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健康な人が気管支喘息とハウスダストアレルギーを発症する職場環境

1年前まではごく普通の健康な会社員だったが、勤務先の埃っぽい環境に長く身を置いた結果、ハウスダストアレルギーと気管支喘息が持病になってしまった。

今まで、喘息やアレルギーの既往症はおろか、入院や手術をしたことさえない健康体だったので、どういう条件が揃えば、健康な人がハウスダストアレルギーや喘息を発症してしまうのかをシェア。

なお、 発症に至るまでの経緯や症状を折に触れ人に話すことがあるが、 医師・転職時の面接官・人材コーディネーターの方々・友人・親戚に至るまで、

 「こうした事例は聞いたことがないですね…」
 「本当にいまどきそんな会社あるんですか?」
 「にわかには信じがたい」
 「何回聞いても、大変そう」
 「……(絶句)」

と、驚愕からしみじみとした同情まで、皆様いろいろな反応を返して下さるので、際立って特異な環境に身を置いていたことだけは確かだ。

気管支喘息とハウスダストアレルギーを発症した職場環境

5年以上掃除されていない部屋

私は普段サーバを操作するエンジニアとして働いているが、当時の勤務先(ワークスアプリケーションズ社)に、顧客サーバを遠隔操作で扱うことが特別に許されている部屋あった。

その部屋で毎週週4から週6くらい、朝10時前から夕方〜夜23時まで2年半に渡って勤務し続けたら、気管支喘息とハウスダストアレルギーを2点セットで発症した。

発症後に分かったことだが、その部屋は会社側がビルの清掃業者に入室を許可しておらず、入室に必要な電子カードも渡していなかった。そのため、その部屋は5年に渡って、殆ど掃除がされたことがなかった(!)。 確かに、その部屋はぱっと見てすぐに分かるほど埃の量が桁違いで、部屋全体が倉庫か紙屑入れのようだった(笑)

「埃の多い部屋だな」
「この部屋に入ると、よく咳込むな」

と思ってはいたが、勤務先はワークライフバランスを無視した業務量でも有名な企業だったので、私も殺人的業務量のとばっちりを受け、平日には通院はおろか、美容院で髪を切る時間(約1時間)すら取れない有様だった(これでも女なのだが…)。

黒いパソコンのキーボードに、埃が隙間なくびっしりと積もっている写真。キーボードは日本語表示で、EscキーやTabキーが写っている。背景は灰色の金属製の台。

↑ 数年間まともに掃除されていない部屋に置かれていたキーボード。とにかく埃が凄い

定期清掃を導入しようと、ルンバ購入の稟議を勤務先にかけあったり、面談の折に上司に相談したりはしていたが、いかんせん割ける時間が少なく、会社も金を生まないことには積極的に動いてくれない。
私の担当していた業務はその部屋でしかできなかったため、埃に耐えながら、業務を続けざるを得なかった。

ちなみに、最終的に発症したハウスダストアレルギー&気管支喘息は、マスクをしてもスーパーや衣料品店に入れないレベルのものだった。入店すると10分以内に息切れが起き、呼吸が苦しくなり、心拍数が毎分90回を振り切って喘息発作が生じる。

現在、絶賛労災手続中である…。

職場全体が埃だらけ

白い窓枠に灰色の埃がびっしりと積もっている写真。窓枠の下に、灰色の電源タップがあり、電源タップにも埃が積もっている。

↑ 室内のガラス窓付近

部屋単位の汚さランキングは「5年間掃除されていなかった部屋」がトップだが、5年間掃除されていなかった部屋が目立たない程度には、他の部屋も十分汚かった(笑)
企業別で見ても、残念ながら、今まで勤務させて頂いた会社の中でこの企業が最も汚く、汚さレベルもダントツだった。

今思い返すと、コピー機も自販機も電子レンジも冷蔵庫も傘立ても、とにかく会社内にあるありとあらゆる物に、埃が積もっていた。
「うっすら積もる」という生やさしいレベルではなく、歩きながら3〜5m離れた場所から視界に入った時に、「埃が積もっているのがはっきりと分かる」ようなレベル。

気管支喘息を発症した会社で、当時置かれていた傘立てを撮影した写真。黒い傘2~3本の柄に埃で積もり、柄が灰色になってしまっている。

↑ 勤務先に置かれていた傘立て

事業所全体の清掃はビルメンテナンス会社に外注していたが、依頼内容が掃除機かけとゴミ捨てだけで拭き掃除を依頼しておらず、時間を割いて拭き掃除をしないといけないという風潮も社内にないため、机や棚や傘立てなど床より上にある備品には、埃や髪の毛や紙ゴミが静かに降り積もっていた。

ちなみに当時は、机を軽く水拭きすると1時間もしないうちに、またうっすらと埃が積もった(!) 勤務先はおしゃれなビルの高層階で
、窓は全てはめ殺しで室内は埃だらけなので、空気中に漂う埃が多すぎたようだ。

従業員は、10cm先に埃がどっさり積もった台に珈琲入りのマイコップを置いたり、蓋を開けた衝撃で埃が舞い散りそうな電子レンジで、持参したお弁当をチンしたりしていた…

気管支喘息を発症した会社で、当時置かれていた執務机を撮影した写真。薄い灰色の机の上に、はっきり見えるくらい埃が積もっており、髪の毛が2本落ちている。水色と青色の2種類のLANケーブルのコードが、机の上に這っている。

↑ 勤務先の執務デスクの上。大体どの机もこんな感じ。

従業員は埃だらけでも平気

あまりに埃が多いと、働く人も感覚が麻痺してくるのか、目の前の机や椅子やパソコンに慢性的に埃がびっしり積もっていても、気にも止めずに仕事を続ける方が大多数。 掃除をしようという考えが、まず頭に浮かんでいなかった。
それよりも仕事で目に見える成果を出し、人事考課で社内評価を上げて、出世したがっている人の方が多かった。従業員の約9割を男性が占める職場だったからだろうか。

机だけでも定期的に水拭きして貰おうと、勤務先の本社の部署に掛け合ったことがあるが、

「東京本社で先行して行ったことがあり、猛反発を受けた」
「拭き掃除をして欲しいというニーズが、地方事業所にあるとは考えにくい」

という理由で却下され、驚いた。

今までお世話になった他の勤め先は、定期清掃の方が毎朝軽く水拭きして下さったり、デスクの島ごとにウェットティッシュの筒↓が置かれていて各自拭くことになっている職場ばかりだったので、「清潔や社内衛生に、ここまで無頓着な会社があるのか…」と呆れた。

後日デスクの島ごとにウェットティッシュを置くよう要望してみたが、

「東京本社ではそうしたことを行っておらず、地方事業所だけ行うと本社も行わなければならないので、許可できない」

という理解不能な理由で、またしても却下された。
役員や顧客が頻繁に出入りする本社こそ、こまめに掃除した方がいいと思う…

私物を好きなだけ持ち込んで構わない職場で、おもちゃのフィギュアや日本酒や山積みのレトルトカレーが、人様のデスクに置かれているのを見かけたことがあるので、机を触られる=自分の部屋を荒らされる、という気分になるのかもしれない。

ビル空調設備が壊れている、強制的に停止させられる

こちらも喘息発症後に判明したことだが、ビル空調の約半数が、壊れたり風量を変えられていたりして、本来の性能を発揮できない状態のまま放置されていた。

事業所の入ったビルの空調設備は、定期的に点検することが法律により定められているので、ここまでくると立派な法律違反である。

だが、空調設備が壊れていても、異音でもしない限り、従業員は気が付かない。私の場合も、喘息発症後9ヶ月が経った頃に、社内調査を経てようやく判明した。定期点検が必要という事実も、法律に明るい方や長年人事総務に携わった方でなければご存知ないだろう。そのため、盲点にはなりやすい。

相対湿度が40%未満で、毎年冬に風邪・インフルエンザが蔓延する

職場内の相対湿度は、季節を問わず40%から70%の間であるよう、建築物衛生法で定められている。しかし私が喘息とハウスダストアレルギーを発症した職場は、秋・冬・春にかけての相対湿度が、法の定める基準値40%を下回っていた。

相対湿度が40%を下回ると、喉等の上気道の粘膜が乾燥し、抵抗力が下がる。埃の多い職場なので、粘膜は埃等の異物でも傷つけられ、更に抵抗力が下がる。逆にインフルエンザウィルスの生存率は、相対湿度40%未満の方が高くなる。

結果として職場環境は、ウイルスなどが体内に侵入しやすく、発症もしやすい環境になっていた。

そのためか、私の勤務先は、以前勤めていた職場と比べて、冬に風邪やインフルエンザでダウンされる方の数が非常に多かった。
20代~30代前半の男性が職場の約9割を占めており、スポーツ好きな人も多かったので、病弱な人が多いわけではない。にも関わらず、毎年冬にはチーム内・部署内で次から次へと風邪・インフルエンザの罹患者が出て、どのチームも急に人が欠け、仕事に支障が出ていた。

新卒入社でその勤務先で働いている方は特に疑問に思わなかったようだが、以前製薬会社で勤務した経験がある人間から見ると、少々異様と思える状況だった。

また、風邪・インフルエンザは、気管支喘息の悪化要因の1つである。私自身も発症前の冬に2度も風邪を引いたので、発症していた喘息はより悪くなったのだろうと思う。

花粉症・アレルギー性鼻炎・目のかゆみに苦しむ方が多い

職場に5年10年と勤めている従業員に、花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギーによる目のかゆみを訴えている方の数が、不思議なほど多かった。

喘息治療を続けていると、どうしても世間話で体調の話が出る。その際、「私もハウスダストアレルギーです」「私は鼻炎があります」等々、会う人会う人アレルギーや花粉症の症状があることを口にされる。

調べてみると、埃の成分にはハウスダスト・ダニ・花粉等が含まれているので、埃が多い=花粉も多い ということになる。勿論ハウスダストやダニも多いので、花粉症の方、アレルギー性鼻炎の方に出くわしやすいことにも、合点がいった。

なお、私の他にも、喘息の方、喘息一歩手前の症状が出られた方も各1名おられたことを付け加えておく。

気管支喘息とハウスダストアレルギーの発症に至るまでの時間

約2.5年

勤務した期間は3年1ヶ月だが、最初の半年間は見習いということもあり、仕事の負荷が軽く、残業時間も短く、埃部屋で働く時間もそこまで長くなかったので、実質2年半と考えていいと思う。

発症者の病歴や体質

入院歴・手術歴なし。会社員なので、年1回の健康診断受診を義務付けられていたが、痩せすぎ以外では引っかかったことはなかった。(痩せすぎでBMIだけ毎年引っかかっている)

病気は、年に1回風邪を引く程度。2ヶ月に1度くらい偏頭痛、半年に1度くらい生理痛で2〜3時間ほど動けなくなることがある。花粉症はなし。子供の頃、アトピーの症状は数年出ていたが、小児喘息を患ったことはなかった。

発症前は気づいていなかったが、発症後に血液検査を受けると、2回ともハウスダストアレルギーとダニアレルギーが陽性だった。但し、陽性と言っても7段階中の2のレベル(RAST値が2)でしかなく、発症確率は約13%。

終わりに ~好きなことができなくなる~

喘息は一度発症してしまうと、現代の医学では治す方法が確立されていない。ハウスダストアレルギーも同様に、確実に治す方法が見つかっていないので、毎日毎日抗アレルギー薬と分厚いマスクで症状を抑えるしかない。

それでもスーパー・コンビニ・衣料品店・書店・図書館に入れないなど、日常生活はかなり制限を受け、不自由な暮らしを強いられた。
 → 筆者が入れない店・場所についてはこちらへ

好きなところに自由に行けないと、苦しく、ストレスも溜まる。ストレスが溜まっても、下手なところに出向くと逆に発作が起きるので、自宅等の限られた場所で発散させるしかなく、そんな状態が何ヶ月も続くとさすがに気が滅入ってくる。

仕事でも活動が制限され、私のようにエンジニアから事務仕事へ異動させられたり、転職を余儀なくされたり、やりがいのある仕事ができなくなったり、年収が大幅に下がったりする。

ハウスダストアレルギーも気管支喘息も、発症する前に環境を正してしまう方が圧倒的に楽であることは、疑いようがない。
掃除が面倒で、掃除することに意義を見いだせなくなったら、こうした事例を思い起こして頂ければと思う。

気管支喘息の発作が起きる場所(ハウスダストアレルギー・ダニアレルギーの患者の場合)

「喘息の症状をを惹起じゃっきさせるものがあるなら、それから離れることが治療の第一」

とお世話になっている喘息専門医の先生が仰られていたので、自分が今までに喘息の発作を起こした場所と、その状況をメモ。
同じ病気&体質で苦しむ方の参考になれば。

■気管支喘息の発作が起きた場所・状況

・衣料品店

具体的には、5階建のUNIQLO店舗の1~2階フロア、GUCCI・LOUIS VUITTONの立ち並ぶ地上階の婦人服フロア、スーパーの2階に併設されている衣料品フロアがNG。

特にUNIQLOは酷く、5階建のUNIQLO店舗の1階に足を踏み入れて1分も経たないうちに、心臓がばくばくと脈打ち、心拍数が跳ね上がり、呼吸が浅く速くなった。大急ぎで品物を買い滞在時間10分程で店外(屋外)へ逃れたが、残念ながらアウトだった。

翌日から容態が悪化して毎日小発作を起こし、平地でも5分も歩くと息が上がるようになり、発作用吸引薬(サルタノール)の使用回数が、週0回から週2回に急増した…。特に歩行時の息切れは顕著で、15分ごとに立ち止まって休憩を挟まないと、呼吸が苦しくて歩き続けることができなかった。

喘息発作・喘息症状とも衣料品店にいる時が最もひどく、抗アレルギー治療を始めて4ヶ月を過ぎても、衣料品フロアは入るだけで喘息の症状が出る。よほど喘息&ハウスダストアレルギー患者の身体に合わないのだと思う。私の喘息発作の引き金となるのは埃(ハウスダスト)だが、ハウスダストの成分の約50%は衣類や布製品から出る繊維らしいので、掃除や換気で除去できる量をはるかに上回る繊維類が、空気に乗って店内からフロア中に広がっているとしか考えにくい。

現在は、衣料品店・衣料品フロアには立ち入らないようにしている。衣服は、ネット通販でしか購入しない。ただ、UNIQLOだけは例外で、店員さんに事情を話し、代金を支払った後自宅で試着させて頂いている。(気に入らなければ、翌日レシートと服を持ち込むと返品できる。UNIQLOさんに陰ながら感謝)

・スーパーなど品揃えの多い小売店

具体的には、百貨店地下2階の食品売り場、地元のスーパー3件、ホームセンター1件がNG。

スーパーは、文字通り毎回喘息発作を起こす。非常に高確率で10分~15分以内に動悸・息切れの症状が出るので、今では抗アレルギー剤の効き具合を確かめるバロメータにしているくらいだ。どの食品エリアが喘息発作を誘発しているのかは、残念ながら分からない。

高級路線の新築スーパーが最も喘息発作がひどく出るので、高級品が多い=商品の回転率が悪い=埃が積もりやすい のだろうかと推測している。良心的な価格帯で通路が広めのスーパーが、喘息症状が一番マシだった。

百貨店の食品売り場は、アルコール類の置いてある区域が駄目だった。ウイスキーやワインの瓶に埃が積もっていた時点で、購入を諦めた方が良かったと後で反省した。
お酒は腐らず生鮮食品に比べて製品の回転率が低いので、古い埃が積もりやすいのだと思う。

喘息治療がかなり進んだ後でもNGだったのが、ホームセンター。売り場をうろついているだけで頻繁に咳が出る。こちらも素人が日常的には使わない製品が多いので、製品の回転率が低く、古い埃がうっすら積もっていた。

現在は、食料品店・ドラッグストア・雑貨店等の小売店舗には立ち入らないようにしている。 物の多い場所や、倉庫から出したばかり物が多い場所は、手入れが行き届かず、物に埃が残っている可能性が高い。

購入は極力ネット通販を利用するようにしているが、牛乳を切らした時など、どうしても店舗に入らざるを得ない時もある。その場合は、ウイルス対策マスクのうち最も信頼できるマスクを身に付け、欲しい商品がどこに置かれていか店舗内マップで事前にチェックして、入店から退出まで10分以内で収まるようにしている。
 → おすすめのウイルス対策マスクについては、こちら

但し、体調が良い時に5分程滞在するくらいなら発作が起きないこともあるし、コンビニは起きる場合と起きない場合があるので、全ての小売店が常に危険なわけではない。

・コンビニ

具体的には、行き慣れたセブンイレブン1店舗。

セブンイレブンの店頭を撮影した写真。「7-ELEVEN」の看板が写っている。

↑ コンビニ(セブンイレブン)

気管支の調子の良い時は、ファミリーマート3店舗・セブンイレブン1店舗のどこに入店しても問題なかったが、喘息発作の起きたその日に通い慣れたセブンイレブンに入すると、3分も経たずに発作が起きた。

発作が起きると気管支が過敏になるため、普段なら問題のない場所でも喘息症状が出やすくなってしまう。調子の悪い時には、コンビニ全般を避けた方が無難。

・パソコンやサーバの多い部屋

喘息治療を始めて半年以上経った今も、N95マスクという高性能マスクなしに勤務先に入室すると、動悸と息切れの症状が出る。症状が最もひどかった時は、勤務先でただ座ってパソコン操作をするだけで、動悸・息切れ・呼吸困難の喘息小発作を毎日起こしていた。座っているだけの2時間の会議の途中で、胸骨が上下し口から息を吐かないともたない程の息切れが起き、会議を途中退出したことも何度かある。

最終的には職場の産業医からドクターストップがかかり、ハウスダストアレルギーが収まるまで休職とのことで、休職2ヶ月半を言い渡された
休職が解け時短勤務者として職場復帰した後も、抗アレルギー剤の薬とN95マスクで防御している状況で、職場で3回以上発作を起こしている。

当時の勤務先は、ワークスアプリケーションズという人事系システムの開発と運用を手掛けるIT企業で、パソコン台数が多い上に管理が悪く、フロア中が埃だらけだった。壁や仕切りのないだだっ広いフロアに、人が120人以上、パソコンが150台以上、社内検証用のサーバが十数台置かれていた。通路は狭く、デスクのあるフロアは芋の子を洗うような人口密度で、人とパソコンとの間隔も広いとは言い難かった。その上、古いブレードサーバーなど埃を溜めそうなサーバ・デスクトップ型パソコン類も、サーバルーム等の別室に隔離して音・温度・埃を管理することなく、電源が常時入った状態で、手近な机にむき出しのまま置かれていた。

この勤務先は何故か職場全体で衛生観念に欠けており、殺虫やカーペット洗浄を行ったことがなく、棚やロッカーの拭き掃除も定期的には行われていなかった。自分が普段使っているデスクを水拭きすると、1時間後にはまた埃が積もってしまうほど、埃の量が多かった
職場内にある冷蔵庫や珈琲メーカーなど食品の置かれているエリアも例外ではなく、慢性的に埃が積もり、珈琲メーカーも冷蔵庫もさも当然のように埃にまみれていた。

…ビルの清掃業者が、床だけ毎日掃除機をかけて下さっていたにも関わらず、この有様だったということには、絶望するしかない。

ITに造詣の深い方はご存じかと思うが、年単位で利用されていたパソコンは、外蓋を開けると中が埃だらけだ。パソコンの蓋を開けた後、技術屋がまずやるのは、掃除機やエアダスター↓というスプレーで埃を取り除くこと。そうしないと、メモリもCPUも埃に隠れてよく見えない(笑)

パソコンは熱が溜まりやすいため、放熱の為のファン(小型扇風機のようなもの)が備わっており、冷えた外気をパソコン内部に取り込んでパソコンを冷やし、温まった空気をまた外部へと送り出す仕組みになっている。埃は空気中に舞っているので、ファンを通じて空気がパソコン内部を通るたびに、パソコン内部に埃が徐々に蓄積されてしまうようだ。つまり、「パソコンは埃の貯蔵庫」とも言える。
パソコンやサーバは精密機械なので、元々熱や埃に弱い。いい技術者がいると、ハードウェアのメンテナンスをするついでに、パソコンの中も軽く掃除をしてくれる。が、知識のない方ばかりだと、何のメンテナンスもされないまま酷使されるので、壊れるのも早い。

喘息持ちが勤務する際、最優先事項は年収や働きがいではなく、共に働く人の衛生観念と空気環境だ。実際私は、年収や働きがいは申し分なかったが、職場の衛生観念や就業環境が変わる気配がなかったため、出勤すらままならなくなり、やりがいも年収も半分以下に急減し、退職を決意した。

職場の同僚(特に上司)の衛生観念は、必須でチェック頂いた方がいい。男性の多い職場は、特に要注意。一般的に男性より女性の方が綺麗好きで、汚れているところがあればこちらが指摘する前に気づいて掃除してくれることが多く、こちらからお願いした場合も快く掃除してくれる。

当時の職場は、超長時間労働も蔓延していたので、課長職以上に男性しかいなかった。女性管理職が1人でもいれば多少なりともマシだっただろうに、と残念に思う。

・換気窓のないビルの高層階

 
具体的には、換気窓のないオフィスビルの20階・21階。

埃(ハウスダスト)は、主成分が布製品の繊維で、その他ダニ・髪の毛・皮膚・紙ゴミ・花粉などから生成されている。そのため、屋外から入ってくる量より、人とその周辺から生成される量の方が多い。窓を開けて風が通り換気が出来ると、部屋を舞う埃(=喘息発作を引き起こすアレルゲン物質)が減り、喘息持ちは楽になる。(外から入ってくる土埃はアレルゲン物質ではないので、吸ってもハウスダストアレルギーによる発作は起きない)

ダニは、気温25度前後で湿度が高く、日の当らない場所に好んで棲息する。カーテンやブラインドで日差しを遮っている部屋は要注意。外向きの窓が無いとこまめに換気出来ないため、ダニも繁殖しやすくなる。
生きているダニではなく、ダニの卵や粉々になったダニの死骸など、よりサイズの小さいダニの方が体内に取り込まれやすく、悪影響を及ぼしやすい。体内に多量に入ると、アレルギー症状を引き起こしてしまう。

気管支喘息を患ってからは、

 「喘息症状が出た時、すぐに外の空気を吸えるか」
 「外向きの窓を開けるか」

の2点が、外出先や滞在先を選ぶ基準になった。ビルの高層階で外開きの窓がない部屋にいると、エレベーターに乗らないと屋外の空気が吸えないため、喘息発作が起きた時外に逃げるのに時間を要し、発作が長引くことが多い

発作用吸引薬を使って対処療法で発作を収めても、喘息発作の起きやすい環境(=ハウスダストなどの気管支を刺激する物質が空気中に多く、気管支が刺激されやすい環境)にいると次なる発作が起きかねないので、なるべく早く逃げられることは大事。外の空気が30秒以内に吸えると、軽い喘息症状なら吸引薬なしでも10分程度で収まる。

※花粉症もお持ちの方は、花粉の飛び交う季節に窓を開けると、症状が悪化する恐れがあるのでご注意を。

・2時間以上の睡眠不足

普段より2時間以上短い睡眠で起床した日は、終日速すぎる心臓の鼓動と呼吸困難に悩まされる。普段発作が起きた時、発作用吸入薬は1回2吸引を使えば収まるが、2吸引を2回以上繰り返さないと収まらない日もある。

小発作まで進行しないとしても、睡眠不足の日は心拍数が終日毎分80回を超えていたり(普段は毎分60回~70前半)、喉や肺がムズムズして調子の悪いことが多いので、自分に必要な睡眠時間の長さは把握しておいた方がいい。それを下回って起床した日は、昼寝や仮眠をしてでも、睡眠不足を補う方が良さそう。

・衣替え

具体的には、夏物から秋冬物への衣替えの作業と、畳んだ衣服約50着が保管してある木製棚の棚板4枚を高さ調整した時がNG。

衣料品はよほど気管支喘息とハウスダストアレルギーに良くないのか、窓を全開にできる環境下でも、衣替え作業に没頭すると発作を起こしてしまった。特に棚板の高さを調整する作業は、衣服を出し入れしながら10分以上に渡って大量の衣服の周りや棚に近づいたままになるので、息切れの強い喘息発作が起きた。

「よく使いよく洗濯する清潔な衣類」は発作リスクが低いと思っていたが、状況によってはNGとなることに、改めて気付かされた。

・築30年以上の古いビル

具体的には、築40~50年の雑居ビルの地下2階、築30年以上の銀行ビルの1階、築80年の石造りのビルの3階。

古いビル内の風景を撮影した写真。石造りでエレベーターホールが見えている。

↑ 築年数の古いビル

埃が溜まっているから駄目なのか、ビル建築に使われた材質が古いから駄目なのかはよく分からないが、築30年以上の古い建物も高確率で小発作が起きる。

フロアに滞在して10分も過ぎると動悸・息切れの症状が出るので、慌てて屋外に逃げている。10分以内に気付いて屋外に逃げられるなら翌日まで動悸・息切れを引きずることは少ないが、事務手続きなどで1時間以上の滞在を余儀なくされると、翌日から1~2日は、気管が狭まり動悸・息切れを起こしている。

ただ、私の実家は築35年だが、毎日のように掃除機や拭き掃除をしているので、連日終日滞在しても喘息発作は起きない。古くとも、広すぎない住宅で掃除が行き届くなら、問題ないのかもしれない。

・長時間(1日合計5時間以上)の会話

職場の上司との面談で約2時間話し、その後掃除の行き届いた居酒屋で、水と梅酒1杯を交互に呑みながら、3時間半ほど職場の先輩と1対1で会話した翌日、喘息の症状が目に見えて悪化した。

居酒屋店内にいる時から奇妙な疲労感を感じていたが、帰宅後は強い睡魔に襲われ、何もせずそのまま眠った。翌朝起きると強い疲労感・倦怠感があり、15分以上連続歩行出来ないほど気管支が狭くなり喘息が悪化(増悪)していた。(数日前は30分間連続歩行出来ていた)

痰も普段の倍の頻度に増え、発作用の気管支拡張薬を吸引するまで、心臓が速いテンポでずっと脈打っており、口元に手を当てると明らかに息が吐かれているのが分かるほど、呼吸が荒くなっていた。

普段からあまり長々と話すタイプではないので、急に何時間も話すと、肺や気管支に負担がかかるのではないか、と推測している。

・美容院

具体的には、商業施設の3階にある20席くらいの美容室。
10年以上通っている美容室だが、体調の悪い時に1~2時間滞在した際、その日から翌日にかけて喘息の発作が起きた。

■気管支喘息の発作が起きかけた場所・状況

・閉め切った部屋でお焼香を焚かれた時

親族の20人程が集まる法事で、扉・窓を閉め切った部屋で法事を行った時、お焼香の煙で気管支がムズムズし、軽い発作が起きかけた。

幼児や子どもの参加者がゼロだったため、騒ぎ声や笑い声が少なくシーンとした雰囲気で、お経開始早々に席を外して外へ出ることも憚られ、辛かった。

法事は、喘息に良くないと分かっていても、回避しづらいイベントの1つだと思う。
お線香やお焼香の煙は気管支を刺激するので、喘息発作を誘発する恐れがある。が、近しい親族やお世話になった方のお通夜・お葬式は、出ない訳にもいかない。せめて窓もしくは出入口付近の席を確保し、少しでも肺や気管支に良い空気を得られるよう注意したい。

ちなみに、屋外のお墓参りでお線香数本をお供えする程度なら、特に問題なかった。

・水を挟まずお酒だけを飲む

アルコールで喘息が悪化するかは、何度か試したことがある。私の場合は、水を挟まずにアルコールだけ飲み続けると、その日の夜から咳込む回数が増え、症状が悪化した。

だが、水 → お酒 → 水 → … と交互に口にしながら1杯を2~3時間かけて呑むと、喘息症状が起きない。酒に弱いと、こうした飲み方でも十分ほろ酔いになる。

現在は、職場の大規模飲み会(送別会以外)は喘息を理由に全て断り、煙草を吸わない人を中心に6名以下の少人数で飲み会を開くよう心掛けている。こうした場だと、飲み会開始時点から水やお茶を頼みやすく、万一発作が起きた場合も、途中帰宅しやすい。

・掃除機かけ・水拭き掃除・棚の掃除

畳の上に黒いルンバが置かれている写真。ルンバのボディは黒で、縁の部分は灰色。畳は黄色っぽくなっている。

↑ ルンバ

具体的には、ルンバで掃除する時と、雑巾で古い埃の残った場所を水拭きする時。

自宅でも、マスクなし・換気なしで掃除すると、容赦なく喘息発作が起きそうになる。呼吸が荒くなったり、胸が苦しくなったり、咳が出たりする。特に古い埃がたっぷり積もった場所は非常に危険。喘息を患った後は、掃除にルンバと脚立が必須になり、掃除の仕方が大きく変わった。
 →喘息の悪化を防ぐ掃除方法については、こちらへ

自宅の掃除は自分のペースででき、発作の気配を感じたら掃除を中断して窓の外に逃げればいいので、毎度発作には至らない。

・スターバックス

スターバックスコーヒーの外観を撮影した写真。屋外に置かれている緑の日よけテントが写り込んでいる。

↑ スターバックス

具体的には、オフィス街の一角にあるスターバックス1Fの、レジ・ドリンク受取口の周辺。

基本的に喘息がコントロール不良(=発作が起きやすい)でも飲食店はほぼ入店できるのだが、スターバックスは唯一の例外だった。店舗に入って3分程経つと、呼吸が荒くなった。店員さんがドリンクを作るエリアの壁際に埃がそれなりに積もっていたので、意外にもスタバは掃除に力を入れていないようだ…。

幸いスタバは屋外席が充実しているし、テイクアウトもできるので、5分以内に屋外へ逃げることができ、喘息発作には至らなかった。

・図書館

具体的には、区役所の地下1階にある小規模図書館と地下1階~2階建の市立図書館。

図書館では出入口や壁周辺に埃が積もっており、入室して数分も経たないうちに動悸&息切れの喘息症状が起きるので、本が読めない(笑) 入館後10分以内に借りたい本を全て借りてすぐ外に出なければ、身体が危険。
市立図書館は、建物が大きく出入口が広いので出入口近辺では問題ない。が、地下1階など本が多く外気が届きにくいところに行くと、動悸&息切れの症状が出てくる。
図書館は人も物(本)も多いので、掃除が行き届きにくいのかもしれない。

・紙煙草のけむり

気管支喘息を患ってから、喫煙中の人には一切近づかなくなった。

道端で吸っている人がいれば、3~5m離れて風上に立つようにしている。職場の飲み会も、喫煙者が1人でも出席されるのであれば、喘息治療を理由に、欠席にして頂いている。
気管支喘息を患うと、普通の人よりはるかに気管支が過敏になるので、さまざまな有害物質を含んだタバコの煙は、百害あって一利なし。道行く人の副流煙が原因で発作が起き、自分の薬の量が増えるなんてバカバカしすぎる。なお電子タバコも、通常の煙草よりも少ないが有害物質が含まれていることに変わりないので、紙タバコと同じ扱いにしている。
 → 職場での受動喫煙を避ける方法については、こちら

・木工製品用ワックス(BRIWAX)を長時間塗った時

正確には、夏に換気している室内でBRIWAXを塗布した時。

BRIWAXは喘息治療を1年以上継続した後に使ったが、それでも塗布中に咳が止まらなくなり、苦しい思いをした。

BRIWAXには、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドや、トルエンなどの揮発性有機化合物が含まれている。塗布後十分換気を行い数時間経つとこうした化学物質の濃度が薄まるのだが、塗布中は人体に影響を与えるほど高濃度で化学物質が空気中を漂っている。それが、気管支に悪影響を及ぼす原因になったと考えられる。
 →BRIWAX塗布中に空気測定を行った記事についてはこちらへ

■発作が起きない場所・状況

発作が起きても不思議ではないのに起きなかった場所も、参考までにメモ。
基本的に、屋外はどこも問題なし。気温の高低や天気・季節の移り変わりも問題なし。
食べ物も、お酒以外は問題なし。辛い食べ物も、中辛カレーとキムチと生姜とわさび少量と和からし少量はセーフだった。

・真冬の屋外

冷たい空気が気管に入ると喘息発作が起きやすいらしいが、屋外にはアレルゲン物質が少ない所為か、喘息の症状が悪化したり発作が出たことは今のところない。
(当然の事ながら屋外に出る際は、マスクをつける、首元にマフラーを巻く、等の最低限の備えはした上で外出)

・排気ガスの多いところ

勤務先や自宅は都会のど真ん中にあり、大気の空気質はさほど宜しくない。近くに広い国道もあり、3車線は当たり前という環境。平日祝日とも交通量は多く、車のストップアンドゴーも頻繁に行わるため、排気ガスの量も多い。
だが不思議と、排気ガスを吸うことで発作が起きたことは、今まで1度もない。

但し、排気ガスの多いところなど、慢性的に空気の悪いところで育つと呼吸器疾患になりやすい・悪化しやすいという研究結果は出ている。排気ガスでは発作が起きない方も、避けられるなら避けた方が無難。

・大都会の人混みの中

幸か不幸か都会暮らしなので、往来の激しい大都会の地下通路を行き来することも多い。が、不思議と呼吸困難になったことは1度もない。

・飲食店(スタバ以外)

ハードロックカフェの店の看板を斜め左下から撮影した写真。写真は夏の昼間に撮影された。

↑ カフェ

スターバックス以外の飲食店で、呼吸困難や喘息症状が出たことは一度もない。普段分煙か全席禁煙の店しか入らないようにはしているが、飲食店の客席フロアには元々物が少ない上、机が頻繁に水拭きされるなど掃除がそれなりに行き届いているからだと推測している。

・土埃の舞うグラウンド

晴天続きのある日に、小学校のグラウンドで半日運動会を見る機会があったが、土埃はアレルゲン物質ではないので、喘息発作は起きなかった。ハウスダストアレルギーのアレルゲン物質に該当するのはいわゆる「綿ぼこり」で、「土ぼこり」は対象外。

■注意事項

※ 私はハウスダストアレルギー及びダニアレルギーを発症したことが元で気管支喘息(アトピー型気管支喘息)を発症したため、ここではハウスダストアレルギーとダニアレルギーが起因となる気管支喘息発作について記載する。
同じ気管支喘息でも、アレルゲン物質がハウスダストやダニではない方は、避けなければならない物質や状況が違ってくると思われるので、ご注意を。なお、一般的に、アレルギーだけが気管支喘息の発作を引き起こす要因ではなく、冷たい空気やストレス等、他の原因で発作が起きる方もいる。

※ 気管支治療用吸引薬を毎日吸入し、マスクを着用している状態で、喘息発作が出た(出そうになった)場所・状況だけを記録する

気管支喘息治療中に吸入薬(レルベア)の副作用が出た…

気管支喘息の治療でよく用いられる薬に、レルベアという吸入薬がある。粉末のステロイド剤で、口から吸い込むことにより気管支や肺に薬を届ける。ステロイド吸入薬は、気管支や肺に直接薬が届き、吸収された後は肝臓でステロイドが分解されて全身には廻らないので、全身性の副作用が少ないことで知られている。

が、レルベアの薬の説明書等に書かれている「カンジダ症」という副作用が、自分の身体に起きてしまった(笑) 痛みのある副作用ではなく、日常生活にさほど支障がないので、「免疫力を高めればそのうち治るだろう」と楽観していたが、レルベアの吸入治療を続けながらのカンジダ症治療は、なかなかに忍耐と時間を要するものだった。

気管支喘息の吸入薬「レルベア100」と「レルベア200」

↑ レルベア100とレルベア200

発症とその後の経過と病状

<発症時>

上顎の裏を舌で触るとざらつき、手で触ると白いものがついた

免疫を正常に戻すためカルピスの「守る働く乳酸菌L-92」飲料を毎日飲むよう心掛けており、レモンと同時に摂取することも多かったので、「カルピスの成分が固まって顎についたのかな」と思っていた(笑) ←阿呆。
「守る働く乳酸菌L-92」の詳細については、こちらの記事へどうぞ

<発症から1~2週間後>

喉に違和感があり、声が出にくい。

「布団にダニが増えてきたかな」と思い、布団を頻繁に天日干しして布団専用の掃除機をかけたが、喉の違和感は収まらず。
「風邪かな」とも思ったが、熱や咳がなく、身体にだるさや悪寒の症状もない。毎日続けていた冷水浴をやめても、症状変わらず。
喉も痛みは全くなし。喉の奥は終日乾いている感じ。上顎の裏は、ぬめぬめざらざらとしている。

<発症から3週間後>

声が枯れた。

「薬の副作用かも」とようやく思い至り、使用中の薬を調べたところ、レルベアの副作用欄に「声枯れ」「喉の違和感」「口腔・呼吸器カンジダ症」が記載されていた。
鏡の前で口を大きく開き、ペンライトで口の中を照らして覗いてみたところ、①上あごから喉にかけて、②左頬の内側、③上唇と下唇 の皮膚が白くなっていた。特に①は酷く、真っ白に近い状態だった。

口腔カンジダ症(偽膜性ぎまくせいカンジダ症)とは

口腔カンジダ症は、普段から口腔内に存在している“カンジダ菌”という菌が起こす感染症。カンジダ菌はカビの一種。健康な人が免疫力を保っていると発症しないが、免疫力が下がっている時に発症しやすくなる。そのため「日和見ひよりみ感染症」とも呼ばれている。

レルベアなどのステロイド薬を長期間吸入し続けていると、口腔内の菌のバランスが崩れ、カンジダ菌が増殖し、発症しやすくなる。副作用(=口腔カンジダ症)を防ぐため、レルベアの説明書には吸入後必ずうがいをするよう記載されている。

口から粉末を吸い込んで服用するレルベアは、口から飲み込んで服用する内服薬と比べ、体内に入るステロイドの量が100分の1程度で済むという大きなメリットがあるが、反面、薬の一部が口の中に残ってしまうという欠点がある。

筆者も、レルベアの吸入とうがいを毎回セットで行っていたが、残念ながら副作用を防ぐことが出来なかった。毎回のうがいの時間が短すぎたようだ。職場復帰のため親会社とすったもんだのやり取りをしていたところに、日商簿記の試験が立て込み、気が休まらない状況が3週間ほど続いた頃に発症したらしい。

発症までに吸入したレルベアの種類と量

レルベア100をひと月半、レルベア200を3ヶ月程吸入した頃に発症した。カンジダ症を発症してからも、現在に至るまで、レルベア200の吸入は1日1回毎日行っている。

自宅で素人が治療

次回の呼吸器内科診察日まで日があったため、まずは自宅で治療を試みた。

とにかく口内を清潔にしようと思い、歯磨きを朝昼晩と1日3回に増やし、歯磨きのたびにコップにうがい薬を1~2滴垂らし、ガラガラうがいをした。歯ブラシやうがい薬が手元にない時は、水や緑茶など砂糖を含まない飲み物で口をゆすぐことだけでも、定期的に行った。

2種類のうがい薬を正面から撮影した写真。向かって左が「ネオステイン・グリーン」、向かって右が「アズノール」。どちらも口腔カンジダ症の治療に使った。

↑ 治療に使用したうがい薬

食べカスが口の中に残っていると、口腔の白い面積が目に見えて増殖するので、間食を控えた。どうしても間食せざるを得ない時は、食べカスが残りやすいものと甘いものを避けた。

3ヶ月間で体重が数kg減りガリガリに痩せてしまったことが免疫力が落ちた原因かもしれないので、1回の食事で食べる量を増やし、体重を少し戻すよう心掛けた。
毎日の仕事や家事のうち、先送りできるものは先送りし、仕事に追われず、ストレスをためず、睡眠時間を確保するようにした。

レルベア200の吸入は、1日もやめることなく継続。但し、眠る直前に吸うことは避け、午前中からお昼にかけて吸ってしまうよう心掛けた。

結果、口内にできていた白いものは、歯磨き&うがい薬利用を始めてから3~4日後に減り始め、少しずつ時間をかけて白の面積が減ってきた。減ってはは増え、増えては減るを繰り返し、二進一退という感じ。うがい薬を使い始めて1週間が過ぎた頃に日中の声枯れが治ったが、起床時の声枯れは完治しなかった。

後日知り合いの呼吸器内科医に尋ねたところ、うがい薬の利用は症状の緩和において一定の効果を得られるため、医学的にも推奨できる方法だったらしい。

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医師の診察の受ける

自宅で2週間ほど素人治療したのちに、医師の診察を受けた。口の中を見て頂き、レルベアに含まれるステロイドの副作用だろうということで落ち着く。

レルベアの吸入量は減らさずに、「ファンギゾンシロップ」という液状の飲み薬を別途処方頂き、レルベア200の吸入と並行して口腔カンジダ症の治療を進めることになった。1日3回薬を飲み続ければ、カンジダ症は2週間以内に収まるだろう、とのこと。

口腔カンジダ症治療薬「ファンギゾンシロップ」の瓶の蓋を開け、液状の薬をスポイトで吸い出した画像。

↑ ファンギゾンシロップ

シロップ薬は甘みと苦みが混ざった味で少し苦手だったが、飲み続けると、1週間後に起床時の声枯れがなくなってきた。だが、気を抜いて歯を磨き忘れ&薬を飲み忘れて眠ると、翌朝は口内がざらついて、症状が逆戻りしてしまう。白い苔の面積は着実に減っていくものの、薬をもってしてもなかなか手ごわかった。

そして、朝昼晩1日3回と言われたが、昼晩の1日2回しかシロップ薬を飲まなかったら、2週間では完治しなかった(笑) 医師と相談し、カンジダ症の投薬治療は一旦中断し、気管支喘息の治療に集中することで合意。

その後のカンジダ症の経過

4~5ヶ月の間、毎日2〜3回のうがい薬と歯磨きが必須になってしまったが、喘息の症状が改善し、レルベア200からレルベア100に切り替えたタイミングで、カンジダ症も大きく改善。
口腔に白っぽい面積は多少残っているものの、喉の違和感がなくなり、殆ど気にならなくなってきた。嬉しい副産物として、歯磨きにいそしんだお陰か、歯が随分白くなった(笑)

だが更にその後、発作が起きて喘息が悪化した際にレルベアを100から200に戻すと、カンジダ症も勢いを盛り返した…。
症状が最もひどかった時は、舌の側面にも白い苔状のものが生え、舌がしびれるような感覚があった。しびれが気になるが痛みは出なかったので、生活には支障は出なかった。歯磨きとうがい薬の回数を増やすと、1〜2日で舌のカンジダは見えなくなり、しびれもなくなった。

そうこうするうちに、虫歯で通院した歯医者さんにも、口腔カンジダ症が見つかってしまった(口を開くから当たり前だが…)。歯医者さんも口腔カンジダ症をご存じで、治療薬その2を処方下さった。
今度の治療薬は「フロリード・ゲル」という経口薬で、パッケージが軟膏で触った感触も軟膏だが、その軟膏を直接口の中(!)に出してしばらく舐める、という治療法だった。1日3回計4日間服用。軟膏は美味しくなく、食感はお世辞にも気持ちのいいものではなかったが、カンジダ症は見事治して頂くことができた!

口腔カンジダ症の治療薬である、ファンギゾン・シロップとフロリード・ゲル経口薬を撮影した写真。ファンギゾンシロップの茶色いガラス瓶と、フロリードゲルの白い軟膏薬が、複数個写っている。どちらの薬も使用済である。

↑ 画像右の白いパッケージの薬が「フロリード・ゲル」

レルベアの正しい服用の仕方

レルベア100・レルベア200とも、薬を吸入した後、ガラガラうがいとクチュクチュうがいを行う。理由は、喉や口の中に残っている薬を洗い流すため。
ここまでは、レルベアの説明書の記載通り。

だが、喘息に関する書籍を漁り医師に尋ねると、レルベアのより良い吸入方法や注意事項を知ることが出来た。レルベアは「食前」に吸入する方が良い、とのこと。
おすすめは、

レルベア吸入 → うがい → 食事 → 歯磨きとうがい

の順での吸入。食事を挟むことで、喉や口の中に残っている薬が食道や胃に落ち、分解される。全身への影響はなく、口腔カンジダ症の副作用をより防ぐことができる。
レルベア吸入後のうがいの回数は、5回くらい。1回あたり10秒くらいが良い。
うがいができない場合は、飲み物を口に含み、口の中でクチュクチュした後、そのまま飲み込む。

これらの情報は、もっと早く知りたかった…。眠る直前にレルベアを吸入し、3回程うがいしてそのまま眠りにつくことを、これまでしばしばやっていた(笑)

その他の副作用 ~動悸~

口腔カンジダ症についての記載はここで終わりだが、レルベアの副作用で「動悸」についての情報を求める方もよく来られるので、ついでに記載。

レルベア100・レルベア200を吸うと、心臓がいつもより多く脈打ち、心臓がバクバクと音を立てて、動悸の症状が出る。 吸入薬を吸った後、5~10分程度は動悸を感じているように思う。動悸を感じている最中も、歩いたり話したりは問題なくできるので、仕事・日常生活に支障はない。

主治医の先生曰く、喘息の薬は心臓と関係が深いそうだ。確かに、今処方されている長期治療薬(コントローラー)レルベア200と発作用治療薬(リリーバー)サルタノールのどちらも、吸入すると毎回必ず動悸が起きる。

喘息の治療を始めて間もない頃(=レルベアを吸い始めて1ヶ月半程経った頃)、左胸に軽い痛みを感じることがあった。気になったので主治医の先生に相談したところ、単なる筋肉痛かもしれないとのことだったが、念のため心臓の検査もして頂いた。
結果は、異常なし。不摂生な生活をしていたり、極端に太っている方は、心臓に負担がかかっている可能性があるのでより精密な検査を行うことがあるそうだが、私の場合は年齢も体型も生活パターンも特に問題なかったので、様子見ということで落ち着いた。

左胸の痛みは、その後1ヶ月ほど断続的に続いたが、喘息治療が進んであまり息切れしなくなってからは、症状が出なくなった。本当に、単なる筋肉痛だったのかもしれない(笑) 安直に薬を疑って悪かったな、と後で反省した。

その他の副作用? ~指のふるえ~

こちらは副作用ではないかもしれないが、症状があったので、念の為記載。

レルベア200を1年2ヶ月程毎日吸い続けた頃、左手の指に震えを感じることがあった。左手で右手の爪を切る時や、右手の爪のマニュキアを塗る時など、左手で細かい作業を行う時に指が細かく震えていることに気付く、という感じ。

爪が切りにくい以外特に日常生活に支障はないので、主治医の先生に報告したのみで様子見。1~2週間は指が気になっていたが、そのうち自然と症状が出なくなり、レルベアが200から100に減量されてからは、ふるえを感じなくなった。

最後に

カンジダ症については、毎日吸入している薬に対する理解が不足していたため、副作用に気付くのに遅れたことは否めない。

薬のしおりも貰った時1~2度読んだきりだった。折に触れて読み返し、気が向いたときにインターネットで詳細情報を仕入れておけば、もっと早く気付けただろうにと思う。

気管支喘息の治療の心の支えになる本

喘息治療において、お役立ち度の高かった書籍をご紹介。
書籍は医師本人が著述しているものを選ぶと、情報の質・量ともに申し分ないので、時間やお金の許す限り、積極的に利用している。市立・区立の図書館で手に入る本を読むだけでも、喘息の治療と心の支えに大いに役立った。

身体がある程度快復してからも、気管支喘息もしくはアレルギーについて書かれた書籍は、仕事や家事の合間に細々とでも読むようにしている。医師の言葉は、喘息と日々闘う者にとって、灯台のあかりによく似ている。

自分がアトピー型気管支喘息(ハウスダストアレルギーとダニアレルギーに起因する喘息)なので、以下に紹介するおすすめ書籍も、それに関連するものが多い。

「灰田美知子のぜんそく最新治療」(灰田美知子 著)

著者:灰田美知子(医師)
出版社:主婦の友社
平成22年4月20日初版
定価1500円

今までに読んだ喘息関連の書籍で、最も納得感の高かった書籍

記載されている喘息の薬や検査の種類が豊富で、説明が分かりやすく、医師がどのように判断してこれらを組み合わせているのかがよく分かる。この書籍を読むと、主治医の判断や処方に対する裏付けが取れるので、主治医への信頼感が増した。

例えば、私は現在5種類の薬(吸入薬3種・内服薬2種)を処方されており、「こんなにたくさん飲んで大丈夫かな」と思うことがあった。だが、喘息発作を抑えるためには始めに徹底的に治療して徐々に薬の量を減らした方が治りやすいこと、各薬はそれぞれ異なる役割を持っていること、をこの書籍から学び、実際に発作の頻度が月1回未満に急減したことも相まって、「今のままの治療法でいいんだ」と納得することが出来た。

また、喘息や呼吸器疾患でよく用いられる呼吸機能検査も、疾病・症状によって結果グラフの形や傾きが異なることを、この書籍で初めて知った。呼吸機能検査は疾病を見分け、治療の不足している患部を見分けることにも利用されていたようだ。

なぜピークフローメーターを利用した方がいいのかという素朴な疑問から、喘息治療におすすめのスポーツ、医師と患者の関係構築まで、記載されている内容は幅広いが、喘息関連の書籍を7~8冊読んだ後に本書を読んでも、多くの学びや気付きがあったので、喘息の治療をされている方、ご家族に喘息で苦しんでいる方がいらっしゃるなら、読んでおいて損はないと思う。

「ぜんそくは自分で治せる」(久徳重和 著)

著者:久徳重和(医師)
祥伝社黄金文庫
2013年12月発売
定価720円

喘息が治療できる病であることを教えてくれた、私にとって画期的な書籍。著者は、親子二代で愛知県の喘息患者を治療されている医師(息子さん)。アレルギーを起因としない喘息(非アトピー型喘息)に紙面が多く割かれているが、どのように思考・生活すれば喘息が治るかが書かれており、また実際に喘息が完治した事例が豊富に掲載されているので、本書の存在そのものに随分救われた。喘息治療の早い段階でこうした書籍に巡り会えたのは、幸運だったと思う。

本書で教わった、冷水浴や薄着の励行や、心の持ち方(人に頼りすぎずアクティブな生活を心掛けること)を現在実践中。頭の固い成人なこともあり変化には時間を要しているが、冷水浴に慣れ風邪を引きにくくなるなど、読後数ヶ月で少しずつ効果が現れてきている。

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「免疫と自然治癒力のしくみ」(生田哲 著)

著者:生田哲(薬学博士)
日本実業出版社
2004年1月10日初版
定価1400円

自分がアトピー型気管支喘息なので、免疫の仕組みも理解したいと思い、入門書として手に取った書籍。病気を自然に治してしまう免疫の仕組みや自然治癒力について、分かりやすく解説されている。

外からウイルスやアレルゲン物質などの異物が体内に入ってきた際、アメーバに似た姿でのろのろ動くマクロファージが、まず異物を食べて分解してしまい、異物の欠片をマクロファージ自身の表面に提示することで、免疫系の司令塔であるヘルパーT細胞が異物の存在に気付いて免疫系全体を活性化させる…、という免疫の基本的な仕組みをこの本で学んだ。この書籍を読んで、のろまなマクロファージとエリートT細胞の働きぶりをすっかり気に入り、体内の免疫に対して親近感が湧いた(笑)

心の持ち方が治療に大きな影響を与えることも、本書で繰り返し紹介され、数多くの事例が紹介されている。
薬を買うお金がなく、書籍による知恵と食生活と適度な運動で、当時不治の病だった結核を治してしまった青年。笑いと自然治癒力を駆使して難病を克服し、見事編集長の職に返り咲いた男性。若くして癌に倒れる家系に生まれながらも予防と対策を怠らず長生きできた女性など、心の持ち様が快復の度合いや人生の明暗を分けることに気づかされた。

おわりに ~心が折れる前に~

気管支喘息は、発症した原因にもよるが、完治まで数年はかかることが多い。毎日薬を吸入し続けていても、症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すし、そうした状態が何ヶ月も続くと、時々自分の未来が暗く見え、心が折れそうになる。

上記にあげたような書籍で「喘息は完治できる」と何度も何度も書かれていても、こうした心理状態に陥ることがあるので、情報を持たない人が希望を持ち続けるのは、相当に難しいことだろうと思う。

心がふさぎ込んだ時に書籍を読むと、新たな情報が入り、辛い時期の心の支えになってくれる。こうした良書の1冊1冊を、「読む薬」としておすすめしたい。

気管支喘息患者が「カルピス 守る働く乳酸菌 L-92」を8ヶ月間飲んだ結果(ハウスダストアレルギーとダニアレルギーが陽性の喘息患者の場合)

いい加減スーパーに喘息発作なしに入れるようになりたいので、ハウスダストアレルギー改善のために、アレルギー症状が収まるまで「守る働く乳酸菌 L-92」を1日1本飲み続けることにした。

「守る働く乳酸菌L92」21本を積み上げて撮影した写真。白いキャップのペットボトルと「L-92」と書かれた赤いラベルが写っている。

↑ 購入した「守る働く乳酸菌 L-92」飲料

L-92乳酸菌のハウスダスト・ダニアレルギーに対する研究結果

ハウスダスト・ダニの通年性アレルギー性鼻炎をもつ方々に、L-92乳酸菌を8週間摂取頂いた臨床試験の結果が、カルピスのウェブサイトに公開されている。L-92乳酸菌が、ハウスダスト・ダニアレルギーに対しても一定の有効性があることが確認されたそうだ。

グラフ等の詳細情報は、カルピスのウェブサイト↓にて確認できる。
カルピス由来健康情報室 「通年性アレルギー性鼻炎」への有効性データ
http://calpis-kenko.jp/l92/research.html#section2

但し、人間には個体差があるので、どんな薬も食べ物も、他人によく効いたからといって貴方に効くかどうかは分からない。逆もまたしかり。

「守る働く乳酸菌L-92」の外観・味・保存方法

外観

1日分が200mlのプラスチックペットボトルに入っている。中身は、牛乳よりやや透明な乳白色。
グラスに注いだ「守る働く乳酸菌L92」飲料を撮影した写真。小さい透明なグラスに白い液体が入っている。画面左には、「L-92」の赤ラベルが貼られた、200mlのペットボトルが置かれている。ペットボトルの白いキャップには、「CALPIS」と書かれている。

カルピスのロゴが付いているだけあって、見た目も味もカルピスに似ている。カルピスを甘さ控えめにし、ヤクルトの味を少しだけ足したような印象。この味なら、子どもも飲めると思う。

量も200mlで多すぎず、4歳~7歳の子どもが毎日おやつに飲むくらいの量。味がしっかりついており、僅かだがとろみが付いていて飲みごたえがある。

甘いものが苦手な方は、毎日飲むのが辛い可能性があるので、「アレルケア」の錠剤を選ばれた方がいいと思う。

保存方法・賞味期限

未開封であれば常温で保存できる。自宅や勤務先のロッカーで常温保存できるのは有難かった。念のため夏の間だけは、未開封のものも冷蔵保存していた。
開封済みなら冷蔵保存が必要。

8月上旬に注文し1週間後に到着した品の賞味期限は、同じ年の12月11日と記載されていた。4ヶ月程度なら味を損なわずに飲めるようだ。

入手方法

1日1本毎日飲み続ける上、僅か10本以上で重さが1~2kgに達するので、Amazon等の通販サイトで購入し自宅に発送して貰うのが一般的なようだ。

ここ1年ほどで知名度が増し、近所のスーパーでは牛乳売り場付近や粉末飲料の売り場で売られていた。

スーパーの陳列棚に、L-92乳酸菌ドリンクが展示されている様子。「守る働く乳酸菌 118円」と書かれた値札が貼られている。

↑ スーパーで見かけたL-92乳酸菌ドリンク

生協は、6本セットのみ販売されていた。
会社の福利厚生サイトは、24本セットと30本セットの2種類が取り扱いあり。
生鮮食品を置いている百円均一ショップは、1本ずつ売りに出されていた。
医療機関では、大規模病院内にあるセブンイレブンで、1本ずつ売られているのを見つけたことがある。

2年前は近所のスーパー3件とコンビニ2件のどこを回っても取り扱いがなかったが、最近は随分入手しやすくなり助かっている。

「守る働く乳酸菌L-92」(100ml)との違い

「守る働く乳酸菌L-92」に100mlのものが販売され始めたので、こちらも購入し、試してみた。

カルピスの「守る働く乳酸菌L-92(100ml)」を正面から撮影した写真。背景に、守る働く乳酸菌L-92(100ml)が10本以上写り込んでいる。

↑ 守る働く乳酸菌L-92(100ml) 100mlはキャップが金色

飲んでみて気付いた違いは、100mlの方が従来の200mlのものより、とろみがしっかりと付いている。とろみが増した分飲みごたえがあるので、半量になったにも関わらず、飲み足りないとは感じなかった。

それ以外の味や外見は、200mlのものと変わらない。少なくとも、私には違いが分からない(笑) 1本当たりのL-92乳酸菌の含有量も20.7mgで、従来品(200ml)と同じ。アレルゲンフリーではなく、乳と大豆が成分に含まれているところも同じ。

守る働く乳酸菌L-92(100ml)のパッケージを剥がし、成分が表示された部分を撮影した写真。

↑ 守る働く乳酸菌L-92(100ml)の成分表示

未開封なら常温保存できる点も、従来品と同じ。
公式サイトでは賞味期限は9ヶ月と明記されている。私が2018年7月に購入した品の賞味期限は2019年1月だった。お手元に届いてから約半年は、美味しく頂くことができる。

量が少ない分、冷たい飲み物を控える冬でも、随分飲み続けやすくなった。冬は気管支喘息患者が風邪で弱りやすい時期でもあるので、冬でも飲みやすくなったのは大歓迎したい。

1~2ヶ月分まとめて購入した際、従来品(1本200ml)より軽いので、運んだり冷蔵庫に保存したりしやすくなった。宅配便で荷物を代理で受け取った家族が、重さに苦情を申し立ててくることも少なくなった(笑)

「アレルケア」と「守る働く乳酸菌L-92」の、L-92乳酸菌含有量・成分の違い

L-92乳酸菌の含有量に差はない

L-92乳酸菌を含む製品に、同じくカルピスの会社から販売されている「アレルケア」という製品↓がある。

テレビCMやインターネット広告で大々的に宣伝されたこともあり、アレルギー対策の製品としては、アレルケアの方が有名。主に錠剤の形で売られており、子ども向けにぶどう味のついた錠剤タイプもある。

軽く調べてみたところ、1日あたりのL-92乳酸菌の含有量は「アレルケア」も「守る働く乳酸菌L-92」も同じで、どちらも20.7mgだった。

  • アレルケア(錠剤)…20.7mg配合 (1日あたり2錠)
  • 守る働く乳酸菌L-92(飲料)…20.7mg配合 (1日あたり1本)

ただ、「守る働く乳酸菌L-92」飲料には乳・大豆が含まれる(アレルゲンフリーではない)。乳・大豆の食物アレルギーがある方は、アレルケアしか選べない。

「守る働く乳酸菌L-92」の成分表示

原材料は、下記写真を参照。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料のパッケージを撮影した写真。飲料含まれている原材料や保存方法が明記されている。

↑ 「守る働く乳酸菌L-92」の成分表示

「守る働く乳酸菌L-92」飲料 摂取前と摂取後の経過記録

「守る働く乳酸菌L-92」飲料の摂取開始前

スーパー・衣料品店に市販のマスクをつけて入店すると、喘息の発作が起き、動悸・息切れを起こす。両店舗とも約10分滞在すると、心拍数が毎分90回を越えるくらいの動悸が生じ、口からハアハアと息が出るほどの息切れが起きる。(普段の心拍数は、毎分60台前半~70台後半)

喘息専門医の医師の指導に従い、抗アレルギー剤(モンテルカスト)を1日1錠服用中。喘息治療の吸入薬(レルベア200、スピリーバ)は毎日吸入し、発作用吸入薬(サルタノール)も週1~4回吸入している。

せっかくなので、花粉症持ちの実父(70歳代)にも手渡しし、同じ日に摂取開始。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から1~2週間経過時点

摂取1~2週間では、喘息症状を抑えることはできなかった。反面、70歳過ぎの花粉症には、わずか2週間の摂取で効果が見えはじめた

2週目半ばに、市販のマスクを付けて、毎回必ず発作を起こすスーパーを訪れた。15分間滞在し、店を出てすぐに心拍数を測ったところ、心拍数は丁度毎分90回。呼吸時に胸骨が軽く上下し、走ったわけでもないのにハアハアと息切れしていたので、喘息発作が出てしまっていると判断した。発作による動悸と息切れは翌日まで続き、発作用吸引薬を使って症状を収めた。

ただ、以前は息切れ・動悸の喘息発作が入店後5分と経たずに起きていたが、今回は入店後しばらくもった。発作が起きるまでの時間は、心持ち長くなった気はする。

花粉症については、70歳以上という年齢をものともせず「守る働く乳酸菌L-92」が結果を出してくれたので、勧めたこちらの方が驚いた。

花粉症持ちの実父は、1日1本飲み続けて2週目半ばに、鼻水の量と咳込む回数が明らかに減ってきた。まだ時々咳き込んでいるが、毎日咳き込むことはなくなった。本人は空腹時に飲んでいただけだったらしいが、使用するティッシュの量も目に見えて減り、効果が出て嬉しかったらしい。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から3~4週間経過時点

摂取後3~4週間で、喘息症状が少しだけ軽くなった。70歳の花粉症については、咳すら出ないほど軽くなってきた。

3週目の半ばに、ひと月前に心拍数90オーバーの喘息発作を起こしたビルに、N95マスクをつけて、3時間滞在した。お菓子を頂いたため、途中30分程度N95マスクを外したが、ビルを出るまでも出た後も、喘息発作が起きなかった。快挙!(涙)

4週目は、気管支喘息の発症の原因である勤務先(ワークスアプリケーションズ社)に2ヶ月半ぶりに出勤。勤務中は主治医の指示によりN95マスクを着用しており、心拍数が毎分80台後半まで上がったものの、喘息発作は起きず。

ビル訪問時も復職時も、抗アレルギー薬と「守る働く乳酸菌 L-92」とN95マスクを併用していたので、3つのどれか(もしくは全部)が効果をもたらしてくれたのだろう。

花粉症持ちの実父の方は、咳き込む回数が更に減った。以前は毎日のように「ゴホゴホゴホッ!」と激しく咳込んでいたが、4週目は週の半ばに差し掛かっても、「ゴホッ」という一音さえ耳にしない。頑固で衣食住の変化に極端に弱い実父だが、「守る働く乳酸菌L-92」は気に入りすぎて自らスーパーやコンビニを覗いて回り、「L-92、店では売ってないなあ…」とぼやいていた。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から5~6週間経過時点

呼吸機能検査の結果が、3ヶ月前より改善。ハウスダストアレルギーの症状も実感できるほど軽くなったので気をよくし、喘息のため今まで入ることのできなかった場所も訪れるようになった。但し、体質が完全に改善されたわけではなく、調子に乗って必要な防御を怠ると、喘息発作が起きる。

5週目の始めに、N95マスクではない普通の市販マスクをつけ、専門学校の7階にある教室に3時間滞在。7階という屋外に出にくい環境に、戦々恐々としながら出向いた。が、2時間ほど呼吸は荒くなったものの、喘息発作は起きなかった。
抗アレルギー剤かL-92乳酸菌のどちらかが、ハウスダストアレルギーを和らげてくれているのは、もはや間違いなさそう。

5週目半ばに訪れた、区役所(地上階)もセーフ。だが、同じ建物の図書館(地下1階)はアウトで、10分もしないうちに喘息症状(息切れ)が出て、本が数ページしか読めなかった(笑) 図書館入口の床に埃が溜まっていたので、空気中にもハウスダストの多い場所だったのだろう。慌てて屋外に逃げ、喘息発作にまでは至らなかった。

同じく5週目半ばに、勤務先(ワークスアプリケーションズ社社内)で喘息発作が起きた。勤務先の職場内では常にN95マスクを着用しているが、職場に入って1時間過ぎた頃に息切れが始まり、ピークフローメータの値が基準値の80%未満の危険水域に。結局この日は2度発作が起き、発作用吸入薬を使用。

喘息症状が軽くなったことに気を良くしていたが、僅か5~6週間でアレルギー体質そのものが治ったわけではないという事実に、改めて気付かされた。

6週目の最後に、病院で呼吸機能検査を受けた。3ヶ月前に受けた時より数値が改善し、肺活量などは基準値を上回っていた。

花粉症持ちの実父の方は、趣味のお香を焚いている時は、煙を吸ってゴホゴホ咳込んでいる。が、それ以外では咳き込まなくなった。花粉の時期を過ぎたせいでもあると思う。このまま継続して飲み続けて貰い、来年の同じ時期にどこまで症状が軽くなっているかを見てみたい。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から7~8週間経過時点

実感できるほど、改善傾向が続いている。7~8週は喘息発作0回。喘息症状が出たのも数えるほど。

7週目の後半に、郵便局や会社の会議室にマスクなしで入り、10分~1時間程滞在したが、喘息症状さえ起きなかった。2ヶ月前に発作を起こした美容院に8週目の半ばに訪れ、1時間滞在したが、やはり発作も喘息症状も起きず。

抗アレルギー薬の影響もあるとは思うが、少なくとも、「守る働く乳酸菌L-92」にはハウスダストアレルギーの症状を抑える効果はあるのでは、と思わざるを得ない。吸入薬(レルベア)を7ヶ月、抗アレルギー薬(モンテルカスト)を3ヶ月続けても抑えることの出来なかった喘息発作が、ここにきて明らかに減ってきている。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から9~12週間経過時点

9週目に、埃まみれの部屋にマスクなしで5分滞在した。部屋のあちこちに古い機材が溢れ、窓は開かず、埃がそこかしこに積もっていた。「喘息発作起きるかも」とさすがに覚悟したが、その日もその翌日も発作は起きず。これほど発作が起きないと、逆に不安になる(笑)

11週目に、最後に起こした喘息発作から1ヶ月経過。1ヶ月間1度も喘息発作を起こさなかったのは初めてだったので、素直に嬉しかった。この1ヶ月間で起きた喘息症状(息切れ・動悸)は、2回のみ。

同じ週に「守る働く乳酸菌L-92」飲料を切らせてしまい、L-92を1週間摂取出来なかった
が、症状は特に変わらず。これにより、2~3日間の旅行や出張なら、重い乳酸菌L-92飲料を持っていかなくとも大丈夫、ということが分かった。

N95マスクとウイルス対策マスクは必ず毎日持ち歩いているが、マスクなしで、店舗やビルに入ることも増えてきた。喘息症状の気配すら感じないので、気付いたらマスクなしで入店していた、という感じ。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から13~16週間経過時点

14週目に、ついに治療がワンステップダウン。薬は4種類から3種類へ変更になり、補助薬として使用していた吸入薬(スピリーバ)が不要になった。嬉しい。

花粉症やアレルギーを持つ親族を見つけるたびに、「守る働く乳酸菌L-92」飲料を渡しているが、4週間断続的に飲んだ程度では効果が薄かった、と意見を貰う。
飲んだり飲まなかったりでは効果が出にくいようなので、期間を決め、その間だけは毎日欠かさず飲む方が良さそうだ。その親族も「守る働く乳酸菌L-92」飲料の味や続けやすさは気に入り、自費で購入して断続的に飲むようになった。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から17~20週間経過時点

症状は安定しており、17~20週は喘息発作0回。

19週目に喘息発症の原因となった部屋の古い段ボール20個以上を、棚から下ろし解体して片付ける機会があった。N95マスクを着用し発作覚悟で挑んだが、2時間埃まみれになりながらも、発作は起きず。マスクをしていなかった同僚は、何度かひどいくしゃみに見舞われたらしい…お疲れさま。
喘息を発症した部屋についてはこちら

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から21~24週間経過時点

21週目に、更に治療がワンステップダウン。薬は3種類のままだが、メインで使用してる喘息吸入薬(レルベア)が半量になった。(レルベア200→レルベア100へ変更)
ただ、同じく21週目に、埃に近づきすぎて喘息発作が2回発生。痰や咳の数も増えた。

労災保険の請求のため、21週目に勤務先にある喘息発症の原因となった部屋とその周辺を、スマホで写真撮影した。埃が雪のように積もった机や傘立て、3年以上掃除されていないサーバのあるフロアなど、ハウスダストとダニと花粉がこれでもかと残っているところに近づき撮影を繰り返したため、1時間でピークフロー値が30~40下がり、発作発生。
勤務先が発症の原因であるため、勤務先の空気環境では特に発作が起きやすいのだが、N95マスクをつけていても発作を防ぐことができず、少しショックを受けた。

この一件で、「守る働く乳酸菌L-92」飲料は、ハウスダストアレルギー・ダニアレルギーの体質そのものを変えてくれるものではないように感じた。アレルギー症状を軽減してくれているのは確かなのだが、身体が耐えられない量のハウスダスト・ダニに曝露されると、症状や発作は起きてしまうようだ。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から25~28週間経過時点

25週目に、毎日計測しているピークフロー値が更に10上がり、基準値の90%以上を恒常的に出すようになった。だが、21週目に発作を起こしたので、メイン治療薬はもとの量に増量されてしまった(レルベア100→レルベア200)。

一日のどの時間帯に測っても、ピークフロー値が安定している。スーパーで軽い喘息症状が出る程度。レルベアがレルベア200に戻った後は、痰や咳の数も減少(といっても、痰は1日10回を軽く超えるくらい出る)
28週目に、ピークフロー値が初めて390に達した。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から29~32週間経過時点

12月だったので30週目と32週目に風邪を引いたが、大きく悪化はせず。32週目に、2回に1回くらいの割合で、ピークフロー値が390~400に達するようになった。

30週目は胃腸の風邪だったのでまだマシだが、32週目の風邪は喉をやられた。風邪を引くと気管支喘息が悪化する恐れがあるため、ピークフローメーターでこまめに値を確認していたが、幸いにも、値は大きくは下がらなかった。
どちらの風邪も、1週間程で全快。月2回も風邪をひくところといい、全快に1週間かかるところといい、健常者にはまだ少し遠いと感じた。だが、去年は風邪の引き始めから全快まで2週間弱かかったことを踏まえると、改善はしているようだ。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から33~36週間経過時点

寒さの為、摂取量が週2~3本へ減少。それでも喘息発作が起きなかった。
スーパーや図書館に入るとまだ軽い息切れを起こすものの、鬼門だったUNIQLOへ10分間入店できた。

1月に入り、真冬に毎日「守る働く乳酸菌L-92」を飲むのが難しくなってきた。日中はまだ暖かいので飲めるが、木枯らしに吹かれながら帰宅した夜・夜中には、流石に飲む気がしない。摂取量は週2~3本に減った。

だが、今まで体内に蓄積した分が功を奏しているのか、本数を減らしても発作は起きなかった。ピークフロー値も380~400で安定している。そして、かつて最も酷い喘息発作を起こしたUNIQLOに、10分だけだが入店することができた(!) 個人的には、快挙と言いたい(笑)

「守る働く乳酸菌L-92」飲料摂取開始から37~40週間経過時点

摂取量が週0~1本へ更に減少。発作は起きず。

寒過ぎて摂取量が更に減り、37週~39週はついに1本も「守る働く乳酸菌L-92」を飲まなかった。それでも喘息発作は1度も起きることなく、毎朝フルタイムの仕事に行きスーパーにも何とか入店できていたので、「守る働く乳酸菌L-92」なしでも耐えられる身体になったんだなあ、と感じた。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料は、気管支喘息とハウスダストアレルギーに効果があったか

効果はあった。アレルギー体質を根本的に変えてはくれないようだが、ハウスダストアレルギー・ダニアレルギーのアレルギー症状を抑え、気管支喘息の発作を起こりにくくする効果があった。

「今後も飲み続けたいか」と訊かれたら、「Yes」と答える。というか、既に次の1ヶ月分を確保してある(笑)
「花粉症・ハウスダストアレルギーの人は飲むべきか」と訊かれたら、「毎日苦しみ続けるくらいなら、6~8週間試してみた方がいい」と答える。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料は1本約110円で、ひと月あたり約3300円。効果が出るとその後も飲み続けることになるので、決して安い値段ではない。が、アレルギー症状がどれほど生活エリアを狭め、能力的には軽々できることをできなくさせるか身に染みて理解しているので、できない悔しさ・楽しめない悔しさを味わい続けるくらいなら、試してみてほしいと思う。

…これにより、私は2~3年間カルピス社のカモになることが確定したが、薬の量が減り、気管支喘息の治りが少しでも早まるなら、本望。

後日談。
「守る働く乳酸菌L-92」摂取開始から1年後に抗アレルギー剤(モンテルカスト)を服用せずに済むようになり、1年2ヶ月後に喘息のメイン治療薬(レルベア)が半量に減ったので、医療費が少し安く済むようになった。
2年が過ぎる頃には、スーパーや衣料品店にマスクなしで入っても咳さえ出なくなり、通院も3ヶ月に1度で済むようになった。だが、発症原因となった場所(㈱ワークスアプリケーションズの勤務エリア)には、未だN95マスクなしでは入室することさえできない。(マスクをつけていても入室するだけで咳が増える)

この快復速度が早いのか遅いのかは、他の患者さんと比較したことがないので分からない。だが個人的には、「守る働く乳酸菌L-92」飲料は快復の一助を担ってくれたと感じている。

「守る働く乳酸菌L-92」飲料を試す上での注意事項

アレルギーが気管支喘息の原因かどうかを確認する

気管支喘息の発作を誘発するものは、気候の変化や煙などの気管支への刺激から精神的なストレスまで、多岐に渡る。何が原因で喘息が増悪ぞうあくするのか、何が原因で発作が出るのかを医師の問診・検査等で確認してから、「守る働く乳酸菌 L-92」や「アレルケア」を試す方がいい。

ハウスダストアレルギー・ダニアレルギー・花粉症が気管支喘息を悪化させる因子ではない場合(=アトピー型気管支喘息ではない場合)、「守る働く乳酸菌L-92」を飲んでも効果が出なかった、という残念な結果になりかねない
飲料とはいえ1本100円以上するものなので、早まって無駄な時間やお金をかけない方がいい。

私の場合は、勤務先(ワークスアプリケーションズ社)にある5年間掃除されていない部屋で2年半勤務し、ハウスダストアレルギー・ダニアレルギーを発症して重症持続型の気管支喘息も発症したという病歴なので、

  • 血液検査で総IgE数値が正常の範囲を越えている
  • 血液検査でハウスダストとダニのアレルギーが陽性(IgE-RASTがどちらもクラス2)
  • 気候や心理状態に関わりなく、埃の多い部屋に入ると10~15分で動悸・息切れの喘息症状が出る

ことが既に確認されている。
また、呼吸器内科医である主治医から抗アレルギー剤を処方されている。

胃や腸の悪い時は摂取を控える

感染症胃腸炎で内科にかかった際に、アレルギー体質の方は腸が強くないこと、胃や腸の調子が良くないときは乳製品を控えた方が良いこと、をご指導頂いた。
残念ながら、胃腸の悪い時は、「守る働く乳酸菌」も摂取を控えた方が良さそうだ。

ちなみに、風邪の治療のため1週間ほど摂取を控えたが、その間喘息症状が出やすくなるようなことはなかった。1〜2週間程度ならL-92乳酸菌断食(?)をしても、問題はなさそう。

冬の夜は飲むのが少々辛い

春・夏・秋は特に支障なく飲み続けることができたが、冬に入り温かいものを飲む季節になると、「守る働く乳酸菌」を毎日続けることが格段に難しくなった。

乳酸菌の種類にもよるが、一般的に乳酸菌は温めると菌が死滅してしまうので、真冬でも常温で飲むしかない。だが、冬の夜に凍えながら帰宅した後では、常温とはいえ、さすがに200mlの飲料を飲む気がしなかった。

「守る働く乳酸菌」が200mlから100mlに変わってから冬でも続けやすくはなったが、それでも飲むのが1日おきになってしまうなど、夏と同じようにはいかなかった。

冬だけは「アレルケア(錠剤)」等別のL-92乳酸菌食品に切り替えるなど、続けにくい季節の代替案は用意しておいた方がよさそう。

追記:L-92乳酸菌ポーションタイプについて

近年L-92乳酸菌シリーズに、ポーションタイプのものが発売された。珈琲フレッシュをやや大きくしたようなプラスチック容器に、半透明の白っぽい液体が入っており、よく振ってから水や牛乳で割って飲む、とのこと。

「守る働くL-92乳酸菌」のポーションタイプを撮影した写真。赤いパッケージのポーションが画面全体にたくさん写っている。

↑ L-92乳酸菌のポーションタイプ。珈琲フレッシュを一回り大きくしたような容器に入っている。

100ml飲料のL-92乳酸菌飲料を何本も頼むより明らかに軽そう(=宅配便のお兄さんにも負担が少なそう)だったので、試しに取り寄せて水で割って飲んでみたところ、大変私好みの味で美味しかったので、思わず追記欄を設けた(笑)

味は濃いめのカルピスのような感じで、とろみはついておらず、飲み口もさらっとしている。100mlのL-92乳酸菌にもちろん味は似ているのだが、濃さを自分で調節できるせいか、100ml飲料のものより美味しく感じる。

お湯で割ることはできないようだが、割る水の量を自由に調整できるので、寒い冬により飲みやすくなるのもありがたい。炭酸水にはまず間違いなく合いそうな味なので、夏になったら是非炭酸割りも試してみたいと思っている。

薬を使わない気管支喘息治療法 (冷水浴・L-92乳酸菌など)

気管支喘息についての書籍に冷水浴や乾布摩擦など、薬を必要としない治療法について言及されているものがある。

気管支喘息は、患者と医師と家族の三人四脚(?)で、喘息日記やピークフローメータ―での自己管理と、投薬を中心とした治療を行うことが多い。だが、薬を必要としない治療法の中には、吸引薬でのコントロールが不要なレベルまで喘息が完治した事例があり、「薬なしで喘息が治るなら、これほど素晴らしいこともない」と思い、吸引薬以外の治療法も積極的に試すことにした。

※治療にどの程度貢献したか効果の程が測りにくいものも多いが、ご寛恕頂けると有難い。
※紹介している全ての治療法は、吸引薬と内服薬での治療と併用しながら試した。目に見える効果が出たとしても、単に薬が効いただけだった可能性もある。

冷水浴

冷水浴は、喘息専門医の書籍で強く勧められていたもの。
但し、心臓や血圧に疾患のある方は身体に負担がかかる可能性があるので、試す前に必ず医師とご相談を。

冷水浴のやり方

水温15度程度の水を、毎日朝と晩の2回、風呂桶5~6杯分を身体にかける、という治療法。夜は風呂上がりなどでok。浴槽の温度より5度以上低い水(ぬるま湯)を、足にかけるだけでも効果がある。

冷水浴を実践する

冬はとてもではないが実践出来なかったので、4月から開始。1日1回で入浴時に行った。頻度は週3~4回。(毎日試すべきだが忘れることが多い) 4月は風呂桶0.5杯から始め、6月頃には桶2杯まで浴びられるようになった。

結果

2ヶ月半続けると、素人でも分かるほど体質が変わった。「寒さ・冷たさに強くなる」を通り越して暑がりになり、冷え症が治った

雨に降られて上着の裾やジーンズがずぶぬれになっても、寒さを感じず、風邪をひくこともない。6月には既にノースリーブのまま過ごす時間が増え、「そんな格好だと風邪ひかない?」と周囲から心配されるまでになった(笑) 手足が常にあたたかく、手の甲に青っぽく見えている血管が太くなり、目に入りやすくなった気がする。

そんな状態で7月8月の夏を迎えると、耐えきれないくらい夏の暑さが身に染みた(笑) 冷え症だった頃は、夏は冬より過ごしやすい季節だと思っていたが、夏の暑さがこれほど耐えがたいものだとは思わなかった。あまりに暑さを感じるので、7月上旬に冷水浴を一時中断。

冷水浴を行ってから、風邪は一度も引いていない。現時点では、喘息の治癒にどこまで影響を与えているかは不明だが、風邪・インフルエンザの感染で喘息を悪化させることは防いでくれている。

L-92乳酸菌飲料を毎日摂る

カルピス社の「守る働く乳酸菌 L-92」飲料や「アレルケア」などのL-92乳酸菌を含む食べ物は、花粉症や通年性アレルギー(ハウスダストアレルギー・ダニアレルギーなど)に一定の効果が期待できるとのこと。

カルピスの「守る働く乳酸菌L-92(100ml)」を正面から撮影した写真。背景に、守る働く乳酸菌L-92(100ml)が10本以上写り込んでいる。

↑ 私が愛飲している「守る働く乳酸菌L-92」(100ml)

自分はアトピー型気管支喘息(アレルギーを起因とする喘息)で、アレルギー反応を抑えないと喘息発作を予防できないので、「守る働く乳酸菌 L-92」飲料を1日1本飲むことにした。

結果

9週間以上飲み続けると、喘息発作どころか、喘息症状すら殆ど起きなくなった。1ヶ月半で喘息発作0回、喘息症状が2回。ただ、体質を変えるまでには至らなかった。

1日1本ずつ飲んでも3週間では結果が出なかったが、6週間でハウスダストアレルギーの症状が軽くなり、スーパーや古い建物など今まで入れなかった室内にも入れるようになった。3ヶ月目の現在は、入店時に愛用のマスクをつけ忘れるほど気楽な心持でいられている。スーパーや衣料品店など、ちょっとした外出のたびに、「また喘息発作が起きるのではないか」と予防に予防を重ねてはびくびくしていたのが嘘のようだ。

私ははカルピス社の回し者ではないのだが、今はちょっと滑稽なほど、カルピス様々である。3ヶ月で、すっかりネギをしょったカモになってしまった…。

「守る働く乳酸菌 L-92」飲料は抗アレルギー剤も処方されている状態で飲んでいたので、純粋にL-92乳酸菌の効果とは言い切れない。だが、どんな理由にせよ、症状の起きない日数が長くなるほどアレルギー体質は弱まるので、よしとしている。

 → 「守る働く乳酸菌L-92」と摂取経過については、こちら

軽く汗ばむ運動を毎日20分以上行う

喘息に適した運動

気管支喘息に適した運動と適さない運動というものがあり、水泳・早足でのウォーキング・ジョギングは喘息に適した運動とのこと。(喘息向きの運動は他にもあるが、この3つは特に推薦する医師が多かった)

中でも喘息治療に最適な運動は水泳だそうだが、真冬に行うと風邪をひきそうなので除外し、喘息の病状が多少悪くても毎日続けることができるもの、と考えてウォーキングを選択。
毎日1時間から1時間半、早足で歩くことを習慣づけた。ウォーキングの時間が取れない場合は、時間を20~30分と短くするか、サイクリングで代用した。

結果

効果覿面だった。連続歩行時間は15分から始まり、ひと月後には90分を超えた。
60分を何度か超え始めた時に大学病院で呼吸機能の検査を受けたところ、一秒率が正常値の98%に迫るほど、呼吸機能が回復していることが確認できた。

毎日歩くと、喘息の快復に比例して連続歩行時間が延びてゆくのが分かり、モチベーションが続きやすい。また、連続歩行時間が60分以上だと「最近気管支の調子がいいな」と、ピークフローメーターで計らずとも把握できるようになった。手軽さと即効性の高さが、とにかく良かった。

普段から歩いて筋力と体力をつけておくと、鍛えている分だけ、発作が起きて気管が狭まった時も息切れが始まるまでの時間が長くなる。ウォーキングを始める前で自分が最も体調の悪かった時は、最高15分までしか連続歩行できなかったが、毎日歩き始めてからは2ヵ月後には、3回以上発作を起こした週でも45分は連続歩行できるようになっており、日常生活を大きく崩さずに済んでいる。

また、日光に含まれる紫外線には、副交感神経優位から交感神経優位に切り替える働きがあるらしい。喘息治療薬に交感神経優位に切り替える作用を持つものが多いように、副交感神経優位だと気道が狭まるので、喘息を治すには適度に交感神経優位の方がいいらしい。そのため、なるべく日の高いうちにウォーキングするようにしている。

歩くのがあまり好きでない方は、ウォーキングシューズ等のスポーツシューズを試されると良いと思う。靴が足にフィットし、軽くて弾むように歩ける靴に出会うと、歩くことが楽しくなる。
私はニューバランスの女性用シューズとZootのトライアスロン用水陸両用シューズを使っているが、普通の靴と履き心地・歩き心地が違いすぎるので、日々こればかり履いてしまう。どちらも、7500円と4000円でお手頃価格だった。
1万円を超える高価な靴でなくとも違いを実感できるので、歩きやすい靴を1足持つのはおすすめ。

余談:サイクリングについて

筆者はクロスバイク(スポーツ用自転車)の愛好家だが、サイクリングは喘息患者がやっても差し支えないが、治療にはさほど適さないスポーツだそうだ。特に冬の冷たい空気を吸い込むと、気管支への刺激になってしまい良くないらしいので、マフラーやマスクで口から肺にかけてを完全防備する必要がある。

乾布摩擦・皮膚摩擦

乾布摩擦は風邪の予防になる、と昔から言われている。喘息治療の書籍でも医師が勧めていたので、効果があるのだろうと思い、やってみた。

方法

基本は、乾いたタオル等で素肌を擦る。
書籍によると、喘息患者の間ではタオルではなく亀の子たわしが1番、という結論で落ち着いたらしい。


↑ 亀の子たわし。紐付きが便利。

皮膚摩擦を実践してみた

まずタオルでの乾布摩擦を試してみたが、乾布摩擦でもタオルから綿ぼこりが生じて、5分も続けると喉や気管支がむずがゆくなり、喘息発作の危険を感じて中断。
ハウスダストアレルギーの症状が出ているアトピー型の喘息患者には、タオルは確かに不適当だった…。

残念ながら自宅に亀の子たわしがなかったので、当面の間プラスチック製のヘアブラシで代用している。柄が長いものを選ぶと背中まで届くので便利。

結果

上半身の服を脱ぐというハードルの高さもあり、一人暮らしではない女性が毎日行うのは難しかった。今のところ週1回程度しか実施していないので、効果は感じられていない。

れんこん・納豆・ヨーグルトを毎日食べる

自分がアトピー型気管支喘息(アレルギーを起因として悪化する喘息)なので、ハウスダストのアレルギー反応を抑えるため、アレルギーに良いとされる食べ物をよく摂ることにした。

インターネットで調べたところ、普段あまり食べていなかった食物のうちアレルギーに効果ありとされる食物は、れんこん・納豆・ヨーグルトの3種で、これらを毎日摂取するよう心がけた。

結果

約1ヶ月食べ続けたが、残念ながら目に見える効果は現れなかった。私はハウスダストアレルギーが、スーパーや衣料品店に軒並み入れないほど強い(入店すると動悸・息切れの症状が現れ、10分以内に喘息発作が起きる)ので、強すぎるアレルギーには効果が薄いのだろうかと根拠もなく考えている。

ヨーグルトは、花粉症の友人がヨーグルトメーカーでヨーグルトを自作し毎日のように摂取しているが、こちらも目立った効果は見らなかった。乳製品を毎日摂取するのは胃腸の弱い方にはおすすめしづらいということもあり、全ての人が試せる方法とは言い難かった。

れんこん

加工なしに単品で食べることが出来る納豆やヨーグルトは続けやすかったが、加工が必要なれんこんは、レパートリーの数が少なかったこともあり、苦労した。
れんこんのレシピと言えばきんぴらくらいしか思い浮かばなかったので、れんこんの甘酢炒め、れんこん餅、れんこんのチーズ焼き等々レパートリーを増やすことから始め、作り置きがしやすく、1週間食べても飽きないレシピを身につけて何とか1ヶ月を乗りきった。れんこん自体は淡白な味なので、作ることに慣れてしまえば、毎日食べ続けることは難しくなかった。

れんこん餅はもちもちと触感が良く、ねぎ・コーン・大根おろし・キムチを入れたりとアレンジも楽なので、れんこんで効果があった方にはおすすめ。

  • れんこんもちの作り方

大根もちと同じ。れんこん10cm分をおろし金ですりおろし、小麦粉と片栗粉と大さじ3~5杯入れて混ぜたら、フライパンにサラダ油を引いて焼くだけ。
酢と醤油を同量混ぜた酢醤油に浸けて、さっぱり味で食べるとおいしい。


↑ れんこんもちの画像がなかったので、大根もちで代用。
食べるまで区別がつかない程度には、姿かたちが良く似ている(笑)

  • れんこんのチーズ焼きの作り方

れんこんを3mmくらいの薄い輪切りにし、サラダ油を敷いたフライパンで焼き、塩コショウとチーズをかける。チーズに焼き目がついたら出来上がり。

れんこんのチーズ焼きは、作り始めてから食卓に出すまで10分かからない。

納豆

納豆は火を通す必要がなく、何を入れてもおいしく食べられたので、納豆で効果の出た方は、喘息治療の強力な味方になってくれる。

おすすめの食べ方は、

  • キムチ&ネギ&ごま油の韓国風納豆
  • ネギ&大葉&ミョウガ&ショウガの薬味尽くし納豆
  • チーズ2種&パセリの洋風納豆
  • マヨネーズと付属ダシのみのシンプル納豆

など。これにハムや生卵などを足すと、堂々おかずの1品になるようなボリュームが出るので、より使いやすい。

余談:ポリフェノール

同じくアレルギーに良いとされるポリフェノールを多く含む食品(チョコレートや葡萄など)も、毎日摂取しようと試したことがあった。が、チョコレートを毎日食べる訳にもいかず、スーパーに入れない身では重くかさばる葡萄ジュースを3日おきに買うこともできなかったので、こちらは挫折した。

薄着で過ごす

厚着は、喘息に良くないらしい。特に小児喘息において、喘息だからと必要以上に厚着させると、喘息を治すどころか悪化させてしまうとのこと。また、冷え症も喘息が治りにくいと言われている。

春から夏にかけて街行く人と同じ枚数・厚さの服を着ることから始め、ウールの服を着すぎない、重ね着をしすぎないよう心掛けた。

結果

当初は、4月頃に周囲の方と同じ服装をしていると、肌寒く辛かった。寒い寒いと思っていると思考が阻害されがちで、考えがまとまらず困った。

が、ウォーキングと冷水浴を毎日行っていると、6月には結果として薄着になった(笑) 手足が常に暑いので、6月に終日ノースリーブで過ごす程度には薄着が出来るようになった。冷水浴を始めて以降風邪や他の病気にも罹っていないので、薄着や冷水浴は冷え症と風邪等の感染症を防ぐ効果はありそう。

気管支を鍛える効果があるかや、喘息の治療を早めているかについては、残念ながら、実感がまだない。今は、喘息の悪化を防ぎ身体そのものを鍛えている、という認識でいる。

気管支喘息患者は自動車の運転免許を取得できる?

喘息の重症度や発作時の頻度や症状によると思うが、喘息は大きな発作が起きると、息をするのも身動きするのも難しくなる。発作が非常に強い場合、気道が完全に閉塞して窒息状態に陥り、意識を失って死に至る可能性もゼロではない。

普通自動車の運転免許を取得するには、数ヶ月間自動車教習所に通わなければならないが、私は教習所に申し込み数回車を走行させた後に、気管支喘息を発症していることが発覚したので、喘息持ちでも運転免許が取得できるか、どういったことを注意すべきか、教習所に相談してみることにした。

自動車教習所に相談

窓口の事務員さんに事情を説明し、「今後教習所に通学可能か相談したい」とお話ししたところ、初老の男性事務員さんが出て来られた。
そのおじさまは、ご自身のお母さまが喘息をお持ちで、喘息の発作時の苦しさをよく理解されており、話がとてもスムーズに進んだ。

  • 発作の頻度はどれくらい?
  • 今まで車を運転されている時に、発作を起こしたことはありますか?
  • 車の排気ガスなどで発作を起こしたことはありますか?
  • お医者様にはどのように言われましたか?

ということを尋ねられたので、
発作の頻度は週1回程度で今のところ発作は全て吸引薬で抑えることができていること、発作時に意識を失ったことは一度もなく、排気ガスを吸い発作が起きたこともないこと、お医者様にはまだ相談できていないこと、などを正直にお話しした。

事務員さん曰く、

  • 喘息の発作時に意識障害が起きない(=意識を失わない)のであれば、教習所の通学は可能
  • 意識障害が起きるほど発作が強い時は、別途適性検査を受けて頂くことになる
    適性検査の結果次第では、残念ながら、教習所に通って頂いても運転免許を取得できないことがある

とのこと。
「意識障害が起きるかどうかについては、お医者様に相談してみて下さい」、とのことでその日は終了。

相談してみるまでは、「教習所の料金を全額払い込んだのに通学停止になると困るし、相談しない方が良いかな?」とも思っていたが、困っていること・迷っていることを正直に話せば親身になって全て答えて下さったので、相談して良かったと思った。

呼吸器内科の医師に相談

中規模の総合病院の呼吸器内科の医師に、自動車の教習所に通い続けて問題ないか、改めて相談してみた。
医師の先生曰く、

  • 現在の病状では、意識障害が起きるほどではないと考えられるので、通学して差し支えない
  • 通学時には発作用吸入薬を必ず持っていくこと

とのことで、一安心。

運転を妨げるものたち

医学的には問題なかった自動車教習所への通学だが、生活の変化や、自分や周囲の理解の浅さが、通学の足を引っ張ることが多かった。

収入が途絶える(もしくは激減する)

喘息を発症した後、2ヶ月半の休職と5ヶ月の時短勤務を経験した。その間、当然のように収入が激減した。実家暮らしで扶養家族もいないが、給料の手取りが5万以下の生活が何ヶ月も続くと、さすがに教習所通いや車の運転どころではなくなってくる。

以下細かい話になるが、小さい会社のITエンジニアだった私は、勤務先(ワークスアプリケーションズ社)の環境が原因で喘息を発症したので、健康保険適用ではなく労災保険を請求した。労基署の認可が下りるまで休職期間の療養給付金は支給されず、その間傷病手当金も申請できない(と当時思っていた)ので、完全なる無収入だった。(労災でなければ、健康保険による傷病手当金が給与の60%分支給される)

職場復帰も、8時間勤務・残業・出張どれも差し支えないと仰った主治医の判断ではなく、勤務先に用意されていた時短制度の適用が優先されたため、4ヶ月間3~8時間の時短勤務を強いられ、その間の手取り給与額は3万~10万だった。

私は扶養家族が1名なのでまだいい方だが、マイホームのローンを抱えた方や、一家の稼ぎ頭が喘息に罹った場合、一気に窮地に追い込まれてしまう。貯金を取り崩しながら暮らすことになるが、喘息がいつどのくらい悪化・改善するか、職場復帰できるかは誰にも分からないので、大なり小なり不安を抱えながら暮らすことになる。

周囲の無理解

運転を教えて下さる教習所の先生に、「運転中に発作が起きたら、路肩に寄せて休んだらいいだけですよ」と言われたのは、辛かった。不慣れな運転のさなかに、発作で呼吸しづらい状況で、周囲の安全を確認して車を安全に路肩に止める自信などない。
ましてや高速道路運転中は、車を停止することさえできない。

車の免許を取って田舎暮らしをしたいという夢と、本当に運転して大丈夫だろうかという不安の間で、気持ちは常に揺れ動き、不安に負けた時期は教習所を休みがちになった。

最終的に、不安と貧困に負けてしまい、私は自動車教習所の通学を断念した。「気管支喘息を発症する前に、運転免許を取っておけば良かったな」と、過去を振り返り後悔することが、発症から2年が過ぎても未だにある。

成人喘息は吸引薬が不要なレベルまで完治出来るか (久徳重和医師の書籍「ぜんそくは自分で治せる」を読んで)

成人喘息は、一度発症したら一生お付き合いしないといけない病、つまり、不治の病だと聞いていた。

小児喘息はともかく、成人になってから発症した喘息は完治した事例が少ない。完治した事例は喘息全体の10%未満、しかもそのほとんどが、喘息重症度が4段階中最も低い患者とのこと。
10年以上喘息の治療を続けている患者が50%を超え、25%は20年以上治療を続けている、それが現代の成人の喘息治療の現実だと思っていた。

そこに、図書館で偶然この本を見かけた。

喘息が治せる。それも、小児喘息に限らず、成人の喘息さえも、吸引薬が不要なレベルにまで完治出来るらしい。

呼吸器科の医師が、現代医学では喘息は症状を抑えるだけで完治は出来ないと主張し、患者の多くはそのことを知っている。なのでタイトルを見た瞬間、「マユツバものの本だ」と思った。が、同時に、「暗く長い闇に差し込んだ一筋の光明かもしれない」とも思ってしまった。
払いたくもない薬代を払って発作に耐えながら一生付き合い続けるしかないと思っていた喘息が、治るかもしれない。そう思えただけで、少し前向きな気分になれたことは否めない。

誘惑に負けて、本を借りて帰って読んだ。

マユツバ本だろうから必要な箇所だけ飛ばし読みをしよう、と思って最初はあちこち飛ばして読んだが、結局再読し直して、最初から最後まで飛ばさず読み直す羽目になった。
読み直しながら、喘息患者としての自分はこんなにも希望に飢えていたんだな、と感じた。縋れるものがあるなら、藁にも縋りたい。発作が起きるから、衣料品店にも入れず、親友の引越の手伝いも出来ない…そんな日々を全てリセットして、健康な身体を返して欲しい、そういう悲鳴にも似た願いが心の奥底にあったことに、この本に出会ってから気付いた。

喘息とは心と身体とアレルギーが複雑に絡みあったもの

過去から現代に至るまで喘息完治の実例を多数持ちながらも、この本の手法が喘息治療の主流にならない理由は、喘息には心の原因が絡んでくることを明言し、治療においても心因を取り除くことを、重要視しているからだろう。

心の在り方や物事への感じ方1つで、喘息は発症しうるし、悪化(増悪)しうることもあれば、劇的に改善しうることもある。
こうした心と身体とアレルギーの3つを絡めた総合医学的なアプローチが、身体とその機能のみに着目してミクロの観点から治療を進める西洋医学と歩調を合わせ辛いのだろう。

また、「この薬を飲めば治る」といった画一的な治療法は取れず、患者からのヒアリングを中心とした診察と、その患者専用にカスタマイズされた医師の言葉の一言一言が治療のメインになるようだ。(心因が絡んでくる以上当然かもしれない)
こうした治療法では、ただでさえ少ない喘息専門医に喘息治療法を伝授するとしても年単位の時間がかかり、治療法を日本全土に普及するのは尚のこと難しい、という側面はあるように思う。

家庭での日々の生活をコントロールする

身体面とアレルギーの面からのアプローチは、現在の投薬による喘息治療で十分に対応頂いており、症状を抑えるという点では既に効果が出ている。反面、心の面や日々の生活面からのアプローチは不足しているので、この本から学び、追加で生活に取り入れるべき点が多々あった。

特に「冷水浴」については、寒がりな自分には思いつきもしなかったし、万一思いついたとしても絶対に実行には踏み切らなかっただろうと思う。この書籍で強く推奨されていたため、寒いのを我慢して、風呂桶半分の量の水から開始することにした。(本来は、15度程度の水を風呂桶に5~6杯が目安)

「軽く汗ばむ程度の20分以上の運動」は生活に取り入れやすい(買い物や外出と組み合わせる)ので、今日からでも始めることをおすすめしたい。喘息で鬱々としがちな気分が少し上向きになり、検査結果も良くなったので、自信も頂けた。

一番難しいのは、「心配性な」「口うるさい」両親の性格と「甘えん坊」で「不安でおどおどしている」な自分を変えること、だろうか(苦笑)
親の性格や育て方が喘息に影響を及ぼすとは思いもしなかったが、少なくとも成人喘息においては、両親の性格と喘息の発症割合には関連があるとする研究結果が本書に掲載されていた。

生活習慣や性格を変えることはかなりの難事業だと思うので、一朝一夕には結果が出ないかもしれない。
が、吸引薬なしに喘息が治るならこれほど有難いことはないので、喘息は完治すると信じて、1つずつトライしていこうと思った。

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気管支喘息患者の家に布団用掃除機は必要?(ハウスダストとダニのアレルギー持ちの場合)

結論から言うと、必須とは言い切れない。

週1~2回布団を天日干しするだけで、喉の違和感と睡眠中の咳の回数が軽減される。布団専用掃除機をかけた時と天日干しした時の効果の違いは、実感の上ではなかった。
ただ、布団を外に干せない「花粉の時期」「梅雨」「台風の時期」は、布団用掃除機があると重宝した。

Dyson V6 Triggerの青い布団掃除機全体を真横から撮影した写真。布団掃除機は灰色で所々に濃い青が配置されているデザインで、人が操作するボタンなどは赤色になっている。中央に透明なプラスチックでできた出すとボックスがあり、埃が少し溜まっている。

↑ Dyson V6 Trigger 全体像

私はアレルギーが起因となって気管支喘息を発症したアトピー型喘息で、ダニとハウスダストについてアレルギー症状が出ているため、ダニやハウスダストが周囲にたくさん存在すると、喘息発作が起きる。(但し、私は花粉症については、強い症状が出ていないので、花粉の影響はさほど受けない)
布団の場合は、ダニが身体に悪影響を及ぼす。アレルゲン物質となり人体に影響を与えるのは、生きているダニよりもむしろ、死んで粉々になったダニの死骸や糞。粉々になったダニの破片は、目に見えないほど細かい粒子になり、埃として布団や床や空気中に散在している。

インターネット上では、ダニの死骸は天日干しだけでは取り除くことができないので、布団用掃除機で取り除く必要がある、とされている。

Dyson V6 Trigger 布団クリーナー

布団用掃除機は、「Dyson V6 Trigger」というdyson(ダイソン)社製品を、新品で購入し使用。
dyson社製品は、布団用掃除機と通常の掃除機(スティック型ではない)の2台を有しているが、どちらも吸引力が強く埃がよく取れ、短時間で綺麗になるので、ダイソンの掃除機自体はかなりおすすめ。

布団掃除機Dyson V6 Triggerの持ち手の部分を拡大して撮影した写真。電源オンオフを切り替える赤いボタンと「v6 trigger」と書かれた白いロゴが見えている

↑ ダイソン V6 Triggerの持ち手部分。赤いボタンを指で引くと、電源がオンになる

布団用掃除機Dyson V6 Triggerのお尻の部分を拡大して撮影した写真。青いプラスチックで出来た排気口と「MAX」と書かれた丸いボタンが見えている。

↑ ↑お尻の部分。MAXボタンを押すと、強モードに切り替わる。

布団掃除機Dyson V6 Triggerのお尻に取り付けられている排気口の部品を外して撮影した写真。丸くて青いプラスチック部品の中に、白いフィルターが見えている。

↑ 排気口を取り外した状態。何度か使用した後だが、フィルタは汚れていなかった。

布団掃除機Dyson V6 Triggerの底面を撮影した写真。底面に、重さや充電時間や使用上の注意などが明記されているシールが貼られている。

↑ 底面。重さと充電時間が明記されたシールが貼られている。

充電してから使用するコードレスタイプで、3.5時間の充電すると約20分間掃除出来る。
ボディの後ろに「MAX」と書かれたまるいボタンが付いており、MAXボタンを押すと、パワーの強弱を切り替えることができる。強モードでは、連続使用可能時間は約6分。

慣れてくると約20分間で、掛け布団(片面×2回)・敷き布団(片面×1回)・ぬいぐるみ(小サイズ4体)くらいに掃除機をかけることが出来る。

布団掃除機Dyson V6 Triggerのダストトレイを少し開いた状態で撮影した写真。赤いレバーを下向きに1度押すと、透明なダストトレイの底が抜けるようにしてトレイが開く。ダストトレイの中に埃が入っているのが見える

↑ dyson v6 trigger のダストボックスの開き方。底が抜けるように開く…

レバーを下向きに一度だけ押すと、ダストボックスが開く。使い始めたばかりの頃、レバーの役割を知らずに押してしまい、埃を床にぶちまけそうになったことがあるので、ご注意を…。

ダイソン社の公式通販サイト

ダイソン社の公式サイトがあったので、リンク。製品の細かい仕様をお知りになりたい方は、こちらからどうぞ。

dyson公式 ハンディクリーナー

ダイソンv6 triggerで掃除できたもの

  • 敷き布団
  • かけ布団(毛布)
  • ソファー(布製・革製)
  • 座布団
  • 電気カーペット
  • ぬいぐるみ

布製品全般に掃除機をかけることができた。
掃除機をかけることで、布が傷んだり、キズがついたり、といったことは特に起きなかった。布団やぬいぐるみは年に1~2回度お洗濯するが、洗濯の方が、生地の傷みや色落ちが激しいように感じる。

ダイソン v6 trigger 布団クリーナーを使った感想

布団用掃除機をかけると、その場所で眠っても起きた時喉がイガイガしないので、一定の効果はあると思う。だが、正直なところ、使用前と使用後の違いが分からなかった。

敷き布団と毛布は、春から秋にかけて週1~2回の頻度で布団掃除機を使っているが、吸引薬での喘息のコントロールが不十分だった時分は、布団用掃除機をかけた後の布団でも、週1~2回くらい夜明け前に咳で目が覚めてしまうことがあった。布団掃除機だけで夜間の喘息症状を抑えるのは、さすがに無理だったようだ。

吸入薬での喘息コントロールが十分でき始めてからは、天日干しと布団用掃除機で布団のダニを減らしていることが功を奏し、咳や喉の違和感が原因で睡眠を妨げられることはほぼなくなった。睡眠妨害は、月0回~1回程度。

梅雨台風の時期は、曇りや雨の日が多く天日干しがしづらいので、布団用掃除機が見事活躍した。雨に濡れても洗い直せばいい衣類と違い、布団は濡れると大変なので、曇りの日でも天日干しを諦めざるを得ず、代わりに布団掃除機をかけてしのぐことができた。

また、私はイネ科の植物の花粉症があるので、7月上旬から8月にかけては、花粉症で少々辛い。花粉の飛散する時期は布団に掃除機をかけて、くしゃみと鼻水の回数を減らすようにしていた。

ダイソンの布団クリーナーを使う上での注意事項

うるさい

掃除機の間近で音を聞くからかもしれないが、掃除機をかけている間中工事現場の近くのようなうるさい音がする。

夜は、窓を閉めていても使用を憚られる。ハウスダスト・ダニアレルギーの喘息患者が掃除する時は、窓を全開にして掃除することが多いと思うが、この掃除機を掛ける時は騒音が酷いので、ご近所様にちょっと申し訳なく思う。
睡眠の直前に掃除機をかけるのは、ご近所迷惑を覚悟しない限り難しいと思う。

片手で使うには重い

重さが1.6kg以上あるので、男性が使うには問題ないが、女性が片手で連続20分使用するには少々重い。私は数分おきに休憩を挟みながら、断続的に使っている。

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布団クリーナーの使用感その2 ~後日談~

後日、花粉症のひどい方と一緒に暮らす機会があったのだが、気管支喘息より花粉症の方が、布団クリーナーの効果が高かった。

その花粉症の方は、目・鼻が毎日花粉でやられてしまい、ティッシュを手放すことができず、ひどいときは副鼻腔炎にまで悪化して慢性的な頭痛に悩まされていた。春のうららかな陽気の間中、衣類はおろか布団でも屋外に干すことができない。衣類は極力室内干しに、布団も布団クリーナーで代用という生活が始まり、布団クリーナーの有難みを実感した。

音は相変わらずうるさく気にはなるが、布団を外に干さずに済み、外から入ってきた花粉もある程度除去できる、という利便性には代えがたかった。何より、花粉を多く抱き込む布製品全般を掃除することができるので、アレルゲンの根絶に一役買ってくれたように思う。