「トレーニングペーパー フランス語/読解編」ニュートンプレス

この本のお陰で、実用フランス語検定3級を取ることができた。気長にこつこつと学習に取り組める方に適した教材だと思う。

■「トレーニングペーパー フランス語/読解編」の説明

トレーニングペーパーは、1日5~9ページずつ解き進め、33日で終了するように構成されているCDつきの語学問題集。フランス語版の他に、英語版・ドイツ語版・中国語版・ロシア語版が出版されている。

他の問題集と決定的に違うのは、手を動かして書き取りする量が、半端なく多いこと。

解説は最小限に抑えられており、読者は学んだ内容をひたすら手を動かして書いて覚える、というタイプの問題集になっている。単語の書き取りから始まり、短文の穴埋め、1~2文程度のフランス語作文、読解問題など、読者はとにかくフランス語を書いて書いて書いて学ぶ。

Lecon1(第1課)は数行程度のかなり易しいレベルから始まっているが、最終課ではカミユ「異邦人」の原書に取り組むので、フランス語を学習中のどのレベルの方にも適した教材だと思う。

読解編とはいえ、動詞の活用や男性名詞・女性名詞の説明など、主な文法も一通り記載されている。単語や文章の書き取り欄の左側には、付属CDのトラック番号が記載されており、読者は目で読み、手で書き、耳で聞いて、フランス語を覚えていく。
長文の箇所には、カタカナで発音も振られているので、初学者には特に助けになる。(フランス語では、単語と単語を繋いで発音することがあるので、見えている単語と実際に耳から聞こえてくる音が違う)

大きさはA5サイズ。ページ数は約350ページ。1枚1枚のページは薄く軽い。
重さは、A5のビジネス書1冊と同じくらい。

■「トレーニングペーパー フランス語/読解編」の感想

フランス語トレーニングペーパーは文法編1巻2巻読解編の計3冊2種類を利用したが、掲載されている文章が実用的なのにシニカルで面白いため、読解編は特に私のお気に入りだった(笑)


<例文1>

マルセル=パニヨルが、フェルナンデルとレストランで食事をとっています。パニヨルが言いました。

「ああ、ひどい臭いがする。何かが焦げているな。……ん……、私のポケットの中のパイプか! ズボンが焦げてしまった!」

すると、フェルナンデルはこう言いました。

「そうだね。10分前から、僕は君のポケットを眺めてたんだ……」
「で、君は何も言ってくれなかったのかい?」
「おお! 僕は不愉快なことを言うのは好きじゃないんだ。特に友達に対してはね」

(和訳文はブログ管理人作)


……フェルナンデルさんは何か一言くらい、友に言ってあげても良かったんじゃないかと思う(笑) この例文以外にも読解編では、キツネとオオカミがぎゃんぎゃん言い争っていたり、どうにかして自転車を買ってもらおうとだだをこねる子どものお話があったり、ジャンヌ=ダルクの史実があったりと盛りだくさん。

トレーニングペーパー読解編の文章は「まさにフランス!」という雰囲気の、気のきいた例文が多い。また、シニカルな笑いを誘うものも多い(笑) だから何度解いても飽きが来ないのかもしれない。

また、新装版にのみ付属しているリスニングCDが便利。語学はCD付きの教材の方が、上達が早い。
フランス語に限らずどの言語でも同じだが、目でだけを使って文字を追って覚えるより、目で文字に触れ、耳で音を聞いて、手で書き、五感をフル活用して学ぶ方が語学は身につきやすいし、学習も愉しい。

トレーニングペーパー読解編は、英語を含めた語学学習教材の中で一二を争うほど良い教材だと思っているので、こうした教材が広く知れ渡って、フランス語学習人口が少しでも増えることを祈ってやまない。

近年は経済界を中心に英語・中国語の需要が高まり、語学学習と言えばどうしても英語・中国語に流れてしまうのが残念。必要に迫られて学ぶ社会人の方は仕方ないのかもしれないが、フランスの普遍的で余裕のあるものの考え方には、まだまだ学ぶべき点が多いように感じている。



■追記

トレーニングペーパーが絶版になってしまった。

時折古本市場に出品されるものがあるようだが、数が少ないため、特に文法編2巻の値段が高止まりしている。1981年出版の旧版であれば比較的値段が安いので、そちらのリンクも追加した。旧版にはリスニング用のCDが付いていない(カセットテープが別売)が、少しでもお安い方が良い方は旧版も検討してみて欲しい。

私は文法編1巻・2巻は旧版を使用し、読解編は新装版を使用して学習した。内容は旧版・新装版どちらも充実しており、遜色がない。

↑ 2003年出版の新装版。

↑ 1981年出版の旧版。