Oracle Database Administration Ⅱ(ORACLE MASTER Gold DBA 2019認定試験) 受験記

ORACLE MASTER Gold DBA 2019の認定要件である「Oracle Database Administration Ⅱ」(試験番号:1Z0-083-JPN)という試験を受験し、無事に合格できたので、受験日前後の体験記を記載。

新試験制度になってから、ORACLE MASTER Goldの認定試験の合格報告や合格体験記が、ネット上に少なすぎる気がする。参考書が長らく出版されていなかった上に、巷に出回っている情報が少なすぎて、受験に踏み切れていない人も相当多いんじゃないかな…という予感。
 → ORACLE MASTER Gold 2019の勉強法等については、こちらへ

試験前日:Oracle Database Administration Ⅱ試験を申し込む

黒本の参考書の巻末にある模擬試験を実施したところ、正答率76%で合格ラインに達していたので、恐る恐る本試験を申し込むことにした。ORACLE MASTER Silver 11gを受験した時と同様に、ピアソンVUE社のwebサイト↓から本試験を申し込む。

ピアソンVUE
https://www.pearsonvue.co.jp/

受験地と受験日時を自由に選択できるのは、コロナ禍以前と同様。自宅から5km圏内に2ヶ所の受験会場があったが、最短日程(=申込の翌日)に本試験を受けることのできる会場は1ヶ所だけだったので、その会場を選択することにした。(結果的に、ORACLE MASTER Silverの本試験受験時とは、違う試験会場になった)

コロナ禍ということもあり、自宅で受験する方法も選択できるようになっていた。事前に専用のアプリをインストールしてシステムチェックを行った後、当日は画面録画&試験監督付きで自宅で受験できる、という仕組みのようだ。感染リスクゼロで、移動時間まで省けるのはとても魅力的。冷暖房も自分好みに調整できるので、夏&冬には特に都合が良さそう。

ただ、ORACLE MASTER Goldの認定試験は、試験時間が2時間半に渡る長い試験で、自宅だとネットワークより先に集中力が切れる恐れがあることと、宅配便の配達等の邪魔が入る可能性もあったので、今回は自宅受験を断念した。

ピアソンVUEからオラクル社のCerfViewにログインした後、受験する試験を選ぶのだが、Oracle Database AdministratorⅡの試験の選ぶ場合、少なくとも英語版・中国版(?)・日本語版の3種類の試験があるようだ。試験タイトルの末尾に「JPN」とついているものを選択しないと、英語等で試験を受ける羽目になるようなのでご注意を。最初全く気づかないまま英語版を申し込みそうになり、慌ててキャンセルボタンを押した…。

ピアソンVUEでOracle Database Administration 2の試験を検索している画面のキャプチャ。1Z0-083の試験が3種類表示されている。

↑ 試験番号が同じ試験が3つ表示されるが、試験番号に「JPN」とついているものを選ぶ

試験予定時刻は10:30〜13:00とした。朝は十分に眠って脳を休ませたかったので、10時以降開始にした。試験予定日は丸一日有給休暇を取ることにして、会社に有休取得申請。
32,000円程度の受験料をクレジットカードで支払い、申込が全て完了すると、メールで支払い完了連絡と予約確認のメールが届いた。

本試験の荷造りとして、参考書のほかに本人確認書類2点、冷房対策用の上着、長い前髪を留めるための髪留めを準備した。なお、時計は持ち込みできなかったので、準備対象外。
本試験前日は、眠る直前まで学習を続けてはいたが、やはり緊張してしまい、思ったほど学習は進まなかった。

試験当日

本試験開始15分前:受験会場を間違える

オラクルマスターの認定試験には、試験開始前に本人確認や写真撮影などの事前手続きがある。そのため、試験開始15分前までに、試験会場に到着している必要があるので、朝食と身支度・化粧を済ませたら、余裕をもって試験会場に向かった。

(オラクルマスターの認定試験は写真撮影があるので、女性はまともな服を着て、軽くお化粧をされて行く方が無難。すっぴんだと試験を落とされるということはないのだが、すっぴん写真が公式記録として残ってしまうのは、どうにも困るので…)

試験会場の建物は知っていたので迷わず到着し、ピアソンVUEと書かれた事務所に入ると、アルコール消毒剤で手を消毒。受験者も受付の方も、全員がマスクを着用していた。受付に行くと、受付開始まで椅子でしばらく待つよう促された。受付開始までの時間は、参考書に軽く目を通すことができた。

試験開始15分前になり受付が開始され、受付してもらおうとすると、実はOracleの試験は試験会場が1つ隣の会場だった、という事実が判明した。慌てて手荷物をまとめ、隣の会場へ。試験前に、無駄にヒットポイントを減らしてしまった。
余談だが、私がオラクルマスターの認定試験を受けようとすると、大抵何かしらの小トラブルが起き、すんなりと試験を開始できた試しがない。

本試験開始10分前:受付手続き(同意書記入・本人確認・写真撮影)

隣の会場は以前の会場より静かで、中央に受付があり、広くて座り心地のよさそうなベンチが何台かあり、荷物やジャケットを保管できるよう縦長のロッカーが壁際にずらりと併設されていた。
受付の男性に受付が遅れた理由を伝え、何とか受付開始して頂くことができた。受験前の注意事項が書かれたA4用紙1枚半のラミネートシートを読み、異論がなければ書類にサインする。この時、一定以上の厚さの装身具は試験室に持ち込めないことを知り、身に付けていた8mm珠のガラスパールのイヤリングは慌てて外して鞄に突っ込んだ。

本人確認書類2点を提示して受験者本人であることを確認して頂くが、このときは不織布マスクを外した。この後小型のwebカメラ(?)で写真撮影を行ったが、この時もマスクは外した。
髪留めも厚みがあるものは試験室に持ち込めないと知ったが、幸い私の髪留めは百均で買った薄い小型のものだったので、受付の方に持ち込んでいいか確認頂き、持ち込み許可を頂けた。

受付を終えて、ロッカーのキーを受け取り、手荷物を全てロッカーに仕舞う。待合室には、同じく受験者と思われる20代くらいの若い女性が1人座られており、「女性のエンジニアかな?」と感じて嬉しかった。女性のエンジニアは、まだまだ少ない。特にインフラ領域は女性が非常に少ないので、どこの現場に配属されても、男子校にたまたま女が1人混じっているような雰囲気になる。

本試験開始5分前:試験室へ

受付の男性に連れられ、受付前から試験室に移動。試験室と受付&待機室は扉で仕切られており、扉には透明なガラスが張られ、試験室内が見えるようになっていた。

試験室は、机とパソコンと座席がセットになったものが40~50席くらい用意されており、全ての座席はパーティションでほかの席と仕切られていた。恐らくカンニング防止のためだと思う。(但し、受験者は各自が申し込んだ試験を受けるので、隣り合った人と同じ試験を受けているとは限らない)

席同士の間隔は狭めで、1m離れていないくらい。通りを挟んで真後ろの席も1.5m離れていないくらい近い。試験中は喋らないので、感染対策としてはこの距離でいいのかもしれないが、普段業務中にこの距離で人と座ることはもはやないので、反射的に少しヒヤッとした。

私が案内された席は、ロッカー番号と同じ81番で、通路の最も奥にある席だった。デスクトップ型の黒いパソコンが1台置かれていて、デスクトップパソコンの上部には、周囲の雑音を遮断するための大きなヘッドホンが1つ用意されていた
受付の方より、A4サイズのホワイドボードとホワイトボードマーカー(黒色)1本をメモ書き用として受領。ホワイドボードは無地ではなく、薄い灰色で格子状に罫線が引かれていた。

受付の方にパソコンにログイン頂くと試験名が表示され、受験する試験名に誤りがないことを確認して、試験開始。

本試験開始直前:注意事項の確認

試験開始から10分間は、画面操作の説明や注意事項を読む時間に充てられていた。残りの試験時間や現在の何問目を回答しているかなどの情報は、画面右上に表示されると知った。問題の見直しの仕方なども、合わせて確認。

ORACLE MASTER Silver受験の際、ホワイドボードマーカーのインクが次第にかすれてきて焦った記憶があるので、マーカーの書き具合もここで確認した。

ここのセクションは10分間用意されていたが、内容的には5分あれば終わるので、残りの時間で少し心を落ち着けてから、試験開始ボタンをクリックした。

本試験開始0~15分後:難問目白押しで焦る

本試験を開始してから1問目~9問目は、一度も見たことがない難問が続いた。ORACLE MASTER Silverの認定試験の時もそうだったが、オラクルマスターの認定試験は、試験範囲(?)に含まれない問題が数問出ることがあり、こうした問題は最初の数問に集中しているようだ。

最初の十数分間、見慣れない問題を延々と解かされる羽目になるので、解けずに焦り、ストレスがかかり、自分の試験対策は間違っていたのかと不安になる。ORACLE MASTER Silverの時のように、手が震えるようなことはさすがになかったが、周りの雑音がやけに耳に入った。

試験問題の上部にチェックボックスがあり、後で見直したい問題にチェックを入れておくと、全問解き終わった後にその問題が表示されてまとめて見直しをできる仕様になっている。9問全問チェックボックスにチェックを入れ、何とか先へと進んだ。

本試験開始15~75分後:苦手な問題と騒音に苦しめられる

10問目以降は、試験範囲内の問題に戻ったようで、何とか解答を捻り出せそうな問題が続いた。ただ、苦手なマルチテナント構成や高速ホームプロビジョニングの問題がさっそく続出して、再びストレスがかかった。できればRMANや自動メモリ管理あたりから、先に出題して欲しかった(我儘)。

ただでさえストレスがかかっているところへ、別席の試験を終えた後のパソコンだとは思うが、テレビが壊れた時のような「ザーーー」という音が2~3分続き、耐えかねて備え付けのヘッドフォンのお世話になることにした。
ヘッドフォンはずっしりと重く結構大きめのサイズで、長時間つけていると右耳が痛くなるので時々外さないといけなかったが、ノイズキャウンセリングの機能はしっかりしているようで、テレビ音も真後ろの席の男性受験者のため息も聞こえなくなったので、ひとまず良しとした。

試験時間が2時間半もあると、人の出入りがそれなりにあり、受付の男性が使用後の机のアルコール除菌を行ったりもするので、騒音対策は意外と重要だな、と改めて感じさせられた。
自宅で学習している時は基本的に1人きりなので、音対策をすることもなかったが、今回は平日午前にも関わらず受験者が意外なほど多かったので、雑音に気を散らさないことも必要だなあと痛感。そういえば実務でも、ベラベラと四六時中喋りまくるおじさまが隣の席にいる時は、私の能率がだだ下がりする。(上司なら部下の能率を無駄に下げないで欲しい…)

出題傾向は、コーソル社の黒本で網羅されているところが、ほぼほぼ出てきた印象。出題形式も、黒本やサブスクリプション動画で学んだ形式によく似ていた。マルチテナント形式のリソース今シューマープランや、アプリケーションコンテナのポリシー周りが出題され、苦手な高速ホームプロビジョニングは2問も出てきた。アプリケーションコンテナのコンテナマップは、今回は出題されなかった。

出題の半分を解き終えた時点で残り時間を確認したところ、黒本の模擬問題を解いていた時とほぼ同じペースで解答できていた。全85問を2時間ほどで解き終えるのが私の普段のペースなので、時間不足で解答不能に陥ることはなさそうだとわかり、少し安心した。

試験中は、配布されたミニホワイトボードにも、頻繁にお世話になった。ORACLE MASTERの試験は、「下記の選択肢(6つ)のうちから2つ正しいものを選べ」というような複数回答の問題が多いが、主に選択肢の肢切りにホワイトボードを利用。「13問目 A〇 C× D×」などと正解・不正解が確実に分かっている選択肢だけをボードにメモしておき、残り1つの正解に迷ったら、残った3択(B・E・F)から正解を選んでいた。

本試験開始75~130分後:寒いが粛々と問題を解く

試験の後半になると、フラッシュバックドロップや自動メモリ管理やRMANコマンドなどの、慣れ親しんだ分野が平和に出題され始め、気持ちも落ち着いてきた。苦手なフラッシュバックトランザクションはメインでは出題されず、選択肢の形で出てきたのでセーフだった。これまた苦手なデータベースの複製とPoint-In-Time-Tablespaceも、各1問ずつくらい出題されたと思う。プラットフォームのエンディアンが異なる環境間での表領域の複製が1問出て、19cで追加されたDatapumpの新引数も、1問出題された。

出題意図が読み取れない悪問や、変にひねりすぎた奇問は、1問も出なかったと思う。参考書で基本的な知識を確実に押さえていれば十分解答可能なように、出題の難易度が抑えられていた。新しいデータベースで何ができるか、どういう点に注意が必要かをきちんと知っておいてほしい、というオラクル社の意図が伝わってくるような出題だった。

試験の後半に入ると問題を解くのは楽になったものの、今度は冷房の寒さにやられ始めた。解き始めたころには気づかなかったが、私の席は冷房の風が直接当たる席だったようだ。ひざ掛け等はさすがに用意されていなかったので、寒さに耐えながら粛々と解き進めた。

また、当たり前と言えば当たり前なのだが、試験時間が2時間半もあると、途中で集中力が途切れるタイミングが2~3回訪れる。具体的には、問題文や選択肢の文章を読もうとしているのに、文章の内容が全く頭に入ってこず、1行も先に進めないような状態になる。

こうした集中力切れは、自宅で白本や黒本の模擬問題を解いている頃から既に出ており、対処法も用意していた。単純に脳味噌が問題を読みたがってないので、試験を中断し、1分くらい壁をボーっと眺めて何も考えない時間を取った。そうしてしばらく脳を休めると、再び解き進められる状態に戻る。
試験後半は緊張もほぐれたせいか、こうした集中力枯渇ステータスに2度ほど陥り、そのたびに目の前の壁を眺めてやりすごした。

そして、集中力が切れてくると特に起きやすいのが、「選択肢〇つのうちから正しい3つを選択」という問題で2つしか選ばずに次の設問に進んでしまうパターン。私はそそっかしいのか、書籍で学習中よくこうした凡ミスを繰り返したので、選択する数だけは誤らないよう気を付けた。
なお、設問より少ない数を選択して次の設問に進んでも、試験システムは何の警告も出さない。(設問より多い数を選択した時は、即座に警告メッセージを出してくれる)

試験時間が残り20分弱になったところで、全85問を解き終えた。予定通り時間内に解き終わり、ひとまずほっとした。

本試験開始130~150分後:時間の許す限り見直しする

85問目を解き終えると、次の画面では、後で見直ししたいとチェックボックスにチェックを入れた問題だけが、問題番号に問題文の最初の十数文字を添えて縦長のリスト形式で表示される。
最初の1問目から見直すこともできるし、気になる問題だけを自分で選んで見直すこともできる。

私は試験の前半に、見直しチェックボックスにチェックを入れた問題がたっぷり溜まっていたので、残りの時間を全て使って、最初の1問目からチェック済み問題群を見直ししていった。冷静になってから読み返すと、間違っている気がして解答を変更した問題が4~5問あった。
1問目から30数問目までを見直しした時点で、試験時間が残り1分になったので、試験終了のボタンを押し、試験を終了した。

試験終了時:試験結果の表示

試験終了ボタンを押すと、「本当に終了します?」という確認画面が表示され、試験を自分で終了することができる。(2時間半待たなくとも、1時間半や2時間くらいで試験を終了しても勿論構わない)
試験を終了すると、その次の画面で、受けた試験の合否がモニター画面に表示される

自分の顔写真とともに、「正答率:86%」「結果:合格」とはっきり表示されており、安心して力が抜けた。
この画面は、後からメールで通知されるCerfViewの試験結果と同じものだと思う。

Oracle Database Administration 2の試験結果の画面キャプチャ。画面中央に、正答率がパーセント表記で表示されている。

↑ 試験終了直後にモニターに表示された試験結果。実物はもう少し縦に長く、受験者本人の写真つき

試験終了後:受付を忘れずに

試験終了後、座席番号である81番のプレートとミニホワイトボード&マーカーを持って、試験室を出た。
試験終了後は、まず受付を済まさないといけないので、受付に出向いて備品を返却すると、A4の紙を1枚手渡された。合否通知はその紙には記載されておらず、後ほどメールで通知されます、ということが書かれていた。

Oracle Database Administration 2の試験終了後に受領した紙のキャプチャ。試験結果はメールで通知される旨が書かれている。

↑ 試験終了後に受付で受け取った通知書

受付後にロッカーから荷物を出し、ロッカーの鍵を返却した上で、試験会場を後にした。時刻は13時を少し過ぎたころで、冷房の影響で手足がすっかり冷たくなってしまっていたので、太陽の下に出て真っ先に身体を解凍した。(こういうとき、巷で話題のSDGsやエネルギー不足とは一体何なのかと、世に問いたくなる…)

試験終了後、私用を済ませていたら、oracle.comから「試験合否のお知らせ」というタイトルで、メールが1通届いた。メールのリンクを辿ると、オラクル社のCerfViewが開き、本試験直後に見た合否結果が見れるようになっていた。
ただ、この時点では、ORACLE MASTER Gold DBA 2019の認定は行われておらず、資格認定画面はORACLE MASTER Silverのままだった。

試験の翌日:ORACLE MASTER Gold DBA 2019に認定される

翌日の午後、再びoracle.comから「資格認定のお知らせ」というタイトルでメールが届いた。CerfViewにログインして確認すると、無事ORACLE MASTER Gold DBA 2019に認定されており、証明書やバッチがダウンロードできるようになっていた

認定証明書はORACLE MASTER Silver 11gのときと変わっていなかった。認定書右上にゴールドのバッチが付いていることだけが変化点だが、ゴールドの有資格者になったという自覚は未だ湧いていない。

オラクルマスターゴールドDBA2019の認定証の画面キャプチャ。旧試験制度と同じ形の認定証。認定証の左上に、OracleMasterであることを示すバッチが表示されている。

↑ ORACLE MASTER Gold DBA 2019の認定証。認定証は旧試験制度の頃と同じ形

今所属している会社は資格報奨金制度のある会社なので、認定照明書を添えて申請すると、報奨金が出るそうだ。受験代+αを補填頂けるのは有難い限りだが、AWSやAzureなどのクラウド周りの資格を取れと会社全体で推し進めている雰囲気があるので、「(人気薄の)オラクルマスターを取りました」と報告すると、逆に「空気を読め」と叱られそうな予感もする。

クラウド化推進企業の熾烈なシェア奪い合いにはあまり加担したくないので、もうしばらくデータベース界隈でのんびり技術を磨いていたいのだが、一体どこまで黙認されるやら。ORACLE MASTER Goldを取得してもまだまだ肩身が狭そうなので、何だか少々切ない。