性に対するパッチは適用されるしサービスリクエストで問合せもできるが、新規で見つかった脆弱性のパッチは提供されない

Sustaining Supportに入ると、企業様は予算や他のソフトとの兼ね合いで、新サーバの購入&移行を行い、移行ついでに新しいバージョンでOracleデータベースをサーバに入れる。そのようにして、じわじわと12cのOracleデータベースが増えていくだろう。ただ、11gから12cに移行する際保守料金が上がってしまう企業様がいるため、11gから12cへの移り変わりは流れが緩やかだ。

ちなみに2018年現在では今のところ、勤務先では11gユーザ様が大多数。1割が12c、1~2割が10g、9iはゼロ、残りが11gという比率。そろそろ12cが増えてきてもおかしくないので、これから取得するならORACLE MASTER 12cの方がおすすめ。

そして、12cを勧めておいて何だが、11gでオラクルマスターを取っても無駄になるわけではない。
オラクル社のsustaining supportは無期限で、サポート切れがない(=困った時Oracle社が助けてくれる)。ので、セキュリティにうるさくないお客様の中には、11g(バージョン11.2.0.4)を使い続ける企業様もそこそこいると思う。

ORACLE MASTER Silverは取得した方がいいか(おすすめの資格か)

Oracleデータベースを実務で使うなら、心の底から取得推奨

ORACLE MASTERもSilverに至ると、Oracleデータベースを実務で使わない方は、取得する意義が薄い。
ORACLE MASTERは、10g・11g・12cなどのデータベースのバージョンごとに受験するので、取って1~3年のうちに使わないなら、製品バージョンの方が進んでしまって、せっかく身に付けた知識が陳腐化して時代遅れになってしまう。

将来データベース系の仕事につきたいだけであれば、情報処理技術者試験などの国家資格系を狙うか、windows server 2016などサーバ系の資格を取る方が、他の分野に使い回しが効くと思う。(ただ、私がデータベースの仕事を始めた時、サーバ保守未経験&データベースもほぼ未経験で、資格も応用情報処理技術者があるくらいだった…)

ORACLE MASTER以外のデータベース系資格

データベースの知識や技術を身につけたいなら、応用情報処理技術者試験・データベーススペシャリストのいずれかをおすすめする。

どちらも難しい資格だが、情報処理系の国家資格で、特定のデータベースに依存しない知識が身につくので、汎用性が高い。
1回の受験料が5700円と安く、取得した資格に有効期限もないので、ベンダー資格とは比較にならないほど、費用対効果がいい
過去問も公式サイトに10年分以上無償で公開されている。過去問と答えが掲載されており、解説は確かついていなかったと思う。

「応用情報処理技術者試験」は、IT関連技術を幅広く問う試験だが、選択できる分野の1つにデータベースがある。
ここでデータベースを選択すると、SQLや正規化やトランザクションなどデータベースの仕組みの基礎を学ぶことができる。
但し、応用情報処理技術者の資格を取りたいなら、プログラミングやネットワークなど別分野の知識や経験も必要。学習範囲が広いので、データベースを学ぶだけでは取得は難しい。が、「とりあえずデータベースについて手っ取り早く学びたい!」という方には、とっつきやすいとは思う。

「データベーススペシャリスト試験」は、応用情報処理技術者の上位資格で、情報処理系国家資格の最難関の1つ。出題範囲は、データベースに特化している。ORACLE MASTERと異なり、出題範囲はデータベースの設計・開発系の比率が高いので、DB構築・運用経験者よりDB開発経験者の方が有利だと思う。DB開発でよくあるデータベースのテーブル設計の問題は、データベーススペシャリストでは見かけるが、ORACLE MASTERでは出題された記憶がない。
試験は年1回、毎年春にしか開催されない。データベーススペシャリストは私も未取得なので、取得に向けて現在進行形で修行に励んでいる…。

以前は、「MCAデータベース」というマイクロソフト社の入門レベルのデータベース資格も存在したが、残念ながら、2014年でサービスを終えている。

ORACLE MASTER 11gの失効期限

オラクルマスターという資格には、TOEICのように、その資格が有効である期間が限られている。
2018年10月現在、ORACLE MASTER 11gの失効日はまだ設定されていないようだ。11gと12cが、現在オラクル社の認める「最新バージョン」であるとされている。

参考
ORACLE MASTER データベース資格者の方へ 重要なお知らせ

11gは、Oracle社のExtended Support(延長サポート)が2019年1月末で切れ、最もサポートレベルの低いSustaining Supportへ移行する。ORACLE MASTER 11gが失効するのは、少なくともOracle 11gがSustaining Supportへ移行し、しばらく経ってからだろうと思う。(データベース製品より先に資格が失効するという馬鹿げたことは、さすがにオラクル社はしてこないはず)