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柄物マスキングテープの実用的な使い道

無地でシンプルなマスキングテープは使い勝手が良いが、柄物のマスキングテープは、可愛らしさに負けて衝動買いしたはいいものの、結局持て余すことが多い…。
柄物マスキングテープの使い道を検討してみた。

mtマスキングテープが、7本立てた状態で置かれている写真。向かって手前左から、黒猫の柄のついたオレンジ色のマスキングテープ、黄緑色のストライプのマスキングテープ、猫の足跡の柄の緑色のマスキングテープ、黒猫の柄のついたピンク色のマスキングテープ、万華鏡柄の色とりどりのマスキングテープ。向かって奥左から、水色と銀色のストライプマスキングテープ、たまご色の無地マスキングテープ。

↑今回使用するマスキングテープ

自宅や小物をマスキングテープで飾る

白プラスチックで出来た横長のフックに、自転車の鍵が数個吊り下げられている。白プラスチックのフックには、ピンク色の背景に黒い猫の絵が描かれたmtマスキングテープが貼られている

さすがにこれは基本ですね(笑)
白やベージュなど地味な物に貼ると、マスキングテープも目立って効果的。

仕事用の小物に名札代わりにマスキングテープを貼る

会社からの支給品に、お気に入りのマスキングテープを貼る。お揃いになりやすいシャチハタ印鑑や携帯充電器も、マスキングテープを貼るだけで簡単に見分けられる。

黒いシャチハタの印鑑ケースと、黒い自転車の鍵と、白いiPhone充電器を白い床に並べ、真上から撮影した写真。シャチハタ印鑑ケースと鍵と充電器には、黒猫の描かれてたピンク色のマスキングテープが貼られている。

↑ シャチハタ印鑑と携帯充電器と鍵にマスキングテープを貼ったもの。

同じ部署内に2人の「鈴木さん」がいるというのはよくある風景だが、拾ったシャチハタ印が「鈴木」だったら、普通はどちらの鈴木さんか迷う。が、ピンク色の猫マスキングテープが貼られていたら、50代のおじさま鈴木さんではなく、女性鈴木さんの手元にきちんと戻ってくるのが、マスキングテープの良さだと思う(笑)

この方法を思いついたのは、会社から全員同じ型の電子機器が支給され、私に配布された機器を誤ってAさんが外出先に持ち出してしまう、という事件が起きたからだ。
使い始めた当初は、マスキングテープに所属と氏名も書き込んでいたが、最近は「猫のテープが貼られていたら、○○さんのもの」と認識して貰えるようになったので、氏名すら書かずに済むようになった(笑)

「猫、お好きなんですか?」と世間話のきっかけにもなってくれるので、便利。たくさん貼っておけば「借りパク」(誰かから借りたままパクる)に遭うことも少なくなるし、可愛らしく所有権を主張できる

なくしやすい小物にマスキングテープを貼って目立たせる

コンタクトレンズの入れ物・眼鏡の入れ物・小さくなった消しゴム・リモコン式電灯スイッチなど、それなりによく使うのに、どこへやったか探し回ることの多い小物はないだろうか。

リモコン式電灯スイッチがあまりに頻繁にどっか行く(大抵枕の下か布団の中にある)ことに腹が立ったので、派手柄マスキングテープで目立たせてみた。

電灯の白いリモコンを斜め上から撮影した写真。リモコンには、黒猫の描かれたオレンジ色のマスキングテープがたくさん貼られている。

結果、見失いにくくなった。見失った時も、派手すぎるので、見つかるまでの時間が短くなった。見つからないイライラが軽減されたので、ちょっと嬉しい。

この手法は、鞄の中で見つけづらい地味色小物(特に黒い小物)にも応用できそう。

見分けがつかない小物にマスキングテープを貼って区別する

三菱鉛筆uniの鉛筆6本を茶色いストライプの板の上に並べ、斜め上から撮影した写真。それぞれの鉛筆の根元の部分には、派手な柄のマスキングテープが貼られている。2H鉛筆には水色のマスキングテープ、H鉛筆にはピンクの黒猫のマスキングテープ、B鉛筆にはオレンジの黒猫のマスキングテープが貼られ、鉛筆を区別しやすくしている。

私は鉛筆をよく使うが、三菱鉛筆uniは6Bから8Hまでの異なる濃さ・硬さの鉛筆が、全て同じデザインで同じ色をしている。絵を描くたびに鉛筆を見分けるのが面倒なので、よく使う鉛筆だけ鉛筆の硬度ごとに違う柄のマスキングテープを貼り、ひと目で区別できるようにした

STAEDTLER鉛筆(軸が全て青色)やFaber-Castell鉛筆(軸が全て深緑色)でも同じことをやった。(各社とも、何故一目で区別できるような工夫しないのかは、よく分からない)

大学ノートやフラットファイルの背表紙に貼って区別しても、便利↓ (徳用で購入した品は、とにかく同じデザインのものが多くて困る…)

透明な二穴ファイルに書類を綴じたものを4冊重ねて平置きし、斜め上から撮影した写真。全てのファイルの背表紙に、水色や黄緑の柄物マスキングテープが貼られている。

↑ 二穴ファイルをマスキングテープで区別。

最初は無地マスキングテープを貼っていたが、部屋が薄暗いと色が判別出来ず、区別しづらかったので、柄物マスキングテープの方が適していた。派手柄マスキングテープでも、事務用品の背表紙だと不思議とあまり目立たないので、もう少しあざやかなテープでも使いやすいと思う。

大小さまざまなクリアファイルの背に柄物のカラフルなマスキングテープを貼ってある写真。

↑ クリアファイルもマスキングテープを貼れば見分けるのが楽。

増減を繰り返しやすいクリアファイルでも同様に。クリアファイルを切って領収書入れにしていたが、背表紙にマスキングテープを貼って棚に保管するようにすると、背表紙だけで見分けられるようになる。こちらも派手柄マステが便利だった。

鍵も同じ形で用途の違うものが2本あるので、別々のマスキングテープを貼り、区別した。セキュリティ上、鍵には名前や用途を書きづらいので、テープの色や模様など、自分と家族にだけピンとくるマスキングテープを使えると効果大

盗まれやすい小物にマスキングテープを貼り、性別を主張する

男性の多い世界だと、ピンク色のマスキングテープを貼り「これは女の持ち物だ」と主張するだけで、盗難防止になる。それを実感したのは、クロスバイクで街乗りを始めた頃。

GiantのEscapeR3の白いクロスバイクのハンドル部分に、ピンク色のmtマスキングテープを巻きつけてある。マスキングテープには歩いたり伸びをしている黒猫が数匹描かれている

クロスバイクやロードバイクは、いわゆるスポーツ自転車で、自転車のボディがアルミやカーボンなどの軽い素材で作られており、成人男性が乗ると原付に負けないくらいスピードが出る。
お値段も素材に比例して高価で、クロスバイク本体(フレーム)だけでも数万円以上、ロードバイクであればライトやペダル等の部品をひっくるめて10~20万円くらいかかるのが一般的。

クロスバイクライダーなら頷いて頂けると思うが、クロスバイクやロードバイクライダーの間では、自転車用ライトなどの盗難が日常的に横行している。
20数年間ママチャリを乗り続けても、ライトも自転車本体も一度も盗難に遭ったことがなかったが、クロスバイクは足かけ3年乗っただけで、ライト(市価約2000円)が2回、サイクルメーター(市価約5000円)が1回盗まれた。

「本体に数十万つぎ込んでおいて、備品は盗るのか!?」と盗られた側は心から思うが、思ってもライトが返ってくるわけでもないので、柄物マスキングテープで対策することにした。

GiantのEscapeR3の白いクロスバイクのフレームに、ピンク色のmtマスキングテープを巻きつけてある。マスキングテープには黒猫の親子が数匹描かれている

ロードバイク乗りには、とにかく男性が多い。女性は2割いないと思う。男性が数的に優位の世界では、男性同士の競争(つばぜり合い)が激しくなりやすい。(普段男性だらけの世界に身を置いているので、経験からの仮説)
反面、女性は希少価値が高いので、女だというだけで(ある程度)丁重に扱って貰え、激しい競争に巻き込まれることも少ない。

「クロスバイクにもこの仮説が使えるんじゃないか」と考え、クロスバイクの備品にピンク色の柄物マスキングテープを貼って『女』を主張してみたら、それ以降盗まれる回数が激減した。
自転車にマスキングテープを貼り始めて1年経ったが、まだ何も盗まれていない。

男性も、カモフラージュのために、ピンク色やかわいい系のマスキングテープを貼るのは有りだと思う。男性のキャラがマスキングテープの柄に合っていれば、お金をかけずに盗難対策が出来る。

既存製品のリメイク

10年程前に職場の方から頂いた魔法瓶水筒が出てきた。
そのままだと黒一色の魔法瓶で、液体が何も入っていなくても重たく見えるので、mtの柄物マスキングテープでリメイクしてみた。

白黒の魔法瓶水筒のボディに柄物のmtマスキングテープを貼ってリメイクした写真。

モノクロの魔法瓶水筒のボディにmtの柄物マスキングテープを貼り、後ろから写真を撮った写真。

パッケージに付いていた丸型マスキングテープを中央に貼り、余白に等間隔でテープを貼っていっただけ(笑) それでもメインを張る小物に格上げできるのは、柄物マスキングテープのお陰か。

まとめ

当初使い道に困っていた柄物のマスキングテープも、仕事系・文具系のデコレーションに使い始めてからは、さくさく使えるようになった。
柄物マスキングテープと仕事の組合せは相性が悪そうに思えるが、仕事系備品に飾り気がなさすぎる分、使いすぎなければ違和感なく溶け込んでくれて、意外と問題なかった(笑)

「やさしい顔と手の描き方(drawing head and hands)」 A・ルーミス (著)

人物画の頭部と手を、より肉感的に、リアリティを込めて描きたい方におすすめ。

「やさしい顔と手の描き方」の説明

人物デッサンの中でも特にデッサン力の要求される頭部と手のデッサンの手法について、集中的に取り上げている本

本書の著者であり、卓越した作画技術を持つ美術家でもあるルーミス氏は、前作「やさしい人物画–人体構造から表現方法まで」でも頭部や手の作画を含めた質の高い講義を疲労して下さったが、今回の本は頭部と手についてのみ深く掘り下げ、バランスのとり方や描画のポイントを説明下さっている。

「やさしい人物画」同様、こちらの書籍にも日本人モデルは描かれておらず、西洋風モデルの人物デッサンのみが掲載されている。

マール社出版。定価1800円。
1977年初版発行、1995年第40刷発行。

「やさしい顔と手の描き方」を読んだ感想

前作「やさしい人物画–人体構造から表現方法まで」が良本だったので、前作を読んだあと、こちらの本も購入した。

前作でもそうだったが、ルーミス氏は著作の中で美術家の心構えやデッサンに取り組む際の考え方に言及して下さっている点が嬉しい。

今回の「やさしい顔と手の描き方」の冒頭でも、「なぜ頭部を描きたいのか」について、自分の中を深く見つめ返してみるよう示唆される。
頭部や手は、骨格や筋肉が複雑に入り組んでいるため、(ピカソとレンブラントを除く)殆どの方は上達までに長い忍耐と努力を必要とする部位でもある。自分の中にある「何故描きたいのか」という理由に気付き、折に触れその理由を思い返すことが、上達に近づく秘訣なのだろう。

頭部に関してはとにかく全体のバランスと骨格を重視し、目鼻などのパーツを頭部に組み立てる技術が大事のようなので、作中のモデル画を模写しつつ、じっくり腰を据えて身につけていこうと思っている。

正直なところ、ルーミス氏ほど正確で美しい人体デッサンを描ける方は少ないと思っているので、当面の間、ルーミス氏の指導に一字一句従ってみるつもりだ。

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アイラブロウライナーをクロッキーの画材として使う

化粧用のアイブロウライナーやアイライナーで、クロッキーや落書きをするのが好きだ(笑) 色鉛筆より芯が柔らかく、線も太めなので、穏やかで優しい線が描けるところがお気に入り。


アイブロウライナー・アイライナーの説明

お年頃の女性には説明不要なので(笑) 以下、男性向けに。

アイブロウライナーは、眉を描くための化粧道具で、アイライナーは、目のふちに沿ってラインを描き、目を大きく見せることができる化粧道具。どちらも、色や形が色鉛筆と良く似ており、茶色から黒にかけての色が非常に豊富に揃っている。

↓ 自宅のアイブロウライナー。クレヨンのような、あたたかみのある茶色が手軽に出せる
"ff"の茶色いアイブロウライナーの写真。透明なキャップを外し、白い紙にアイブロウライナーで茶色の線を試し書きしている。

お値段はピンキリだが、手頃な値段のものであれば、マツモトキヨシなどのドラッグストアや100円均一ショップでも売られている。間違ってもお高いものを画材へ転用してはいけない…財布への打撃が大きいし、恐らく女性の恨みを買ってしまう(笑)

アイブロウライナー・アイライナーを使用する理由

化粧品としては芯が硬く使いにくいアイブロウライナーを持て余し、試しに紙に落書きしてみたのが始まり(笑)

手が疲れにくい

アイブロウライナーを画材として使うときは、3時間以上本腰を入れて描く!と気合いを入れている日が多い。

3時間以上描く時に芯の硬い画材を使っていると、気力が萎えるより先に手が怠くなってしまい、休憩や中断を挟まざるを得ないが、アイブロウライナーやアイライナーは8B鉛筆よりもはるかに柔らかいので、集中力を切らずに長く描き続けることができる。

また、軽い力で濃く太い線が出るので、手が疲れてきた時も、味のある線を描くことが出来、絵の仕上がりも良くなる。

茶系の色が豊富

化粧道具だけあって、色鉛筆セットに楽勝で勝てるくらい、落ち着いた色みのブラウンが豊富に揃っている。

明るい黄色が混じった茶色、赤みの強い茶色など、一口に茶色と言っても様々な種類の茶色があり、いろいろな色みが茶の中に混ざっている。町人の奢侈が禁じられた江戸時代後期に「四十八茶百鼠」と言われるくらい多様な茶色・灰色が生まれ、町の人々に愛されたそうだが、化粧品の茶系の色の多様さを見ていると、四十八茶百鼠に通ずるものがあるなあ…と感じる。

単に自分が穏やかな色が好きだ、という好みの問題もあるが、地味めの穏やかなブラウンだと、目が疲れず、長くキャンバスを見つめていられるように思う。

安物のアイブロウライナーを自宅に余らせている方は、画材として試してみる価値はあると思う。個人的には、グレージュ(灰色がかったベージュ)や深めのブラウンの色がおすすめ。芯の硬さはお好みで。

デッサン練習のためにモチーフを集めて保管する

描きたい時にすぐ描けるよう環境を整えておきたくて、鉛筆デッサンや色鉛筆画の練習用に予めモチーフの集めて保管しておくことにした。
(ここでは、デッサンのモデルを務めてくれる石膏像や小物の類を「モチーフ」と呼んでいる。「題材」「モデル」など適した言葉に置き換えて頂いて構わない)

今までに3つのデッサン教室にお世話になったが、どの教室でも先生方が工夫を凝らして、モチーフを収集されていたように感じる。
集められていたモチーフは、(1)デッサンの技術力の向上を主な目的としたもの (2)絵のモデルとして描いたときに見栄えがして美しいもの の大きく2種類に分けられる。(1)は石膏で出来た多面体やギリシア彫刻を象った石膏像などが挙げられ、(2)は色あざやかなガラス小物・造花・楽器・年代物の皮製品などが挙げられるだろう。

N先生の個人教室・T先生の個人教室では、先生方ご自身が絵の注文を受けたり個展を開かれたりしていることもあり、(2)のモチーフが多めだった。翻ってAスクールでは美術大学の予備校という位置付けであったためでもあるが、(1)のモチーフが豊富に揃えられていた。

どの絵画教室でも、モチーフはかなりの数を取り揃えていたN先生の教室では、教室1室の壁1面と引き出し1つを埋め尽くすようにモチーフが所狭しと並べられていたし、T先生の教室に至っては、教室の部屋中にモチーフが飾られていて、選び放題だった(笑) Aスクールでは、底の深いプラスチックの引き出しが20個程度部屋の片隅に置かれており、高さ30cm以下の小さいモチーフがその中に多数入れられていた。石膏の胸像や牛骨など大型のモチーフは引き出しには入らないので、教室の邪魔にならないところに点在するかたちで保管されていた。

各教室が具体的にどういったモチーフを集められていたかは、管理人の描いた絵を何枚か眺めて頂ければ、想像がつきやすいと思う。風景画以外はどれも、絵画教室に置かれていたモチーフを利用させて頂いたものだ。(ご自分で持参したモチーフで絵を描かれる方も多いが、ここの管理人は面倒臭がりなので、そういったことをしたことが殆どない…)

教室に通いながらこうしたモチーフを眺めていたので、そろそろ自分でもモチーフを集めていこうと思い立った。あまりたくさん集めると邪魔になるだけだが、お気に入りのモチーフだけでも、早めに集め始めておこうと考えている。

WARSTEINERと書かれた茶色いガラスのビール空瓶と、SUNTORY PREMIUM SODAの透明なガラスな炭酸水の空瓶と、MAXELLのロゴが入った乾電池数本が、灰色のカーペットの上に並べてある写真。写真は真上から撮られたもの。写真の向かって左には、ミニサイズのHennessyの空瓶1本と、たまご型のガラス玉が映っている。

相変わらずガラス瓶を描くのが好きなので、親族が我が家で飲み終えたお酒やリキュールの類いは、色・かたち・描きやすさ・ときめき等の項目で精査されたのち、私の手元に長期保存される。(私自身は殆どお酒が飲めないので、酒=眺めるものである)

今追加で集めているのが、企業ロゴの入った工業製品。本業(=システムエンジニア)で多くの企業様にお世話になっているが、お気に入りの企業様についてはお世話になったきりで終わるのが惜しくて、企業ロゴで絵の練習をしようと思ったのが始まり。

ガラス瓶のラベルや乾電池のパッケージなど、文字を含む工業製品を描くのは、バランスと細やかさが必要なので、難しい。お気に入りで少しずつ練習を重ねようと思う。

百貨店の紙袋を折り畳んで作った紙箱に、ビールやラムネやリキュールの空瓶が数本保管されている写真。写真は箱の真上から撮影されている。ラムネの水色の空瓶と、SUNTORY PREMIUM SODAの透明な空瓶が写っている。

各教室で集められていたモチーフは、手のひらを超えるサイズの大きなものが多かった。大きいモチーフの方が細部までよく見えるため、デッサンした際に描きやすいのだと思う。私は保管スペースを重視して、小さめのモチーフばかりを集めている。

モチーフの保管場所は、箱の形になるよう折り畳んだ百貨店の紙袋の中。このままの状態で深さのある引き出しに仕舞っている。木箱や紙箱の方が良さそうかと思ったが、紙袋の方がスペースを可変的に変えられるので、当分紙袋のままで利用することにした。

ドクターマーチン カラーインクの収納・保存方法

ドクターマーチンのカラーインクの本数が増えてきたので、保管方法を再検討した。

  • ドクターマーチンの美しい色合いを常に手軽に楽しめる
  • どの色がどこに入っているかすぐ分かる
  • 持ち運びが楽
  • 10年以上長期保存ができる

の4点を必ず満たしたいと考えた結果、ボタン留めがついた厚手の透明ビニールに、瓶を重ねず保存する方法に落ち着いた。

色とりどりのドクターマーチンのカラーインク20数本を、透明の厚手ビニール袋に収納し、正面から撮影した写真。背景は灰色のカーペット。写真上部に青系のドクターマーチンが収められ、写真下部に赤・ピンク・オレンジのドクターマーチンカラーインクが整然と収納されている。

使用した透明ビニールの袋は、元々は市販の水彩絵具が入っていたものや、カーテンが保管されていたものをはさみで切って加工した。
ビニールは、厚手で、大きさが手ごろで、片手で開閉できるボタンがついていたことが、採用の理由。

カーテンが入っていた方のビニール袋は、袋の下部をはさみで切り取り、底をビニールテープで留めて使用している。カラーインクはガラス瓶入りで重いため、早々に底が抜けるかなと危惧したが、特に問題なかった。

ドクターマーチンは光に弱く、太陽光や蛍光灯の光に長時間晒すと色が退色してしまう。そのため、普段はこの状態で、直射日光や蛍光灯の光が入らない引き出しに保管している。

ドクターマーチンカラーインクのうち、赤系オレンジ系のインクを、透明なビニースケースに入れて保管してある写真。6本のインクは全て直立しており、「ORANGE」「CRIMSON」などと書かれたラベルが貼られている。背景は焦茶色の木机。

↑ カラーインク暖色系セット。

クターマーチンカラーインクの赤系オレンジ系のインクを立てて並べ、透明なビニースケースに入れて保管している様子を撮影した写真。インクのボトルは全て裏面を向いており、透明なガラスボトルを通じて、赤やオレンジなどの色がよく見える。背景は焦茶色の木机。

↑ 暖色系セット(裏面)

カラーインクに限らず、画材は原則として色別に収納。カラーインクよりはるかに本数の多い色鉛筆が、この収納方法で効果を上げていることもあって、ドクターマーチンカラーインクでも色別収納を採用した。
 → 色鉛筆の保管方法の詳細については、こちらの記事へどうぞ

透明ビニール袋に収納したドクターマーチンのカラーインクを撮影した写真。ビニール袋のおもて面と、裏面が写っている。袋のおもて面には、「ROSE MADDER」「CYCLAMEN」などのラベルが貼られ、赤や紫やピンクのインクが収められた瓶が入っている。袋の裏面には、黄色い幅広のテープが貼られている。

ドクターマーチンは瓶がガラス製なので、落下や衝撃にも弱い。瓶同士・画材同士が衝突して割れてしまわないよう、落下や衝撃の少ない場所に保管した方がいい。
また、ドクターマーチンには、プラスチック製の容器に入ったドクターマーチンカリグラフィーというラインナップもある。落下や衝撃のリスクが高い場所で使われるなら、ドクターマーチンカリグラフィーもおすすめできる。
 →ドクターマーチンカリグラフィーの詳細については、こちらへ

時折カラーインクをこの透明ビニール袋ごと取り出して来て、光に透かして眺めるのが、至福の時間(笑) ドクターマーチンカラーインクは、何年眺めて続けても、色鮮やかで透明度も高く、瓶もインクも見飽きることがない。

購入から20年近く経過した古株なインクもあるが、新入りと変わらぬ美しさを保ってくれており、有難い限り。自分の描く絵も、ドクターマーチンインクの変わらぬ美しさと存在感を、見習いたいものだと思う。

水彩色鉛筆 48色セット(ファーバーカステル社)

水彩色鉛筆は、気が向いた時にすぐ描き始められる手軽さが大きな魅力。

水彩色鉛筆とは

色鉛筆画と水彩画の両方の表現ができる色鉛筆。色鉛筆として描いた後、上から筆で水を塗ると、鉛筆の芯に含まれる顔料が溶け、水彩絵具で描いたような雰囲気の絵になる。
芯をカッターで削り、パレットの上で水と混ぜて水彩絵の具として使うこともできる。

芯の硬さはやや硬め(H鉛筆くらいの硬さ)だが、姿かたちは普通の色鉛筆と見分けがつかない。

↓ 管理人が使用している水彩色鉛筆セット。
セットには消しゴム・HB鉛筆・鉛筆削り・プラスチック筆が付属してくるが、私はセットの付属品を全て取り除き、代わりに愛用の練り消しゴムを保管している。
50本近い水彩色鉛筆(ファーバーカステル48色セットと他のメーカーの水彩色鉛筆)が赤い金属製の入れ物に収納されている。入れ物の右端には、白い練り消しゴムと橙色の軸のH鉛筆も置かれている

水彩色鉛筆の使い方

よく使われる描き方を、ごく簡単に説明。

↑ 水彩色鉛筆と水だけで、これだけ表現が変わる

① 普通の色鉛筆と同じように、白い紙に塗る。(=普通の色鉛筆と同じ使い方)
 強く描けば、濃さもそれなりに変化をつけることができる。

② 普通の色鉛筆と同じように塗った後、水を含ませた筆で上から軽くなぞり、水彩色鉛筆で描いた跡を滲ませる。
 色鉛筆の筆跡を残しつつ、水彩絵具特有の透明感が出るので、最も水彩色鉛筆らしい使い方だと思う。

③ 水彩色鉛筆で線を引いた後、水でぼかす。(=色鉛筆が先、水が後)
 水彩色鉛筆の粉が水に溶け、線は淡くぼんやりとした色合いになる。

④ 水を含ませた筆でかるく塗った後に、上から水彩色鉛筆で書く。(=水が先、水が色鉛筆)
 水彩色鉛筆の粉がよりたくさん水に溶け、線は輪郭がぼやけつつも色あざやかな雰囲気に。

ファーバーカステル社の水彩色鉛筆を白い紙に試し書きしている写真。山吹色・肌色・赤・深緑・水色・青の色鉛筆が並んでいる。

↑ ファーバーカステル社の水彩色鉛筆で試し書き

ファーバーカステル水彩色鉛筆を使用した感想

鉛筆と同じ使い方ができる

鉛筆デッサンを嗜んで早十数年。相変わらず「I Love 鉛筆」でそれ以外の画材に見向きもしなかったが、ある時絵画教室のT先生が、水彩色鉛筆をお貸し下さった。
先生曰く、普段通り鉛筆デッサンした後に水彩色鉛筆で色を付けて筆で水を塗ると、絵の趣が変わって面白いですよ、とのこと。

ファーバーカステル・ステッドラー・SWISS COLORの水彩色鉛筆が、25本程度赤い容器に整然と格納されている写真。写真は色鉛筆のすぐ近くで撮影されており、「STAEDTLER」「FABER-CASTELL」「SWISS COLOR」などのロゴが各色鉛筆に印字されているのが見える。

描き始めてみると、色鉛筆も鉛筆の仲間なので、普段とほぼ同じ調子で描き進めることが出来た。異なっていたのは、物の色に応じて鉛筆を持ち替える必要があることくらい。

油絵のように慣れない油や油絵具の扱いに困ることもなく、水彩絵具のように絵具と水分の割合や勝手気ままに滲む色たちに気を張る必要もなく、パステルのように細かい描き込みを諦めることもなかった。
ただ純粋に、形と色を追い求めることに集中できた。描き間違えてもある程度まで消しゴムで消すことができるので、思い切った表現を試すことも可能。

色鉛筆の色のバリエーションには注意が必要

今回購入したファーバーカステル社の48色セットは南国の色彩のようなあざやかな色が多く、このセットのみで落ち着いた色合いを追求するのが難しかったため、地味色や淡い色を1本ずつバラ買いで買い足した。上記の写真も、ファーバーカステル・ステッドラー・SWISS COLORと、3種類のメーカーの水彩色鉛筆が混ざっている。

絵画教室の先生曰く、色鉛筆のみで満足に描こうと思うと100色(!)程度必要、とのこと。資金に余裕のある希少な方は、60色程度のセットを最初に購入すると、描いている最中に「使いたい色がない」と気づくことが少なく、楽だと思う。(お財布的には辛いが…)

STEADLER社の水彩色鉛筆で白い紙に試し書きした写真。淡い黄色・淡い緑・深い赤の3色が並んでいる。

↑ 後日買い足した水彩色鉛筆。淡い色や混色しづらい色が多い。

私の場合、A4サイズくらいのキャンパスを色鉛筆48色のみで描き進めようとすると、「色が足りない」と感じたことが2~3回あった。不足するのは、うずら卵の淡いベージュ色だったり、コーラの瓶の淡く透明な緑だったりと、描くモチーフによって欲しい色は違った。
 → 水彩色鉛筆で描いたコーラの瓶の絵

買い足す余裕がない方は、2~3本水彩色鉛筆の芯を削り水を混ぜて水彩絵具にして使ったり、通常の油性色鉛筆と併用したりと、工夫できる余地はそれなりにある。

私は水彩色鉛筆を水彩というより色鉛筆として使うことの方が多かったので、水彩色鉛筆と普通の色鉛筆を区別せず使用することにした。水を多用しないのであれば、こうした荒っぽい描き方でも、問題なく創作活動が出来ると思う。

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水筆について

水彩色鉛筆ならでは(?)の画材に、「水筆」というプラスチック製の筆がある。

水筆は、筆の先が白く、軸の部分がまるく大きく膨らんでいる。筆を捻って軸の部分を取り外し、水道水を入れておくと、しばらく水を溜めておくことができ、必要な時にいつでも筆から水を出せる。
キャンバスに水筆で下塗りしたり、水彩色鉛筆を水で溶かしながら塗ったり、といった調子で使える。

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ただ個人的には、製作時に水筆は不要ではないか、と思っている。過去に何度か水筆を利用したが、

  • 筆に含ませる水の量を、うまく調節できない
  • 顔料を溶かすという水筆の性質上、どうしても白い筆先が汚れてしまい、結局頻繁に水筆を洗う羽目になる
  • 筆先が慢性的に汚れてしまうと、買い替えが必要

等の短所が克服できず、結局使わなくなってしまった。現在は水彩画の時と同様、水の入った小瓶と水彩筆で代用している。

水筆の購入を検討されている方は、上記のポイントを踏まえた上で、ご利用を検討下さい。

「色彩検定2級問題集」ヒューマンリソシア

色彩検定2級に合格した際に使用した問題集。
 → 色彩検定2級の勉強方法についてはこちらへ

「色彩検定2級問題集」について

「色彩検定公式テキスト2級編」とほぼ同じ章立てになっており、公式テキストの第1章が問題集の第1章に対応している。
それぞれの章が、
 1. 知識のまとめ (=インプット)
 2. 問題演習   (=アウトプット)
の2つに分かれている。

インプットは、公式テキストの半分ほどの分量にまとめられているので、時間のない方は公式テキストではなくこちらの問題集のまとめを読むだけで、要点を学ぶことができる。

問題演習のページに掲載されている設問の量が非常に豊富で、各章に対して大問3~15問ほど用意されている。問題はBASIC(基本問題)・通常レベルの問題・POWER UP(応用問題)の3つのレベルに分かれており、自分の学習進度に応じて解く問題の難易度を調整することができる。

「色彩検定2級問題集」を使用した感想

色彩検定2級を受験されるのであれば、問題集は1冊あった方が良いと思う。私も色彩検定3級受験時は特に問題集を用意しなかったが、2級ではきちんと準備した。とは言っても、2冊も3冊もトライする必要はなく、1cmを超える厚さのものが1冊あれば十分。

アウトプットを重視する人にはおすすめ

掲載されている問題量は、十分すぎるほど多い。むしろ、試験本番までにすべて解こうとすると、時間が足りなくなり焦ると思う(笑) 苦手分野を集中的に潰したい方や、とにかく問題に慣れたい方、インプットよりアウトプットを重視する方にはおすすめできる。

掲載されている問題も、実際の本試験に出題されたものと良く似ていたので、本試験ではあまり緊張せずに解き進めることが出来た。

知識と暗記が中心の問題集

どちらかというと、色彩知識の暗記に偏った問題集だと思う。知識は十二分に身につくがが、思考力や応用力は身につきにくいため、色彩検定の試験が苦手な方はこの1冊だけで本番に臨むのは少し危険かな、と感じた。

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「きたのじゅんこ 水彩色鉛筆画入門 魔法のテクニック」(きたのじゅんこ 著)

きたのじゅんこさんご自身が、きたのさん風の幻想的な描き方を教えて下さる(!)本です。

「水彩色鉛筆画入門 魔法のテクニック」の説明

きたのじゅんこさんは、子供や天使をモチーフに、柔らかで幻想的な絵を描かれる人気画家さんです。

この本は水彩色鉛筆の種類や紙の選び方といった水彩色鉛筆の基本から、ハッチング(線を重ねる)やパウダリング(色鉛筆を削って粉でぼかす)など水彩色鉛筆でよく使わられる絵画の技法に加え、きたのさんが実際に描かれる際の作業手順や、あの幻想的で美しい絵の描き方までを伝授して下さいます。

本書の後半で、学んだことの総まとめとして、下書きから仕上げまできたのじゅんこさんが描く際の工程を、1つ1つ写真付きで解説されています。

「水彩色鉛筆画入門 魔法のテクニック」の感想

私の一番の驚きは、「きたのさん、水彩色鉛筆使われてらっしゃるんだ!」という点でした(笑) 
きたのさんの絵は繊細で、画面の細部に至るまで非常に丁寧に仕上げられており、水彩特有の粗さや色ムラとは無縁のように思っていたので、本当に驚きました。

本を読み進めてみると、水彩の特徴を効果的に用いつつも、作業工程や描き方がとても丁寧です。主に画面の下塗りに水彩を用い、色鉛筆の特性を生かして仕上げをされるので、キャンバス全体の統一感も出ますし、細部も細かく描き込み仕上げることができるようです。

また基本技法を指導して下さっているところで、ごく小さな絵を下書きから仕上げまで指導してくださっている箇所があるのですが、どんな小さな絵でも、きたのさんの絵はきたのさん風でした(笑) セピア色のろうそくや蒼く輝く水晶など、雰囲気が柔らかく穏やかで、絵全体からあたたかみを感じます。

大きな紙での大作を描くのは私達素人には難しく感じますが、手のひらサイズの紙にろうそくの絵なら、何だか描けそうな気がしませんか? こんな感じで描いてみたい、そんな気にさせてくれる本でした。

「旅先で楽しむ3段階早描きスケッチ」(佐々木清 著)

水彩の特徴を生かし、透明感のある水彩画を30分で描き上げるコツが身につく本だった。

「旅先で楽しむ3段階早描きスケッチ」の説明

透明水彩・鉛筆・木炭を使い、下絵から着彩終了までわずか30分(!)で仕上げてしまうという、画期的な水彩画の描き方が紹介されている本。

下絵5分→陰影5分→着彩20分の各作業工程が、豊富な写真と著者直筆の水彩画を用いて解説されている。スケッチブックの選び方など、使用画材に関しても丁寧に言及されていた。

「旅先で楽しむ3段階早描きスケッチ」の主観的学び

・下絵:
  大枠・骨組みから描く、細部は後回し
  線は曲がっている方が味がある
  消しゴムは使わない

・陰影:
  木炭と擦筆で一気に陰影をつける

・着彩:
  時間が取れる時に。ホテルでゆっくり仕上げるのも良  
  色は先に混ぜ合わせておく。水を刷いた後、一度に複数の色を乗せていく
  2色以上を混ぜ合わせると、色彩が落ち着く
  水を刷く → 数色を一度に画面全体に乗せる → 細部に色を乗せる

「旅先で楽しむ3段階早描きスケッチ」を読んだ感想

この本を読み始めたのは、早描きがしたかったからというより、掲載されていた水彩画がみずみずしく美しかったからだ。
水彩は数ある画材の中でも扱いが難しく、自在に操るのに技術を要するので、水彩画の書物を選ぶ時は説明の上手さや中身よりも、表紙や中の「絵が美しいか」を基準に選んでいる(笑)

だが、美しい水彩画を眺めながら楽しく読み進めるうちに、描くスピードを早めるコツも学ぶことができた。

絵を、特に水彩画のような準備や手順に手間のかかる絵を、短時間で描き上げるには、押さえておくべきポイントがあるようだ。
「細部にこだわらず画面全体の構成を優先させる」「太めの木炭で陰影をつける」「画面全体に水を刷き、複数の色を同時に乗せていく」など、「なるほど!」と思わず唸る知恵がこの本には溢れていた。

特に興味深かったのは、複数の色を同時にキャンバスに乗せる方が、色彩のグラデーションが美しくなるという記述。
掲載されている著者の絵がその事実を裏付けており、黄色(壁)・紫(屋根)・茶(大地)・緑(木々)が調和を乱すことなく、穏やかなグラデーションになっているのが印象的だった。

本業の仕事を持ちながらも絵を描き続けたい方にとって、描く時間を日々捻出するのは、難しいことだと痛感している。が、その難問に対する解の1つが、こうした本になるのではないか、と感じた。

絵のクオリティも描く楽しさも手放さず、かつ仕事や家庭と両立されたい方にとっては、役立つアドバイスを与えてくれる良書だと思う。

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