「Le Dico(ル・ディコ)」(仏和辞書/フランス語辞書)白水社

大学の第二外国語としてフランス語を初めて学ばれる方もいらっしゃるので、自分が愛用している仏和辞書を公開。

「Le Dico」の説明

Le Dicoはフランス語で「辞書」という意味で、その名の通り、仏和辞書です。テキストと並んで、大学の指定購入品の1つになることも多く、私の通った地方国立大では「クラウン仏和辞典」↓や「Petit Royal(プチ・ロワイヤル)」↓と並んで、こちらの「Le Dico」が大学指定購入品でした。

 

収録語は約35000語。古めかしい語や専門用語は思い切って省き、現代人が日常で読み・書き・話すのに必要なフランス語を中心に掲載されています。
使用頻度の高い基本単語4000語は、濃い赤色の活字で印刷されており、見つけやすいです。その中でも初学者がまず出会うであろう特に重要度の高い語句550語は、大きな活字で印刷されています。

熟語や例文も豊富で、重要な見出し語を中心に、日常フランス語の例文・用例が掲載されています。例文はシンプルで、日常会話にすぐ使えるものが多いです。
巻末には、動詞活用表、和仏辞書(約53ページ分)、発音の仕方、接尾辞表、なども掲載されています。

薄くしっかりした紙が使われているので、長く使っても持ち運んでも、ページに皺や手垢がつきにくいです。自分がよく使っていたLight House英和辞書よりも紙色が明るく、文字が負担なく読めるように感じます。

本文の総ページ数は1788ページ。定価3800円。重さ807g。

「Le Dico」を使った感想

フランス語に関して、辞書は2つを併用しています。1つが持ち運び用の英語・フランス語対応の電子辞書で、もう1つが自宅学習用の「Le Dico」です(私は1つ前の版の第二版を使っています)。

「Le Dico」は購入してから10年以上経ち、その間にフランス語力はゼロから仏検3級レベルに向上しましたが、その間持ち運ぶ時の重さ以外で不満を感じたことが殆どなかったので、いい辞書なんだろうな、と思っています。

掲載されている例文がわかりやすく使いやすい

シンプルな例文が多いのが、まず重宝します。変なひねりがないので、例文の単語を入れ替えたりするだけで、すぐにフランス語会話やフランス語のライティングに使えます。

例えば形容詞の”bien”(「良い」「上手い」という意味)の欄には、

* Elle chante bien. (彼女は歌がうまい)
* Aves-vous bien dormi? (良く眠れましたか?)
* Cette montre ne marche pas bien. (この時計は調子が悪い)

などの例文が掲載されています。
動詞だと、”comprendre”(「理解する」「分かる」という意味)の項目では

* Comprenez-vous ce que je dis? (私の言っていることが分かりますか?)
* Il comprend l’anglais mais le parle mal.(彼は英語は理解できるのだが話すのは下手だ)

という感じです。

フランス語と同じ意味の英単語が併記されている

フランス語単語とほぼ同じ意味に当たる英単語がある場合は、下記のように英単語も並べて表記下さっていることも、理解を早めてくれました。

recevoir(英:receive) 1.受け取る、もらう
rencontre(英:encounter) 1.出会い、めぐり合い

フランス語と英語は、兄弟のように文法や単語が似ています。単語同士も意味が似通ったものが数多くあり、questionnaire(アンケートという意味)など一部の単語は、英語でもフランス語でも同じ意味・同じスペルで使われているほどです。

和仏語彙辞典が収録されている

あとフランス語の授業でよく使うのが、巻末の動詞活用表と、ミニサイズの和仏語彙辞典
動詞活用表はフランス語を学ぶ上で必須(というか、避けたくても避けさせてくれない。笑)なので、どの辞書にも載ってるとは思うんですが、和仏語彙辞典は……ほかの辞書には載ってるのかな? ぜひ、和仏辞典のついている仏和辞書を購入してあげてください。その方が何かと便利です。

大学の第二外国語としてフランス語を学ぶのであれば、新しく和仏辞典を買わなくても、「Le Dico」の巻末の和仏辞典で十分対応できます。普段よく使う単語が取り揃えられているので、フランス語会話の授業などに重宝します。

「Le Dico」を利用する際の注意点

大学等への持ち運びにはおすすめしません。当時スマホが無かったので英語辞書とフランス語辞書の2冊を持ち運ぶ羽目になりましたが、辞書が2冊とも要る日は、肩が砕けそうになりました(笑)

頻繁に持ち運ぶご予定があるなら、英語・フランス語対応の電子辞書やスマホのオンライン仏和辞典などの電子機器を併用された方がいいと思います。
大学のキャンパスは郊外や山の中腹など辺鄙なところにあることが多いので、電波が届かなくても確実に辞書を使いたいなら電子辞書を、多少利用できなくとも安くて手軽な方が良いならスマホをおすすめします。

但し、試験が辞書持込み可の場合も、電子辞書やスマホが持ち込めるかどうかは怪しいので、詳細は大学に直接お問合せ下さい。フランス語検定試験は辞書自体が持込不可です。

Glosbe(オンライン仏和辞書)

インターネット上で見れる仏和辞書なら、紙の仏和辞書に最も近い使い方が出来る「Glosbe」が良さそうだと感じました。「Glosbe」でdormir(意味:眠る)を引いてみた結果をリンクします↓

 Glosbe
https://ja.glosbe.com/fr/ja/dormir

ページの下の方に、その単語を含む例文が豊富に添えられているので、単語の意味をより把握しやすい構成になっています。紙の辞書でdormirの周辺に書かれているであろうdormance(意味:お休み)やdormeur(意味:寝坊)などの単語もワンクリックで意味を確認出来るので、芋づる式に周辺の単語に目を通しておくことも可能です。
日本語で書かれた意味の下に仏仏辞書の結果も表示されているので、フランス語学習上級者にとってはより一層便利ではないかと思います。

ただ、ポーランドの方々が中心となって製作されているサイトのようで、説明文の日本語がやや怪しいところがあります。また、男性名詞は Gender:masculine 、名詞は Type:noun のように英語で表示されているので、細かいところまで理解しようとすると、英単語を地道に調べる根気が必要です。

created by Rinker
¥596 (2024/04/20 08:24:43時点 Amazon調べ-詳細)