「人類をすくった“カミナリおやじ” ― 信念と努力の人生・北里柴三郎」(若山三郎 著) 読書感想文

小学生向けの北里柴三郎の伝記です。北里さんも、少年時代が科学者とはかけ離れていて大好きでした。

「人類をすくった“カミナリおやじ”」の説明

北里柴三郎は、血清療法を発見しノーベル賞候補にまで数えられた日本の科学者です。

少年時代は勉強の「べ」の字もないほどのわんぱく少年で、川で魚を獲ったり、剣道にあけくれたりと、本の序盤は全く勉強や科学の話が出てきません(笑)

北里さんの転機は、大学に入り嫌々ながら顕微鏡を覗いてみた後に起こります。そしてその後、数々の研究にのめり込むように取り組まれていくお話が描かれています。

「人類をすくった“カミナリおやじ”」の読書感想文

偉人の伝記を読むと、その方に直接会っているように感じたり、その方の傍から一緒に人生を眺めているように感じるので、昔から好きなジャンルでした。そして子ども時代に勉強が大嫌いだった偉人の伝記を読むと、子どもは特に勇気づけられますね(笑)
「勉強嫌いなの私だけじゃないんだ。勉強嫌いでも私も将来凄い人になれるかも!」と、読んでいてよく感情移入しました。

飲んだくれの親に育てられた音楽家(ベートーベン)や、小学校を摘み出された発明家(エジソン)や、いじめられっ子だった武士(坂本龍馬)や、数年間遊び呆けた科学者(北里柴三郎)などなど、どの本も大好きで、繰り返しよく読みました。

特に北里柴三郎さんの伝記は、子ども時代にわんぱくし放題だった経験が、勉学と研究にのめり込んでから生きてきます。何時間もぶっ通しで研究をし続ける体力や根気、長い間成果を出せなくとも諦めない心の強さなど、伝記の序盤の勉強嫌いの日々が大人になってからの北里さんを支える役割を果たすので、人生って何がプラスになるか分からないんだなあ、と子どもながらに感じました。