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「ぐりとぐらのえんそく」(なかがわりえこ 著) あらすじと読書感想文

「ぐりとぐらのえんそく」のあらすじ

※前半部分のあらすじのみを記載

リュックサックと水筒をもって、野ねずみのぐりとぐらは野原にやってきました。リュックの中には、勿論お弁当が入っています。
野原で荷物を下ろし、伸びをして、いそいそと赤い目覚まし時計を取り出して見てみましたが、まだやっと10時になったばかり。2匹で体操をしてみても、やっぱりお昼にはなりません。

「今度はマラソン」と走り始めたぐりとぐらは、切り株やいばらをものともせず、ぐんぐん進みます。と、突然、ぐりが転び、続けてぐらも転んでしまいました。二匹の足には、細く、とてもとても長い何かが巻きついています。くもの巣にも見え、草にも見えましたが、それは緑色をした長い毛糸でした。

ぐりが毛糸を巻き取ると、毛糸はえんどう豆くらいの大きさになりました。「この毛糸はどこまで繋がっているんだろう?」 ぐりとぐらは代わる代わる毛糸を巻き取りながら、野原を横切り、丘を登って下ると、緑の毛糸玉は両手で抱えきれないくらい大きくなりました。二匹は大きな毛糸の一巻きを地面に転がしながら、更にもう1つ丘を登り、森に入ると、森の向こうに茶色い家が見えます。毛糸の先は、家の中に続いており、ぐりとぐらは緑の毛糸の先を追って、家の中に入ります…。

「ぐりとぐら」シリーズについて

野ねずみのぐりとぐらが主人公の絵本シリーズ。
ぐりとぐらはお料理することと食べることが大好きで、おいしそうなごはんや森の動物たちが絵本に登場することも多い。
おはなしを中川李枝子さんが、イラストを山脇百合子さんが担当されており、お二人は実の姉妹(!)だそう。

現在出版されている「ぐりとぐら」シリーズの絵本は、下記の通り。(上にいくほど古い)

「ぐりとぐら」
「ぐりとぐらのおきゃくさま」
「ぐりとぐらのかいすいよく」
「ぐりとぐらのえんそく」
「ぐりとぐらのくるりくら」
「ぐりとぐらのおおそうじ」
「ぐりとぐらとすみれちゃん」
「ぐりとぐらの1ねんかん」

「ぐりとぐらのえんそく」は、1983年第一刷で、1999年8月時点で第64冊(!)。
定価900円(税別)。福音館出版。
大きさは縦20cm×横27cmで、ハードカバー絵本。
大人が読んであげるなら4才から、お子さんがご自身で読まれるなら小学校低学年から、が推奨。

「ぐりとぐらのえんそく」の読書感想文

※ストーリーのネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

「ぐりとぐら」シリーズの本を読むと、かわいらしくて骨抜きになります(笑)
毛糸玉に負けそうなほど小さいぐりとぐらのサイズ感も良いのですが、お昼ごはんを心待ちにしたり、毛糸の先を二匹でどこまでも追いかけたり、見知らぬおうちに勝手に入っていってしまったりと、やることなすこととにかく愛らしくて。

本書では、毛糸の先をどこまでも辿る、というわくわく感が特に良かったです。しかも、毛糸がとても長くて、毛糸の先に辿り着くまでがてもとても遠い(笑) 丘を越えたり森を抜けたり「一体どこまで行くんだろう」と思いながらも、素朴なイラストで描かれた緑の毛糸玉と自然の風景とぐりぐらを追いかけて、楽しく読み進めることができました。

この絵本では大きなクマも登場するのですが、最初クマが登場した時、あまりの大きさの違いに「ぐりとぐらが食べられちゃうんじゃないか…」と心配したのですが、そんな気配は毛の先ほどもなく、クマさんとぐりぐらはあっという間に仲良くなったので、安心しました(笑)
クマさんは姿かたちは大きいのに、チョッキが崩れていても、ぐりとぐらが勝手に家に上がり込んでいても、全く気にしないほどのんびりした気性で、「『ぐりとぐら』らしいなあ」と感じ、こちらも微笑ましかったです。

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「11ぴきのねこ ふくろのなか」(馬場のぼる 著) あらすじと読書感想文

「11ぴきのねこ ふくろのなか」のあらすじ

※ストーリーの前半部分のみを記載

ある晴れた日、11ひきの猫たちはリュックを担いで遠足に出かけました

みんなで1列になって歩いて行くと、綺麗なお花畑のそばを通りかかりました。お花畑にはピンクや薄紫の花がたくさん咲き乱れており、とても綺麗でしたが、花畑の前にはたて札が立てられており、「はなを とるな」と書かれています
「いっぱい咲いてるから ひとつぐらいとってもいいさ」「ひとつだけ ひとつだけ」と、とらねこ大将を除く10匹はお花畑に入っていってしまいます。とらねこ大将も最初は「だめっ」と嗜めていましたが、結局みんな1本ずつ花を摘み、花を頭に挿してしまいました。

そうして歩くうちに、谷川にかかっている吊り橋に着きました。吊り橋の前にも看板が置かれており、「きけん! はしを わたるな」と書かれています。11匹の猫たちは、みんな吊り橋を渡ってしまいました。

広い丘の上に出ると、丘の上には大きな木が1本立っていました。木の前にも立て札があり、「木に のぼるな」と書かれています。11匹の猫たちは、またしても、みんな木に登ってお弁当を食べました。

11匹の猫たちがお弁当を食べ終わると、木の下には大きな白い袋が置かれていました。袋のそばの切り株には白い紙が1枚置かれており、「ふくろに はいるな」と書かれています。
11匹の猫たちが押し合いへし合いしながら袋に入ると、どこからか不思議な笑い声が聞こえ、袋の口がぎゅっと締められてしまいました(!) 。

11匹の猫は、緑色の身体をした化け物ウヒアハに生け捕りにされてしまったのです。ウヒアハは口を縛ったままの袋を担いで、どんどん山を登っていき…。

「11ぴきのねこ」シリーズについて

とらねこ大将率いる11匹の猫たちが、さまざまな冒険やチャレンジをするお話。11匹の猫たちは勇敢でわんぱくですが失敗も多く、総じて可愛らしいストーリーが多いです。
現時点で7冊出版されており、発行された本は下記の通り。(下にいくほど新しい本です)

「11ぴきのねこ」
「11ぴきのねことあほうどり」
「11ぴきのねことぶた」
「11ぴきのねこ ふくろのなか」
「11ぴきのねことへんなねこ」
「11ぴきのねこ マラソン大会」
「11ぴきのねこ どろんこ」

「11ぴきのねこ ふくろのなか」は、1982年12月初版、2011年11月第85刷。
定価1200円(税抜)。

「11ぴきのねこと ふくろのなか」の読書感想文

※ストーリーのネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

「やってはいけない」と言われるとやりたくなるという天邪鬼あまのじゃくな気持ちはよく分かりますが、やりすぎると痛い目に遭ってしまう、という絵本です。

好奇心旺盛で天邪鬼あまのじゃく積載オーバーな(昔の私のような)子どもさんに読ませるには、いい薬になる絵本だと思いました(笑) 同様に、反抗期真っ盛りのお子さまにも適しているかもしれません。親の言うことをすんなり聞き入れない反抗期は、子どもの成育にとって非常に重要な過程の1つですが、大人の言うことを聞かなすぎるとと事故など取り返しのつかないことにもなりえます。
絵本を通じて、「本当にやってはいけないこともある」という事実を学ぶには、丁度いい教材になりそうだなあと感じました。

以下余談ですが、緑の化け物ウヒアハは、最後はどこに行ってしまうんでしょうね。バケモノとはいえ、11匹の猫も十分悪いことをしでかしたのですし、ウヒアハだけが樽に入れられて突き落とされたまま消えてしまうのは、少し可哀想だなあ…と思いました。

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「11ぴきのねことあほうどり」(馬場のぼる 著) あらすじと読書感想文

第1作目「11ひきのねこ」と同じかそれ以上に、オチの見事な絵本です(笑)

「11ぴきのねことあほうどり」の説明

「11ぴきのねことあほうどり」のあらすじ

※ストーリーの前半部のみ記載

11匹の猫はコロッケのお店を始めました。
ジャガイモを茹でて潰して、パン粉をつけて油で揚げて、みんなで作業を分担して毎日せっせと働き、どんどん作ってどんどん売りました。

11匹の猫のコロッケ屋さんは大繁盛しましたが、そのうち毎日少しずつ、コロッケが売れ残ってしまうようになりました。猫たちは残ったコロッケを毎日みんなで美味しく食べましたが、次第に猫たちはみんなコロッケをすっかり食べ飽きてしまい、鳥の丸焼きが食べたくなりました(笑)

そんな折、1匹の白いあほうどりが訪ねて来ました。そのあほうどりは、大きな数を数えられないので6こを「3こがふたつ」と数え、猫たちは陰で忍び笑いをもらします。そんなあほうどりが、コロッケを平らげた後「しあわせだ もう死んでもいい」と呟いたものですから、大変。猫たちは舌なめずりをして待ち構えます。しかもそのあほうどりは、全部で11羽の兄弟だと言うではありませんか。

「あほうどりくんの国に行って コロッケを作ってあげようじゃないか」ととらねこ大将が宣言し、11匹の猫は気球に乗って、空の旅に出ます。11匹の猫たちの鳥の丸焼き計画など想像もせずに、うかうかと自分の国へ先導してしまうあほうどりくんでしたが…

「11ぴきのねこ」シリーズについて

とらねこ大将率いる11匹の猫たちが、さまざまな冒険やチャレンジをするお話。11匹の猫たちは勇敢でわんぱくだが失敗も多く、総じて可愛らしいストーリーが多い。
現時点で7冊出版されている。発行された本は、下記の通り。(下にいくほど新しい本)

「11ぴきのねこ」
「11ぴきのねことあほうどり」
「11ぴきのねことぶた」
「11ぴきのねこ ふくろのなか」
「11ぴきのねことへんなねこ」
「11ぴきのねこ マラソン大会」
「11ぴきのねこ どろんこ」

こぐま社出版。定価1200円。

「11ぴきのねことあほうどり」の読書感想文

※ストーリーのネタばれを含みます。問題ない方のみお読みください。

この絵本の教訓は、友達を食べようとするとロクなことにならない、ということですね(笑) 登場する鳥こそ「あほうどり」という可哀想な名がついた鳥ですが、11匹の猫とあほうどり、どちらがより阿呆かは判断が難しいところです(笑)

この絵本は、今は看護師として働いている女性が「昔好きだったから」と貸して下さった絵本で、自分が幼い頃には読んだことがなかったのですが、可愛らしすぎるストーリーで、読んでみてとても気に入りました。

3~6才の男の子と女の子にこの絵本で読み聞かせしましたが、子ども受けが最も良かったのは、やはりストーリーのオチである11羽目のあほうどりが登場するシーンでした。

子どもを驚かせるように、11羽目のページだけ大きな声で読んだり、身体を揺らすように読んだりすると、子ども達も一緒になってキャッキャとはしゃいでくれて、読んでるこちらもとても楽しい時間を過ごせました。

「こまったさんのサンドイッチ (おはなしりょうりきょうしつ 7)」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

「こまったさんのサンドイッチ」の説明

「こまったさんのサンドイッチ」のあらすじ

※前半部分のみ記載

こまったさんは小さな花屋さんを営んでいます。
明日はお店がおやすみなので、ご主人のヤマさんが「明日山へ行こう」と提案し、こまったさんも大賛成。帽子を買いに行き、お店を2件回ってようやくいい帽子が見つかったので、今度はお弁当の支度をしようと思いましたが、夕飯の時間と被ってしまいます。こまったさんの飼っている九官鳥のムノ君が「ベントウ、サンドイッチガ、イイ」と鳴くので、前夜は食パンとかた茹で卵だけを準備して、眠りに就くことにしました。

翌朝目が覚めると、なんと出発の10分前。ヤマさんはすっかり支度を終えて待っています。慌ててサンドイッチを作ろうとしたこまったさんでしたが、ヤマさんが「ん」の付く不思議な言葉ばかり口走るので、怒ってサンドイッチ作りをやめてしまいました。

こまったさんが急いで身支度をしていると、ヤマさんはもう玄関から出ようとします。慌てて空っぽのナップサックを背負い、買ったばかりの帽子をかぶってこまったさんが玄関のドアを開けると、眩しい太陽と一面の野原が目の前に広がっていました。遠くに山が連なり、山のふもとに緑の森が見えますが、呼べどもヤマさんは見つかりません。こまったさんは森に行ってみることにしました。

森に行く途中、こまったさんは1匹の犬と出会います。犬は「パンをあげるから、連れていってください」と食パンの塊を取り出しました。嬉しくなったこまったさんは犬を一緒に連れていくことにしました。そしてしばらくいくと、今度は1匹の猿と出会います。こまったさんは猿の持っていた細長いフランスパンと引き換えに、猿も一緒に連れていくことにしました。

こまったさんが犬と猿を連れて歩いていると、キジならぬ九官鳥のムノ君が慌てた様子で飛んできました。こまったさんが一緒においでと呼びかけると、ムノ君は「ダメ、ダメ、イクト、タベラレチャウ」と鳴きます。こまったさんには何のことか分からず、そのまま森の中へ進んでしまいました。

森の中を少し行くと、木の枝から不思議な札がぶら下がっていました。1枚目と2枚目をやり過ごしましたが、3枚目の札には「したくは、いつも、そろっている。早く食べたい。いらっしゃい」の文字が。ムノ君が「アイテハ、コマッタサンヲ、タベタインダ」と鳴いた時には時既に遅く、こまったさんはあっという間に青鬼にさらわれてしまいます…。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」「こまったさんのハンバーグ」など、料理の種類ごとに10冊出版されており、「こまったさんのサンドイッチ」は、こまったさんシリーズの第7作目です。1987年2月初版。

「こまったさんのスパゲティ」についてはこちらへ
「こまったさんのカレーライス」についてはこちらへ
「こまったさんのハンバーグ」についてはこちらへ
「こまったさんのオムレツ」についてはこちらへ
「こまったさんのサラダ」についてはこちらへ
「こまったさんのサンドイッチ」についてはこちらへ
「こまったさんのコロッケ」についてはこちらへ

「こまったさんのサンドイッチ」の読書感想文

※ネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

こまったさんが誘拐され食べられてしまいそうになるので、こまったさん史上最もスリリングで、ドキドキしました。

桃太郎の鬼退治と「注文の多い料理店」(宮沢賢治 著)とこまったさんを足して3で割ったようなストーリーでしたが、キジ(?)はともかく、犬・猿が助けてくれずに逃げちゃったのは、きび団子をあげずにパンを貰っちゃったからかもしれませんね。
鬼退治のためとはいえ、せっかく美味しそうに出来たフランスパンサンドイッチを食べれない状態にしちゃうのは…勿体なかったです(笑) 鬼夫婦がかぶりつきたくなる気持ちがよく分かるほど、大きくて美味しそうなサンドイッチでした。

「おいしい人間の食べ方」のテレビ番組は、正直見たくありません(笑)が、普段人間に食べられてしまう鶏や豚からすると、こんな気持ちなのかなあ、と思いました。自分の仲間が切られて肉の塊になっているのを見るのは、どんな生き物にとっても、酷なことですものね。食べないと生きられないという人間も他の生き物も、罪な生き物だなと感じました。

スカリーノ社の木製つみき(玉の道 基本セット)で、楽しくビー玉遊び

親戚の4歳の男の子に、ビー玉が通れる溝のついた積み木をプレゼントしたら、男の子だけでなくその子のお父様まで、夢中になって遊んでくれました(笑)

発達障害(自閉症スペクトラム)の7歳の女の子も嫌がらずビー玉を何度も転がしてくれたので、質の良さもさることながら、子どもの可能性を優しく開いてくれる積み木だと感じています。


スカリーノ「玉の道基本セット」積み木で遊んだ感想

私がプレゼント用に、Scalino社のつみき(玉の道 基本セット)を購入したのは、高級な品揃えで有名な百貨店のおもちゃ売り場のフロアでした。

店頭の目立つところに、Scalinoの木製のつみきが組み立てて置かれており、来店したお子さんが、自由に遊べるようになっていました。Scalinoのつみきは組み立てた後、付属の小さいビー玉をつみきの上に置くと、コンコンコンッと耳触りの良い音を立てて、ビー玉が下まで滑り降りてくる仕組みになっています。その様子が普通のつみきと違って刺激的なのか、子ども達に大人気でした。私自身も、ビー玉が滑り降りてくる時の音が何とも言えず好きで、ちょっとお高かったのですが、こちらのつみきを購入することにしました。

木箱に入っているscalino社の積み木玉の道基本セットを、真上から撮影した写真。木箱は畳の上に置かれており、つみきには赤と青の小さいビー玉が2つ乗っている。

プレゼントした後4歳の男の子と一緒につみきで遊んでみると、貰った男の子は当初「積み木を上手に組み立てたら、ビー玉を転がして遊べる」というScalinoつみきの魅力に気がつかず、単なる積み木として遊んでいました(笑)

普通のつみきと違いつみきの中央に溝が走っているので、溝を線路に見立てて、電車遊びをすることが多かったです。大小さまざまな形の積み木が用意されているので、単なる積み木としても、割と楽しく遊べました。

木箱に入っているscalino社の積み木玉の道基本セットを、斜め上から撮影した写真。木箱は畳の上に置かれており、つみきには赤と青の小さいビー玉が2つ乗っている。

その後、大人が混じって積み木を高く組み上げ、まず大人がビー玉を転がして遊ぶようになりました。そうするうちに、4歳の男の子は積み木を縦一列に長ーく並べたり、積み木を組み上げてビー玉を転がして遊ぶ、という楽しみ方をするようになりました。ただ、高さ15cmを越える積み木はまだ1人では上手に組むことができず、高さ3段くらいまでのものを組み上げていたのが印象的でした。

大人は、60代女性1人・30代男性2人がトライして、3人ともビー玉がスムーズに上から下まで転がる大きな積み木を組み上げることができたので、大人であれば誰でもビー玉の転がる高い積み木を組めると思います。
60代女性はかなり手先の不器用な親族ですが、30代男性より少し時間がかかる程度で組み上げることが出来たので、購入者は一安心しました。

↓ 近くで見るとこんな感じ。どのつみきも角が取られており、幼い子供がぶつかっても怪我をしにくい。
木箱に入っているscalino社の積み木玉の道基本セットを、つみきに接近して撮影した写真。白っぽい木製つみきの木目がよく見えている。つみきには赤と青の小さいビー玉が2つ乗っている。

発達障害のある女の子も遊んでくれた

また、親族に1人発達障害のある7才の女の子がいるのですが、この女の子も積み木で遊ぶことが出来たのが嬉しかったです。発達障害のお子さんは音や質感に敏感で、こだわりが強い傾向があります。この女の子も騒音や音の多いものが苦手で、嫌いなものには見向きもせず、酷い場合はパニックを起こして泣いてしまうので、「嫌わないでくれるといいな…」と願いながら、つみきを差し出してみました。

女の子は、Scalinoの積み木を組み立てることには一切興味を示しませんでした(別のメーカーから発売されたカラフルな正方形の積み木ではよく遊んでいたので、彼女なりの理由があるようです)。 が、積み木を組み立てる時の音や、積み木が盛大に崩れる音、ビー玉がつみきの上をコンコンと転がる音は不快ではないらしく、4才の男の子がScalino積み木で遊ぶすぐそばで、お人形遊びにいそしんでいました。

女の子が積み木の音や存在に慣れた頃、女の子の好みそうな赤色のビー玉1つを手に握らせ、「ここにビー玉を置いてみてくれる?」と指差しながらビー玉をスタート地点を示すと、積み木を壊したりすることなく、ビー玉をちょんと乗せてくれました。が、ビー玉が転がっていくことには興味がないようで(笑)、ビー玉のその後は男の子がきゃっきゃと喜びながら見守ってくれました。
以来、発達障害の女の子がビー玉の転がし役、男の子が回収役になり、今でもよく遊んでくれています。

Scalino社積み木の注意事項

子どもがビー玉を喉に詰まらせないよう注意

9才の女の子がアーモンドを喉に詰まらせて亡くなった、という大変気の毒な新聞記事を読んだことがあります。このサイズのビー玉であれば、幼児から小学生までうっかり呑みこんだ際に、喉に詰まらせて窒息してしまう可能性がゼロではありません。

つみきにはビー玉が6つ付属していますが、普段使うのは1つにしておき、子どもが誤って飲み込んだりしないよう、常に注意してあげて下さい。

子どもが誤って飲み込んでしまった場合は、背中を強く叩くか、子どもを逆さの宙づりにして鳩尾みぞおちを強く押さえると、吐き出しやすいそうです。

2人以上で遊ぶと、積み木が足りない

1人遊びなら基本セットのつみきの量で充分ですが、2人で別々の積み木を組んで遊ぼうとすると取り合いになり、積み木の数が足りなくなります。また、大人がビー玉が上から下まで流れるような大掛かりな積み木を組もうとすると、溝あり積み木は余っているのに土台用の溝なし積み木が足りなくなることもありました。

スカリーノ社から追加購入用の積み木部品も販売されていますが、中央に溝のついていないごく普通の木の積み木を混ぜて遊んでも、何の問題ありません。また、スーパーのかまぼこ板を綺麗に洗ってとっておき、スカリーノの積み木に混ぜて使うこともありました。
こうすると、2~3人(=大人2人+子ども1人)でも特に不足を感じることなく、遊ぶことが出来ます。

「こまったさんのコロッケ (おはなしりょうりきょうしつ 8)」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

「こまったさんのコロッケ」の説明

「こまったさんのコロッケ」のあらすじ

※前半部分のみ記載

こまったさんは小さな花屋さんを営んでいます。
ある日、雑誌社のカメラマンがお店の写真を撮らせて下さいと、こまったさんのお店にやってきました。差し出された名刺には、「まつの こうすけ」という名前が書かれています。困りながらもお花を抱えてポーズをとったこまったさんでしたが、まつのさんのフラッシュが光った瞬間、うっかり目をつぶってしまいました。こまったさんが目を開くと、あたりはお店ではなく野原になっており、まつのさんはスポーツシャツを着たクマになっていました。

クマになったまつのさんがホイッスルを吹くと、サッカーのユニフォームを着たフライパンやお鍋やフォークが集まってきました。どうやら人間チームとサッカーの試合をするようです。人間チームには、ヤマさんをはじめ駅前商店街の人が集まっていました。

試合が始まると、ヤマさんがこまったさんの守るゴール目がけてシュートを打ってきました。何とかボールを受け止めたこまったさんでしたが、サッカーボールだと思っていたものはなんと大きすぎるじゃがいもでした。その後次々にシュートが放たれますが、どのサッカーボールもタマネギやたまごなのです。

その試合は運良く雪が降ってきて中止になりましたが、雪だと思ったものはパン粉の雪で、ますます激しく降るのでこまったさん自身が人間コロッケになってしまいそうでした。その姿を見たクマのまつのさんは、またこまったさんに向かってカメラを構えてフラッシュを焚くと、こまったさんは今度は見知らぬ山小屋の台所にいました…。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」や「こまったさんのオムレツ」など、料理の種類ごとに10冊出版されており、「こまったさんのコロッケ」は、こまったさんシリーズの第8作目です。1987年12月初版。

「こまったさんのスパゲティ」についてはこちらへ
「こまったさんのカレーライス」についてはこちらへ
「こまったさんのハンバーグ」についてはこちらへ
「こまったさんのオムレツ」についてはこちらへ
「こまったさんのサラダ」についてはこちらへ
「こまったさんのサンドイッチ」についてはこちらへ
「こまったさんのコロッケ」についてはこちらへ

「こまったさんのコロッケ」の読書感想文

※ネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

文章にもイラストにもサッカーが出てくるので、サッカー好きの男の子が喜びそうだなと感じました。こまったさんのお店やの屋根や山小屋のカーテンなどに、サッカーボールの五角形のモチーフが描かれていたりして、楽しかったです。

ですが、こまったさんが怒りにまかせてジャガイモを蹴ったり、ムノ君に向かってジャガイモをぶつけようとする場面があるので、初めて読んだ時はいつもの気の弱いこまったさんではない気がして、少し怖かったです。

コロッケの中身は、茹でたじゃがいもかカニクリームの2択くらいしかないと思っていたのですが(笑)、この絵本を読んで、コロッケは意外とバリエーションが豊富な料理なんだな、と気付かされました。
カレー粉入りやヒジキ入り、鶏肉とマッシュルームなどさまざまなバリエーションが付けられることが分かっていれば、たくさん作って何日かに分けて食べることも出来るので、コロッケという手間のかかる揚げ物料理を作る気力も湧いてこようというものです(笑)

年配の方にも出せるあっさり味のコロッケだと嬉しいので、ヒジキと鶏肉あたりを一度試してみたいと思いました。

「こまったさんのカレーライス (おはなしりょうりきょうしつ 2)」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

「こまったさんのカレーライス」の説明

「こまったさんのカレーライス」のあらすじ

こまったさんは小さな花屋さんを営んでいます。
今日はお花屋さんが暇だったので、お店はご主人のヤマさんにお任せして、こまったさんは一足早くおうちに帰ってきました。そこへヤマさんから「友達を2人連れて帰るから、ご馳走を作って待っていておくれ」と連絡が入ります。

お客様をもてなすため、こまったさんはハンバーグから麻婆豆腐までいろいろなご馳走を思案してみましたが、献立がなかなか決まりません。仕方なくお買い物に行ってから決めようとすると、こまったさんが飼っている九官鳥のムノ君が「カレー、カレー」と鳴きました。「カレーなんて、そんな簡単なもの作らないわ」と一度ははねつけたこまったさんでしたが、スーパーから戻ってみると、カレーの材料しか買ってきていませんでした(笑)

まずはタマネギのみじん切りから…とこまったさんが取りかかろうとすると、タマネギの細かい粒が目に入って涙が出てしまいます。ムノ君の助言で水中めがねをつけて、改めてタマネギを刻むと、切った端からタマネギがさかなやエビやイカになってしまい、あたりを泳ぎ始めます。気付けばそこは、まるで海の底のようでした。

こまったさんも切るのをやめてさかなたちと一緒にあたりを泳ぎますが、カレーの材料にと捕まえようとした海老にもまぐろにもまんまと逃げられてしまい、イカに至っては真っ黒な墨を顔に容赦なく浴びせられてしまい…。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」「こまったさんのオムレツ」など、料理の種類ごとに10冊出版されています。「こまったさんのカレー」は、こまったさんシリーズの第2作目です。

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「こまったさんのカレーライス」の読書感想文

※ネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

ごはんを炊き忘れるというのが、いかにもこまったさんらしいなと思いました(笑) ごはんの炊き忘れは、カレーライスを作る方なら誰もが一度はやらかす失敗の1つですね。

そして、メインで登場するカレーより、イカとトマトのカレーバター炒めが美味しそうだなあと思いました(笑) イカなどの魚介類はあっさりとした淡白な味という印象があるので、自分が炒める際もいつも醤油やバター止まりで、カレーの様な強い調味料は合わせたことがなかったのですが、少しピリ辛のイカは夏の夜のビールのアテにとても良さそうでした。新鮮なイカが手に入った時に、一度試しに作ってみたいと思っています。

「こまったさんのサラダ (おはなしりょうりきょうしつ 5)」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

サラダの奥深さが垣間見える本です。

「こまったさんのサラダ」の説明

あらすじ

こまったさんのおうちは小さなお花屋さんを営んでいます。
今日はお花屋さんが大忙しで、夕方近くには殆どお花が売れてしまったので、ご主人のヤマさんはいそいそと遊びに出かけてしまいました。「うちにかえって、おいしいものつくろう」そう言いながらこまったさんが1人でいつもより早めの店仕舞いをしていると、店の中から奇妙な笑い声が聞こえてきます。「きょうのおかずはサラダだけ」そう言いながら姿を現したのは、真っ黒い三角帽子をかぶった魔女でした。

魔女は歌いながらこまったさんのお店の箒で花をつついて回ると、花は次々に野菜や果物へと姿を変えてしまいます。魔女は箒を失くして困っていましたが、こまったさんのお店で無事に見つかったので、箒を頂いて行く代わりにとサラダの材料になる野菜と果物をプレゼントしてくれたのでした。魔女が箒をもう一振りすると、お店の外にかぼちゃの馬車ならぬじゃがいもの馬車が1台停まっていました。

魔女にせき立てられて野菜を馬車に積み込むと、こまったさんの飼っている九官鳥のムノ君も、何故か馬車の天井に止まっています。2人と1羽でじゃがいもの敷き詰められたでこぼこ道を走ると、森の中の小屋へ辿り着きました。小屋の入口にいた雌鶏から、生みたてなのにかたゆでという不思議なたまごを2つ貰い、小屋にあったサラダ油と酢も使って、手作りのマヨネーズを作り始めます…。

歌いながらマヨネーズを作り終えると、こまったさん達は手作りマヨネーズと一緒に馬車の中に戻っていました。今度は馬車の向こうから角を振り立てて怒った牛がやってきます。牛は怒っているようで馬車を避けようともしません。「こまったわ。ぶつかっちゃう」 こまったさんは困りますが、目の前の牛はますます大きくなって…。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」「こまったさんのオムレツ」など、料理の種類ごとに10冊くらい出版されています。「こまったさんのサラダ」は、こまったさんシリーズの第5作目です。

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「こまったさんのサラダ」の読書感想文

※ネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

物語の中では夕方5時を過ぎると魔法が解けてしまい、集めた材料も作ったサラダもドレッシングも、全てあとかたもなく消えてしまうのが残念でした。魔女とこまったさんはサラダを手間暇かけて丁寧に作り上げていたので、あれだけきちんと手作りしたものが、一口も食べずに消えてしまうので、ちょっとしょんぼりしています。(食い意地張っててすみません…)

ですが、この本に出てくるサラダを見ていると、「手間暇かけて作ったサラダは、栄養たっぷりの立派なおかずになり得る」という風に、サラダに対するイメージが変わってきました。サラダと言えば、「ダイエット用の低カロリーなおかず」「すぐ作れる手軽な副菜」という印象でしたが、手間をかけようと思うと、こんなにもかけられるものなのか、と感じます。
フレンチドレッシングが家庭の材料で作れてしまうという事実さえ、この本を読んで初めて知りました。

マヨネーズは未だに手作りしようとは思いませんが(笑)、普段10分程度で作っていたサラダを30分程度時間をかけて作ってみよう、という気にはなりました。この本でサラダ作りのコツを教われたので、きっと今までとは一味違う美味しさのサラダが作れるに違いありません。

「はらぺこあおむし」(エリック=カール 著) あらすじと読書感想文

愛嬌のあるストーリーと、のびのびと描かれたイラストが大好きな絵本の1つ。

「はらぺこあおむし」のあらすじ

大きな畑に生まれおちたばかりの小さなあおむしは、とてもお腹がすいているので、大きくなるために毎日いろんなものを食べてみます。最初はりんご1つ、次の日は梨2つから始まり、途中でちょっと失敗をしでかしながらも、少しずつ大きくなって…。

「はらぺこあおむし」の説明

「はらぺこあおむし」はアメリカの絵本作家エリック・カールさんが作った絵本で、全世界で累計3,000万部を売り上げて大ベストセラーとなった、世界的に有名な絵本。(原題は「The Very Hungry Caterpillar」(和訳:ものすごくおなかがすいているあおむし))

絵本を開くと、果物や葉っぱなどあおむしが食べたものが、1日分ずつイラストで大きく色あざやかに描かれている。カラフルでおいしそうな食べ物のイラストの真ん中には、あおむしが通った小さな穴が開けられており、お子さんはページに触れながら楽しむこともできる。
有名な絵本なので、お子さんが塗り絵を楽しめるようイラストに色が塗られていない絵本や、文章が英語で書かれている絵本など、様々なバージョンが出版されている。

対象年齢は0歳~6歳くらい
絵本の大きさはノートパソコンくらいで、ハードカバーで作られた丈夫な絵本なので、お子さんが引っ張ったり汚したりしても壊れにくい。

「はらぺこあおむし」の読書感想文

幼い頃はただ楽しく読ませて頂いたが、大人になって改めて読み返すと、不思議な本だなと思う。

あおむしという、どちらかというと人(特に女性)に嫌われやすい昆虫を主人公に据えているのに、世界中の子どもとおかあさんに30年以上愛され続けている絵本だからだ。

昆虫がもつ気持ち悪さを一切感じさせない色あざやかなイラストは、あおむしのイメージアップと絵本の普及に一役買っているだろう。だが、それ以上に、万人から受け入れられている理由は、シンプルすぎると言えるほどシンプルなストーリーと、主人公の愛らしいキャラクターではないかと思う。

「はらぺこあおむし」はページにして20ページ弱しかない。本屋で立ち読みするのに10分かからず、一読しただけでストーリーを覚えてしまい、すぐ人に話すことが出来るほどストーリーが覚えやすい。

そのストーリーに登場するあおむしは、最初は生まれたてでごく小さいが、ちょっとした失敗を重ねながらも、最後には大きく成長する。その「ちょっとした失敗」がとても愛らしく愛嬌があり、主人公の魅力を跳ねあげているとも言えるほどで、忘れられない記憶となって読む人の心の片隅に住み続ける。

日本の絵本だと「11ぴきのねこ」というよく知られた絵本も、主人公の猫達に愛嬌と面白みがあって素晴らしい絵本の1つだが、「11ぴきのねこ」は文字数が多いので、2歳~3歳以上のお子さんでないと十分に楽しめない気がしている。
もう少し幼い、0歳~2歳くらいの子に読み聞かせる本なら、こちらの「はらぺこあおむし」の方をおすすめしたい。

短い絵本なので、書店に立ち寄るやる気さえあれば、すぐに読める。気が向かれた方は一度手に取って眺めてみて頂けると、気分が少し晴れ、明るい気持ちになることが出来ると思う。