水彩は先生に師事して専門的に学んだことがなく、水彩画の技法本を読み漁っての独学。なので、間違っている箇所があったらごめんなさい。
水彩絵具
コープ水彩絵具
中学の美術の授業で買い与えられたものを、未だにメインで使っている(笑)
学生時代の絵具を愛用している最大の理由は、使い慣れた絵具の方が、色を混ぜた際にでき上がる色を想像しやすいから。
絵具を単色で使うならカラーチャートを作っておけば事足りるが、水彩絵具は2色~5色以上混色して使うことが圧倒的に多いので、混色のしやすさは欠かすことのできない重要ポイントの1つ。
作業の速さから作品の出来栄えまで、製作全般に大きく影響してくるので、少なくともあまりに使いづらい絵具は使わないことにしている。
また、このコープ水彩絵具には、「きはいいろ(黄灰色)」や非常に赤みの強い「あかむらさき(赤紫)」など、「何でこれが一般向けの製品に入っているんだろう?」と首を捻りたくなる色が何本かあり、それらが私の好みに大変マッチして良い仕事をしてくれている(笑)
ホルベインやターナーなど他のメーカーでも、探せば似たような色には巡り合えると思うが、1つの画材に慣れ、その魅力を引き出すまでには時間がかかるし、自分でもちょっと意味が分からないほどコープ水彩絵具から離れる気にならないので、当分このままでいいかと思っている。
派手な色がなく、どの色も使いこなせるのも有難い。
Dr.Martin カラーインク(読み:ドクターマーチン)
サブの水彩画材として、ドクターマーチンカラーインクは非常によく使う。
ドクターマーチンのインクを使うと、通常の水彩絵具にはない透明感とあざやかさを出せる。が、ドクターマーチンを単色で使うとあざやかすぎて、そこだけキャンバスから浮いてしまうので、上記のコープ水彩絵具と混ぜて使うことが多い。
ドクターマーチンのカラーインクを使うと、多少絵が下手でも美しい色合い・グラデーションが簡単に作れてしまうので、若かりし頃に水彩へのめり込むきっかけを作ってくれた製品でもある。
本当に色合いが美しく、使うのが楽しくなるカラーインクなので、一度も使われたことのない方はぜひ一度試してみて頂きたい。初めての方には、蛍光色のないシンクロマチックシリーズが、使いやすくておすすめ。
→ ドクターマーチンカラーインクの詳細については、こちらへ
ホルベイン透明水彩絵具
上記2つの絵具でも欲しい色がない場合は、ホルベインの透明水彩を使っている。
コープ水彩絵具より値段が張るが、10年以上引き出しに保存していても、チューブが錆びたり絵具が乾燥したりすることがなかった。色数も豊富に揃えられるので、色が足りないと感じることがなく助かっている。個人的に黄色から青にかけての色が好みなのだが、緑と青と灰色が絶妙な割合で混ざっている色↓ような、好みだが自分ではぱっと作りづらい色も用意されている。
また、水彩画の技法書には、素敵な水彩画を掲載し、その水彩画を描く際に実際に使用した絵具のメーカーや色名を、合わせて記載しているものがある。
「真似して描きたい!」と思って色名を見るのだが、「ローアンバー+ウィンザーバイオレット+カドミウムレッド」(京都の古い家並みの板壁の色)など、「手持ちのCoop水彩絵具に当てはめると何色ですか?」としょんぼりする色名が記載されていることが多い(笑)
「メイン画材はホルベインなどの有名処にしておいた方が、水彩を学ぶのが早まったかな…?」と今になって思うが、学生の頃から染みついた習慣はそう簡単には取れそうにないので、今から学ばれる方は反面教師にして欲しい…。
もし購入を検討される場合は、最初は色数を多く揃えなくていいと思う。
水彩は何といっても、色や水を自由に混ぜ、微妙な色合いや濃淡を作って楽しめるのが魅力なので、最初から何もかも色を揃えてしまっては勿体ない。
私がコープ水彩絵具19色セットで不満を感じないように、最初はせいぜい20色もあれば十分じゃないかと思う。
ただ、水彩画では通常、白い絵具はほぼ使わない。白絵具と他の色を混ぜると色が濁るし、原色そのままで使うと目立ってしまい、白を塗ったところだけキャンバスから浮いてしまう。
個人的な意見としては、白チューブの入っていない透明水彩絵具セットを売った方がみんな絵が上達していいんじゃないかと思うが、ホルベインもターナーもウィンザーアンドニュートンも、絵具セットにデフォルトで白色が入ってしまっている…。
水彩パレット
折り畳み式プラスチック製パレット
中学生の頃から、ずっとこのパレットを使っている。未だにあまり不足を感じないところが凄い。
このパレットは折りたたみ式になっており、数多くの絵具を乗せてそれらを一度に把握することができ、かつ、混色するスペースが広いところが気に入っている。
amazonなどを眺めていて、絵具を置くスペースが広いパレットと、色を混ぜるスペースが広いパレットの大きく二通りがあるように感じた。絵具を置くスペースが広いパレットは、大きな絵を制作する方向けだろうか。個人的には、混色であれこれ試行錯誤して、小さめの絵を描きたい派なので、混色スペースの広いパレットの方に軍配が上がる。陶器でできたお皿のようなパレットもあるが、屋外制作などがあるなら、軽さや取り扱いのしやすさを踏まえてプラスチックパレットの方が良いのではないかと思う。室内制作がメインで大きな絵を描かれる方なら、陶器パレットもありかも。
また、水彩ではパレットは殆ど洗わない。プロの方も洗わない、というのをどこかの本で読んで以来、根がものぐさなのですっかり洗わなくなってしまった。軽く10年以上洗っていないように思う。代わりに、絵具を混ぜる広い部分が汚れてきたら、水を浸した古布でふき取っている。
チョコレートの箱のパレット
最近変わり種のパレットも使い始めた。チョコレートが入っていた小箱が、Van Gogh(ヴァン・ゴッホ)の固形水彩絵具の入れ物にぴったりだったので、試しにパレットとして使ってみている(笑)
Van Goghの固形絵具を普通のプラスチックパレットに乗せて使おうとすると、動いた拍子に絵具が床に落ちてしまい困っていたので、当面この菓子箱パレットを使って様子を見てみようと思っている。
水彩筆と筆入れ
水をよく含む柔らかい筆が、使いやすいように思う。
この筆のほかに、細かい部分を描く細い筆と、水を画面いっぱいに広げられる太い筆を併用しているが、筆は3~5本あれば十分事足りる。筆を買い揃えるより絵具を買い揃えた方が、制作の幅が広がりそう、と個人的には思う。
水彩画をたくさん描かれるなら、上の写真↑の左端に写っている平筆は1本あると便利。無くても描けるが、水彩画は広範囲に水や薄めの水彩絵具を塗ることが多く、その上から絵具を落として滲ませて着彩することも多いので、均一な濃さでぱぱっと広い範囲を塗るには、平筆が一番楽だと思う。
その後描き込むように塗る時は、中央の丸い筆を使い、最後に細部を仕上げたい箇所だけ、右端の細い筆を使う。それぞれの筆の太さはお好みで。自分に合う筆の太さは、描く絵のサイズや描き手の個性にもよると思うので。
ちなみに筆入れも、中学校の美術授業で買い与えられたものを未だ使用している。長い筆を入れても筆先が決して潰れない、という入れ物が意外に見当たらず、結局この筆入れに落ち着いた。軽いし透明なので、筆の入れ忘れも少ない。
水入れ
水入れには全くこだわりがなく、ジャムの空き瓶や和風だしの入っていたプラスチックのボトルを転用している。
たっぷりの水で絵具を溶かすと水彩特有の透明感が出るそうなので、コップより大きいサイズの入れ物を使う方が、水彩絵具の良さを生かせると思う。