鉛筆デッサンに使う画材の紹介 ~クロッキー帳~

クロッキー帳を使い慣れると、気軽なのに頼りになる、お気に入りの落書き帳になってくれる。

■クロッキー帳(落書き帳)

練習帳であり、ネタ帳であり、落書き帳。本格的に絵を描かれている方には、クロッキー帳を普段から持ち歩き絵の練習をされている方が何人もいらっしゃる。長くまっすぐな線を引く練習や鉛筆の濃淡をつける練習をしたり、時間のあるときに周りにあるものを落書きしたりする。

クロッキー帳の紙は画用紙より薄く、表面がつるつるしており、70~100枚の紙が綴じられているのに数百円くらいで購入できる。紙が薄いので軽く、何枚描いても容易には使い切れない。

■クロッキー帳(大)–デッサン教室用

市販のクロッキー帳と蛍光ペンとを並べ、大きさを比較している写真。蛍光ペンは水色。

↑ クロッキー帳の大きさ比較

Aスクールの入学初日に、B4サイズくらいの大きなクロッキー帳を頂いた。現在、「運筆」の練習のためだけに、このクロッキー帳を使っている。
上から順に、
 ①長くまっすぐな直線を一定のリズムで引く
 ②斜めの短い直線を、等間隔で引く
 ③最も濃い黒から最も薄い灰色までの濃淡を作る
の練習。

画用紙ほどの大きさのクロッキー帳を開き、正面から撮った写真。金属のリングで綴じられた白い紙に、水平でまっすぐな直線や、斜めの短い直線など3種類の鉛筆線が多数描かれている。

Aスクールの先生の言葉をお借りすると、「きちんとした絵を描けるようになるには、物を見る眼と正確な運筆の技能を身につける必要がある。物を正確に見る目を養うには相応の時間がかかるが、運筆は上達が早い。毎回のデッサンの前に、ウォーミングアップだと思って取り組みなさい」。

確かにこの練習を始めた当初、緊張感がなく歪みの多い線ばかり引いていたが、最近は真っ直ぐな線を一定の割合で引けるようになってきた。デッサン力のある先生方は、細長く真っ直ぐで一定の濃度を保った線を常に描かれる。私の見る前でそんな線をささっと何本も引かれるので、「線1本取ってみても先生には完敗だなあ…」と思わせられることも多い。

■ クロッキー帳(小)–落書き用

小さいクロッキー帳(200円)は、もっぱら私の落書き帳になった(笑) 手のひらサイズのクロッキー帳は持ち運びが容易く、空き時間を潰すのにもってこいで、筆記用具(鉛筆色鉛筆木炭鉛筆など何でもok)さえあれば、1時間でも2時間でも楽しく過ごすことができる。

落書きなら普通のメモ帳でも良いんじゃないか、と当初は思っていたが、①紙質が良く描きやすい ②紙が綴じられているので後日見返すと自分の成長が分かる ③持ち歩いていてかっこいい(笑)、というのが長く使っている理由。

両手を広げたくらいの大きさの小さいクロッキー帳に、黒い木炭鉛筆で人間の手の落書きを描いた画像。見開きに開いたクロッキー帳の上に、黒いチャコールペンシルを乗せた状態で撮影されている。
↑ 喫茶店で描いた。この時は、木炭鉛筆を利用。

また、最近は仕事の合間に描くことも多いので、仕事のタスクリストを作ったり、アイディアをまとめたり、英語の練習をしたり、プログラミング言語を書いたりと、クロッキー帳がどんどん混沌としてきた。
手軽に何にでも使える点も、クロッキー帳の大きな魅力の一つ。

■クロッキー帳の紙質について

市販されているクロッキー帳には、「白紙」「クリームコットン紙」「薄口紙」の大きく3つの紙が用いられており、紙質によって値段や描き心地が異なる。

白紙は、最も薄く経済的な紙。クロッキー帳1冊あたり100枚綴じられており、薄さや触り心地はコピー紙と良く似ているが、鉛筆の粉の乗りやすい紙が使われている。

クロッキー帳の白紙を、正面から撮影した写真。白紙には水色の蛍光ペンで線が引かれている。

↑ 白紙。2枚目に描いた線が1枚目に透けて見えるほど、薄くて軽い。

クリームコットン紙は、色が黄みがかっており柔らかい印象を与える紙だ。厚さは白紙と薄口紙の中間くらいで、1冊あたり80枚が綴じられている。

薄口紙は、名前とは異なり、この3種類の紙の中で一番厚みがある紙(笑) コピー用紙と画用紙の中間くらいの厚みで、マジックでも筆でも画材を問わず使える。

ちなみに、白紙 < クリームコットン紙 < 薄口紙 の順で紙質が良くなり、1枚あたりのお値段も上がる。

表紙の閉じられた小型のクロッキー帳とチャコールペンシルを白い台の上に置き、真上から撮影した写真。クロッキー帳の茶色い表紙と、真っ黒なチャコールペンシルが写っている。

クロッキー帳(大)は白紙、クロッキー帳(小)は薄口紙、最近購入した仕事用クロッキー帳(中)はクリームコットン紙と、私は3種類とも使ったことがあるが、正直、クロッキー帳の紙は3種類とも好きで、甲乙つけがたい。

白紙は、とにかく軽くて何枚でも描けるところが素晴らしい。1枚1枚の紙はぺらぺらだが、100枚束ねてある分、続けて描いていてもあまり腕が疲れない。そして何枚描いても、一向に減る気配がない(笑) 
白紙のクロッキー帳(大)は、既に足かけ3年目に入った。持ち運びが楽なうえ、1冊買うと長持ちするので、若い方や学生さんなどには特におすすめできる。

クリームコットン紙は、使っていて不思議と癒される。仕事のメモを取るのにクロッキー帳を使い始めたので、筆記具はもっぱらボールペンや水性ペンだが、薄い割に紙質が良く、しかも紙色が薄いたまご色なので、仕事の殺伐とした感じが出ない(笑) 肝心の絵や落書きにはまだ使っていないので、絵を描き始めるとまた印象が変わるかもしれない。

薄口紙は、たくさん描くと無くなってしまうという欠点はあるが、画材を選ばず何でも描け(書け)る。木炭鉛筆や水性ペンを使っても裏に透けないので、私は紙の両面を使って、ノートの様に使っていた。
紙に厚みがある分、水彩絵具カラーインク、パステルなどでも十分利用できると思う。



■クロッキー帳(白紙)とコピー用紙の違いを見比べる

最も薄いクロッキー用紙(白紙)とA4コピー用紙は、紙に触ると区別がつくが、見かけがとてもよく似ている。描かれた線に違いは出るんだろうか、と疑問に思い、三菱鉛筆2Bと青い色鉛筆で試してみた。

クロッキー帳(白紙)とコピー用紙に、2B鉛筆と青い色鉛筆で線を引いている画像。クロッキーとコピー用紙で描きくらべをしている。

↑ クロッキー帳(白紙)とコピー用紙の描きくらべ。

上の写真は、片方がクロッキー帳に描かれたもの、もう片方がコピー用紙に描かれたものである。あなたにはどちらがどちらか分かるだろうか。

正解は、左がクロッキー帳(白紙)、右がA4コピー用紙。クロッキー帳の方が、濃淡のグラデーションと、線1本のかすれ具合が美しく表現されていることにお気づきだろうか。

クロッキー帳(白紙)に三菱鉛筆uniの2B鉛筆で引いた線と、青い色鉛筆で引いた線。どちらも、濃淡のグラデーションとかすれ具合が美しく出ている。

↑ クロッキー帳に試し書きした線。線に濃淡のグラデーションがあり、淡くかすれた線を描くことができる。

コピー紙に三菱鉛筆uniの2B鉛筆で引いた線と、青い色鉛筆で引いた線を撮影した写真。明瞭な線がはっきりと書かれている。

↑ コピー紙に試し書きした線。線に中間の濃さがなく、常に濃い線が描かれる。

降って湧いた素朴な疑問に答えるだけの試みだったが、紙の違いで1本の線がこれほど違って見えるのかと、実験した本人が驚いた(笑)

  
↑ クロッキー帳(小)。大きさは11cm×16.5cm。
左から順に、白紙100枚、クリームコットン紙80枚、薄口紙70枚。


↑ クロッキー帳(大)。36cm×27cm。紙質は白100枚のみ。
クロッキー帳は他にも何種類か大きさの違うものがある。