「Conative Connection」を読んでコルベインデックスと4つの力を理解する

「Conative Connection」は、人間の本能的行動・性質の研究者であり、コルベ・インデックスの考案者としても有名な教育企業家Kathy Kolbe(キャシー・コルベ)さんの著作。
コルベ・インデックスもkolbeさんの著作も、日本語版は未だ出版されていないようだ…。

What’s Kolbe Index?(コルベインデックスとは?)

コルベインデックスとは、Kathy Kolbeさんというアメリカの教育企業家が考え出した適性検査。

Kolbe Indexを受けると、自分が先天的にどんな行動を取る傾向があるか、どのように行動すればよりストレスが少なく済み、どのように振る舞えば勉強や仕事で結果を残せるようになるか、把握できるようになる。

コルベインデックスはKolbe.comのウェブサイトで受けることが出来、49ドル弱(5000~6000円)の費用がかかる。コルベインデックスを受けるとその場で結果が表示されるが、36問の質問内容も結果も全て英語で書かれており、日本語でのサポートはない。

結果はA4用紙20枚程度で表示され、プリンターでのカラー印刷も出来るので、英語が苦手な方は取りあえず結果を印刷してしまい、英和辞書を引きながら数日かけて結果を知る、という方法を取ることも出来る。

コルベインデックスの受け方

コルベインデックスは、下記のリンクにあるKolbe.comから受けることができる。

 http://kolbe.com/

受けてから結果が表示されるまでにクレジットカード情報の入力手続きなどの工程があり、手続きが長いので、詳細を別ページに用意した。
興味がある方は →こちら

コルベインデックスの質問内容

コルベインデックスは、36問の質問と4つの選択肢から構成されている。質問を読み、選択肢の中から「自分が最も選びうる行動」と「最も選びそうにない行動」を1つずつ選ぶ。

質問は、こんな感じ↓


それぞれの質問に対し、自分が最もしそうなこと、最もしそうにないことを1つずつ選びなさい。

1. ある人がある道具の使い方を学ぶのをサポートするなら、私は… 

  • 試行錯誤するようすすめる
  • マニュアルを持っているか確認する
  • どうしてそんな風に動くのかを説明する
  • 自分が使って見せる

2. あるアイデアが良いものかどうかを判断するなら、私はそのアイデアの持つ……を考慮に入れるだろう

  • 実用性
  • 効率の良さ
  • インパクト
  • 耐久性

36問全ての回答を終え、クレジットカード等で料金の支払い手続きを終えると、診断結果が画面に表示される。診断結果は下記の4つの項目について、あなたがどういう傾向を持っているかを1~10までの10段階で示してくれる。

  • Fact Finder
  • Follow Thru
  • Quick Start
  • Implementer

この4項目はそれぞれ、

  • 数値が1~3のグループ(resistent)
  • 数値が4~6のグループ
  • 数値が7~10のグループ(insistent)

の大きく3つに分類される。それぞれの項目がどの程度高いかあるいは低いかによって、最適な仕事・学習の仕方が大きく異なる。
4つのどの項目においても、数値が高い方が良いとか低いと良くないなどということは一切ない。あくまで人の持つ性質を分かりやすくするために、数値化されて表示されているだけだ。

Fact Finder(ファクトファインダー)とは

Fact Finder(事実を見つける人)という名が示す通り、事実や情報に対してどのように取り組むか、を示す項目。

Fact Finderの数値が高い方は、事実や詳細な情報に対し、一般の人よりも細やかに接する傾向がある。物事に対処する際に、集められる限りの情報を集めたり、集めた情報を使って長々と報告書を書いたり、微に入り際に穿って滔々と論を述べることが得意。長い文章を書いたりスピーチをしたりするのが苦にならない方は、大抵この数値が高い。

逆にfact finderの数値の低い方は、物事を単純化するのが得意。物事の要点だけを捉えて、すばやく対処する傾向が強い。

私は、実はFact Finderが10段階中の2しかない(笑)
事実、文章を長々と書くのは正直苦痛を伴うので、自分が疲れていない時や気が向いたときしか行わない。(このサイトの更新もしかり…) プレゼンとスピーチは何年経っても大嫌いだし、物事を長々と説明することを可能な限り避けようとする傾向がある。そして、「いちいち口で言うより、自分でやった方が早いし確実」だと心から信じている(笑)

だが、やり方さえ学べばどなたでも長い文章も要約文も書けるようになるように、4つの項目の高中低3段階のどの能力も、後天的に身につけることができるとのこと。
自分も、文章の書き方の本を何冊か読み、順序を気にせず書いて後で整理するなど書き方を工夫することによって、10000文字を超える文章も日常的に書けるようになった。やる気次第で、希望が残されていて助かった。

Follow Thru(フォロースルー)とは

Follow Thruとは、物事や情報をどのくらい体系立てて考えるかを示す数値。

Follow Thruの数値の高い方は、一見ばらばらに見える事柄の中に秩序を見出し、体系立てて並べて整理する。規則性のある環境に身を置くことを好み、物事を包括的にとらえるられるようなシステムを作り出す。
To Doリストやタスクリストを作ってから仕事に取りかかる方や、パソコンのフォルダ名に数字をつけて並べる癖のある方は、この数値が高い方が多い。

逆にFollow Thruの数値の低い方は、秩序や規則性の中に身を置くと苦痛を感じ、システム自体を壊そうとする。既存のシステムを自分なりに壊してアレンジし、かつ、複数の事柄を同時にこなすことが得意。

私はFollow Thruの数値が10段階中の7で、コルベインデックスの4項目のうち最も高い数値をこの項目が叩き出した。だが、自分がFollow Thruであると知った時、最初は違和感しか感じなかった。自分では、秩序を見つけているつもりもシステムを作っているつもりもなく、まるで自覚がなかった。

ただ、仕事に取り組む際、周りの環境を事前に十分整えてから取り組むことはしばしばあった。例えば、excelでの資料作成の仕事を頻繁に行うなら、①事前にexcel技術を磨いておく、②データの入手元となるサイトをリスト化する、③作成した資料をシェアするフォルダを整理する、などなど。こうすることで、仕事が早く終わり、成果を出せ、かつ、評価も高まることを知った時、環境を整えることが自分にとっての「システム」作りだったのだと分かってきた。
確かに世の中には、システムを必要とする人材がいるようだ。

Quick Start(クイックスタート)とは

Quick Startとは、変化や未知の物事をどの程度好むかを示す数値。

この数値の高い方は、変化を好み、自ら変化を作り出す傾向がある。リスクの高い行動・実験的な行動を取りがちで、ひとたび事が起こった時には誰よりも早く対処してしまう。

逆にこの数値の低い方は、自分や周囲を変化させることに苦痛を伴うため、可能な限り現状を維持しようとする。物事を変化させる必要がある場合は、十分にリスクを計算してからでなければ行動を起こさず、変化に対処する際も時間をかけて慎重に行う。

自分はこの数値が10段階中の6で、なかなかの高水準だった。確かにじっくり落ち着いて物事に取り組むのは得意ではなく、ひらめきと勢いに身をゆだねて物事を片付ける方が得意だ。
そして実母は私よりもこの数値が高く、昼間にTVで見た料理は、まず間違いなく夕食の食卓に登場する(笑) ニュースで省エネがもてはやされ始めた時には、既に自宅の電球は廊下から何からLED電球に取り替え済みで、家族みんなが母の行動の速さに舌を巻いた。

Implementer(インプリメンター)とは

Implementerとは、形ある物や三次元の空間に対する親和性を示す数値。

この数値の高い方は、物や空間との相性が良く、手足を使って物を作り上げたり、適切な位置に物を配置したり、良質な道具を揃えそれらをとびきり上手に扱う傾向がある。大工職人やスポーツマン、楽器の演奏家などの職業に、この数値の高い方が多い。

逆にこの数値の低い方は、手足を使って物を生みだすよりも、想像の中で考えを整理する傾向がある。壊れたドアノブの修理など、形あるものに対し複雑な対応を迫られた時にはストレスや苦痛を感じるので、可能であれば、どなたかに助けを求めた方が賢明。

私はImplementerの数値が10段階中の5と、丁度真ん中だった。身体を動かすことにも物を取り扱うことにも苦痛は感じないが、取り立てて評価されることも特にない。
私の周囲には、Implementerの数値の高い方が2名いる。うち1名は、仕事の休み時間ごとにひたすらiPhoneを弄り倒すほどのiPhone好きで、iPhone・iPadに関するほとんどの質問に即答で答えて下さり、共に仕事をしていて心強いことこの上ない(笑) また、仕事中にこの方の机が散らかっているのを見たことがなく、パソコン・iPhone・お茶などが常に手に取りやすいところに置かれているのが印象的だった。
逆にImplementerの数値が低いかなと気付く方は、散歩が嫌いだったり、部屋を片付けるよりソファーでテレビを見る方が好きなど、プライベートな時間に身体を動かすことを避けようとする人が多い。こうした人の掃除や機械修理を手伝ってあげると、不思議な程感謝され、人より早く仲良くなれる(笑)

コルベインデックスを知るメリット

コルベ・インデックスの考え方を学んでから、性格や仕事の仕方が自分と違う方と話すのが、さほど苦痛ではなくなった

昔は重箱の隅をつつくような細かい質問をされる方が大の苦手だったが、「ああ、この方はfact finderの数値が高い方か。なら先に、事実だけを分かる範囲で全て伝えてみようか」と、人に合わせて接し方を変えられるようになった。天分が自分と違っていたら、接し方を変えるしかない。

そしてfact finderの数値の高い方に事前の根回しをしておくと、説明の苦手な私に代わって周りを説得して下さるということが分かり、仕事にもプライベートにも相乗効果を生めるようになった。

コルベインデックスとKolbeさんの著作「Connative Connection」は、人とのかかわり方を学ぶ上で、非常に有益だと日々感じる。
どちらも日本語訳がないので辛いが、自分は1日1ページずつ「Connative Connection」を読むことで逆に英語力を伸ばすことが出来たので、やる気に満ち溢れている方は一度トライしてみて欲しい。