英文メール作成時に何度も助けられた本「ビジネス英語 ライティング表現1000」(イジユン 著)

英語のITヘルプデスクとして勤務していた際に、仕事で何度も助けられた本。英文メールに日夜苦戦を強いられている方には特におすすめ。

必要な英語力レベル

TOEIC500~850くらい。もう少し英語力が低い方でも、問題なく使えるかもしれない。

「ビジネス英語 ライティング表現1000」を使った感想

仕事での英文メールや報告書作成など、丁寧な英語で人に物事を伝える必要がある方には特におすすめする。

英国系企業で働き始めた当初、10行ほどの英語メールを書くのに20~30分かかってしまい、外国の方とやり取りが2~3件立て込むだけで他の仕事に支障を来たしていたため、英語を書くスピードを速くしたい一心で選んだのがこの本だった。

即日使える英文テンプレート

巻末に大量の英文テンプレが掲載されているので、本文を読まずとも巻末を探すだけで、まともな英文が書けてしまうところがまず重宝する。

この状態を筆者は「借文」と表現されているが、巻末から何度か借文するうちに、よく使う言い回しは自然と身に付く。身に付き板に付いてくると、テンプレを自分なりに少しアレンジして使うようになってくる。
つまり、きちんとした英語を身につけるまでの時間稼ぎに、「借文」が一役買ってくれるわけだ。

ビジネスパーソンの方であれば、仕事や家事や育児で忙しく、英語学習時間を十分確保できない方が大多数にのぼると思う。それでも英語仕事は容赦なく舞い込むので、質の良い英文テンプレートを一時的に「借り」て仕事をさばくのは、社会人に必要とされるスキルの一つじゃないか、とも感じた。

5~10通りの言い回しが用意されている

「10時で大丈夫です」という趣旨を伝えるのに、毎回同じ表現を使っていると、「英語が出来ない人」と思われてしまう(笑)
仕事では特定の人と何度もやり取りをすることの方が多いので、同じ意味で表現の違う言い回しを3~4つ用意しておくと、自分の評価が下がらずに済む。

「ライティング表現1000」であれば、意思を伝える表現に5~10通りほどの例文が載せられている↓ため、同じ人と何度かメールのやり取りをしても、借文のストックが切れることがなく受け答えができた。

ページを開いた状態の「ビジネス英語 ライディング表現」の本と、英語の例文がたくさん書かれた白い紙が並んでいる

休日に「ビジネス英語 ライティング表現1000」を英訳

本書を購入した当初、この本のなめらかな英文を自分の血肉にしたかったので、借文するだけでなく「ライティング表現1000」の日本語例文を1文ずつ英訳し、借文と照らして答え合わせをする、という方法で数ヶ月間学んだ。

結果、英文ライティングのスピードが大きく改善されただけでなく、目上の方とやり取りするのに相応しい丁寧な英語(敬語)が、付け焼刃ながら身に付いた。
例えば、「こちらのマニュアルをお読みください」と伝える際に、

“Please read the manual”(マニュアルを読んで下さい)

と命令口調で書かず、無意識のうちに、

“Would you kindly follow the direction?”(こちらの手順に従っていただけますか?)

と依頼文で書くようになった。

ビジネスでは目上の方に情報を伝えることも多いので、ただ英語ができるだけではだめで、丁寧で礼節を失わない英語でなければいけない。日本人であれ外国の方であれ、間違っても上司に「これやっといて」と言ってはいけない(笑)

20代のうちに、本書で礼を失わないビジネス英語表現を身につけることができ、本当に良かったと思う。いい年して粗雑な言葉で仕事をしていては、少し恥ずかしい。

唯一の不満ポイント

この本で唯一の不満に感じる点は、CDが付いていないことだ。

CDが付いていれば、通勤時間で耳から英文を覚える(CDを聞き流す)ことができ、もっと早く質のいい英語を身につけられたになあ、と非常に残念。書籍自体が非常に使いやすく良いものなので、いつかCDも付けてくれないかと期待している。

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余談 ~目上の方への丁寧な英語表現について~

英語に敬語はないと誤解されている方がおられるが、英語にも丁寧な表現とそうでない表現がある。

英語が苦手な方には英文が書けるだけで凄いことのように見えるらしいのだが、実際には、会社の経営層(役員)に「これやっといて」とカジュアルすぎる英文を送っていたり、「スイッチへオンされます」など意味の通らない英文を送ってしまっていることが、往々にして見受けられる。

誰が読んでも理解できる言葉で書かれていることは言葉を使う上での大前提だが、ビジネスシーンで英語を用いるのであれば、丁重で、ある程度の品格を備えた英文を使う必要がある。

そうでなければ、「こんな人に仕事を任せて大丈夫かな?」と自分自身の仕事のスキルが疑われてしまうので、ご注意を。