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「21世紀こども百科」(小学館) 読書感想文

小学校4~6年の頃の私の愛読書だった本です。夕ご飯食べた後、習い事の無い日はこの大きな本を引っ張り出し、自分でも不思議なほど飽きずに眺めていました。

「21世紀こども百科」の説明

小学生向けのカラー百科事典です。「おんがく」、「とり」、「でんわ」、「パン」、「リニアモーターカー」など、身近なテーマが分かりやすい言葉で説明されています。

どのページも写真やカラーイラストをふんだんに盛り込む形で編集されています。掲載されているテーマが多岐に渡るので、どんな子でも、自分の興味のあるページを見つけることが出来ると思います。

また、取り上げられているテーマも、さまざまな角度から説明がなされています。
例えば「アイスクリーム」のページでは、いろいろなアイスクリームの写真だけでなく、アイスクリーム工場でどのようなことが行われているかイラスト入りで説明され、アイスクリームの歴史や、ご家庭でのアイスクリームの作り方などが別途添えられています。

「21世紀こども百科」を読んだ感想

とにかく懐かしい!(笑) ああ、これよく読んだなあ。読み過ぎて、未だに本の内容を克明に覚えています。「ほうせき」のページでエメラルドがページのどのへんにあったか、20年経ってもまだ言えます(笑) どんだけ熟読してるんでしょう……。

この本を思い返すと、小学生の記憶力って凄いなと、つくづく感じます。人間の骨は全部で約200個で、脳細胞約140億個など、本に載っているどうでもいいようなことを、小さい子どもは全部覚えてしまうんですよ。時々母に話しては呆れられ、本に書いてないことを質問攻めにしては、よく怒られました(笑)

でもその甲斐あってか、小学校の成績はクラスで5番以内に入るほど良かったです。

子どもの側からすると面白いから読んでいただけなのですが、小学校の国語・理科・社会の授業で困ることが少なかったです。授業に出てくるレベルのことは、この「21世紀こども百科」にも詳しく書かれていることが多かったので、授業の理解がほかの子より早かったのだと思います。
 
そのお陰か友人達からも一目をおかれ、いじめに遭うこともなく、楽しい小学校時代を過ごせました。
子どもの頃に読む本は本当に大事ですね。本好きな子どもは根暗で運動の苦手な子に見えますが、意外にも友人を増やし、私の人生を豊かにをしてくれました。

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「エジソン ― いたずらと発明の天才」(崎川範行 著) あらすじと読書感想文

小学生向けのエジソンの伝記。幼い頃小学校を追い出され「低能児」のレッテルまで貼られたエジソンが、後年電灯など今の生活になくてはならないものを次々と発明した発明王になるまでを、分かりやすく説明下さっている。

「エジソン ― いたずらと発明の天才」のあらすじ

エジソンは幼い頃から好奇心旺盛で、製材所や造船所に出かけて行っては機械に手を出したり、職人を質問攻めにしては煙たがられるような子だった。小学校でも先生を質問攻めにして先生に煙たがられ、「低能児」の扱いを受けて、ついには小学校を辞めてしまう。

だが、牧師の娘で学校の先生をしたこともあるお母さんに励まされ、小学校を辞めた後、お母さんから教育を受けることになる。8~9才の頃から「世界史」「科学辞典」「解剖」などの難しい書物で学び、想像力を鍛えるため「文学」もたくさん読んだ。

学びながらエジソンは働き始め、働きながらも大好きな実験と物づくりを精力的にやり続けた。12才の時には新聞の売り子をしながら汽車の中で化学実験をし、汽車を白煙でいっぱいにしてこっぴどく怒られたり、苦労して作った装置が全く認められなかったりと、新しい道を進むが故の苦労も何かと多いのだが、とにかく物作りが止まらない。

大人になっても物作りへの情熱は衰えることを知らず、電話の開発と特許取得で科学者ベルと争ったり、電球を発明するのにありとあらゆる材料を試した挙げ句赤字の値段で売り出したりと、周りのだれもが「無理だ」と考え驚くようなことを、次々と成し遂げ成功させていく。

「エジソン ― いたずらと発明の天才」の読書感想文

わずか11才で働きながら実験三昧の日々というのは、子ども心にも羨ましかった。
自分自身もカレンダーを破いては紙の家を組み立てたり、彫刻刀であちこち彫り刻んでは自分の手まで切ってしまい母を慌てさせるような子どもだったから、11歳にして学校に通わず物作りと実験を日々繰り返しているエジソンの姿は魅力的だった。

しかもエジソンは、物作りと実験を重ねながらも10代にして経営まで始め、好きなことを商売としても成り立たせてしまったのだから、大したものだ。

また、数多くの失敗と障害を積み重ねても、それでもめげないエジソンの姿勢に驚かされる。この伝記で読むだけでも、数えきれないくらいの失敗をし、叱責や批判的な反応も数多く食らっている。それでも、伝記のどのページを開いても、エジソンの人生は物作りと挑戦に彩られている。エジソンは、本当に物づくりが好きだったんだろう。どれほどの失敗や障害に出くわしても、可能性が残されている限り、彼には「諦める」という選択肢はないらしい。

好きだから続ける。いいものを作ることが出来れば何よりも嬉しい。そんな気持ちが、ページの端々から伝わってくる本だった。

「人類をすくった“カミナリおやじ” ― 信念と努力の人生・北里柴三郎」(若山三郎 著) 読書感想文

小学生向けの北里柴三郎の伝記です。北里さんも、少年時代が科学者とはかけ離れていて大好きでした。

「人類をすくった“カミナリおやじ”」の説明

北里柴三郎は、血清療法を発見しノーベル賞候補にまで数えられた日本の科学者です。

少年時代は勉強の「べ」の字もないほどのわんぱく少年で、川で魚を獲ったり、剣道にあけくれたりと、本の序盤は全く勉強や科学の話が出てきません(笑)

北里さんの転機は、大学に入り嫌々ながら顕微鏡を覗いてみた後に起こります。そしてその後、数々の研究にのめり込むように取り組まれていくお話が描かれています。

「人類をすくった“カミナリおやじ”」の読書感想文

偉人の伝記を読むと、その方に直接会っているように感じたり、その方の傍から一緒に人生を眺めているように感じるので、昔から好きなジャンルでした。そして子ども時代に勉強が大嫌いだった偉人の伝記を読むと、子どもは特に勇気づけられますね(笑)
「勉強嫌いなの私だけじゃないんだ。勉強嫌いでも私も将来凄い人になれるかも!」と、読んでいてよく感情移入しました。

飲んだくれの親に育てられた音楽家(ベートーベン)や、小学校を摘み出された発明家(エジソン)や、いじめられっ子だった武士(坂本龍馬)や、数年間遊び呆けた科学者(北里柴三郎)などなど、どの本も大好きで、繰り返しよく読みました。

特に北里柴三郎さんの伝記は、子ども時代にわんぱくし放題だった経験が、勉学と研究にのめり込んでから生きてきます。何時間もぶっ通しで研究をし続ける体力や根気、長い間成果を出せなくとも諦めない心の強さなど、伝記の序盤の勉強嫌いの日々が大人になってからの北里さんを支える役割を果たすので、人生って何がプラスになるか分からないんだなあ、と子どもながらに感じました。