データベーススペシャリスト試験 2018年春・2019年春 試験当日の注意事項・会場の様子など

データベースペシャリスト試験の試験当日の様子や、試験前にやっておいて良かったことを記載。筆者は2018年春・2019年春に受験。

平成30年度春期のデータベーススペシャリスト試験の問題冊子を撮影した写真

↑ データベーススペシャリスト試験 問題冊子

「前もってやっておいたら良かった…」と後悔したこと

前年の秋期試験で午前1の免除をゲットしておく

データベーススペシャリスト等の高度情報処理技術者試験は、午前1の試験を免除する制度が用意されている。
応用情報処理試験に合格、もしくは、高度情報処理技術者試験の午前1で基準点(60点)以上の得点を得ると、デーダベーススペシャリスト試験の午前1試験が2年間免除される。

例えば、2018年の秋にネットワークスペシャリストを受験し、午前1試験を60点以上得点すると、翌年の春・翌年の秋・翌々年の春・翌々年の秋と計4回免除を受けられる。
免除となる対象は、高度情報処理技術者試験であれば、どの試験でも構わないらしい。

詳細は下記の公式サイト参照↓

情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の一部(午前Ⅰ試験)免除制度
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/koudo_menjo.html

高度情報処理技術者の午前1試験は、試験範囲がとにかく広い。数学の基礎理論に始まり、セキュリティ・ネットワーク・運用管理・企業経営・法務まで、実務で使ったことのない知識や用語をこれでもかと問われる。難易度も、応用情報処理技術者試験と同じくらい。つまり、手を抜いてかかると返り討ちに遭うくらいには難しい。

午前2以降の試験はデーダベースに特化されているので、午前1免除を秋に得ることができれば、秋~冬~春の間はデータベースの対策のみに集中でき、試験勉強が相当楽になる。
(1回の試験代5700円を払って午前1免除を得るのが、高いか安いかは別として…)

ちなみに、午前1免除がゲットできれば、試験当日の拘束時間が短くなるというメリットも享受できる。
1日の拘束時間は計7時間20分から計6時間に短縮され、試験会場への集合時間が9時10分から10時30分に繰り下がるので、身体・頭脳共に負担が減らせる。
個人的な意見だが、試験当日の朝30分長く寝られるだけでも、午前1免除を受ける価値はあると思う(笑)

午後1の試験対策は十分に

午後1試験を、午後2の前哨戦と舐めてかかってはいけない。

午後1は、試験時間がとにかく短い。それなりにボリュームがあり頭も使う問題を2問も仕上げなければならないのに試験時間は90分しかなく、1問あたり45分しかかけられない。1問に120分をフルに使える午後2と比べて、明らかに時間の制約が大きい。

データベースの問題を解く「速さ」と「正確さ」を最も求められるのは、午後1だと思う。試験対策を行う際は、午後1にも十分時間を割いてあげてほしい。

しかも2018年春期試験は、午後2より午後1の方が難しかった(笑) 他の受験生に尋ねても同じ回答だったので、苦手分野に当たったわけではないと思う。

試験時間中に「試験に落ちた…」と感じた時は

必ず、午後2までの全ての試験を受けてあげて欲しい。

理由は、仮に今年の試験が不合格だったとしても、午後1・午後2がどれほど解けるかが分かれば、来年合格できるかどうかが分かるからだ。

2018年春季受験時、私は午後1が半分も解けなかったので、「落ちた…」と確信した。だがその直後に受験した午後2は、普段業務でよく使っている分野が出題されたこともあって、9割5分まで解答でき、うち自己採点で5割弱正答することができた。午後2試験の合格ラインは、正答率60%。そのため、「このまま頑張れば、来年は合格できる」と強く感じた。

この実感を持てれば、試験勉強の強力な下支えになる。長く辛い試験勉強を再開する上で、こうした「ゴールが近い」という感覚があるかないかは、努力を続けられるかどうかの分かれ目になる。

また、職場や就職活動の面接でも「不合格でしたが、午後2が50%弱正答できたので、来年は合格します」と答えられば、「不合格者」ではなく「あと少しで受かる人」とプラスに捉えて貰える。

試験中に感じる「落ちた…」という気持ちはそこそこに強い感情で、試験を中断して遊びに行きたい気持ちを思い出させる。なので試験当日は時間を終日を試験につぎ込むつもりで臨み、羽を伸ばすのは翌日から、と決めておくといいと思う。

会場が遠い

同じくデーダベースの試験として有名なOracle Masterが都市部ど真ん中で行われるのに対し、データベーススペシャリストを始めとする情報処理技術者試験は、大学のキャンパスなど都心から遠く離れた郊外が試験会場となることが多い。

応用情報処理技術者試験受験の際も僻地に飛ばされ、朝早く起きれるかどうか冷や汗をかいたものだが、DBスペシャリスト試験でも同じ目に遭った。

試験会場となった大学へは、都心から電車で50分。午前1の試験は9時半試験開始で、9時10分には試験会場に着席していなければならないので、徒歩移動の時間を含めて逆算すると、7時過ぎに起床し8時丁度には自宅を出なければならない..。

問題を解くことより何より、当日はこれが一番大変だった。

ちなみに応用情報処理技術者を取得して2年以内にDBスペシャリストを受験される方は、午前1の試験が免除になるので、+1時間ほど朝寝ができる。羨ましい。

試験会場までは迷いにくい

試験会場となる大学の最寄り駅を降りると、駅から大学までの道のりは情報処理技術者試験の受験者でいっぱいで、道に迷うこともなかった。
但し、駅から大学までは徒歩10分程度かかり、校内に入ってから更に7~8分かかった。(大学は校内が広い)

遅刻者多数

試験の説明が開始される9時10分ギリギリに試験会場に着席したが、9時10分を過ぎてからも入室される遅刻者が数多くいた。IT業界は早起き苦手な人多いんだな、と夜型な私はひと安心した。
9時10分から、試験官が試験の注意事項や問題文訂正の有無などを説明して下さるので、初受験の方は聞いておいた方がいい。

教室はガラガラ

私の席の前方には机8つ×4席の計32席が用意されていたが、着席していたのは4名だけ。午前1の試験が終わり午前2の試験が始まっても、空席が埋まることはなかった。

データベーススペシャリスト試験は合格率が14%くらいの試験だが、受験申込者数に対し受験者数が格段に少ないのだと気づいた。確かに、受験申込〆切が1ヶ月以上前と少し早いし、受験料もOracleMaster等のベンダー資格に比べひと桁違う安さなので、申込みだけ済ませて受験しない(できない)社会人の皆様が多いのだろう。(Oracle Master Silverは受験料22,000円弱、DBスペシャリスト試験は5,700円)

実際に受験者した数を母数に合格率を計算すれば、合格率は跳ね上がると思う。

受験者の15%が女性

データベーススペシャリストは、IT系国家資格の最高峰なので、女性は一桁パーセント未満しかいないかなと思っていたが、予想よりはるかに多かった。しかも、どの女性も堅実でしっかりとした顔つきの、見るからに頼れそうな女性ばかり。
同じく女性技術者の1人として、女性比率15%はとても嬉しく心強かった。

同じ年の1月にオラクルマスターのシルバーを受験した時には、試験会場に女性が1割前後だったように記憶している。ベンダー資格の試験会場では、オラクルマスターだけでなくさまざまな資格試験が同時に行われるので、一概にオラクルマスター=女性少ないとは言えないが、オラクルマスターブロンズ取得時も、オラクルマスターシルバー取得時も、会場に女性は少なかった。

オラクルマスターにも、近いうちに女性受験者が増える日がくるのかもしれない。

試験開始の20分前から説明が始まる

データベーススペシャリスト試験の受験表の裏面を正面から撮影した写真。白い紙に水色の文字でびっりしと文章が書かれている。

↑ データベーススペシャリスト試験の受験票(裏面)

午前1・午前2・午後1・午後2の全ての試験において、試験開始の20分前から、試験管による説明が始まる。お昼休憩を除き試験と試験の間の30分しか空いていないので、休憩は実質的に10分間しかないと心得ておいた方がいい。

道に溢れるほど受験者がいるので、10分休憩中はトイレが割と混む。トイレに行って戻ると10分休憩はほぼ終わっており、休憩時間に参考書をゆっくり眺める間はなかった。

試験会場の様子

試験会場は全体的に人が多く、トイレや階段などの共有スペースは人で溢れかえっていた。DBスペシャリストを含む高度情報処理技術者試験の行われる教室には、受験特有の緊張感も漂っていた。教室は清潔で、居心地はいい。

私は気管支喘息とハウスダストアレルギーの持病を有しているので、試験会場の清潔度合いと室内の空気の良し悪しが気にかかっていたが、不織布マスクなしで過ごせる程度には、掃除が行き届いていた。

建物の3〜6階が試験会場に割り当てられていた。各階に教室が10室ほどあり、どの教室も情報処理技術者試験の受験者で埋まっていた。中には、自分が一生受けることのないであろう「システム監査技術者」の会場もあり、どういった方が受験されているのかと見物気分で眺めることもでき、ちょっと面白かった。

昼食(お弁当)は持ち込み

各フロアとも階段付近に木製のベンチが並べられ、談笑したり軽食を食べたりできるスペースになっていたので、そちらでお弁当を頂いた。(ちなみに、応用情報処理技術者試験の受験会場では、校舎の外の芝生の上で昼食を食べることができた。春の陽気のお陰で、素晴らしい気分転換になった)

逆に、外食はまず間違いなくできないだろうと思われる。校舎の外に出るだけで7~8分かかるうえ、校舎内で開いている学食やカフェも見かけなかった。学内の自販機に自販機はたくさんあったが、どれも飲み物販売で、カロリーメイト等の食べ物販売の自販機は見かけなかった。

昼食は、事前に調達して外から持ち込まなければ、午後2の試験まで空腹でもたないと思う。
試験会場の最寄り駅にコンビニが併設されており、コンビニ内には列ができるほど、受験者がめいめい購入品を持って並んでいた。

昼休憩は1時間あるので、参考書を15分程度ゆっくり眺め、心を落ち着かせる時間が取れた。

途中退出者は少ない

情報処理技術者試験は、あらかじめ定められた時間帯であれば、試験を途中退室することができる。
だが実際には、途中退出する方は非常に少なく、2019年に受験した教室ではゼロ名だった。

データベーススペシャリスト試験は、難易度もさることながらボリュームも満点なので、途中退出できるほど時間が残らない…というのが多くの受験者の本音のようだ。

試験会場へ持参して良かったと思ったもの

鉛筆 2~3本

三菱鉛筆3本と金属製の鉛筆ホルダー2つと鉛筆キャップを撮影した写真。

↑ 鉛筆と鉛筆ホルダー

午前1・午前2の多肢選択式試験は、シャープペンシルより鉛筆がおすすめ。マークシート欄を塗り潰すのがシャープペンシルよりも早いので、考える時間をより長く確保できる。

システム世界に頭の先までどっぷり浸かった人間が、芯の丸まった鉛筆の良さを認識する機会は少ないが、この日ばかりは頼らざるを得ない(笑)

鉛筆を落とした場合のことも考えて、2~3本あると安心。金属製のキャップ(鉛筆ホルダー)をつけて持ち込めば、鞄や筆箱が汚れることもない。

髪留め(前髪の長い方のみ)

前髪の長い方は、髪留めがある方がいい。前髪の左右どちらかだけでも留めてしまえば、前髪が視界に垂れてこず試験に集中できる。

試験開始前から髪を留めておくと、試験監督にカンニングを疑われることも特になかった。以前別の試験で、試験監督に「髪留めをつけて受験しても構いませんか?」と申し出たことがあるが、その際も快諾頂けたので、意外と問題ないらしい。

傘 1本

2018年の試験当日は雨で、行きも帰りも雨が降った。
前述の通り試験会場は都心から遠く、最寄り駅から会場までは片道10分ほど歩くので、曇りや雨の日は傘は必須。

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