薬を使わない気管支喘息治療法 (冷水浴・L-92乳酸菌など)

気管支喘息についての書籍に冷水浴や乾布摩擦など、薬を必要としない治療法について言及されているものがある。

気管支喘息は、患者と医師と家族の三人四脚(?)で、喘息日記やピークフローメータ―での自己管理と、投薬を中心とした治療を行うことが多い。だが、薬を必要としない治療法の中には、吸引薬でのコントロールが不要なレベルまで喘息が完治した事例があり、「薬なしで喘息が治るなら、これほど素晴らしいこともない」と思い、吸引薬以外の治療法も積極的に試すことにした。

※治療にどの程度貢献したか効果の程が測りにくいものも多いが、ご寛恕頂けると有難い。
※紹介している全ての治療法は、吸引薬と内服薬での治療と併用しながら試した。目に見える効果が出たとしても、単に薬が効いただけだった可能性もある。

冷水浴

冷水浴は、喘息専門医の書籍で強く勧められていたもの。
但し、心臓や血圧に疾患のある方は身体に負担がかかる可能性があるので、試す前に必ず医師とご相談を。

冷水浴のやり方

水温15度程度の水を、毎日朝と晩の2回、風呂桶5~6杯分を身体にかける、という治療法。夜は風呂上がりなどでok。浴槽の温度より5度以上低い水(ぬるま湯)を、足にかけるだけでも効果がある。

冷水浴を実践する

冬はとてもではないが実践出来なかったので、4月から開始。1日1回で入浴時に行った。頻度は週3~4回。(毎日試すべきだが忘れることが多い) 4月は風呂桶0.5杯から始め、6月頃には桶2杯まで浴びられるようになった。

結果

2ヶ月半続けると、素人でも分かるほど体質が変わった。「寒さ・冷たさに強くなる」を通り越して暑がりになり、冷え症が治った

雨に降られて上着の裾やジーンズがずぶぬれになっても、寒さを感じず、風邪をひくこともない。6月には既にノースリーブのまま過ごす時間が増え、「そんな格好だと風邪ひかない?」と周囲から心配されるまでになった(笑) 手足が常にあたたかく、手の甲に青っぽく見えている血管が太くなり、目に入りやすくなった気がする。

そんな状態で7月8月の夏を迎えると、耐えきれないくらい夏の暑さが身に染みた(笑) 冷え症だった頃は、夏は冬より過ごしやすい季節だと思っていたが、夏の暑さがこれほど耐えがたいものだとは思わなかった。あまりに暑さを感じるので、7月上旬に冷水浴を一時中断。

冷水浴を行ってから、風邪は一度も引いていない。現時点では、喘息の治癒にどこまで影響を与えているかは不明だが、風邪・インフルエンザの感染で喘息を悪化させることは防いでくれている。

L-92乳酸菌飲料を毎日摂る

カルピス社の「守る働く乳酸菌 L-92」飲料や「アレルケア」などのL-92乳酸菌を含む食べ物は、花粉症や通年性アレルギー(ハウスダストアレルギー・ダニアレルギーなど)に一定の効果が期待できるとのこと。

カルピスの「守る働く乳酸菌L-92(100ml)」を正面から撮影した写真。背景に、守る働く乳酸菌L-92(100ml)が10本以上写り込んでいる。

↑ 私が愛飲している「守る働く乳酸菌L-92」(100ml)

自分はアトピー型気管支喘息(アレルギーを起因とする喘息)で、アレルギー反応を抑えないと喘息発作を予防できないので、「守る働く乳酸菌 L-92」飲料を1日1本飲むことにした。

結果

9週間以上飲み続けると、喘息発作どころか、喘息症状すら殆ど起きなくなった。1ヶ月半で喘息発作0回、喘息症状が2回。ただ、体質を変えるまでには至らなかった。

1日1本ずつ飲んでも3週間では結果が出なかったが、6週間でハウスダストアレルギーの症状が軽くなり、スーパーや古い建物など今まで入れなかった室内にも入れるようになった。3ヶ月目の現在は、入店時に愛用のマスクをつけ忘れるほど気楽な心持でいられている。スーパーや衣料品店など、ちょっとした外出のたびに、「また喘息発作が起きるのではないか」と予防に予防を重ねてはびくびくしていたのが嘘のようだ。

私ははカルピス社の回し者ではないのだが、今はちょっと滑稽なほど、カルピス様々である。3ヶ月で、すっかりネギをしょったカモになってしまった…。

「守る働く乳酸菌 L-92」飲料は抗アレルギー剤も処方されている状態で飲んでいたので、純粋にL-92乳酸菌の効果とは言い切れない。だが、どんな理由にせよ、症状の起きない日数が長くなるほどアレルギー体質は弱まるので、よしとしている。

 → 「守る働く乳酸菌L-92」と摂取経過については、こちら

軽く汗ばむ運動を毎日20分以上行う

喘息に適した運動

気管支喘息に適した運動と適さない運動というものがあり、水泳・早足でのウォーキング・ジョギングは喘息に適した運動とのこと。(喘息向きの運動は他にもあるが、この3つは特に推薦する医師が多かった)

中でも喘息治療に最適な運動は水泳だそうだが、真冬に行うと風邪をひきそうなので除外し、喘息の病状が多少悪くても毎日続けることができるもの、と考えてウォーキングを選択。
毎日1時間から1時間半、早足で歩くことを習慣づけた。ウォーキングの時間が取れない場合は、時間を20~30分と短くするか、サイクリングで代用した。

結果

効果覿面だった。連続歩行時間は15分から始まり、ひと月後には90分を超えた。
60分を何度か超え始めた時に大学病院で呼吸機能の検査を受けたところ、一秒率が正常値の98%に迫るほど、呼吸機能が回復していることが確認できた。

毎日歩くと、喘息の快復に比例して連続歩行時間が延びてゆくのが分かり、モチベーションが続きやすい。また、連続歩行時間が60分以上だと「最近気管支の調子がいいな」と、ピークフローメーターで計らずとも把握できるようになった。手軽さと即効性の高さが、とにかく良かった。

普段から歩いて筋力と体力をつけておくと、鍛えている分だけ、発作が起きて気管が狭まった時も息切れが始まるまでの時間が長くなる。ウォーキングを始める前で自分が最も体調の悪かった時は、最高15分までしか連続歩行できなかったが、毎日歩き始めてからは2ヵ月後には、3回以上発作を起こした週でも45分は連続歩行できるようになっており、日常生活を大きく崩さずに済んでいる。

また、日光に含まれる紫外線には、副交感神経優位から交感神経優位に切り替える働きがあるらしい。喘息治療薬に交感神経優位に切り替える作用を持つものが多いように、副交感神経優位だと気道が狭まるので、喘息を治すには適度に交感神経優位の方がいいらしい。そのため、なるべく日の高いうちにウォーキングするようにしている。

歩くのがあまり好きでない方は、ウォーキングシューズ等のスポーツシューズを試されると良いと思う。靴が足にフィットし、軽くて弾むように歩ける靴に出会うと、歩くことが楽しくなる。
私はニューバランスの女性用シューズとZootのトライアスロン用水陸両用シューズを使っているが、普通の靴と履き心地・歩き心地が違いすぎるので、日々こればかり履いてしまう。どちらも、7500円と4000円でお手頃価格だった。
1万円を超える高価な靴でなくとも違いを実感できるので、歩きやすい靴を1足持つのはおすすめ。

余談:サイクリングについて

筆者はクロスバイク(スポーツ用自転車)の愛好家だが、サイクリングは喘息患者がやっても差し支えないが、治療にはさほど適さないスポーツだそうだ。特に冬の冷たい空気を吸い込むと、気管支への刺激になってしまい良くないらしいので、マフラーやマスクで口から肺にかけてを完全防備する必要がある。

乾布摩擦・皮膚摩擦

乾布摩擦は風邪の予防になる、と昔から言われている。喘息治療の書籍でも医師が勧めていたので、効果があるのだろうと思い、やってみた。

方法

基本は、乾いたタオル等で素肌を擦る。
書籍によると、喘息患者の間ではタオルではなく亀の子たわしが1番、という結論で落ち着いたらしい。


↑ 亀の子たわし。紐付きが便利。

皮膚摩擦を実践してみた

まずタオルでの乾布摩擦を試してみたが、乾布摩擦でもタオルから綿ぼこりが生じて、5分も続けると喉や気管支がむずがゆくなり、喘息発作の危険を感じて中断。
ハウスダストアレルギーの症状が出ているアトピー型の喘息患者には、タオルは確かに不適当だった…。

残念ながら自宅に亀の子たわしがなかったので、当面の間プラスチック製のヘアブラシで代用している。柄が長いものを選ぶと背中まで届くので便利。

結果

上半身の服を脱ぐというハードルの高さもあり、一人暮らしではない女性が毎日行うのは難しかった。今のところ週1回程度しか実施していないので、効果は感じられていない。

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れんこん・納豆・ヨーグルトを毎日食べる

自分がアトピー型気管支喘息(アレルギーを起因として悪化する喘息)なので、ハウスダストのアレルギー反応を抑えるため、アレルギーに良いとされる食べ物をよく摂ることにした。

インターネットで調べたところ、普段あまり食べていなかった食物のうちアレルギーに効果ありとされる食物は、れんこん・納豆・ヨーグルトの3種で、これらを毎日摂取するよう心がけた。

結果

約1ヶ月食べ続けたが、残念ながら目に見える効果は現れなかった。私はハウスダストアレルギーが、スーパーや衣料品店に軒並み入れないほど強い(入店すると動悸・息切れの症状が現れ、10分以内に喘息発作が起きる)ので、強すぎるアレルギーには効果が薄いのだろうかと根拠もなく考えている。

ヨーグルトは、花粉症の友人がヨーグルトメーカーでヨーグルトを自作し毎日のように摂取しているが、こちらも目立った効果は見らなかった。乳製品を毎日摂取するのは胃腸の弱い方にはおすすめしづらいということもあり、全ての人が試せる方法とは言い難かった。

れんこん

加工なしに単品で食べることが出来る納豆やヨーグルトは続けやすかったが、加工が必要なれんこんは、レパートリーの数が少なかったこともあり、苦労した。
れんこんのレシピと言えばきんぴらくらいしか思い浮かばなかったので、れんこんの甘酢炒め、れんこん餅、れんこんのチーズ焼き等々レパートリーを増やすことから始め、作り置きがしやすく、1週間食べても飽きないレシピを身につけて何とか1ヶ月を乗りきった。れんこん自体は淡白な味なので、作ることに慣れてしまえば、毎日食べ続けることは難しくなかった。

れんこん餅はもちもちと触感が良く、ねぎ・コーン・大根おろし・キムチを入れたりとアレンジも楽なので、れんこんで効果があった方にはおすすめ。

  • れんこんもちの作り方

大根もちと同じ。れんこん10cm分をおろし金ですりおろし、小麦粉と片栗粉と大さじ3~5杯入れて混ぜたら、フライパンにサラダ油を引いて焼くだけ。
酢と醤油を同量混ぜた酢醤油に浸けて、さっぱり味で食べるとおいしい。


↑ れんこんもちの画像がなかったので、大根もちで代用。
食べるまで区別がつかない程度には、姿かたちが良く似ている(笑)

  • れんこんのチーズ焼きの作り方

れんこんを3mmくらいの薄い輪切りにし、サラダ油を敷いたフライパンで焼き、塩コショウとチーズをかける。チーズに焼き目がついたら出来上がり。

れんこんのチーズ焼きは、作り始めてから食卓に出すまで10分かからない。

納豆

納豆は火を通す必要がなく、何を入れてもおいしく食べられたので、納豆で効果の出た方は、喘息治療の強力な味方になってくれる。

おすすめの食べ方は、

  • キムチ&ネギ&ごま油の韓国風納豆
  • ネギ&大葉&ミョウガ&ショウガの薬味尽くし納豆
  • チーズ2種&パセリの洋風納豆
  • マヨネーズと付属ダシのみのシンプル納豆

など。これにハムや生卵などを足すと、堂々おかずの1品になるようなボリュームが出るので、より使いやすい。

余談:ポリフェノール

同じくアレルギーに良いとされるポリフェノールを多く含む食品(チョコレートや葡萄など)も、毎日摂取しようと試したことがあった。が、チョコレートを毎日食べる訳にもいかず、スーパーに入れない身では重くかさばる葡萄ジュースを3日おきに買うこともできなかったので、こちらは挫折した。

薄着で過ごす

厚着は、喘息に良くないらしい。特に小児喘息において、喘息だからと必要以上に厚着させると、喘息を治すどころか悪化させてしまうとのこと。また、冷え症も喘息が治りにくいと言われている。

春から夏にかけて街行く人と同じ枚数・厚さの服を着ることから始め、ウールの服を着すぎない、重ね着をしすぎないよう心掛けた。

結果

当初は、4月頃に周囲の方と同じ服装をしていると、肌寒く辛かった。寒い寒いと思っていると思考が阻害されがちで、考えがまとまらず困った。

が、ウォーキングと冷水浴を毎日行っていると、6月には結果として薄着になった(笑) 手足が常に暑いので、6月に終日ノースリーブで過ごす程度には薄着が出来るようになった。冷水浴を始めて以降風邪や他の病気にも罹っていないので、薄着や冷水浴は冷え症と風邪等の感染症を防ぐ効果はありそう。

気管支を鍛える効果があるかや、喘息の治療を早めているかについては、残念ながら、実感がまだない。今は、喘息の悪化を防ぎ身体そのものを鍛えている、という認識でいる。