月別アーカイブ: 2017年2月

ウェブライティングの仕事で困ること

ライティングの作業をしていると困ることがあります。残念ながら、「良い文章が出てこない」などという、情緒ある難しさではないです(笑)

資料が見つからない

私のライティング仕事は、自分の体験談を自由に綴ると言うより、いただいたテーマに関して知識を蓄えて記事に仕上げるという仕事になりますので、質のいい情報が手間なく見つかるか否かが記事の勝敗を分けるといっても過言ではありません。
(といっても記事の目的の半分はSEO対策ですので、記事の出来映えはあまり関係ないんですが……物を書く人間の末席の末席に控える身としては、美しい文章や質の高い内容以上に優先させるものなどないのです。笑)

ですが、いい資料が見つからないこともあります。私は大抵図書館の蔵書で下調べをすることが多いのですが、与えられたテーマがあまりにタイムリーなものだったり、あまりに専門的だったりすると、本がない(見つからない)という悲劇が発生します。

本がないとなると残る手段はインターネットしかないのですが、インターネットで調べる手間と効率の悪さ思い浮かべると、私のやる気は半分ほどに目減りします(笑)
ネットはとにかく、時間がかかる割に情報の量も質もよろしくないです。検索サイトに行き何度もワードを打ち込んで目的の情報を探さなければならないし、仮に見つかったとしてもよほどのサイトでない限り、情報の質が当てにできません。私も含め、どんな人でも匿名でそれらしい情報を提供できるのが、インターネットという世界の恐ろしさですね。しかも間違った情報、質の低い情報をどれだけ流しても、利用者が怒るわけでも著者が罰せられる訳でもありませんので……。愚痴を言っても始まりませんので、いらいらしながらもとにかく調べ、きちんとした記事にまとめようと努力します。

インターネット上にも情報がなく、下調べが出来なかった場合は一体どうするか。…私は諦めて、「この記事は書けません」と依頼主さんに白状します。だって本当に書けないんですもの。

情報のないまま何かを書こうとすると、思ってもいないことを書くか、想像してでっちあげるかの二者択一を迫られます。どちらの道を採っても、そうした行為を長く続けると虚しくなり心が荒んでいきますので、私はその前に諦めます(笑)
美しい文の連なりが好きでこうした仕事をさせていただいているのに、その言葉を自ら踏みにじっていると、精神衛生上大変よろしくありません。仕事人としては失格なのかもしれませんが、恐らく私には一生かかっても無理でしょう。

英語で仕事:プレゼンテーション資料・メール

英語で仕事その1に引き続き、和文英訳の業務内容をご紹介。

プレゼンテーション資料 presentation materials

国内で導入されているシステムを海外子会社に導入する場合、国内導入に用いたプレゼンテーション資料を、翻訳して海外向けにも使う場合がある。
システムのメリットや利用方法を記載した説明資料、と考えると分かりやすい。

難易度

プレゼンテーション資料を翻訳する場合、日本語パワーポイント資料という原文があるので、メール作成より難易度が上がる。だが、公式通達文と異なり多少の意訳が認められている

プレゼンテーションには通常、「営業」「有益な情報の共有」「社内教育」など事前に目的が設定されており、かつ、その資料に目を通す方も数人~数百人程度と、公式通達文よりも狭い範囲の人々が対象になる。そのため、英語も目的を達成するために用いれば良く、意訳や平易な英語を用いても構わないことになっている。
 
プレゼンテーション資料はA4用紙数枚~数十枚と分量は多く、デザインを崩さず英文を収めることなど英訳以外にも気を回す部分はあるのだが、通達文などの正式な文書と比べると気楽で英語力を必要としない業務と言える。

英訳する際に私が気を配るのも、できるだけ平易な英語を使い読みやすくする、ということだけだった。骨のある英語は社内通達文で用いるので、実務レベルで用いる資料はできる限り分かりやすく、行動や判断に結びつきやすい英文を作るよう心がけていた。

eメール e-mail / チャット chat

英訳業務に携わっていた時のみならず、外資系企業ではどこでも行う業務になるので、この項目は全般的に記載する。

海外や外国から来られた方と関わりのある部署に所属しているので、当然のように英文メールでのやりとりすることがある。また、近年は業務にもチャットの利用が広がってきたので、MicrosoftのLyncやOffice Communicatorを利用して、eメールの代わりにチャットで業務を進めることがある。
英文eメールやチャットでの会話は、英語を使う業務の中で最も気楽な業務だと思う。

原文を元に訳す必要がないので、通常は頭に浮かんだことをそのまま英語で書くだけで済む。日本語を介して考える必要がないので、その点も楽。英文テンプレートが用意されている時は、更に手間無く書くことができる。

英文メールやチャットで業務を行う際に気をつけることは1点だけで、意味の取り違えが起こらないように書く、ということだけだった。使いこなせない英語構文や意味のあやふやな英単語は、無理に使用しない方が良い程度。
日本語でメールを書くときも注意することだとは思うが、海外向けメールの場合、日本国内以上にさまざまな文化や風習をお持ちの方が多いので、意味の取り違えが起こりやすいことは否めない。

端的で易しい英語で書き、あとは日本製のまごころと気遣いを込めておけば完璧である(笑)

英語で仕事:社内通達文 – The Notification –

仕事が変わってから、仕事で英語を使う時間が、1日平均0時間から1~6時間へと増えた。海外子会社からの問い合わせや利用申請に応じる業務が、私の業務に含まれているためだ。

そんな中、私が時折頂く仕事の1つに、和文英訳がある。日本向けに作られた資料を英語に訳す、という考え方は至ってシンプルな仕事だが、文書の種類別に具体的にどんなことをしているのか、かいつまんでお伝えしてみようと思う。

社内向け通達文 The Notification

通達文とは

勤務先における通達文とは、全社員に伝えたい重要な連絡事項を20~40行のごく短い文章にまとめ、メール形式で配信するものだった。日本の製造業など社員数の多い大企業(特に製造業)で用いられている仕組みで、部長・本部長などお偉いさんの名前を冠し、正社員数万人を対象に伝達される。

業務の難易度高め

今まで請け負ったことのある英語仕事の中では、この公式通達文が最も難しかった。私自身も、どちらかというと苦手である(苦笑)

というのも、英文を作るとき原文(日本語)がある仕事の方が難しいからだ。自分の感覚値では、原文があるだけで仕事の難易度が倍になる。
原文がない場合、自分が普段から使い馴染んでいる語彙・構文で自由に文章を組み立てることができるが、原文がある場合は原文に含まれている意図が正確に伝わるかが何より重要で、欠かすことのできないチェックポイントになる。

そのため自分が普段使うことのない単語、例えば「海外拠点での活用」「申請時審査」のようなビジネスの単語、難解な日本語であっても、原文に忠実に訳す必要がある。
原文の意図を正しく掬う日本語読解力、最低限の業務知識、それに加え一定レベルの英語力が必要とされる仕事だと感じる。

難易度に違わず、この仕事が出来る方はどの企業でもあまり多くないようだ。

日常業務レベルの英語の読み書きができる方はそれなりにいらっしゃるが、原文に忠実に違和感のない英文を作れる方となると、数が絞られてくる。かつ、特定のシステム・プロジェクトに関する訳文となると、ITと業務への理解が必要。そして、翻訳・推敲を重ねるためにまとまった時間が必要となると、お偉い方が英語の出来る平社員を捕獲し、こまごまと説明した上で「やっといて」と丸投げすることになっていても、何ら不思議ではない…。

以前いた部署では、24人のチームのうちこの業務が出来たのは2人だけで、うち1人(=私)の英語力は当時かなりぎこちなかったので、留学帰りでTOEIC895の若い女の子1人が頑張っていた、という状況だった。

品格のある英語で

正式な通達文は、数万人の社員の目に触れる影響力の高い文書なので、日本語の原文を作る段階から推敲とチェックを重ねている。そうして出来上がってきた文書は当然完成度が高く、格式もお高く仕上がる。そんな文書を英語に訳していくのだから、当然、英訳チームも品格のある英語で訳そうと努力を重ねることになる。

実は、この作業がなかなかの骨折りである(笑) 普段は誰でも理解しやすく使いやすい平易な英語を使う機会が多いのだが、公式通達文の翻訳時ばかりは、そうも言っていられない。十二分に時間をかけて、紙の辞書と電子辞書を引きまくり、不明瞭な箇所を1つずつ解消して訳し忘れもないよう、推敲に推敲を重ねて訳していく。

僅か20行の日本語原文を、数日間に渡って翻訳&推敲を繰り返すことも何度かあった。

無駄と骨折りの多い仕事

残念ながら、ようやく全文を訳し上げた後になって日本語原文に修正が入ってしまい、スタート地点に戻ることもよくあった(笑) 
いくらお忙しいとはいえ、お偉い方はどうして人が仕事を仕上げた後になって、仕事を振り出しに戻そうとするんだろうか…。日本企業の無駄は、今日もなくならないらしい(笑)

しかもこうして作られた通達文は、格式高さと正確さを守るため、難易度の高い英単語が多用されていることが少なくない。そのため逆に、世界中のすべての社員が正確に読んでくださるとは限らない、という落とし穴もある。

公式通達文は、挑戦という意味も含めやりがい・達成感の大きい仕事ではあるが、無駄が多く疲労の尽きない仕事であるとも言えると思う。

「速読速聴・英単語Advanced 1000 ver.3―単語900+熟語100」松本茂 (英語上級者の方向け)

ネイティブの人が使う「生の英語」を理解したい人向け。但し、おすすめできるのはTOEIC800以上の方のみだと思う。

「速読速聴・英単語Advanced 1000」の説明

ネイティブ向けの英語を、違えず理解できるようになるための英語学習教材。

「経済」「外国から見た日本」などをテーマにしたネイティブ向けの新聞記事・雑誌記事が、2~5つに小分けにして掲載されている。どのページも見開き2ページで完結するよう作られており、ページの左側に修正なしの記事と日本語訳、右側に単語の意味や発音記号と、その記事を読むための背景知識が書かれている。
日本語訳は英文一文をまるごと訳してあるのではなく、”looking back at Japanese history(日本の歴史を振り返ってみると)”で訳を区切るなど、一文を節ごとに分け、英語の語順のまま理解できるような日本語訳になっている。

CDも2枚ついているが、ネイティブの速読・速聴のスピードに合わせてあるため、情け容赦なく速い

レベルとしては、TOEIC800以上の方向けだと感じる。TOEIC700未満の方がこの教材を使われると、ストレスを感じる上効率よく学習できるとは言い切れないので、あまりおすすめしない。

私が使ったのは初版だが、現在では記事を刷新した改訂版がver.5まで出版されているようなので、リンクはver.5で貼っておく。

「速読速聴・英単語Advanced 1000」を使った感想

この本で用いられている英語は、教科書レベルを脱した完全にネイティブ向けのものだ。なので、皮肉混じりのイディオムや造語、固有名詞における外国語の表現(Medecins Sans Frontieres 国境無き医師団、など)も原文そのまま盛り込まれている。

私は普段CDで聴き馴染んでから英文を読むという勉強方法を取っているのだが、スピードの速さと聞き馴染みのない表現の多さに、最初は全く聞き取れなかった。
何度か聞くと、流れている英語のトピックスと単語くらいは聞き取れるようになったが、細かな意味までは把握できない。それもそのはずで、テキスト原文を読んでも理解が追い付かないくらい、見たことのない単語やネイティブ普段使いの英語が多用されていた。

テキストの日本語と英語を照らし合わせながら読み込んだが、骨のある教材であることは間違いない。英語原文の全文に日本語訳がついているのでその点は安心できるが、原書の壁をなかなか突破できない私のような人には、いい起爆材になるかもしれない、と感じた。

そしてこの教材をやり始めてから、TOEIC試験のpart4とpart7が怖くなくなった(笑) 
part4は英語長文のリスニング、part7は英語長文のリーディングで、膨大な量の英語を短時間で読まされる箇所なのだが、この教材のスピードの速さと難易度の高さに比べれば、TOEICの英語は比較にならないくらい理解しやすく易しい英語に思える。
英語の長文読解が苦手で伸び悩んでらっしゃるTOEIC800以上の方には、おすすめできる教材かもしれない。が、正面から取り組むと心に負荷のかかる教材であることも、念のため付け加えておく(笑)

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ウェブライティングの裏側

「ウェブライティング」という名前だけを聞くと華やかな仕事にも思えますが、実際のところは、その真逆といっても良いくらいです(笑)

ひとり作業

そもそも物書きは、1人で調べ、1人で書くので、どちらかというと人と接する機会のない孤独な作業です。仕事の依頼も、月に数回メールでやりとりするだけですしね。
マイペースに仕事をしたい方には向いているかと思いますが、人と話しながらわいわい作業したい方には、恐らく向いていません(笑)

薄給

ウェブに載せる文章ですので、無料で公開が原則です。文章そのものを売ってお金が入るような本職の物書き仕事とは異なりますので、基本薄給です。

ウェブに載せる記事は、SEO対策向けの記事であることも多いです。SEO対策とは、googleなどの検索にひっかかりやすくするための施策のことで、「サプリメント」「エステ」などの特定のキーワードを繰り返し用いたり、文字数を一定以上に増やしたりすることを指します。つまり、まとまった量の文章が書いてあって、キーワードさえきちんと埋め込んで装飾してあれば、文章そのもののクオリティは全く関係ないんですね。

そのため、ウェブライティングは誰でもできます。当然お小遣い稼ぎの参加者も多いです。でも仕事はそんなにたくさんある訳じゃないので、必然的に仕事の賃金はますます安くなります。

時間がかかる

私の場合は20記事18000文字だったり、800文字8~24記事だったりという分量なのでそこまで多くもないんですが、それでも文章を書くのにはまとまった時間が必要です。

調べものの時間を除き書く時間だけを考えたとしても、一日2~3時間使ってせいぜい3~4記事しか私は書けません(遅筆です)。とすると、20記事書くのに連続7日はかかる計算になります。実際には本業の仕事が忙しかったりもするので、平日のべ10日間かかることも多いです。休日に物書き仕事をするとかかる日数は減りますが、そのぶん休みもありません(笑)
これだけの時間がかかっても、20記事で賃金1万円を超えることはまずないです☆

まとめ

つまり、時間と手間ばかりかかってほとんど益がないのが、ウェブライティングという仕事です。特に誇張なしでここまで例証できてしまうのが、この仕事のすごいところですね。

こんな足りないものづくしの仕事をなんで続けているかというと、「ものを書く仕事ができる」という、ただそれだけです。事務でも営業でも、これほどたくさんものを書ける仕事はありません。書きたい人や書くことを仕事にしたい人になら、一度試してみる価値はあると思います。

「まんがで学習 おぼえておきたい俳句100」小林清之介(著者), 山口 太一(作画)

小学校3~6年生向けの俳句学習漫画です。

「おぼえておきたい俳句100」の説明

筆者の選んだ俳句100種が、4コマ漫画やイラスト解説をセットで、1ページにつき俳句1首ずつ掲載されています。

松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶、正岡子規の俳句が多く、よく耳にする有名な句も多数載せられています。

 「菜の花や 月は東に 日は西に」与謝蕪村
「五月雨を あつめて早し 最上川」松尾芭蕉
「雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る」小林一茶

などなど。

「おぼえておきたい俳句100」の感想

俳句は昔の言葉で書かれているものが多いので、小学生にはちょっと難しいのですが、各ページの真ん中に面白い4コマ漫画(内容の半分はギャグ漫画)が描かれているので、子供は漫画に釣られてついついこの本を読んでしまいます(笑) 

でもギャグに見せかけた漫画も、実は俳句をより噛み砕いて分かりやすく表現している俳句漫画で、漫画を読んでから俳句を読むと、俳句そのものの持つ良さや意味が分かるという2重構造になっています。

子供時代の私はこの本と、姉妹本「まんがで学習 おぼえておきたい短歌100」をよく読みました。
短歌の本・俳句の本ともに1ページごとに完結する構成なので、どこからでも読み始めて好きなところで読み終われるのも、気まぐれな小学生には適していました。

近年はTV番組から火がついて俳句ブームが巻き起こり、「俳句が流行る世の中が来るとは..」と正直びっくりしていますが、こうした世の中であれば、小学生が一句読むことに何の違和感もなさそうです。
お子さまが俳句に親しみたくなったら、こうした俳句の漫画も、手近な教材と言えるかもしれません。

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地方国立大学文学部のフランス語の授業

フランス語の授業には、いい思い出が多いです。

フランス語が好きだ

英語と一番大きく違うのは、やはりこれじゃないかと。3回生になって、学部の選択科目になってまでフランス語の授業を取る人は、何だかんだ言ってやっぱりフランス語が好きなんですよ(笑) J’aime le france. Moi,aussi!

教授も生徒もこの気持ちを共有してる上、フランス語選択者は必修授業でも学部全生徒の4分の1程度なので、授業はとてもアットホームです。初級フランス語会話の授業で受講者4名(!)、フランス文学の授業で5~6名くらいです。でもそのお陰で毎講義ごとに先生と雑談ができ、プライベートレッスンの様で気に入っていました。

今振り返ると、現役大学教授に差し向かいで教えて貰えることなんて、そう多くはないですよね。非常に貴重な体験だったと思います。

フランス語会話の授業

教授の本職はピアニストという不思議な授業でした(笑) 日常会話を集めたテキストで、表現や単語を学んだあと、実際にその例文を使ってみて受講者や教授と話していきます。

フランス語はリエゾン(単語と単語を繋げて発音する)があるので、リスニングとスピーキングが英語より格段に難しい! でもフランス語の音の滑らかさはリエゾンのお陰でもあるので、リエゾン禁止法案が提出されたら私は泣きます(笑)

日本人にありがちなんですが、文章は理解できるのに、とっさに話すことができず苦労しました。
“Vous avez un ordinateur?”(パソコン持ってますか?)という文章は読んで理解できるのに、”Oui,j’en ai un.”(ええ、1つ持ってます)は口から出てこない(笑) 
道端でばったり教授に出会うと、”Vous etudiez le france?”(フランス語勉強してる?)と訊かれても”Tous les jours!”(毎日やってます!)という単語さえ出てこなくて、非常にもどかしい思いをします。

フランス文学の授業

大学にフランス文学専攻コースがあったので、フランス文学の授業は毎期開講されていました。私が受けたのは、そのうちの初級に近い講義です。私程度の語学力では、難しい講義は受講できません(笑) 初級でもかなり難しいのです。

仏文の授業では、フランス語をある程度読めることが前提で、フランス文学の詩や文章を読んで、語句をどう解釈し作者の意図を読み取るか、という読解が授業が中心です。

「次回は僕がこの詩、訳して解釈してきまーす」と立候補しておいて、訳と解釈を書いたレジュメを用意します。そして授業の前半で用意した和訳に説明を加えながら解釈を述べ、授業後半で教授やほかの受講生と「この語句は『病』の比喩じゃない?」「ここはさすがに、性的な表現じゃなさそうですね」などなど言い合いながら、作者の意図を考えていきます。

私が受けたのはヴァレリーのcahierという詩篇を読んでいく授業だったのですが、私はフランス語がなかなか読めないので、常に日本語訳と突き合わせながら原書を読んでました(笑) 
訳したかった箇所が別の受講者の方に先を越されたり、単語が調べきれない!と音をあげながらも、やっぱりフランス語は美しく、文学の解釈って面白いな、と感じる日々でした。

語学学習にリスニングを活用する(英語編)

大学生や社会人など、英語を独学されてる方は、是非リスニングを上手に使ってください。リスニングを上手に活用できると、語学を身につけるまでにかかる膨大な手間や時間を減らすことができます

英語をひたすら耳から聞くだけでも英語力は上がる

意外に忘れられがちなのが、大量の外国語の音を聞くと、それだけで語学力は向上するという事実です。

外国に行った人の多くが、日本で学んでらっしゃる方よりも外国語を早く身につけるように、視覚・聴覚からも大量の英語に接することを習慣づけると、語学を身につけるスピードは確実に速くなります。日本において、視覚から入る英語の量を増やすことはご自宅以外では難しいですが、聴覚から入る英語の量はスマホ等を使えば簡単に増やすことができます。

日本語ネイティブの方が「雨を降ります」とは言わないように、英語ネイティブの方が”pick it up”を”pick up it”とは決して言いません(後者は発音しにくく聞き馴染みがないので、聞くと気持ち悪く感じる)。どの国の言葉にもリズム、音程、独特のニュアンスなど、文字にしづらい部分が必ずありますが、外国語を日々耳から聞き流していると、そういったものが努力せずとも自然に身につけることが出来ます。

やる気がなくても英語学習が出来る

仕事や勉強で疲れ切って「今日は語学の勉強なんて1ページもしたくない」という感覚は、語学学習者であれば経験のあることだと思います。

そんな時でも、英文を聞き流すだけなら、スマホ等のボタンを押すだけで出来てしまいます。酒を飲んでリラックスしながら、家族と仲良く話しながら、ゆっくり長風呂に浸かりながらでも、何ら問題なく。
私は、散歩、家事、長風呂でよくこの方法を利用しています。

今はスマートフォンが広く普及していますから、スマホに外国語の教材のCDを入れておく、You Tubeの英語ページのリンクを貼っておくなどするだけで、疲れた日でも労せず語学学習を継続できます。

聞き流し英語学習のおすすめツール

私が使用してきた中で語学学習におすすめのツールは、カセットテープレコーダー日仏英3ヶ国語対応の電子辞書ノイズキャウンセリングイヤホン、スマートフォンです。

各ツールの詳細は、それぞれのページを参照下さい。
  → カセットテープレコーダーについては、こちら
  →
日仏英3ヶ国語対応の電子辞書についてはこちら
  → ノイズキャウンセリングイヤホンについてはこちら

英語で仕事をする

リスニングの活用からは少し話が逸れますが、ある程度英語が身についてきたら、英語を仕事にしてしまった方が英語力は向上します。成人であれば1日8時間程度は勤務することが多いので、この時間を語学力向上に使わない手はありません。

英語を仕事で日常的に利用する環境に身をおいていれば、職務経歴書に書ける実務経験が身につくので英語の仕事を続けやすいだけでなく、毎日の仕事の合間の隙間時間に英語で書かれたwebサイトをウェブサーフィンして少しずつ語学力を身につけることも出来てしまいます。より英語力が上がれば、外国から来られた方と英文メールでやりとりしたり、英語で口頭で機器の使い方を説明したりと、活躍の場は少しずつ広がります。

但し、英語力があまりに少ない状態でこうした場に身をおいてしまうと、勤務自体に強いストレスを感じます。英語の出来る同僚達からは「使えない奴」というレッテルを貼られて白い目で見られ、上司からの評価も上がりませんので、「ある程度英語が使える」状態で勤務を開始することがポイントです。

おわりに

リスニング学習のこういったメリットを踏まえると、独学で語学を頑張られている方は是非リスニングを重視して、負担なく語学を身につけてほしいな、と感じています。

「Le Dico(ル・ディコ)」(仏和辞書/フランス語辞書)白水社

大学の第二外国語としてフランス語を初めて学ばれる方もいらっしゃるので、自分が愛用している仏和辞書を公開。

「Le Dico」の説明

Le Dicoはフランス語で「辞書」という意味で、その名の通り、仏和辞書です。テキストと並んで、大学の指定購入品の1つになることも多く、私の通った地方国立大では「クラウン仏和辞典」↓や「Petit Royal(プチ・ロワイヤル)」↓と並んで、こちらの「Le Dico」が大学指定購入品でした。

 

収録語は約35000語。古めかしい語や専門用語は思い切って省き、現代人が日常で読み・書き・話すのに必要なフランス語を中心に掲載されています。
使用頻度の高い基本単語4000語は、濃い赤色の活字で印刷されており、見つけやすいです。その中でも初学者がまず出会うであろう特に重要度の高い語句550語は、大きな活字で印刷されています。

熟語や例文も豊富で、重要な見出し語を中心に、日常フランス語の例文・用例が掲載されています。例文はシンプルで、日常会話にすぐ使えるものが多いです。
巻末には、動詞活用表、和仏辞書(約53ページ分)、発音の仕方、接尾辞表、なども掲載されています。

薄くしっかりした紙が使われているので、長く使っても持ち運んでも、ページに皺や手垢がつきにくいです。自分がよく使っていたLight House英和辞書よりも紙色が明るく、文字が負担なく読めるように感じます。

本文の総ページ数は1788ページ。定価3800円。重さ807g。

「Le Dico」を使った感想

フランス語に関して、辞書は2つを併用しています。1つが持ち運び用の英語・フランス語対応の電子辞書で、もう1つが自宅学習用の「Le Dico」です(私は1つ前の版の第二版を使っています)。

「Le Dico」は購入してから10年以上経ち、その間にフランス語力はゼロから仏検3級レベルに向上しましたが、その間持ち運ぶ時の重さ以外で不満を感じたことが殆どなかったので、いい辞書なんだろうな、と思っています。

掲載されている例文がわかりやすく使いやすい

シンプルな例文が多いのが、まず重宝します。変なひねりがないので、例文の単語を入れ替えたりするだけで、すぐにフランス語会話やフランス語のライティングに使えます。

例えば形容詞の”bien”(「良い」「上手い」という意味)の欄には、

* Elle chante bien. (彼女は歌がうまい)
* Aves-vous bien dormi? (良く眠れましたか?)
* Cette montre ne marche pas bien. (この時計は調子が悪い)

などの例文が掲載されています。
動詞だと、”comprendre”(「理解する」「分かる」という意味)の項目では

* Comprenez-vous ce que je dis? (私の言っていることが分かりますか?)
* Il comprend l’anglais mais le parle mal.(彼は英語は理解できるのだが話すのは下手だ)

という感じです。

フランス語と同じ意味の英単語が併記されている

フランス語単語とほぼ同じ意味に当たる英単語がある場合は、下記のように英単語も並べて表記下さっていることも、理解を早めてくれました。

recevoir(英:receive) 1.受け取る、もらう
rencontre(英:encounter) 1.出会い、めぐり合い

フランス語と英語は、兄弟のように文法や単語が似ています。単語同士も意味が似通ったものが数多くあり、questionnaire(アンケートという意味)など一部の単語は、英語でもフランス語でも同じ意味・同じスペルで使われているほどです。

和仏語彙辞典が収録されている

あとフランス語の授業でよく使うのが、巻末の動詞活用表と、ミニサイズの和仏語彙辞典
動詞活用表はフランス語を学ぶ上で必須(というか、避けたくても避けさせてくれない。笑)なので、どの辞書にも載ってるとは思うんですが、和仏語彙辞典は……ほかの辞書には載ってるのかな? ぜひ、和仏辞典のついている仏和辞書を購入してあげてください。その方が何かと便利です。

大学の第二外国語としてフランス語を学ぶのであれば、新しく和仏辞典を買わなくても、「Le Dico」の巻末の和仏辞典で十分対応できます。普段よく使う単語が取り揃えられているので、フランス語会話の授業などに重宝します。

「Le Dico」を利用する際の注意点

大学等への持ち運びにはおすすめしません。当時スマホが無かったので英語辞書とフランス語辞書の2冊を持ち運ぶ羽目になりましたが、辞書が2冊とも要る日は、肩が砕けそうになりました(笑)

頻繁に持ち運ぶご予定があるなら、英語・フランス語対応の電子辞書やスマホのオンライン仏和辞典などの電子機器を併用された方がいいと思います。
大学のキャンパスは郊外や山の中腹など辺鄙なところにあることが多いので、電波が届かなくても確実に辞書を使いたいなら電子辞書を、多少利用できなくとも安くて手軽な方が良いならスマホをおすすめします。

但し、試験が辞書持込み可の場合も、電子辞書やスマホが持ち込めるかどうかは怪しいので、詳細は大学に直接お問合せ下さい。フランス語検定試験は辞書自体が持込不可です。

Glosbe(オンライン仏和辞書)

インターネット上で見れる仏和辞書なら、紙の仏和辞書に最も近い使い方が出来る「Glosbe」が良さそうだと感じました。「Glosbe」でdormir(意味:眠る)を引いてみた結果をリンクします↓

 Glosbe
https://ja.glosbe.com/fr/ja/dormir

ページの下の方に、その単語を含む例文が豊富に添えられているので、単語の意味をより把握しやすい構成になっています。紙の辞書でdormirの周辺に書かれているであろうdormance(意味:お休み)やdormeur(意味:寝坊)などの単語もワンクリックで意味を確認出来るので、芋づる式に周辺の単語に目を通しておくことも可能です。
日本語で書かれた意味の下に仏仏辞書の結果も表示されているので、フランス語学習上級者にとってはより一層便利ではないかと思います。

ただ、ポーランドの方々が中心となって製作されているサイトのようで、説明文の日本語がやや怪しいところがあります。また、男性名詞は Gender:masculine 、名詞は Type:noun のように英語で表示されているので、細かいところまで理解しようとすると、英単語を地道に調べる根気が必要です。

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