ITパスポート(初級システムアドミニストレータ) 取得するメリットなど

今でこそサーバエンジニアとして働いていますが、エンジニアとしての第一歩は、20代半ばに事務職をしながら取得した「初級システムアドミニストレータ」(現在の「ITパスポート」)でした。
この資格が、長い時間をかけて今の道を切り開いてくれた気がしています。

■ITパスポート(旧名:初級システムアドミニストレータ)について

・ITパスポートとは

IT系国家資格のうち、最も易しいもの。ITパスポート → 基本情報処理技術者応用情報処理技術者 → 各種高度情報処理技術者 の順に難易度が上がります。
受験者は20代が最も多い。受験者の5割強が社会人、4割弱が学生さん。

パソコンで受ける試験で、100問出題の四肢択一式。(=4つの選択肢の中から1つを選ぶ) 正答率60%で合格だが、ストラテジ系・マネジメント系・ テクノロジ系のそれぞれの分野で正答率30%以上でないと合格できない。

試験の詳細は、下記の公式サイトを参照。

ITパスポート試験
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/guidance/summary.html

・過去問題

ITパスポート試験は過去問が公開されています。過去8年分15回分以上の試験問題と解答を、無料でダウンロードすることができます。
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/openinfo/questions.html

■ITパスポートの勉強法と試験の感想

 所要時間:2~3ヶ月
 使用テキスト:「1週間で覚える初級シスアド」(1~3巻)

この資格を取ろうと計画し始めた当初パソコンが苦手で、全くと言ってよいほどITにもパソコンにも電化製品にも疎かったので、どうやってITパスポートを勉強すれば良いか全く分かりませんでした。なので、本屋でITパスポート対策の本を1冊買い、とにかく前から順にやっていきました。

ですが、残念ながら、それでも訳が分かりませんでした(笑) 当時は試験にwordやexcelの知識を問う問題が出てくるとばかり思っていたのですが、ITパスポート(初級シスアド)はITの基礎理論を学ぶ資格なのでマイクロソフト社が宣伝のように出てくる筈もなく、アルゴリズムやセキュリティやエンドユーザコンピューティングなどの用語が並びます。途中何度も投げ出しそうになり、「自分はITの世界に向いていない」と心から思いました。
(ちなみに、word/excelなどの問題が出題されるのは、Microsoft社の”Microsoft Office Specialist”(MOS)↓です…)

今でこそサーバエンジニアとして偉そうに働いていますが、当時はこのような悲惨な心境でした。

あまりにやる気を失ってしまうので限界を感じ、途中でテキストを変更しました。説明が短く、章ごとに問題がついているテキストに変え、説明に飽きたら問題を解くという方法にしたところ、何とか本の章末まで辿り着くことが出来ました。

■ITパスポート試験当日

過去問に手をつける時間もなかったので、ぶっつけ本番で試験に臨みました。当時のITパスポート(初級シスアド)は午前と午後に1つずつテストがあり、「午後の方が難問だよ」と知人に言われていたのでびくびくしながら午後を迎えましたが、実際は午後の方が簡単でした。

午前問題は知識を問う問題で、見知らぬIT用語ばかりが出てきてお手上げでしたが、午後問題は知識より論理的思考を問われるテストでした。AだからB、BだからCと一つ一つ思考を整理すると解くことが出来るので、午前問題で撃沈していた私は「……いけるかもしれない」と復活したのを覚えています(笑)

結果は、見事一発合格でした。良かった!

■合格証書

合格してしばらくすると、合格証書が自宅に送られてきました。賞状のようで、少しカッコいいです。

初級システムアドミニストレーターの合格証書を正面から撮影した写真。賞状に似て金の縁取りがあり、文面や大臣の署名は毛筆で記載されている。

↑ 初級システムアドミニストレーターの頃の合格証書。

最近応用情報処理技術者を取得しましたが、昔も今も合格証書がほぼ変わっておらず、嬉しかったです。

■ITパスポート取得後 ~活用しました~

・excelから順に、事務職をしながらITの実務スキルを磨く

ITパスポート取得後もITスキルにはあまり自信がなかったのですが、丁度当時の職場の右隣の席に元システムエンジニアで現営業職の方が座ってらっしゃり、その方に試験に受かったことを話したところ、excelで営業資料を作る仕事などを振って下さるようになりました。

何とか振られた仕事をこなしつつ、もう少しITスキルを伸ばすために、会社で行われていたword・excel・powerpoint・accessのスキルアップ講座をこつこつ受講していくと、半年程で「資料作成ならとりあえずこいつに頼んどけ」という図式が社内で出来上がり、最終的にはMicrosoft Office Access↓(データベースソフト)での顧客情報管理とメンテナンスを任されるようになりました。

当時私は事務職でしたが、当時の職場には事務職でありながらデータベースの構築・運用を行える女性が何人かいらっしゃったので、恵まれた環境だったなあと今振り返ってみると思います。

・ステップアップ

その職場を退職してからも、ITパスポートとMicrosoft Officeの実務スキルを身につけたお陰で、htmlとホームページビルダー(ホームページ作成ソフト↓)で社内ホームページを編集するお仕事を頂いたり、マイクロソフト社で新製品を小売店に紹介して回るお仕事をさせて頂いたり、自分でwebサイトを作って公開し始めたりと、公私に渡って有形無形の恩恵を受けることができました。

・サーバエンジニアへ

ITパスポートを取得して10年以上が経ちました。途中基本情報処理技術者を取り、現在は応用情報技術者を取得しサーバーエンジニアとして勤務していますので、ITパスポートが1人の若者をここまで運んで来てくれたんだなあと思うと、感慨深いです。
今毎日のようにサーバとOracleデータベースを操作し、アプリケーションサーバを作ったり、セキュリティ技術について勉強不足なお客様を叱ったりしているのが、少し不思議な感じがします。

IT業界に本格的に足を踏み入れた際、当時の私が持っているIT系資格はITパスポート(初級シスアド)だけでした。あまりの成り上がりぶりに、わらしべ長者を思い起こしましたが、ITパスポートにそれくらいの力があるということは、紛れもない事実だと思います。



■ITパスポート(初級シスアド)のお役立ち度

取得しやすい割に、相当使える資格だと思います。若い方の場合は特に、この資格を持っていると認められ、そこから実務スキルを磨くと仕事に繋がります。