水彩色鉛筆 48色セット(ファーバーカステル社)

水彩色鉛筆は、気が向いた時にすぐ描き始められる手軽さが大きな魅力。



■水彩色鉛筆とは

色鉛筆画と水彩画の両方の表現ができる色鉛筆。色鉛筆として描いた後、上から筆で水を塗ると、鉛筆の芯に含まれる顔料が溶け、水彩絵具で描いたような雰囲気の絵になる。
芯をカッターで削り、パレットの上で水と混ぜて水彩絵の具として使うこともできる。

芯の硬さはやや硬め(H鉛筆くらいの硬さ)だが、姿かたちは普通の色鉛筆と見分けがつかない。

↓ 管理人が使用している水彩色鉛筆セット。
セットには消しゴム・HB鉛筆・鉛筆削り・プラスチック筆が付属してくるが、私はセットの付属品を全て取り除き、代わりに愛用の練り消しゴムを保管している。
50本近い水彩色鉛筆(ファーバーカステル48色セットと他のメーカーの水彩色鉛筆)が赤い金属製の入れ物に収納されている。入れ物の右端には、白い練り消しゴムと橙色の軸のH鉛筆も置かれている

■水彩色鉛筆の使い方

よく使われる描き方を、ごく簡単に説明。

↑ 水彩色鉛筆と水だけで、これだけ表現が変わる

① 普通の色鉛筆と同じように、白い紙に塗る。(=普通の色鉛筆と同じ使い方)
 強く描けば、濃さもそれなりに変化をつけることができる。

② 普通の色鉛筆と同じように塗った後、水を含ませた筆で上から軽くなぞり、水彩色鉛筆で描いた跡を滲ませる。
 色鉛筆の筆跡を残しつつ、水彩絵具特有の透明感が出るので、最も水彩色鉛筆らしい使い方だと思う。

③ 水彩色鉛筆で線を引いた後、水でぼかす。(=色鉛筆が先、水が後)
 水彩色鉛筆の粉が水に溶け、線は淡くぼんやりとした色合いになる。

④ 水を含ませた筆でかるく塗った後に、上から水彩色鉛筆で書く。(=水が先、水が色鉛筆)
 水彩色鉛筆の粉がよりたくさん水に溶け、線は輪郭がぼやけつつも色あざやかな雰囲気に。

ファーバーカステル社の水彩色鉛筆を白い紙に試し書きしている写真。山吹色・肌色・赤・深緑・水色・青の色鉛筆が並んでいる。

↑ ファーバーカステル社の水彩色鉛筆で試し書き

■ファーバーカステル水彩色鉛筆を使用した感想

・鉛筆と同じ使い方ができる

鉛筆デッサンを嗜んで早十数年。相変わらず「I Love 鉛筆」でそれ以外の画材に見向きもしなかったが、ある時絵画教室のT先生が、水彩色鉛筆をお貸し下さった。
先生曰く、普段通り鉛筆デッサンした後に水彩色鉛筆で色を付けて筆で水を塗ると、絵の趣が変わって面白いですよ、とのこと。

ファーバーカステル・ステッドラー・SWISS COLORの水彩色鉛筆が、25本程度赤い容器に整然と格納されている写真。写真は色鉛筆のすぐ近くで撮影されており、「STAEDTLER」「FABER-CASTELL」「SWISS COLOR」などのロゴが各色鉛筆に印字されているのが見える。

描き始めてみると、色鉛筆も鉛筆の仲間なので、普段とほぼ同じ調子で描き進めることが出来た。異なっていたのは、物の色に応じて鉛筆を持ち替える必要があることくらい。

油絵のように慣れない油や油絵具の扱いに困ることもなく、水彩絵具のように絵具と水分の割合や勝手気ままに滲む色たちに気を張る必要もなく、パステルのように細かい描き込みを諦めることもなかった。
ただ純粋に、形と色を追い求めることに集中できた。描き間違えてもある程度まで消しゴムで消すことができるので、思い切った表現を試すことも可能。

・色鉛筆の色のバリエーションには注意が必要

今回購入したファーバーカステル社の48色セットは南国の色彩のようなあざやかな色が多く、このセットのみで落ち着いた色合いを追求するのが難しかったため、地味色や淡い色を1本ずつバラ買いで買い足した。上記の写真も、ファーバーカステル・ステッドラー・SWISS COLORと、3種類のメーカーの水彩色鉛筆が混ざっている。

絵画教室の先生曰く、色鉛筆のみで満足に描こうと思うと100色(!)程度必要、とのこと。資金に余裕のある希少な方は、60色程度のセットを最初に購入すると、描いている最中に「使いたい色がない」と気づくことが少なく、楽だと思う。(お財布的には辛いが…)

STEADLER社の水彩色鉛筆で白い紙に試し書きした写真。淡い黄色・淡い緑・深い赤の3色が並んでいる。

↑ 後日買い足した水彩色鉛筆。淡い色や混色しづらい色が多い。

私の場合、A4サイズくらいのキャンパスを色鉛筆48色のみで描き進めようとすると、「色が足りない」と感じたことが2~3回あった。不足するのは、うずら卵の淡いベージュ色だったり、コーラの瓶の淡く透明な緑だったりと、描くモチーフによって欲しい色は違った。
 → 水彩色鉛筆で描いたコーラの瓶の絵

買い足す余裕がない方は、2~3本水彩色鉛筆の芯を削り水とともに混ぜて水彩絵具にして使ったり、通常の油性色鉛筆と併用したりと、工夫できる余地はそれなりにある。
私は水彩色鉛筆を水彩というより色鉛筆として使うことの方が多かったので、水彩色鉛筆と普通の色鉛筆を区別せず使用することにした。水を多用しないのであれば、こうした荒っぽい描き方でも、問題なく創作活動が出来ると思う。



■水筆について

水彩色鉛筆ならでは(?)の画材に、「水筆」というプラスチック製の筆がある。

軸の部分に水を溜めることができる筆で、あらかじめ水を溜めておくと、屋外での製作時にいちいち水を汲みにいかずとも済むという、手軽さが売りの製品。

ただ、個人的には、屋外での製作時にも水筆は不要ではないか、と思っている。
水筆は過去に何度か利用したが、

  • 筆に含ませる水の量をうまく調節できない
  • 顔料を溶かすという水筆の性質上、どうしても筆先が汚れてしまい、結局頻繁に水筆を洗う羽目になる
  • 筆先が慢性的に汚れてしまうと、買い替えが必要

等の短所が克服できず、結局使わなくなってしまった。現在は水彩画の時と同様、水の入った小瓶と水彩筆で代用している。水筆の購入を検討されている方は、上記のポイントを踏まえた上で、ご利用を検討下さい。