木工用みつろうクリームで築40年の和室をメンテナンスする

「木工用みつろうクリーム」はお手頃価格なのに仕上がりが良すぎて、購入後1週間で10g缶使い切ってしまった(笑) 2缶目に200g缶を購入し、築40年の家屋を家中塗り倒しているので、製品をご紹介したい。

木工用みつろうクリームの蓋を開け、真上から撮影した写真。黄色いクリームの右横に、みつろうクリームを塗られたかまぼこ板が写っている。

↑ 購入した木工用みつろうクリーム(10g)

製造元(尾山製材さん)のwebサイト

製造元の尾山製材さんが、みつろうクリームのwebページを用意下さっている。最新情報をお知りになりたい方は、こちら↓からどうぞ。みつろうクリームの購入も可能。

尾山製材 木工用みつろうクリーム
http://www.oyamaseizai.com/portfolios/%E6%9C%A8%E5%B7%A5%E7%94%A8%E3%81%BF%E3%81%A4%E3%82%8D%E3%81%86%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0-2/

木工用みつろうクリームの説明

木材に潤いを与え、つやを良くし、木材を乾燥やキズから保護してくれるクリーム。木製製品や和室の木の部分に塗ることができる。
蜜蠟みつろうと呼ばれる蜂の巣を構成している天然素材と、菜種油・亜麻仁あまに油などの自然由来のオイルから作られている。

金属製の小さい缶に入れられた姿で売られており、10g・40g・200g・400gとさまざまなサイズから選べる。
購入できる店舗は、東急ハンズ等の小売店。(コーナン等のホームセンターでも購入できるかもしれないが、未確認)

 木工用みつろうクリームをかまぼこ板の上部だけ塗布した図。塗ったところだけ、木目がはっきりとしている。

↑ 木工用みつろうクリームを、かまぼこ板の上部だけ塗布した図。塗ったところだけ、木目がはっきりと浮き出て美しい

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尾山製材
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みつろうクリームの塗り方

準備するもの

10cm×5cmくらいの大きさの、汚れても構わない布が2枚必要。綿100%の古いTシャツを小さく切ったものや、使い古しのハンカチなどでok。
布の色は何色でもいいが、白やベージュなどの薄めの色だと、クリームを塗った後布の繊維が木に残っても仕上がりが綺麗。

塗り方

私は下記のような手順で塗っている。

  1. みつろうクリームの缶を左手で持ち、蓋を開ける
    手のあたたかさで缶があたためられ、クリームが少し溶けて取りやすくなる
  2. 1円玉の4分の1くらいの量のみつろうクリームを、古布に取る
  3. 古布で木を擦り、クリームを木に塗り広げる
    この時、手のあたたかさでクリームを伸ばしながら塗ると、少量でよく伸びてくれるので効果的
  4. 30分~1時間くらい時間をあけて、塗ったクリームを乾かす
  5. クリームを塗った部分を、乾いた布でよく拭き、つやを出す

手順5の乾拭きは、時間のないときは割愛している。時間がある方は乾拭きすると、木材のきれいなツヤが出て輝きが増すのでおすすめ。

「木工用みつろうクリーム」の金属缶の蓋を開いたところを撮影した写真。薄い黄色のクリームが缶に入っている。缶の下には、みつろうクリームが塗られたかまぼこ板が敷かれている。

↑ 木工用みつろうクリームの蓋を開くとこんな感じ。クリームは薄い黄色に見えるが、塗るとほぼ無色に近くなる。

みつろうクリームを塗布できた場所

部屋 場所 おすすめ度 備考
和室(客間) 床、柱、押し入れ、窓枠、襖縁ふすまぶち、障子、神棚
洋室(書斎) 箪笥たんす
玄関 床(ウレタン加工)

木材の元々の色合いを大きく変えず、ツヤと木目の深みだけを出してくれる。仕上がりが非常にいいので、和室と相性抜群。「木工用」ではなく「和室用」と銘打って売り出した方がいいのでは、と一消費者が不遜極まりないアドバイスをしたくなるくらい、和室にぴったりだった。

築40年の日本家屋の障子の敷居に、木工用みつろうクリームを2度塗布した後の画像、敷居に木の色が戻り、ツヤが出ている。

↑ 築40年の家屋の敷居に、みつろうクリームを2度塗り。木目が美しく浮かび上がり、ツヤも出てきた

木工用みつろうクリームを使った感想

ひと塗りで圧倒的な仕上がり

木材用のワックスやクリームは、今まで「Vintage Wax」「Briwax」「木工用みつろうクリーム」「未晒し蜜ロウワックス」「アマニ油」の計5種類を利用させて頂いた。その中で最も仕上がりが良く、築40年の我が家と相性がいいな、と感じたのが尾山製材さんの木工用みつろうクリームだった。

木工用みつろうクリーム200g缶の蓋を開いた状態で撮影した写真。淡い菜の花色のクリームが、画面に写っている。

↑ 木工用みつろうクリームの200g缶。こちらは丁度片手で持てる大きさ。

どのクリームも、最初はかまぼこ板に試し塗りするところから使い始めるが、かまぼこ板の時点で美しさが圧倒的。たった1度の塗りで、木目が美しく浮き上がり、スーパーのかまぼこ板が大変上品になってしまった(笑)
あまりの仕上がりの良さに、塗布後のかまぼこ板を3日机の上に配置し、ことあるたびに美しい木目を愛でた。DIY好きも、ここまでくると阿呆である。

和室の柱や床など、面積が広くて人目につく木材を長期的にメンテナンスできるクリーム(またはワックス)が欲しかったので、ひと塗りで素晴らしく仕上がりがよくなる点に完全に惚れ込んでしまった。

木工用みつろうクリームの原材料・製造元が表示されている取扱説明書。茶色っぽく5cmに満たない小さな紙片で、折りたたんだ状態で写っている。

↑ 木工用みつろうクリームの成分表示

和室の柱から順に実際に塗ると、ひと塗りで木材の色はほんの少し色が濃くなる。手触りは、カサカサで毛羽立っていた木材が、少ししっとりとする程度。触り心地は良い。木材の表面をなでても棘が指に刺さらなくなるので、安全面も向上。ふた塗り目には更に一段色が濃くなるが、乾いてしまうと木材の色みに深みが出たように感じ、色の変化は好ましい方への変化かなと感じた。

ただ、白っぽい木でできたタンスで、クリーム塗布後明らかに白木の色から木材色に変わったものがあった。が、変色したというより、木材が樹木本来の色を取り戻したように見えた。全体的に少し黄みを帯びた色になり、ところどころ深い色合いに変わったが、こちらも個人的にはさほど気にならなかった。白っぽい木材がお好きな方は、目立たないところで試してから塗るなど、事前に注意頂いた方がいいかもしれない。

木工用みつろうクリームの取扱説明書を正面から撮影した写真。茶色っぽい紙片に注意書きが書かれており、みつろうクリームの小さい缶が写真に映りこんでいる。

↑ みつろうクリームの取扱説明書

人肌で溶ける固さ

また、これは個人的な好みかもしれないが、クリームの固さが絶妙。

木工用みつろうクリームは、冷蔵庫に保管してあるバターくらいの固さで、他の製品と比べるとやや固めにできているように思う。が、丁度人肌の温度でクリームが溶けてくれるので、塗る前に缶を手で握って軽くあたためておくと、クリームが溶け出して少量でするするとよく伸びてくれる。少量しか使わずに済むので、クリームのもちもいい。

やわらかすぎるクリームやワックスだと、季節によってはべたべたして手に付いてしまい、うっかり触った扉や家財を汚してしまうことがあったので、個人的にはこのくらいの固さが塗りやすく、好ましかった。

「木工用みつろうクリーム」の取扱説明書の裏面を撮影した写真。原材料や製造元が、茶色く折りたたんだ紙片に記載されている。

↑ 付属の取扱説明書(裏面)

塗りやすく、匂いがほぼない

塗布時の匂いは、ほぼなかった。無臭とまではいかないが、刺激臭は全くない。(但し、私は鼻が効かないほうである)
今まで試した中では、「Vintage Wax」は塗布時の匂いがかなり強く、窓全開&換気必須だったが、みつろうクリームは窓を開けずに2~3時間塗り続けることができるほど、塗布時の匂いが少なかった。

私は気管支喘息ぜんそくがあり、塗布時の匂いや物質の揮発量が多いと咳き込んでしまい、塗り続けることができなくなる。
咳が止まらなくなるほど症状がひどくなると、2~3日は咳や痰の量が増え、喘息ぜんそくが悪化してしまって困るのだが、尾山製材さんのみつろうクリームではこうした症状が全く出ず、その点でも大変助かった。

木製ワックスやクリームは定期的に塗り直しが必要なので、みつろうクリーム缶を安心して手元に置いておけるのは、とても有難い。

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