21_BookForChild(児童書)」カテゴリーアーカイブ

「こまったさんのハンバーグ (おはなしりょうりきょうしつ 3)」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

こまったさんシリーズからもう1冊。今度はハンバーグです。

「こまったさんのハンバーグ」のあらすじ

こまったさんのおうちは小さな花屋さんを営んでいます。

いつもの通り、花屋さんで店番をしていたこまったさんは、真っ白なスーツをきた男性に1枚の地図を渡され、バラとカーネーションの花束をこの場所に届けて欲しいと頼まれます。

ですが、届け先の地図には、あるはずのない道が描かれていました。
こまったさんは不思議に思いながらも、花束を積んで自転車に乗り、地図を見ながら辿ってみると、そこには見たこともない街が広がっており、あるはずのない道が出来ていました。牛のパン屋さんや豚の珈琲屋さんなどが立ち並び、まるで動物の街です。

怖がりつつも届け先の家に着いてみると、先程花屋さんに来た真っ白なスーツの男性は、なんとキツネになってしまっていました。
こまったさんが飼っている九官鳥のムノ君が何故かこの家で出迎えてくれ、奥のキッチンにはコックスーツを着たクマやヤギやリスが、いそいそと働いていました。そしてこまったさんの届けたバラとカーネーションを、動物達はばりばりとちぎり始めてしまいます。

驚くこまったさんをよそに、動物たちは歌いながら、不思議な料理を作り始めます……。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」「こまったさんのオムレツ」など、料理の種類ごとに10冊出版されており、「こまったさんのハンバーグ」は、こまったさんシリーズの第3作目です。

「こまったさんのスパゲティ」についてはこちらへ
「こまったさんのカレーライス」についてはこちらへ
「こまったさんのハンバーグ」についてはこちらへ
「こまったさんのオムレツ」についてはこちらへ
「こまったさんのサラダ」についてはこちらへ
「こまったさんのサンドイッチ」についてはこちらへ
「こまったさんのコロッケ」についてはこちらへ

「こまったさんのハンバーグ」の読書感想文

※ストーリーのネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

ちぎられたバラとカーネーションは、最終的にはハンバーグとサラダに化けるんですが、挿絵に載っているこのハンバーグが、綺麗なピンク色をしていておいしそうなんです(笑)
バラとカーネーションのハンバーグなんて、綺麗で夢のあるお話ですね。

こまったさんシリーズはどれも挿絵が秀逸で、作られたごはんがとてもおいしそうに見えます。
色鉛筆(メイン画材)と水彩絵具(サブ画材)で描かれたと思われるような素朴な絵柄ですが、ハンバーグの材料になるひき肉のピンク色が色あざやかでおいしそうで、読んで、イラストを眺めて、また読んで、…と絵と文の両方からこの本を味わっていた記憶があります。
どのページも文章にぴったり合う絵が添えられているので、読んでいる子どもが絵と文とを交互に行き来しても、違和感ありませんでした。

ハンバーグの作り方も、歌やイラストをふんだんに交えながら、可愛らしくも正しい作り方で記載されているように思います。
材料をボウルで混ぜる時も、牛乳と食パンを入れるところから描かれるので、ひき肉の生臭さを食パンに移さないという手順が守られています。生卵と塩コショウまで動物たちが歌う歌に書かれているので、入れ忘れもありません。
ハンバーグの焼き方も、強火で焼き目をつけたあと弱火にしており、折角の肉汁がハンバーグの外に逃げないよう、配慮されています。

この絵本に書かれている作り方を守るだけで、ハンバーグは作れてしまいそうでした。実際、実家の母はこの絵本のレシピを元に、料理を作っていたそうです。

ただ、絵本ではバラとカーネーションが合びき肉の役割を果たしているので、実際に作る時バラとカーネーションの部分だけは、牛豚合びき肉400gに置き換えてあげて下さい。

牛と豚の割合は牛8:豚2が一般的だそうですが、我が家では大抵余っているひき肉を混ぜてしまうので、牛2:豚8になったり、牛6:豚3:鶏1になったりします(笑)
割合はご家庭の味に応じて、で大丈夫だと思います。

「こまったさんのスパゲティ (おはなしりょうりきょうしつ 1) 」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

小学校1~4年生向けの本です。特に料理が上手になりたいお母さんに、おすすめします。

「こまったさんのスパゲティ」のあらすじと説明

「こまったさんのスパゲティ」のあらすじ

こまったさんは、駅前で小さなお花屋を営んでいます。

お花屋さんが今日はお休みで、外は雨、ご主人のヤマさんはベットで朝寝を決め込んでしまったので、こまったさんは冷蔵庫にあったひき肉や玉ねぎを使って、ミートソーススパゲティを作ることにしました。

ペットの九官鳥のムノくんと一緒に歌いながらミートソースを作り上げたまでは良かったのですが、お鍋にスパゲティを茹でる水を張ろうとしても、不思議なことに、水がなかなか溜まりません。

ようやく水が張れ、鍋を火にかけ、スパゲティを茹で始めることができたと思ったら、今度は鍋からスパゲッティが見えなくなってしまいます。
お鍋をお箸で丁寧に掻きまわしてみると、今度はお湯が溢れてきてスパゲティの海に流されてしまいました。

そうしてたどり着いたのは、雑誌で見ていたアフリカの地。見つけたレストランに入ると、ゾウもサイもライオンも「やっとコックが来た」「スパゲティはまだか」と騒いでいて……。

こまったさんシリーズについて

こまったさんシリーズは、ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのハンバーグ」や「こまったさんのオムレツ」など、料理の種類ごとに10冊くらい出版されています。「こまったさんのスパゲティ」は、こまったさんシリーズの記念すべき第一作目です。

「こまったさんのスパゲティ」についてはこちらへ
「こまったさんのカレーライス」についてはこちらへ
「こまったさんのハンバーグ」についてはこちらへ
「こまったさんのオムレツ」についてはこちらへ
「こまったさんのサラダ」についてはこちらへ
「こまったさんのサンドイッチ」についてはこちらへ
「こまったさんのコロッケ」についてはこちらへ

「こまったさんのスパゲティ」の読書感想文

※ストーリーのネタばれを含みます。問題ない方のみ続きをお読みください。

短い絵本なのに、スパゲティのレシピが3つも出てきます。
ミートソースはひき肉やタマネギから作る方法がシンプルに書かれていますし、あさりたっぷりのボンゴレスパゲティに、スパゲティ・コン・トンノ(まぐろの缶詰とトマトのスパゲティ)という聞き慣れないスパゲティまで登場します。

大人が読んでも、十分楽しめて活用できる本です。普段料理をされている主婦の方なら、お子さんと一緒にこの絵本を読むだけで、料理のバリエーションが増えると思います。

子供の頃の私は、こまったさんがスパゲティの海に流される場面が特に好きでした。
お鍋を小舟代わりにしてスパゲティの海に浮かび、自分の真横を身の丈よりはるかに長いスパゲティが何本も流れていくのを捕まえるなんて、夢がありますね。

この絵本を読んで育ったのに、残念ながら子供の頃は料理は全く作らず、絵本を眺めて楽しむだけでした。
が、大学に進学したあたりから作り始め、2品目に早くも作れるようになったのが、スパゲティでした。

イタリアンレストランでのアルバイトも経験し、パスタは作るのも食べるのも大好きになって、今では週1回「麺の日」を設けて、ナポリタンやトマトソースのスパゲティを作っては家族に振舞っています。

子どもの頃に読んだ絵本は、不思議とどこかで、現在の自分にリンクしていますね。

「まんがで学習 おぼえておきたい短歌100」(萩原昌好 著、山口太一 画)

小学生向けの短歌学習漫画です。内容が充実していて親しみやすいので、古文を学ぶ中学生・高校生が読んでも十分楽しめるんじゃないかな、と思います。

「おぼえておきたい短歌100」の説明

1ページに1首ずつ短歌が掲載されている短歌の学習漫画です。小学3~6年生向け。

ページの真ん中に短歌に関する4コマ漫画やイラストが大きく描かれていて、ページ向かって右に短歌、向かって左に解説が4行書かれています。掲載されている短歌は有名なものが多く、

 「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」阿倍仲麻呂
 「向日葵ひまわりは 金の油を 身にあびて ゆらりと高し 日の小ささよ」前田夕暮
 「たわむれに 母を背置いて そのあまり 軽きに泣きて 三歩あゆまず」石川啄木

などがあります。

「おぼえておきたい短歌100」の感想

小学校5年生くらいの時に、「俳句100」と「短歌100」の本をセットで母が買い与えてくれました。掲載されている4コマ漫画が面白かったので、繰り返し繰り返しよく読んだ記憶があります。

短歌や俳句は大人しか使わない言葉がそのまま使われていたり、昔の言葉で書かれているものが多かったりして、人としての経験の少ない子供が読むと、実感として理解しづらいものがしばしばあります。
例えば、

 「ふるさとの なまりなつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく」石川啄木

この短歌は、生まれた町でそのまま育った10才の子には、実感が沸きません。この歌は本来、故郷から遠く離れた地で久しぶりに自分の故郷の方言を聞き、故郷を思い出す、たまらなく懐かしさを感じる、などの経験を経て初めて、身に染みてくる歌だと思います。

10歳の子が短歌だけを普通に読むと、「訛(?)を聴きに行くの? 何で??」と感じてしまいます(笑)

ですが、この本は短歌の隣に四コマ漫画が描かれています。その漫画の主人公の話しているセリフが10才の子が聞いたこともないような強い福島弁訛りで、ごく自然にその訛りを話し、他の人の話す福島弁も心地よさそうに聞いている主人公の顔を見ていると、「あ、訛りってこういうのか」「この喋りはレアだな」と感じ、短歌の意味が実感を伴ってちょっと分かった気になります。

漫画が面白くて読み進めると、実はその漫画は短歌の内容をわかりやすく解説している漫画で、知らず知らずのうちに短歌を理解してしまうという、つくりになっています。
子どもが見事、大人の手のひらの上で踊らされてしまうような本です(笑) 

created by Rinker
¥17 (2024/04/27 13:22:51時点 Amazon調べ-詳細)

「国旗のえほん」(戸田やすし 著) 読書感想文

1987年出版という20年以上も前に出版された絵本ですが、未だ人気が衰える気配もありません。

「国旗のえほん」の説明

0歳~6歳のお子さん向けの絵本です。

横幅25cmくらいのハードカバー本で、本の形が長方形になっています。
ページを開くとページ1枚につき国旗が1枚どーんと大きく掲載されています。どのページにも、5メートル離れていても易々と判別出来るくらい、色あざやかで大きな国旗の絵が印刷されています。

各ページの上部には、大きな活字で国の名前が印刷されていて、ページ中央に国旗、ページ下部に各国のデータと地図、という構成になっています。文字で書かれた情報はほとんどありません。
そうしたページが50ページくらい続き、巻末にミニサイズの国旗が多数掲載されています。

国旗の並び順はあいうえお順です。

「国旗のえほん」の読書感想文

この本の素晴らしい点は、どの国旗も色あざやかで眺めていて飽きないことに尽きます。

首都や気候などその国についての細かい情報が書かれていなくても、不思議なことに、幼い子どもはこの絵本を気に入り、飽きずに眺めては楽しみます。絵本を時間を忘れて眺めるうちに、幼い子どもは記憶力が良いので、国の名前と国旗の大半を覚えてしまいます
私も兄や弟と一緒にこの本を眺めて育ちましたが、20年経った今でも、この絵本に掲載されていた国の名前を「アルゼンチン」「アンチグッバーブダ」「イギリス」「インド」「ウガンダ」…のように、前から順にすらすらと言うことができます。
今はIT用語ひとつ覚えるのに四苦八苦しているというのに、不思議なものですね…

何度も眺めてこの絵本の国旗を覚えてしまうと、残念ながらこの本は忘れ去られてしまいますが、代わりに少し大きくなってから、今度は日本や世界の地理について書かれた本やゲームで遊び始めました。

私と兄弟の場合は、小学生になってから桃太郎電鉄というゲームでよく遊び、47の都道府県名と県庁所在地名とその都道府県の名産をまたしても空で言えるようになり、高校では世界史を通して、大学では語学と海外貧乏旅行を通して、世界を知ることに夢中になりました。

今振り返ると、TOEIC850を取得し英語を使いながらいろいろな国の人々と働くことになった原動力は、実はこの本1冊の本だったのかな、と思うことがあります。
影響を受けた本、というと言いすぎかもしれませんが、幼い頃の本の影響がゼロとは、どうも思えません。

created by Rinker
戸田デザイン研究室
¥1,760 (2024/04/28 00:28:02時点 Amazon調べ-詳細)

「21世紀こども百科」(小学館) 読書感想文

小学校4~6年の頃の私の愛読書だった本です。夕ご飯食べた後、習い事の無い日はこの大きな本を引っ張り出し、自分でも不思議なほど飽きずに眺めていました。

「21世紀こども百科」の説明

小学生向けのカラー百科事典です。「おんがく」、「とり」、「でんわ」、「パン」、「リニアモーターカー」など、身近なテーマが分かりやすい言葉で説明されています。

どのページも写真やカラーイラストをふんだんに盛り込む形で編集されています。掲載されているテーマが多岐に渡るので、どんな子でも、自分の興味のあるページを見つけることが出来ると思います。

また、取り上げられているテーマも、さまざまな角度から説明がなされています。
例えば「アイスクリーム」のページでは、いろいろなアイスクリームの写真だけでなく、アイスクリーム工場でどのようなことが行われているかイラスト入りで説明され、アイスクリームの歴史や、ご家庭でのアイスクリームの作り方などが別途添えられています。

「21世紀こども百科」を読んだ感想

とにかく懐かしい!(笑) ああ、これよく読んだなあ。読み過ぎて、未だに本の内容を克明に覚えています。「ほうせき」のページでエメラルドがページのどのへんにあったか、20年経ってもまだ言えます(笑) どんだけ熟読してるんでしょう……。

この本を思い返すと、小学生の記憶力って凄いなと、つくづく感じます。人間の骨は全部で約200個で、脳細胞約140億個など、本に載っているどうでもいいようなことを、小さい子どもは全部覚えてしまうんですよ。時々母に話しては呆れられ、本に書いてないことを質問攻めにしては、よく怒られました(笑)

でもその甲斐あってか、小学校の成績はクラスで5番以内に入るほど良かったです。

子どもの側からすると面白いから読んでいただけなのですが、小学校の国語・理科・社会の授業で困ることが少なかったです。授業に出てくるレベルのことは、この「21世紀こども百科」にも詳しく書かれていることが多かったので、授業の理解がほかの子より早かったのだと思います。
 
そのお陰か友人達からも一目をおかれ、いじめに遭うこともなく、楽しい小学校時代を過ごせました。
子どもの頃に読む本は本当に大事ですね。本好きな子どもは根暗で運動の苦手な子に見えますが、意外にも友人を増やし、私の人生を豊かにをしてくれました。

created by Rinker
¥159 (2024/04/27 18:17:35時点 Amazon調べ-詳細)

「こまったさんのオムレツ (おはなしりょうりきょうしつ 4) 」(寺村輝夫 著) あらすじと読書感想文

こまったさんからもう1冊。今度はいろんな種類のオムレツを覚えてしまいます。

「こまったさんのオムレツ」のあらすじ

ある日、こまったさんの元に「あなたはオムレツ島旅行に当選しました!」というはがきが届きます。

心当たりのないこまったさんは、不思議に思いつつも、オムレツ島旅行への準備を始めました。

翌朝こまったさんが、ご主人のヤマさんの好物である納豆を出そうと冷蔵庫を開くと、冷蔵庫の中は何故かからっぽ。驚いて冷蔵庫を覗き込むと、こまったさんは九官鳥のムノ君と一緒に冷蔵庫に閉じ込められてしまいます。
狭い真っ暗闇に怯え、こまったさんが叫ぶと、ムノくんは「モウスグ」と鳴きます。

そして再び扉が開いた時には、こまったさんはもうオムレツ島に着いてしまっていました。

でも大変! オムレツを上手に作れないと、オムレツ島からは出られないのです。 オムレツを作るのはとても難しいのですが、こまったさんの必死の奮闘が始まります……。

こまったさんシリーズについて

ストーリーにお料理やレシピがたくさん登場し、主人公の「こまったさん」がいろいろと困りながらも料理を作っていくお話です。

「こまったさんのスパゲティ」など、料理の種類ごとに10冊出版されており、「こまったさんのオムレツ」は、こまったさんシリーズの第4作目です。

「こまったさんのスパゲティ」についてはこちらへ
「こまったさんのカレーライス」についてはこちらへ
「こまったさんのハンバーグ」についてはこちらへ
「こまったさんのオムレツ」についてはこちらへ
「こまったさんのサラダ」についてはこちらへ
「こまったさんのサンドイッチ」についてはこちらへ
「こまったさんのコロッケ」についてはこちらへ

「こまったさんのオムレツ」を読んだ感想

料理絵本の名に違わず、今度の絵本はオムレツの作り方がたくさん出てきます。ほうれんそうオムレツ、トマトオムレツ、じゃがいもオムレツにふわふわオムレツ……。

お料理の作り方のポイントを教えるムノ君マークも健在で、「オムレツのたまごは、かき混ぜすぎると美味しくない」という事実を、この本を読んで初めて知りました(笑)
オムレツはどうしてもたまごをたくさん使うので、砂糖・塩など調味料の分量を正確に入れるのに気を取られ、たまごはつい適当に混ぜてしまっていました…

添えられているイラストも、相変わらずどれもおいしそうです。オムレツ島は明るい黄色でふんわりと柔らかそうに描かれており、「ぐりとぐら」の絵本のカステラを連想させます。

登場人物が作るトマトオムレツは赤いつぶつぶがたくさん入っていて見た目にも綺麗だし、卵の白味を泡立てて作るふんわりオムレツは、読んで想像しているだけでも楽しくて。

絵本を読んでいた頃から時が流れて大人になり、未だにオムレツを綺麗な形に作れない私は、こまったさんの困った気持ちがようやく分かるようになりました。
大人になってから読み直すと、オムレツが作れないといつまでもオムレツ島から帰れないというのは、ちょっと恐怖です!

生卵がどれほど使い放題でも、みんなが喜んで食べてくれるような綺麗でおいしいオムレツを作るのはとっても難しいので我が家にはオムレツ島旅行の当選はがきは来ないで欲しいなと思っています(笑)

「エジソン ― いたずらと発明の天才」(崎川範行 著) あらすじと読書感想文

小学生向けのエジソンの伝記。幼い頃小学校を追い出され「低能児」のレッテルまで貼られたエジソンが、後年電灯など今の生活になくてはならないものを次々と発明した発明王になるまでを、分かりやすく説明下さっている。

「エジソン ― いたずらと発明の天才」のあらすじ

エジソンは幼い頃から好奇心旺盛で、製材所や造船所に出かけて行っては機械に手を出したり、職人を質問攻めにしては煙たがられるような子だった。小学校でも先生を質問攻めにして先生に煙たがられ、「低能児」の扱いを受けて、ついには小学校を辞めてしまう。

だが、牧師の娘で学校の先生をしたこともあるお母さんに励まされ、小学校を辞めた後、お母さんから教育を受けることになる。8~9才の頃から「世界史」「科学辞典」「解剖」などの難しい書物で学び、想像力を鍛えるため「文学」もたくさん読んだ。

学びながらエジソンは働き始め、働きながらも大好きな実験と物づくりを精力的にやり続けた。12才の時には新聞の売り子をしながら汽車の中で化学実験をし、汽車を白煙でいっぱいにしてこっぴどく怒られたり、苦労して作った装置が全く認められなかったりと、新しい道を進むが故の苦労も何かと多いのだが、とにかく物作りが止まらない。

大人になっても物作りへの情熱は衰えることを知らず、電話の開発と特許取得で科学者ベルと争ったり、電球を発明するのにありとあらゆる材料を試した挙げ句赤字の値段で売り出したりと、周りのだれもが「無理だ」と考え驚くようなことを、次々と成し遂げ成功させていく。

「エジソン ― いたずらと発明の天才」の読書感想文

わずか11才で働きながら実験三昧の日々というのは、子ども心にも羨ましかった。
自分自身もカレンダーを破いては紙の家を組み立てたり、彫刻刀であちこち彫り刻んでは自分の手まで切ってしまい母を慌てさせるような子どもだったから、11歳にして学校に通わず物作りと実験を日々繰り返しているエジソンの姿は魅力的だった。

しかもエジソンは、物作りと実験を重ねながらも10代にして経営まで始め、好きなことを商売としても成り立たせてしまったのだから、大したものだ。

また、数多くの失敗と障害を積み重ねても、それでもめげないエジソンの姿勢に驚かされる。この伝記で読むだけでも、数えきれないくらいの失敗をし、叱責や批判的な反応も数多く食らっている。それでも、伝記のどのページを開いても、エジソンの人生は物作りと挑戦に彩られている。エジソンは、本当に物づくりが好きだったんだろう。どれほどの失敗や障害に出くわしても、可能性が残されている限り、彼には「諦める」という選択肢はないらしい。

好きだから続ける。いいものを作ることが出来れば何よりも嬉しい。そんな気持ちが、ページの端々から伝わってくる本だった。

「ぐりとぐら」 (なかがわりえこ 著) あらすじと読書感想文

すごくかわいらしくて、仲良しで、楽しくて、おいしいお話です。

「ぐりとぐら」のあらすじ

お料理することと食べることが大好きな野ねずみの「ぐり」と「ぐら」。

そんなぐりとぐらがある日森を歩いていると、白くて丸くて大きなたまごが落ちているのを見つけました。ぐりとぐらの背丈ほどもある大きなたまごなので、ひもでくくっても、転がして運ぼうとしても、何だかとっても難しそうです。

運ぶのを諦めたぐりとぐらは、森の中でこのたまごを使って、おいしいカステラを作ろうと思い立ちます。
さっそく材料を取りに帰ったぐりとぐらですが、たまごがあまりに大きいので、持ち運ぶボウルやフライパンも大きすぎて、ぐりとぐらの小さなリュックには入りません。引きずったり棒で転がしたりしながら森に戻り、いつもの歌を歌いながらさっそくカステラ作りの準備を始めると、匂いに惹かれて森のみんなが集まってきて……。

「ぐりとぐら」シリーズについて

野ねずみのぐりとぐらが主人公の絵本シリーズ。
ぐりとぐらはお料理することと食べることが大好きで、おいしそうなごはんや森の動物たちが絵本に登場することも多い。

この「ぐりとぐら」の本が、記念すべきシリーズ第1作目。
おはなしを中川李枝子さんが、イラストを山脇百合子さんが担当されており、お二人は実の姉妹(!)だそう。

「ぐりとぐら」シリーズは発売当初から人気のあり、「ぐりとぐらのかいすいよく」「ぐりとぐらのえんそく」など何冊か出版されている。関連グッズも「ぐりとぐらカレンダー」「ぐりとぐらのかるた」「ぐりとぐら 絵はがきの本」など何種類か発売されており、どれもとても可愛らしい。

現在出版されている「ぐりとぐら」シリーズの絵本は、下記の通り。(上にいくほど古い)

「ぐりとぐら」
「ぐりとぐらのおきゃくさま」
「ぐりとぐらのかいすいよく」
「ぐりとぐらのえんそく」
「ぐりとぐらのくるりくら」
「ぐりとぐらのおおそうじ」
「ぐりとぐらとすみれちゃん」
「ぐりとぐらの1ねんかん」

「ぐりとぐら」は1967年1月出版。
定価900円。大きさは縦20cm×横27cmで、ハードカバー本。福音館書店。
大人が読んであげるなら4才から、お子さんがご自身で読まれるなら小学校低学年から、が推奨。

「ぐりとぐら」の読書感想文

可愛らしいストーリーが大好きでした。イラストも素敵で、子ども心を惹きつけて離しません。

ぐりとぐらはカステラを作りあげちゃうんですが、そのカステラがとてもおいしそうなんです。大人が実物から想像する、四角くて上と下が茶色くてちょっとぱさぱさしているカステラではなく、焼きたてほかほかのシフォンケーキを連想させるような、大きくて黄色くてまんまるでふわっとしているおいしそうなカステラです。
カステラのページは、眺めているとおなかがすきます(笑)  

あと、一番最後のページに描かれている「あれ」が……子どもの頃は欲しくてたまりませんでした。本当に羨ましくて、母や同居の祖母にどこに行ったら大きいたまごが落ちてるのか、と尋ねては困らせていました(笑)

こどもが大好きになる、夢のたくさんつまった絵本だと思います。ノートパソコンくらいの大判のハードカバー絵本なので、子どもさんにも扱いやすいのも良いかなと思います。

created by Rinker
株式会社 福音館書店
¥1,100 (2024/04/27 22:24:23時点 Amazon調べ-詳細)

「日本のことわざかるた」と「ぐりとぐらかるた」で楽しくひらがなあそび

最近のかるたは、実用的なのにこんなに可愛らしいですね。4歳の子と久しぶりにかるたをし、その時に「いいな」と思ったかるたを2つご紹介。

ことわざがたくさん覚えられる「日本のことわざかるた」

「日本のことわざかるた」の説明

読み札がすべてことわざになっているかるたです。
「さるも木から落ちる」「かえるの子はかえる」「えびで鯛を釣る」「ぬかにくぎ」「ふくろのねずみ」など、よく耳にすることわざが読み札として選ばれています。

読み札の裏面に、各ことわざの意味は小さい文字で記されています。少し読みづらいのですが、ことわざの意味が分からなかった時は大人が読んであげると、ことわざの意味まで覚えることが出来ます。
イラストは大きく描かれており、背景が白地なので、絵がよく印象に残ります。

「日本のことわざかるた」を使った感想

イラストがとてもかわいらしいので、遊んでいて胸がキュンキュンしました。私は「ふくろのねずみ」のイラストが特にお気に入りで、4歳の子と本気で取り合いになりました(笑)

「小学校に上がる前の子に、ことわざの意味まで分かるかな?」と最初少し不安でしたが、小さい子どもの記憶力は凄いもので、意味の分からないままに絵札と読み札を覚えてしまっていました。
まだひらがなが十分に読めない頃は、大人が一緒に遊びながら、

「『ふくろのねずみ』は追いつめられてどうすることもできない状態のことよ。この絵のねずみさんも、袋から出れなくて困ってるでしょう?」

と折に触れことわざの意味を説明すると、「ふーん」という顔で神妙に聞き入っていました。ことわざにはそれぞれ意味がある、ということに気付き始めたようです。

このかるたには説明書が付属しており、説明書の記載も充実しているので、ひらがなが少し読めるようになってからは、4歳の子が自ら説明書を拾い読み(!)し始めました。説明書に載っているいる絵札のイラスト一覧や読み札のことわざ一覧を眺めては、時折声に出して読み、大人に聞かせてくれました。

楽しく遊びながらも、「4歳の子でもことわざを覚えられるんだなあ」と子どもの可能性に気付かされたかるたでした。

created by Rinker
¥1,268 (2024/04/27 08:50:03時点 Amazon調べ-詳細)

ひらがなを効果的に覚えられる「ぐりとぐらかるた」

2つ目のお気に入りかるたは、ぐりとぐらです。50音のひらがなを早めに覚えたいお子さんにとっては、かわいくも心強い味方になってくれると思います。

「ぐりとぐらかるた」の箱を開けて、撮影した写真。「あ」と「ぬ」の読み札・絵札が写っている。

↑ ぐりとぐらかるた

ぐりとぐらのかるたは、いんを踏むように、1枚の読み札に特定の1文字のひらがなが繰り返し繰り返し登場します。

 みどりのライオン みみまでみどり (「み」の読み札)
 わにどん わははと おおわらい (「わ」の読み札)

1文字のひらがなを繰り返し何度も聞くので、他のかるたよりひらがなを覚えるのが早いと思います。特定の1文字だけがたくさん詰まっているのに、読み札の文章はとても自然で、ぐりとぐらのイラストは相変わらず素朴でかわいらしく、かるたをしていてとても楽しかったです。

created by Rinker
株式会社 福音館書店
¥1,210 (2024/04/27 08:50:04時点 Amazon調べ-詳細)

おわりに 〜かるたってよくできてる!~

かるたは、「どこに何の絵札があるかな?」と事前にあれこれ覚えて方針を立てて、全身を耳にしてよく聞いて、素早さで取って、頑張ったら頑張った分だけ絵札がたくさん集まって褒めて貰える遊びです。頭も身体もコミュニケーションもまんべんなくよく使うので、「かるたって、とてもよくできているおもちゃだなあ」と改めて感じました。

幼い子にとって、素早さの求められるかるたは身体全体を使わないといけないので、室内遊びといえどもいい運動になるようで、たくさん遊んだあとは大抵眠りこけてしまいます。
子どもが眠っている間に大人はゆっくり家事やお喋りができるので、大人にとっても利便性が高いおもちゃでした(笑)