モチーフ | 透明ガラスで出来たグラス 1つ |
使用画材 | 画用紙(裏面)、三菱鉛筆uni 数本、練り消しゴム |
製作場所 | Aスクール |
完成日 | 不明 |
モチーフについて
石膏でできた多面体のデッサンの課題を終えた後、質感の異なる物を単体でデッサンする課題に入った。その中の1枚で、ガラスの質感を持つ者として、ガラスのコップが選ばれた。モチーフ自体は、雑貨屋で売ってそうな、シンプルな形をした水飲みグラスだった。コップの底面から縁にかけてが外に広がっていないタイプなので、石膏の円柱をデッサンした際に身に付けた描き方がそのまま転用できる。そこにガラスの質感や、光の反射によるきらめきや陰影をプラスして描くイメージ。
デッサンとは直接関係がないが、元々ガラスや陶器で出来た食器を見て回るのが好きで見慣れたモチーフだったので、相性の良いモチーフと言えると思う。一度も見たことのないモチーフより、何度も触れて質量や質感を肌で理解しているモチーフの方が、正直描きやすい。創作の幅は広がらないかもしれないが…。
描き方について
グラスの形をざっくり取るところからスタート。H鉛筆・HB鉛筆を中心に使ったが、光が反射するガラスの明るい部分には2H鉛筆と4H鉛筆を使用。もしかしたら、6H鉛筆も使ったかもしれない。
だいだいの形を取ることができたら、細い鉛筆線を縦に何本も重ねて引いていき、コップの側面を少しずつ描いていった。この時心持ち濃い線を引いておくと、後の工程で見栄えが良くなる。コップの底面付近にある黒い横縞のような模様は、ガラスの厚さと光が生み出す模様でとても美しく、ガラスの質感を表現する重要なポイントになる。このグラスの場合この部分はガラスが厚いので、光の反射が他と異なってこうした模様になるようだ。HB以上の濃さの鉛筆でしっかりと描いた。また、底面の部分も同様にガラスが厚くガラスらしさが存分に出ている箇所なので、2H・H・HBの鉛筆を中心にしっかり表現するよう心掛けた。グラスの縁の部分の厚みを濃いめの鉛筆で表現した後、ガラス製品で最も楽しい作業にようやく取り掛かれる。練り消しゴムの汚れていない真っ白な面を使って、グラスの光が反射している部分を練り消しゴムで消していく。この時、何度か使って灰色に汚れた練り消しゴムは使わない方がいい。他の鉛筆線を汚さないよう一息で消す必要があり、消すのに失敗すると修復に時間がかかる。グラスの側面部分は練り消しゴムを広く使って、弱い力で広い面積を消し、底面の部分は練り消しゴムを細い鉛筆状にして、狭い面積を強く消した。消した後、その部分は面を構成していた鉛筆線がなくなってしまうので、4H鉛筆や6H鉛筆で、薄く線を塗り重ねて完成。こうした絵ほど、4H鉛筆の有難みを感じる。