鉛筆画:白い花びんと枯れ薔薇 some dried roses in white vase drawn by pencil

白く大きな陶器の花瓶に枯れた赤い薔薇の花束が入ったものを、ワトソン紙のスケッチブックに三菱鉛筆uniの2B鉛筆でデッサンした絵

モチーフ 枯れ薔薇十数本、陶器の白い花びん
使用画材 ワトソン紙のスケッチブック、三菱鉛筆uni 2B、練り消しゴム
製作場所 N先生の絵画教室
光源 自然光と蛍光灯を併用。自然光は3階の窓から採光、時間帯は14:00~17:00
完成年月日 2010年06月11日

モチーフについて

ドライフラワーの薔薇も白い花瓶も、N先生の教室に保管されていたもの。薔薇は花が多少深紅の色を帯びている程度で、全体が秋の枯れ葉の茶色の色をしていた。が、薔薇の葉の、乾燥し切ってかりかりと音の鳴るような質感や、濃さの異なる様々な茶と濃赤を混ぜ合わせたような深い色みが気に入り、生きている薔薇にない美しささえ感じながら、楽しんで描くことが出来た。

白い花びんには、枯れた薔薇ほどの強い愛着は感じなかったが、持ち手や縁や形に面白さがあった。全体的に優雅な雰囲気の花瓶だったので、優雅な薔薇に良く似合っていた。

必須カリキュラムを終え、自由に描き始めた頃の1枚。

描き方について

この絵で特に目立つのが、花瓶の持ち手の部分、左上に向かって1本だけ飛び出た枯れ薔薇、花瓶の正面に見える模様、の3箇所。こうした目立つ箇所のデッサンが狂っていると、絵に興味が無い方でも一瞥しただけで「何かおかしい」と気付かれてしまうので、この3ヶ所は特に注意した。

3つのうちで最も苦戦を強いられたのは持ち手の部分で、右に左にと跳ねる持ち手のバランスを取るのに苦労した。花瓶正面の模様はところどころ遠近法が狂っているが、模様が多すぎるのでばれないで済むはず、と思っている(笑) 花瓶の陰の部分を少し強く塗りすぎたため、花瓶が白色に見えなくなっている気がする。もう少し淡い色で抑えておいても良かったかもしれない。

薔薇は、個人的には良く描けたと思う。葉が入り乱れていて、葉の輪郭や面をどこまで描き込むべきか迷ったが、空気と葉が接する部分の輪郭はきちんとかき、葉と葉が接する部分はところどころ輪郭を省くことで、葉が群れている感じを出すことができた。葉の色が全体的に薄く、花瓶とあまり区別がつかなくなっているので、もう一段階濃くても良かったかもしれない。といっても、枯れ薔薇の葉はベージュに近いくらいの濃さしかなかったので、見たままを描いていたこの時代は、これで正しかったのだろう。

一通り描き上げた後、画面右下の花瓶と背景を接する部分の輪郭について、「この部分は、背景を少しだけ黒く塗った方が良い」とご指導頂いたのを未だに覚えている。この部分は光が当たっていたので花瓶の輪郭がはっきり表現出来ていなかったが、敢えて背景を暗くすることで、花瓶の輪郭と存在感を浮かび上がらせることが出来る。N先生のご指南に、舌を巻いた。