カリグラフィー用と従来品の、2種類のドクターマーチンの違いが分からなかったので情報を整理。
ドクターマーチンカリグラフィーの使い方
ドクターマーチンカリグラフィーは容器が目薬に似た形になっている。プラスチック製の蓋を捻って開き、容器を逆さにして、パレットやカリグラフィーペンのペン先に1〜2滴垂らして使用する。
インクの濃度が濃いので、絵画に使う場合は、小さじ1杯くらいの水を混ぜて薄めてからキャンバスに乗せる方がおすすめ。
カリグラフィーの画材として使う場合は、インクをほぼ原液のままで使う。カリグラフィーペンのペン先にインクを直接垂らし、ペン先を軽く水に浸した後、そのまま紙にペンを走らせてレタリングする。
従来のドクターマーチンカラーインクと、ドクターマーチンカリグラフィーの違い
ドクターマーチンカリグラフィーのインク液そのものは、従来販売されていたドクターマーチンと同じ色名・インク液ともに同じだと思う。筆者の手元にある従来のドクターマーチンとドクターマーチンカリグラフィーとを見比べてみたが、私には違いが分からなかった(笑)
ドクターマーチンカリグラフィーのインクの濃さや滲み方も、ガラス版入りの従来品ドクターマーチンと差はなかった。
ドクターマーチンカリグラフィーを使用してみてざっと気付いた違いは、下記の通り。
ボトル瓶がプラスチック製でスポイトがない
従来のドクターマーチンは、透明なガラス製の瓶にインクが入れられている。ガラス容器は鑑賞に耐えるほど美しく、蓋にスポイトが付けられていて、スポイトでインクを適量取って利用していた。
反面、ドクターマーチンカリグラフィでは、プラスチック製のボトルが採用されている。ボトルは目薬の容器に似ており、蓋を外し側面を軽く押すと、1滴ずつ液が出てくる仕組みになっている。スポイトは付属していない。
カリグラフィはつけペンのペン先に直接インクを垂らして使うので、スポイトを介さない分こちらの方が使いやすいのかな、と感じる。
プラスチック製で大きさが小さい分、重さも軽い。割れる心配がないのでうっかり床に落としても問題がなく、持ち運びもしやすい。
難点としては、プラスチックボトルの外からインク液を眺めても、インクの色合いが分かりづらいこと。実際にインクを紙に落としてみるまでは、どんな色合い・風合いを持っているインクか分からず、色チャートを作ったり経験で覚え込ませることになる..。
インクの量が少なく、値段が安価
ドクターマーチンカリグラフィーは10ml、340円。従来のガラス瓶ドクターマーチンは2分の1オンス(14~15ml)で560円。
ドクターマーチンカリグラフィーの方が、1本あたりの単価が安いため、色数を多く揃えることも可能。
ドクターマーチンはインクの色が濃いので、容量10mlでも1本買うと相当長い間利用できる。趣味で絵画やカリグラフィーを描かれるなら、ドクターマーチンカリグラフィーで揃えられた方が、出費を抑えられる。
公式サイトでは販売されていない?
プラスチック製ボトルのインクは、公式サイト↓で売られていないように見受けられる。日本限定の製品だろうかと思案しているが、情報がないため詳細は不明。
Dr. Ph. Martin’s
https://www.docmartins.com/
ドクターマーチンカリグラフィーを使用した感想
ドクターマーチンを買い足す際、気まぐれでドクターマーチンカリグラフィーを2〜3本購入した。インクそのものに従来品との違いを感じないため、従来品と同様、水彩絵具や従来のドクターマーチンと混ぜて使っている。
少量&プラスチックボトルなので従来品より扱いやすいのだが、個人的には、従来品のガラスボトルに青春の思い出と根強い愛着があるので、ドクターマーチンカリグラフィーはこれ以上買い足さないかな、という感想。
逆に、今まで全くドクターマーチンカラーインクに触れたことがなかった方にとっては、少量&安価なドクターマーチンカリグラフィーの方が、初期コストを抑えられ敷居が低くそうだとは感じた。
追記:ドクターマーチンカリグラフィーを使うデメリット
2本所有していたドクターマーチンカリグラフィーのインクボトルが、ある日気づいたときにはボトル内の液がカピカピに乾燥し、2瓶とも使い物にならなくなっていた。非常にショック。購入してまだ7~8年しか経ってないのに。
7~8年経過というと、「十分長いわ!」とお叱りを受けそうだが、ガラス瓶に入った従来のドクターマーチンであれば、10年はゆうにもつ。私が所有している最も古いドクターマーチンは30年前に購入した1瓶だが、ボトル内は未だに液状を保っており、色も現役である。凄いを通り越して、恐ろしい。
単なるインクでありながら畏怖すら感じさせる凄さがあるのがドクターマーチンという画材なのに、ボトルがプラスチック製に代わっただけで、こんなに早く駄目になってしまうとは。正直想定していなかった。
「カリグラフィーボトルのインクには悪いことをしたな…」と反省しつつ、人様にドクターマーチンカリグラフィーをおすすめするのを止めることにした。