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洋書の無料電子図書館 “Project Gutenberg” 使い方や感想など

洋書を何冊でも無料で読める電子図書館がありました。

Project Gutenberg (プロジェクト・グーテンベルク)
https://www.gutenberg.org/

“Project Gutenberg”の説明

Project Gutenbergは海外の著名な小説・書物のうち著作権が切れたものを、無料で読むことのできるウェブサイトです。「シャーロックホームの冒険」・「不思議の国のアリス」など、現時点で54,367作品がこちらのサイトに保存されています。

著作権の切れた日本の文学作品をウェブ上で無料で読むことのできる青空文庫というサイトがありますが、プロジェクト・グーテンベルクは青空文庫の海外版、主に洋書が取り扱った無料電子図書館です。

プロジェクト・グーテンベルクはアメリカの大学生が創始したサイトなので英語で書かれた作品が多いですが、フランス語・ドイツ語・イタリア語から、中国語ラテン語・タガログ語に至るまで、幅広い言語で書かれた作品が保存されています。

筆者が日本人の著作や日本に関する書籍も、数は多くはありませんが、保存されています。小説では、夏目漱石「坊っちゃん」、小泉八雲「怪談」等があり、日本の神話や日本の女性についてなど、外国の方から見た日本が書かれた学術書もあります。

また、選んだ作品をどう読むかも読者が選択できます。
HTML形式を選んでWeb上で作品を開いて読んだり、テキスト形式を選んでパソコンにダウンロードして単語のメモを取りながら読んだり、Kindle形式を選択してDropBox・GoogleDrive・OneDriveに作品を保存したりできます。

但し、ホームページは全て英語で書かれていますので、使いこなすには多少の英語力が必要です。

洋書の電子図書館”Project Gutenberg”の使い方

英語の苦手な方向けに、本の探し方を簡単にご説明します。

1. 下記のリンク(下線の部分)をクリックし、Project Gutenbergのサイトを開きます

Project Gutenberg (プロジェクト・グーテンベルク)
https://www.gutenberg.org/

2. サイトが開いたら、画面上部にある検索ボックスに、読みたい本の著者の名前や著作名を半角英数字で入力します。
  ここでは仮に、新渡戸稲造「武士道」を検索したいと思いますので、「nitobe」と入力しました
  ※日本語や全角英数字は文字として認識されませんのでご注意下さい

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで、読みたい本を検索する方法を説明しているスクリーンショット。Project Gutenbergのwebsiteのトップ画面が開かれており画面最上部にあるsearch boxに「nitobe」と入力されている。

 入力を終えたら、検索ボックスの右側にある虫めがねのマークをクリックし、検索を開始します。

3. 検索結果が表示されました。
  検索結果の中から、読みたい本を選び、リンクをクリックします。

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで読みたい本を検索する方法を説明しているスクリーンショット。画面2(新渡戸稲造「武士道」を検索して検索結果が1件表示された画面)

4. 最後に、どの形式で読むかを選択します。
  とにかく読めればいい!という方は、「Read this book online: HTML」の箇所をクリック下さい。

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで読みたい本を検索する方法を説明しているスクリーンショット。画面3(新渡戸稲造「武士道」をどの形式で読むか選択する画面。ここではHTML形式を選択している)

5. 本の中身が表示されました。

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで読みたい本を検索する方法を説明しているスクリーンショット。画面4(新渡戸稲造「武士道」のタイトルがwebサイト上にHTML形式で表示されている)

本によっては最初に訳者による注釈が書かれている場合があるので、本文から読む際は、少しスクロールして本文を探し出してからお読みください。どの本も上から順に、

 「PREFACE」(はじめに)
 「CONTENTS」(目次)
  (本文)

という構成で書かれていることが多いです。

ジャンルごとに本を選ぶ場合は

現時点で”Project Gutenberg”には22のサブカテゴリーが用意されているので、ジャンルごとに読みたい本を探すことも出来ます。

1. 下記のリンク(下線の部分)をクリックし、Project Gutenbergのサイトを開きます

Project Gutenberg (プロジェクト・グーテンベルク)

2. “Project Gutenberg”のトップ画面の左の列にある「Book Categories」のリンクをクリックします
  右側の画面が切り替わり、サブカテゴリーごとに分類されている画面が見えるようになります。

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで読みたい本をジャンルごとに探す方法を説明しているスクリーンショット。画面1(Book Categories」のリンクをクリックした後の画面)

 サブカテゴリーはいくつかの本棚(Bookshelf)に分かれており、更に詳細に本を絞り込むことができます。
 例えば、「Fine arts」(美術)のサブカテゴリーは、「Architecture」(建築)と「Art」(美術)の本棚に分かれています。

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで読みたい本をジャンルごとに探す方法を説明しているスクリーンショット。画面2(subcategoryの欄でArt bookshelfへのリンクをクリックした画面)

それぞれの本棚のリンクをクリックすると、著者と著作名が一覧になった画面が開いて、本を選ぶことが出来るようになっています。
ここでは「Art」(美術)の本棚を開いてみました。下にスクロールすると、書籍一覧の中にレオナルド・ダ・ヴィンチのノートやレンブラントの解説書が表示されているのが分かります。

洋書の無料電子図書館Project Gutenbergで読みたい本をジャンルごとに探す方法を説明しているスクリーンショット。画面3(subcategoryの欄でArt bookshelfのリンクを開いた後の画面)

“Project Gutenberg”を使ってみた感想

洋書を購入する前に、試し読みとして使えるのが気に入っています。全世界で聖書の次に売れていると言われるアガサ・クリスティの作品まで、無料で公開されていました。

 アガサ・クリスティ「スタイルズ荘の怪事件」(名探偵ポアロシリーズ)
 http://www.gutenberg.org/ebooks/863
 アガサ・クリスティ「秘密機関」(トミーとタペンス・シリーズ)
 http://www.gutenberg.org/files/1155/1155-h/1155-h.htm
 
先日ラダーシリーズで読んだディケンズの”Oliver Twist”も無償公開されていました。こちらはイラスト付きです。
(イラスト付きの書籍は、画像を読み込むのに時間がかかるので、Webページが全て開くまでに少し時間がかかります)

 チャールズ・ディケンズ「オリヴァー・ツイスト」
 http://www.gutenberg.org/files/46675/46675-h/46675-h.htm

小説だけではなく、歴史書や美術解説などの学術書などもあります。レンブラントの作品と解説が掲載されている本も、少し拾い読みさせて頂きました。

 Estelle M. Hurll「Rembrandt」
 http://www.gutenberg.org/files/19602/19602-h/19602-h.htm

ただ、Html形式で開くと、本の拾い読みをするには丁度いいのですが、英和辞書で調べた英単語の意味を小説の余白にメモしておくことができず、困りました。特定の著作を本格的に読み込みたい方は、テキスト形式でダウンロードして、パソコンに保存してから読む方法をおすすめします。この方法であれば、お好きなところにメモをとることができます。

洋書など、母国語ではない書籍を読む場合、書籍の内容が自分の興味に沿うかどうかに加えて、自分と書籍の英語レベルが合っているかも関わってきます。そのため、本屋さんで大枚をはたいて購入しても、結局殆ど読まなくなってしまった本が何冊かあります。
そうした状況は本にとっても自分にとっても悲劇なので、買って読まなくなるくらいなら”Project Gutenberg”を上手に使った方が良いかな、と最近は思っています。

Project Gutenberg (プロジェクト・グーテンベルク)

青空文庫(日本の文学作品の無料電子図書館) 使い方・使用感など

著作権の切れた日本の文学作品が無料で公開されている、電子図書館をご紹介。取り扱われているのは、主に和書です。
(海外には洋書の無料電子図書館もあります。洋書の無料電子図書館については、こちらへ)

青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/

青空文庫の説明

著作権の切れた日本の小説や随筆を、無料で閲覧・ダウンロードできるサイト。夏目漱石・芥川龍之介・宮沢賢治・泉鏡花・夢野久作など、日本文学の古典が多数取り揃えられています。教科書に出てくるような有名な小説から、短すぎて出版されないような随筆・小説、未完の作品や作者の書簡なども掲載されています。

2018年現在、アガサ・クリスティの作品は青空文庫で公開されていません(涙) 洋書の無料電子図書館Project Gutenbergの方で、英語で書かれた作品は1~2つ読むことができます。語学力に自信のある方は是非どうぞ)

また、近年iPhoneのアプリでも青空文庫が読めるようになりました。青空文庫が読めるアプリは何種類か公開されているようですが、このブログの管理人は「i読書」を利用させて頂いています。

青空文庫で文学作品を試し読みする

馴染み深い小説を、今すぐ読める形でリンクとして貼ってみました↓。本屋さんで本を立ち読みするような気持ちで、どうぞご利用下さい。
 
夏目漱石「草枕」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/776_14941.html

芥川龍之介「杜子春」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/43015_17432.html

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/43737_19215.html

青空文庫の使い方

パソコンから青空文庫を読む

  1. 下記のリンク(下線の引かれている箇所)をクリックし青空文庫のwebサイトを開きます。
    青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/
  2. 「公開中 作家別:」の欄か、「公開中 作品別:」の欄に貼られているリンクをクリックして、読みたい作品を見つけます。
    今回は、「セロ弾きのゴーシュ」という作品を読みたいので、「公開中 作品別:」の欄にある「せ」の文字をクリックします。

    青空文庫のwebサイトのトップページで、小説の題名の頭文字「せ」をクリックして作品を探しているところ

    「せ」から始まる作品が多かった場合は、画面上部にある「ページ:」のところにある任意の数字をクリックし、画面右側についているスクロールバーを上下に動かして、読みたい作品の行が見つかるまで頑張ってみて下さい。

    青空文庫のwebサイトで、小説の題名の頭文字「せ」のページを開き、「セロ弾きのゴーシュ」という作品を表示させたところ

    読みたい作品が見つかったら、作品名が書かれたリンクをクリックします

  3. 取りあえず読めれば良いという場合は、「いますぐXHTML版で読む」というリンクをクリックします。
    青空文庫のwebサイトで、「セロ弾きのゴーシュ」の詳細画面を表示させたところ。「ファイルのダウンロード」と「いますぐXHTML版で読む」という2つのリンクが表示されている

    「セロ弾きのゴーシュ」の題名と作者名と本文が表示されました。

    青空文庫のwebサイトで「いますぐXHTML版で読む」リンクをクリックし、「セロ弾きのゴーシュ」のタイトルと本文を表示させたところ

    セロ弾きのゴーシュは分量が短めの小説で、ストーリーがとても良いので、宜しければこのままお読み下さい。

  4. zipファイルに圧縮された小説をダウンロードして読む

    「いますぐXHTML版で読む」のリンクの方が手軽でおすすめですが、長編など時間がかかる作品を読むには少し辛いので、その際は「ファイルのダウンロード」の方をおすすめします。

    ※以下の手順は、Windows7のパソコンでGoogle Chromeのウェブブラウザを使用して読む場合の手順です。パソコンのOSの種類やウェブブラウザの種類・バージョンが異なる場合は、手順も異なる場合があります。

    3.の箇所で「ファイルのダウンロード」というリンクをクリックします。

    青空文庫のwebサイトで、「セロ弾きのゴーシュ」の詳細画面を表示させたところ。「ファイルのダウンロード」と「いますぐXHTML版で読む」という2つのリンクが表示されている

    「ファイル種別」欄が「テキストファイル」、「圧縮」欄が「zip」と書かれている行のリンクをクリックします。

    ファイル名欄に書かれているファイル名と同じ名前のファイルが、お使いのパソコンにダウンロードされます。

    スマートフォン(iPhone)のアプリ「i読書」で青空文庫を読む

    スマートフォンやタブレットで青空文庫を読む場合、iPhoneであればAppStoreから青空文庫を読めるアプリ(「i読書」など)をダウンロードする必要があります。お使いのスマートフォンの種類や、どのアプリをダウンロードするかでその後の操作方法が異なるため、ここでは細かい説明は割愛し、「i読書」のインストール方法だけ簡単に記載します。

    1. iPhoneを開くと、デスクトップに「App Store」と書かれた水色のアイコンがあるので、タップして開く
    2. 画面下の「検索」と書かれたボタンをタップすると、画面上部に検索ボックスが表示されるので、「i読書」と入力。
      検索結果に「i読書」が表示されたら、その行をタップ。(検索結果は何行か表示されることがあります。
    3. 「i読書 – 青空文庫リーダー」と書かれた画面が開いたら、画面右にある「入手」ボタンをクリック。
      ※私は既に入手済みなので、上記の画面では「入手」ボタンの代わりに「開く」ボタンが表示されてしまっています

      iphoneのappstoreで青空文庫リーダー「i読書」のアプリを検索した画面

      個人的には、iPad等のタブレットが、丁度本と同じくらいの大きさで読みやすくておすすめです。画面の大きさより持ち運びしやすい方がいいなら、スマートフォンも便利です。

    4. 電子辞書に青空文庫を入れて読む

      ダウンロードしたファイルは、CASIOの電子辞書”EX-word”などに取り込んで、電子辞書で読むこともできます。スマートフォン全盛期の現在においてこの方法で読む方は少ないと思うので、手順の説明は割愛します。
       →電子辞書の詳細については こちら

      青空文庫を使用した感想

      青空文庫を使い始めたのは時間はあるものの収入が少なかった時期で、お金を1円もかけずに良質な作品をたくさん読める青空文庫は有難かったです。中島敦の「李陵」「山月記」、宮沢賢治「学者アラムハラドの見た着物」、芥川龍之介「開化の殺人」、夏目漱石「夢十夜」「二百十日」「子規の画」などを、青空文庫を利用して読みました。

      短編揃いの中島敦はともかくも、「学者アラムハラド……」は未完で、「開化の殺人」「子規の画」は10ページにも満たない短い作品です。web上だとこうした超短編小説や小作品も多数取り扱いがあるので、隙間時間でさくっと読み終えることができ、重宝しました。

      私はiPad・iPhone・電子辞書の3種類に小説をダウンロードして利用していますが、お陰でiPadも電子辞書もすっかり「本棚」を兼務してくれるようになりました(笑) 日・英・仏の辞書の他に、文学30~60作品を収録して暇さえあれば持ち歩き、会社や通勤中の電車などで読み耽っています。

      青空文庫を十二分に楽しもうとすると、少しだけパソコン・ITの知識が必要になりますが、頑張って学ぶだけの価値はあると思います。
      これからも良い作品をたくさん読ませて頂きますね。運営されている管理者の方々に、心から感謝致します。

      青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/