実用フランス語検定3級 独学での勉強法など

大学卒業の年に念願のフランス語検定を受験し、無事3級に合格することが出来た。

実用フランス語技能検定試験の概要

 フランス語検定の公式サイト 
  http://apefdapf.org/

フランス語技能検定は、5級・4級・3級・準2級・2級・準1級・1級の7つのレベルに分かれている。受験資格はなく、どなたでもどの級からでも受験しても差し支えない。5級から2級までの各級は、試験は春と秋の年2回開催される。
フランス語検定3級のレベルは、大学2回生修了程度。標準学習時間は200時間程度。
詳細は、下記のリンク先より公式サイトにて受験案内を確認のこと。

 仏検 受験案内
 http://apefdapf.org/dapf/info/examens

フランス語検定試験の勉強を始める前に…

フランス語検定に限らずどの資格試験にも言えることだが、資格試験のために勉強しても面白くない(笑) 仕事で資格手当がつくなら話は別かもしれないが、試験問題は基本的に面白さを追求したものではないので、日々の勉強の目標を資格取得にしてしまうと、モチベーションが下がりかねない。

なので、日々の勉強は好きな教材で楽しく、が大前提だと思っている。
日々の勉強については、こちらへ

実用フランス語検定の勉強法

資格試験は事前に対策をするかしないかで点数が大きく変わって来るので、試験の1~2ヶ月前だけは試験対策勉強を行った。試験対策は念入りに、万全の態勢になるまでやりこむようにした。

過去問は必ず解く

過去問は必ず解く方がいいと思う。目を通すだけでなく、試験時間と同じ時間内で解くようにする。
「過去問は出題済だから出ないし、解く意味がない」と仰る方もいらっしゃるが、本番で出題されるのは過去問の『類似問題』なので、事前に過去問で形式や時間配分に慣れ、ある程度解けることが分かってないと、そもそも試験を受けても失敗するだけになってしまう。過去3回分くらいの過去問を用意し、合格ラインを越えるまでは解くようにしたい。

過去問のサンプルが、仏検公式サイトに掲載されていた。書きとり試験、聞きとり試験の音声つき。(2008年秋期の問題なので少し古いが…)

 仏検の過去問 http://apefdapf.org/dapf/presentation/exemples

また、仏検公式ガイドブックに過去2回分の過去問が収録されているようだ。収録されている問題の分量に比べて、やや値段がお高いように思うので、図書館等で借りたるか、amazonやヤフオクで古本を購入できるのであれば、その方が良いと思う。

苦手分野を頑張る

過去問を一通り解いて点数を出してみると、まず自分が合格点に達しそうかどうかが分かる。合格点に達していない、もしくは、合格ラインギリギリだったとしても大丈夫、まだ時間は残されている。出題ジャンルは、文法問題・長文問題・リスニング問題などに分かれているので、その中で合格ラインに達しなかったジャンルを、集中的に解くよう心掛けて欲しい。

例えば合格ラインが7割で、長文問題・リスニング問題が6割しか取れていなければ、長文とリスニングを試験前日まで可能な限り解くようにする。得意分野よりも苦手分野の方が、点数の伸びしろが大きいので、苦手科目を頑張ると、短期間で点数が伸びる可能性が高い。

だが、苦手分野ばかり解いているとストレスが溜まるので、苦手対策の合間に、息抜きで得意分野の問題も解くようにしていた(笑) 私は、日々使っている問題集(トレーニングペーパー文法編読解編)に過去問形式の問題集を併用して学んだ。

フランス語検定3級の合格通知と合格証書

無事合格すると合格通知のハガキが届き、後日合格証書が届いた。合格証書は全てフランス語で書かれていてカッコいい。

実用フランス語検定3級の合格証書と合格通知をレンガの床に置き、正面から撮影した写真。向かって左に、フランス語で書かれた白い賞状が写っている。向かって右に、合格通知の古いハガキが写っている。

↑ 実際に手元に届いた合格証書(表)と合格通知。

合格証書の裏面に、表面のフランス語の和訳文が書かれている。

実用フランス語検定3級の合格証書を裏返し、レンガの床に置いて撮影した写真。白い賞状に、全文が日本語で書かれている。

↑ 合格証書の裏面。

実用フランス語検定3級取得後 ~活用しました~

日本においては、美術や化粧品や料理(ケーキ・パン)など特定の分野で、局地的にフランス語がよく使われているように感じる。また、外資系企業など特定のエリア内でも、英語に混じってフランス語をちょくちょく見かける。

その分野やエリアに興味のない方には、フランス語を学ぶ意義は薄いのかもしれないが、興味のある方にとっては、フランス語を学ぶことで原語・原文を直接理解できるようになるので、フランス語を学ぶモチベーションも続きやすいと思う。

フランス語を仕事で活用

仏検3級はフランス語のみで仕事が出来るレベルではないので、英語と絡めて活用することが多かった。(英語はTOEICスコアが850なので、ビジネスで英語を使うことはしばしばあった)

英文を読んでいてretardという見慣れぬ言葉に出会った時、フランス語にtard(意味:遅い)という単語があるので、それに近い意味かなと推測しながら読み、後で辞書を引いたところ「遅らせる」という意味だったので、単語の意味をすぐに頭に入れることが出来た。
その他にもQuestionnaire(意味:アンケート)などフランス語由来の単語が英語には散見されるので、単語の読みと意味をすぐ覚えることが出来る意義は大きい。

フランス語を就職活動・転職活動で活用

キャリアの途中でフランス系企業にセキュリティ技術者として在籍したことがある。公用語が英語の企業だったのでフランス語は必須ではなかったが、フランス語とフランス文化に理解があるということは、採用時にプラスに働いた。

衣料系上場企業で面接を受けた際や、英語を日常的に使うポジションを受けた際にも、TOEICスコアや英語経験に続いて、フランス語検定について質問されることが多かった。
「フランス語検定3級とは、どのくらいのレベルですか?」から始まり、仏検を取ったいきさつや、大学での第二外国語にまで話が及んだ。
「英語のスコアが高く、仏検も有しているので、高い言語能力を有していると判断します」と面接官に言われ、驚いたこともあった。

フランス語をプライベートで活用

まずは小説。アガサ・クリスティの小説が好きなのだが、小説に登場する名探偵ポアロはベルギー人なので、台詞にしばしばフランス語が登場する。「Mon ami, Hastings!」(意味:わが友、ヘイスティングス!) 「Oui, Monsieur」(意味:ええ、その通りです)とか。
丁度仏検3級保持者でも分かるくらいの易しく印象に残る台詞が多いので、フランス語の台詞が出てきても仏和辞書なしでニュアンスまで伝わるし、何よりフランス語好きなので、読んでいてときめく(笑)

お次は美術。美術ではコローの絵などが好きだが、フランス人の画家さんだと絵のタイトルもフランス語で付けられていることが多いので、タイトルを原題のまま理解出来るのは嬉しい。「Souvenir de Mortefontaine」(モルトフォンテーヌの想い出)とか。

勿論海外旅行でも、フランス語は活躍する。ルーブル美術館にも行ってみたいと思っているので、地図や看板やメニューが読めるレベルのフランス語力があるのは有利。フランス以外にも、カナダのケベック州などフランス語が通じるところでは心強い味方になる。ただ、アジア圏やアメリカを旅した際は、フランス語はほぼ使わなかった。カンボジアなど旧フランス植民地の国で、多少看板を見かけた程度。